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カメムシ幼虫、2種 2006/07/22(その1)
 明るい草地のクズを見てみた。ヒメコガネやマメコガネがクズの大きな葉っぱに無数の虫食い痕を残している。このコガネ類の撮影は、けっこう難しい。なぜなら彼らの体表面の光沢感を出すのは意外と厄介である。

 で、もう少し別の昆虫を探してみると、まずはホシハラビロヘリカメムシの幼虫(写真上)、とマルカメムシの幼虫(写真中、下)が見つかった。
 いずれもクズ上で生まれ育つカメムシで、どこにでもいるカメムシだ。

 マルカメムシの成虫は茶色でツヤツヤの体をしているが、幼虫の方は毛深い。その毛深さは、クズの茎に生えた毛にも紛れて、うまく隠蔽擬態となっている。

 ホシハラビロヘリカメムシもマルカメムシも、成虫となれば、体の色が茶褐色の地味な姿となってしまい、なんとも惜しい気がする。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ニイニイゼミの羽化殻 2006/07/22(その2)
 ニイニイゼミの鳴き声は、ずいぶんと前から聞こえている。まずはこのニイニイゼミの鳴き声から夏は始まる。そしていいかげんに、梅雨も終わって欲しいところだが、、、。

 さて、ニイニイゼミの羽化殻は、他のセミのものと違って、全身泥まみれであり、小柄でまるっこい体型からも、ニイニイゼミの抜け殻はすぐに覚え易い。

 だからこうして強い逆光で見てみると、泥のついたところは光が綺麗に抜けないということがわかる。そんな面倒なことをしなくても、順光で見れば良いのであるが、、、。

 しかし、この泥はどうしてニイニイゼミだけに着くのだろうか?すぐ近くで見つかるヒグラシやアブラゼミでは、泥は着いていないから、幼虫が潜んでいた土の状況だけでは説明がつかないと思える。
 ニイニイゼミ幼虫の体の表面が、泥のつき易い構造となっているのではないだろうか?

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

マメコガネ 2006/07/21
 雨に打たれながらも、エノコログサの穂上で踏ん張っているマメコガネがいた。

 雨滴があまりにも負担となってくると、さすがに後ろ脚でその水滴をはじき落としてはいた。しかし、そうかと言ってどこかへ雨宿りする気もなさそうに見えた。


(E-330 ズイコーデジタルマクロ50ミリマクロ)


 『親子で楽しむ図書館子ども科学講演会』

 今月、27日に小平市の小平東部市民センター集会室で、「虫たちのふしぎ」という題目の講演会が催される。
 この小平東部市民センターは、花小金井図書館や市役所の主張所などが入っている、複合施設である。

 また今回の講演に併せて、先に小平市中央図書館で私の写真展も開催される。この写真展は8月いっぱい開催されるそうだ。
 プリントはA3サイズで小さいが、すべて私がプリントアウトした。今回の企画は撮影シーズン真最中の多忙な時期でもあり、時間の制約もあって、写真展用に選んだ写真の多くは、以前、新宿のコニカプラザでの個展と同じものとなった。
 しかし、いくらかは新作のデジタル写真に差し替えてある。

 新開 孝

今日のヒメカマキリモドキ 2006/07/20(その1)
 先週あたりに数匹のヒメカマキリモドキが羽化した。

 羽化した成虫たちが育った「ゆりかご」は、ヤマトコマチグモの産室内である。以前には、マミジロハエトリの産室内からヒメカマキリモドキの繭や幼虫を見つけたが、それは6月半ばであった。
 ヤマトコマチグモの産卵ピークは、マミジロハエトリよりか2週間ほど遅れており、したがってクモに宿っていたヒメカマキリモドキ1令幼虫たちが卵のうへ移動するタイミングもその分遅くならざるを得ない。

 その遅組の幼虫たちが育って羽化した成虫が、今、私の部屋で数匹過ごしているわけである。
 
 こうして、ヒメカマキリモドキの成長にはクモの産卵時期が大きく影響するので、当然ながらヒメカマキリモドキ成虫の発生時期も取りついた相手のクモの種類によって、大きく変動することとなる。
 
 そうなると、心配しなくてはならない一番の問題は、オスとメスの出会いがどこまで保証され得るかという点であろう。じつは、ヒメカマキリモドキの特にオスの寿命は短くて、せいぜい10日間前後である。
 6月半ばから、だらだらと11月ころまで発生時期が長くあるのであるが、その間に運良くオスとメスが出会える確率は、極めて少ないように思われる。
 ただし、できるだけ同じ種類のクモに多数、宿るという戦法が成功すれば、その問題はいくらか解消できるはずだ。実際、同じ種類のクモの卵のうを見ていけば、狭い範囲で寄生率がけっこう高い場合が多いのである。

(EOS-5D  マクロ65ミリ)
新開 孝

アケビコノハ幼虫、蛹部屋をつくる 2006/07/20(その2)
 アケビの葉を食べて育ったアケビコノハ幼虫が、蛹部屋(写真上)に籠った。

アケビの葉を3、4枚綴って、その中に納まったのである。葉っぱの綴り糸の掛け方は粗くて、蛹部屋の中は密閉空間ではない。

 蛹化するのがいつ頃になるのか、気にかかるので目が離せない。

(EOS-5D  マクロ100ミリ)新開 孝

?スズメガ幼虫、土中にて前蛹となる 2006/07/19
 7/14にノブドウで見つけた幼虫は、クルマスズメかブドウスズメのいずれかであろうと思われた。

 その幼虫は餌のこともあって、先日の新潟行きには連れ歩いたのである。とにかく幼虫を無事育てて、成虫の姿を見ない事にはクルマかブドウかの結論を出せないのである。こういうところが昆虫との付き合いで生じる面白さであり、餌の補充の苦労を背負い込む点がスリリングでもある。

 新潟の胎内市で移動中にノブドウが見当たらずどうしたものかと思っていたところ、同行の森上さんが「これブドウ科ではないですか?」と見つけてくれたのが、ヤマブドウの大きな葉っぱであった。さっそく幼虫に与えてみれば、これをよく食べてくれた。
 そして17日、胎内市滞在最終日には、幼虫の体色もくすんで変色し、蛹化が近いことが窺えた。

 うちへ戻ってから、土の入ったケースに幼虫を移してみれば、今日には蛹室の中でしっかり前蛹となっていた。前蛹は体を大きくくねらせて、蛹室の空間を穿つのであり、吐く糸はごくわずかである。
 
 多くの蛾類では、蛹になる前に繭を糸で紡ぐのであるが、このスズメガ類の幼虫のように、繭作りを簡略化してしてしまった種も少なくはない。

(EOS-5D    マクロ100ミリ)新開 孝

メバエの一種 2006/07/18
昨日、新潟県胎内市の海浜で見つけたオレンジ色のメバエは、今日になって体の色が変わっていた。

 やはり砂浜で見つけたときの本種は、まだ羽化後間もない個体であったようだ。そして時間が経つにつれ、体色の色素が浮き出てきたわけである。

 本種の種名を少し調べてみたが、まだわからない。


(E0S-5D  マクロ65ミリ)新開 孝

オレンジ色のメバエ 2006/07/17(その1)
 今朝は、胎内市の中条グランドホテルで朝を迎えた。

 空は相変わらず曇っているが、雨はほとんど止んでいる。

 さて、同行の森上信夫さんと私は、まずは「胎内昆虫の家」に赴き、そのあとに故・馬場金太郎先生の池を訪れてみた。ここは通称「馬場金池」とも言う。
 ハンノキの梢では、無数のミドリシジミ♂の乱舞を見る事ができた。昔のままにミドリシジミが多数いて、少し安心した。
 しかし、時間もあまり余裕が無いことと、私たちは日本海の海浜でハマベウスバカゲロウを撮影したいこともあって、早々と池を後にした。

 潮の香りは心地良いが、長雨でずっしりと固くなった砂浜を歩くのは、なんとも重苦しい気分となる。雨のせいであろうか、ハマベウスバカゲロウのすり鉢状の巣穴は痕跡程度しか見つからず、探索は難儀した。

 しかし、建物の庇下で森上さんが巣穴を発見。さっそく掘り起こしてみれば、お目当ての幼虫を見つけることができた。
 その幼虫の写真は明日にでもアップすることにして、これとは別に見つけたのが写真のアブである。

 全身、オレンジ色のメバエは、これまでに見た事が無い、変わり者。
前脚を交互に高く差し上げる仕草が、なんともまた奇妙であった。

 だが、このアブ、どうも怪しい。そこでとにかく、捕獲してみたのである。

 続きは明日に、、、、。


(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

トラフシジミの夏型 2006/07/17
 この一週間、ずっと雨続きという新潟県、下越の胎内市に来ている。
今朝もどんよりと低い雲が空一面を覆い、小雨が降ったり止んだりしている。
予報によればこの先、一週間も雨は止みそうにない。

昨日は朝一番に晴れ間も出て、ここ新潟県、胎内市での昆虫撮影も順調にスタートできるかと思われたが、朝食を済ませていざ出発というときに、またもや雨となった。
 一昨日は、群馬県側から関越トンネルを抜けたとたんものすごい土砂降りに見舞われたが、やはり天気予報どおりになってしまった。

とにかくそれでも奥胎内のブナ林へと出向き、傘をさしてマガタマハンミョウを探してみた。
雨のなかではほとんど活動しないのだろうか、結局マガタマハンミョウは見つからなかった。

来た林道を引き返しながら、ときどき雨が止んだ一瞬に車を止めては昆虫の姿を探してみるということを正午過ぎまで続けた。

雨が降る中、それでも花に来る昆虫はけっこう見つかる。特に目立つのがミドリヒョウモン。オスに混じってメスの姿も見られ、どの固体も新鮮できれいな翅をしている。

ほんのわずかな日射しがあると、すかさずトラフシジミが翅を広げて、日光浴を始めた(写真上)。

花には2,3匹のトラフシジミが訪れ、吸蜜に余念がない。


(写真上/E−330 8ミリ魚眼)
(写真中、下/E−500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)  
  写真、記事内容は昨日16日

新開 孝

ジョウザンミドリシジミのオス 2006/07/16
昨日から新潟県、胎内市に来ている。以前は北蒲原郡黒川村であったが、
昨年から隣町の中条町と合併して胎内市となったそうだ。

胎内川の奥、胎内ダムのそばで、ヒヨドリバナに来ていたジョウザンミドリシジミを見つけた。
よく見ると口吻が伸びていて、吸蜜をしているのを確認できた。

 (E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
新開 孝

コチャバネセセリの蛹部屋 2006/07/15
 4日前にクマザサで見つけたコチャバネセセリの幼虫巣は、食べ残されたササの細い主脈一本の先にかろうじて、ぶらさがっていた。直方形をした幼虫巣は周囲を糸で固く閉ざしてあった。

 幼虫巣のなかにはまだ幼虫の姿でいることを確認してから、ササの葉っぱごと持ち帰ってみた。そして一昨日あたり、細い主脈が切れていることに気付いたのである。
 どうやら幼虫が噛み切ったに違いない。

 そして今朝になって、その幼虫巣をそっと割り開いてみれば、すでにコチャバネセセリは蛹となっていたのである。
 つまりこのコチャバネセセリ幼虫は、ササの葉を折り畳んで作った巣で暮らしていたが、蛹化間近になって巣をササの葉から切断し、本来なら地上へと落下していたであろうと思う。

(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

スズメガ幼虫 2006/07/14
 ノブドウの蔓に大きなスズメガ類の幼虫がいた(写真上)。

 クルマスズメかブドウスズメのどちらかであろう。
 幼虫の体に触れようとしたら、頭をグイッと縮めた格好になった(写真中)。後胸部が外側に張り出したような体型であり、そこへ頭部が納まるように縮む。

 しばらく見ていると、今度は逆に頭部を思いっきり前方へと突き出し、体を反り上げるような格好となる(写真下)。

 なんとも見応えのある幼虫だと思った。

(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ナナフシ 2006/07/13
 マンションの灯りに惹かれてやって来たのだろう。玄関の壁に大きなナナフシの成虫が貼付いていた。

 マンションから一番近い林でも50メートルは離れている。そこからゆったりと歩いてきたのだろうか。車に轢かれることなくたどり着けたのは、深夜のことだったからだろうか。

 夜の林に出掛ければ、ナナフシがさかんに葉っぱを食べる姿を見る事が出来る。

(E-330 ズイコーデジタル8ミリ魚眼 )新開 孝

オナガミズアオの羽化 2006/07/12(その1)
 オナガミズアオの卵や幼虫は5月前半頃ハンノキで見つけたが、それが繭を紡いだのが6月末頃。

 そして数日前から次々と羽化が始まっている。ほとんどが午後7時以降の夜だったが、今日のは午後2時半ころから羽化が始まった。

 オナガミズアオの繭は、数枚の葉っぱを綴ってその中で紡がれる。繭がしっかりしてから外側の葉っぱを剥がすと、茶色の繭を見る事が出来る。繭は薄い油紙のようで、柔らかい。

 さて、羽化は繭のなかで蛹の殻を破ることから始まる。そして体前半分が自由になると腹部の伸縮と胸の筋肉を使って、グイグイと頭を繭壁に押し付けていく。押し付けながら口器のあたりから繭糸の軟化液を少し出すので、羽化口になる繭壁が濡れてくる。
 このとき脚も使って繭壁を破ろうともがくので、ガサゴソ、カリカリとたいへん大きな音を立てる。オオミズアオやオナガミズアオの羽化の始まりは、こうしてにぎやかな音でもって察知することができる。

(EOS-5D EFマクロ100ミリ 写真上/中)
(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン 写真下)

新開 孝
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