menu前ページTOPページ次ページspace.gif

キマダラセセリの幼虫 2006/07/26(その1)
 アズマネザサの葉っぱに糸をかけ、葉っぱを縦に折りたたんで巣にしている幼虫を見かけた。
 この幼虫は、顔の模様からキマダラセセリであることがわかる。

 幼虫が吐き出す糸には縮んでいく性質があるのか、一カ所で何度も糸吐きを繰り返していくうちに、葉っぱがしだいに合わさっていく。
 巣造りは葉っぱの先端部からはじまり、最後には一枚の葉っぱのほぼ全体が、折り畳まれることになる。その巣トンネルは、幼虫の体長よりか数倍も長い。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

セスジスズメの幼虫 2006/07/26(その2)
 ある方から、セスジスズメの幼虫をいただいた。
その幼虫は、家庭菜園のサトイモの葉を暴食していたそうで、過去には駆除されたこともあるそうだ。

 セスジスズメの幼虫は、街中のつる草、ヤブガラシなどでよく見かけることがある。しかし、サトイモの葉っぱも食べることを私は初めて知った。家庭菜園などはけっこう気に掛けて見ているが、普段からサトイモだけは注目してなかったせいだと思う。

 それにしても眼玉模様のような紋様が並んだ姿は、まるで妖怪そのものだ。案外、昔の人はこういう幼虫を想像力を逞しくして見ていたことだろう。そして、いろんな奇抜な妖怪の存在を怖がったり、楽しんだりしていたに違いない。

 さて、このセスジスズメ幼虫を私に引き合わせてくれた方は、家庭菜園を楽しまれているおばさまだが、以前なら駆除していたものの、私のささやかな影響を受けられてから、この「キモイ芋虫」を、なんとも神秘的で不思議な生命として、眺める楽しみを見出されたようであった。

(EOS-5D  マクロ100ミリ)

新開 孝

宮崎は夏晴れ 2006/07/25
 今朝は、クマゼミのにぎやかな合唱で目が覚めた。

 朝から気温はぐんぐんと上昇し、いっそうクマゼミの鳴き声も凄まじくなる。クマゼミのオスをさっそく撮影してみたが、ほんとうに久しぶりに青空を背景にした写真となった(写真上)。
 これまで、どれだけ青空背景の写真を撮りたかったことか!

 さて、いよいよ本日は、三股町の新居=我が家を引き取る、最後の現場確認であった。
 空には大きな入道雲が出て、どうやら宮崎は梅雨もほぼ明けたのではないか、と思えるほどの好天。そして、蒸し暑い!!

 先月、我が家(もう、「我が家」と胸をはって言えるようになった)の外壁で見たコガネグモ2匹は、いずれも大きな卵のうをこしらえて健在。これは嬉しい。このような大型のクモが敷地内で繁殖するということは、ここに棲息する、あるいは出入りする昆虫がいかにも多いことを物語っている。

 台所の窓では、大きなアシダカグモもいたし、家の外壁の地際には無数のツマグロヒョウモン蛹がぶら下がっている。屋内にはウシアブやクロヒカゲや、シオカラトンボなど、薮と間違えて飛び込んでくる昆虫は数知れず。お化け屋敷ならず、まさに昆虫屋敷と言える(写真中)。

 で、私の仕事部屋、そしてそこへ連結するスタジオの配置なども、だいたい構想が決まってきた(写真下/庭からの展望、霧島山系が見える)。


(写真上/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真中、下/E-330 魚眼8ミリ)

新開 孝

宮崎のクマゼミ 2006/07/24
 今日は宮崎に来ている。
東京は小雨で気温も低めだったが、ここ宮崎は31度を越す蒸し暑さだ。久しぶりに陽射しも出てきた。

 街中を歩いてみると、クマゼミやアブラゼミもにぎやかに鳴いている。やはり南国、九州だ。
 宿泊先の叔父の家の庭や周りの植え込みには、無数のクマゼミ抜け殻があった(写真上)。
 シャワ、シャワ、シャワ、とクマゼミの力強い鳴き声を聞いていると、夏はいいなあ、と思う。やはり、私は生まれも育ちも四国だからかもしれない、そんな気がした。

 今年は宮崎には、もうこれで5回目となる。
旅先にいるというよりか、なんだか心落ち着く土地というほうが、ふさわしいくらいだ。はやく引っ越してきたいと思う。新開 孝

キチョウ 2006/07/23(その1)
 東京近辺での今頃のキチョウは、卵、幼虫、蛹、成虫と、ほとんど全てのステージが見られる。

 今日は、室内作業が忙しい中、裏の草地で少しだけ撮影してみた。ヒメジョオンの花にはいろいろ昆虫が来ていたが、キチョウは吸蜜にとても執心していた。このところの雨続きで活動が押さえられていたせいだろうか。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

新開 孝

ヒゲナガカメムシ 2006/07/23(その2)
 エノコログサの穂を見ていると、たくさん群がっている細長いカメムシがいる。エノコログサの種子から吸汁したり、交尾したりとにぎやかだ。

 本種はナガカメムシ科のヒゲナガカメムシと思われる(よく似た種ではクロスジヒゲナガカメムシがいる)。

 で、前々から気になっていたのが、彼らの前脚である。前脚の腿節が太くなっており、まるでポパイの腕みたいなのだ。しかも、よく見るとその太い腕には刺が並んでおり、それはまるでカマキリの前脚なのである。

 しかしながら、ヒゲナガカメムシはベジタリアンのようであり、そのごっつい前脚で獲物を狩るわけではないようだ。
 が、ほんとうにそうであろうか?
 ごっつい前脚は、一体何に使うというのであろうか?

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

オンブバッタ幼虫 2006/07/23(その3)
 ツユクサでオンブバッタの幼虫が佇んでいた。

 昆虫の仕草のなかで、人の目から見れば、ただ佇んでいるだけにしか見えないことはけっこう多い。彼らのじっと動かない技?には、禅僧も叶わないだろう。

 さて、オンブバッタ幼虫の顔を正面から見る限り、しかも肉眼のレベルで判断するかぎり、すでにして成虫と変わらないかのように見える。
 しかし、視点を変えて背面から見てみれば、まだ翅は生えてなく、やはり幼虫であることがはっきりする。

(E-500   マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

カメムシ幼虫、2種 2006/07/22(その1)
 明るい草地のクズを見てみた。ヒメコガネやマメコガネがクズの大きな葉っぱに無数の虫食い痕を残している。このコガネ類の撮影は、けっこう難しい。なぜなら彼らの体表面の光沢感を出すのは意外と厄介である。

 で、もう少し別の昆虫を探してみると、まずはホシハラビロヘリカメムシの幼虫(写真上)、とマルカメムシの幼虫(写真中、下)が見つかった。
 いずれもクズ上で生まれ育つカメムシで、どこにでもいるカメムシだ。

 マルカメムシの成虫は茶色でツヤツヤの体をしているが、幼虫の方は毛深い。その毛深さは、クズの茎に生えた毛にも紛れて、うまく隠蔽擬態となっている。

 ホシハラビロヘリカメムシもマルカメムシも、成虫となれば、体の色が茶褐色の地味な姿となってしまい、なんとも惜しい気がする。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ニイニイゼミの羽化殻 2006/07/22(その2)
 ニイニイゼミの鳴き声は、ずいぶんと前から聞こえている。まずはこのニイニイゼミの鳴き声から夏は始まる。そしていいかげんに、梅雨も終わって欲しいところだが、、、。

 さて、ニイニイゼミの羽化殻は、他のセミのものと違って、全身泥まみれであり、小柄でまるっこい体型からも、ニイニイゼミの抜け殻はすぐに覚え易い。

 だからこうして強い逆光で見てみると、泥のついたところは光が綺麗に抜けないということがわかる。そんな面倒なことをしなくても、順光で見れば良いのであるが、、、。

 しかし、この泥はどうしてニイニイゼミだけに着くのだろうか?すぐ近くで見つかるヒグラシやアブラゼミでは、泥は着いていないから、幼虫が潜んでいた土の状況だけでは説明がつかないと思える。
 ニイニイゼミ幼虫の体の表面が、泥のつき易い構造となっているのではないだろうか?

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

マメコガネ 2006/07/21
 雨に打たれながらも、エノコログサの穂上で踏ん張っているマメコガネがいた。

 雨滴があまりにも負担となってくると、さすがに後ろ脚でその水滴をはじき落としてはいた。しかし、そうかと言ってどこかへ雨宿りする気もなさそうに見えた。


(E-330 ズイコーデジタルマクロ50ミリマクロ)


 『親子で楽しむ図書館子ども科学講演会』

 今月、27日に小平市の小平東部市民センター集会室で、「虫たちのふしぎ」という題目の講演会が催される。
 この小平東部市民センターは、花小金井図書館や市役所の主張所などが入っている、複合施設である。

 また今回の講演に併せて、先に小平市中央図書館で私の写真展も開催される。この写真展は8月いっぱい開催されるそうだ。
 プリントはA3サイズで小さいが、すべて私がプリントアウトした。今回の企画は撮影シーズン真最中の多忙な時期でもあり、時間の制約もあって、写真展用に選んだ写真の多くは、以前、新宿のコニカプラザでの個展と同じものとなった。
 しかし、いくらかは新作のデジタル写真に差し替えてある。

 新開 孝

今日のヒメカマキリモドキ 2006/07/20(その1)
 先週あたりに数匹のヒメカマキリモドキが羽化した。

 羽化した成虫たちが育った「ゆりかご」は、ヤマトコマチグモの産室内である。以前には、マミジロハエトリの産室内からヒメカマキリモドキの繭や幼虫を見つけたが、それは6月半ばであった。
 ヤマトコマチグモの産卵ピークは、マミジロハエトリよりか2週間ほど遅れており、したがってクモに宿っていたヒメカマキリモドキ1令幼虫たちが卵のうへ移動するタイミングもその分遅くならざるを得ない。

 その遅組の幼虫たちが育って羽化した成虫が、今、私の部屋で数匹過ごしているわけである。
 
 こうして、ヒメカマキリモドキの成長にはクモの産卵時期が大きく影響するので、当然ながらヒメカマキリモドキ成虫の発生時期も取りついた相手のクモの種類によって、大きく変動することとなる。
 
 そうなると、心配しなくてはならない一番の問題は、オスとメスの出会いがどこまで保証され得るかという点であろう。じつは、ヒメカマキリモドキの特にオスの寿命は短くて、せいぜい10日間前後である。
 6月半ばから、だらだらと11月ころまで発生時期が長くあるのであるが、その間に運良くオスとメスが出会える確率は、極めて少ないように思われる。
 ただし、できるだけ同じ種類のクモに多数、宿るという戦法が成功すれば、その問題はいくらか解消できるはずだ。実際、同じ種類のクモの卵のうを見ていけば、狭い範囲で寄生率がけっこう高い場合が多いのである。

(EOS-5D  マクロ65ミリ)
新開 孝

アケビコノハ幼虫、蛹部屋をつくる 2006/07/20(その2)
 アケビの葉を食べて育ったアケビコノハ幼虫が、蛹部屋(写真上)に籠った。

アケビの葉を3、4枚綴って、その中に納まったのである。葉っぱの綴り糸の掛け方は粗くて、蛹部屋の中は密閉空間ではない。

 蛹化するのがいつ頃になるのか、気にかかるので目が離せない。

(EOS-5D  マクロ100ミリ)新開 孝

?スズメガ幼虫、土中にて前蛹となる 2006/07/19
 7/14にノブドウで見つけた幼虫は、クルマスズメかブドウスズメのいずれかであろうと思われた。

 その幼虫は餌のこともあって、先日の新潟行きには連れ歩いたのである。とにかく幼虫を無事育てて、成虫の姿を見ない事にはクルマかブドウかの結論を出せないのである。こういうところが昆虫との付き合いで生じる面白さであり、餌の補充の苦労を背負い込む点がスリリングでもある。

 新潟の胎内市で移動中にノブドウが見当たらずどうしたものかと思っていたところ、同行の森上さんが「これブドウ科ではないですか?」と見つけてくれたのが、ヤマブドウの大きな葉っぱであった。さっそく幼虫に与えてみれば、これをよく食べてくれた。
 そして17日、胎内市滞在最終日には、幼虫の体色もくすんで変色し、蛹化が近いことが窺えた。

 うちへ戻ってから、土の入ったケースに幼虫を移してみれば、今日には蛹室の中でしっかり前蛹となっていた。前蛹は体を大きくくねらせて、蛹室の空間を穿つのであり、吐く糸はごくわずかである。
 
 多くの蛾類では、蛹になる前に繭を糸で紡ぐのであるが、このスズメガ類の幼虫のように、繭作りを簡略化してしてしまった種も少なくはない。

(EOS-5D    マクロ100ミリ)新開 孝

メバエの一種 2006/07/18
昨日、新潟県胎内市の海浜で見つけたオレンジ色のメバエは、今日になって体の色が変わっていた。

 やはり砂浜で見つけたときの本種は、まだ羽化後間もない個体であったようだ。そして時間が経つにつれ、体色の色素が浮き出てきたわけである。

 本種の種名を少し調べてみたが、まだわからない。


(E0S-5D  マクロ65ミリ)新開 孝
menu前ページTOPページ次ページspace.gif
Topics Board
ホーム | 最新情報 | 昆虫ある記 | ギャラリー | リンク | 著作紹介 | プロフィール