| 八王子市にある長池公園に赴いた。
来月3日、長池ネイチャーセンター主催の自然観察会があり、私は講師として参加するので、その下見に行ってみた。 ネイチャーセンターの担当の方やボランティアの方々など4名の方と一緒に歩いた。長池公園は里山環境の自然保全型の公園だから、整備されていても生物の豊かさを感じ取れる。 ちょうどホオノキの開花時期とあって、あの心地よい香りが漂ってきて、それだけでも気分が良い。
久しぶりに交尾中のアリスアブを見た(写真上)。今頃はちょうど羽化して出始めのころだ。アリスアブは名前のごとく、トビイロケアリの巣の中に幼虫が居候して育つという、変わった習性のハナアブ類。 アリスアブには体毛が金色と銀色の2タイプがあり、写真ではメスがゴールド、オスがシルバータイプだ。この体毛の色型は雌雄に関係なく発現する。
少し歩くと、今度はキンアリスアブが見つかった。こちらは体毛が全体に長く、幼虫が居候するアリの種類も、クロヤマアリを選ぶ。つまりアリスアブとキンアリスアブは同所的に棲息するが、宿主を違えて、すみわけているのである。
切った竹が積まれてある場所では、ベニカミキリのメスが見つかった(写真下)。上翅に黒い紋があるから、一瞬、ヘリグロベニカミキリに間違えそうになったが、ベニカミキリにもこういう黒点が出るようだ。逆にヘリグロでもこの黒点が消失する個体もあるようだから、上翅の紋だけで両種を区別してはいけないようだ。 それにしてもここ数年、昆虫の名前をどんどん忘れていくような気がする。花上にいたキイロアシナガコガネの和名がどうしても出て来なかったのには、ショック。もう私の脳内では老化現象が進行しているのだろう。ヨモギにつくヒメジンガサハムシの名前も出なかった。また、ツマキシャチホコの幼虫を、モンクロシャチホコと間違えてしまった。
東京で昆虫観察会の講師を務めるのは、この長池公園が最後となるだろう。観察会当日は、子供達をできるだけ楽しませてあげたい、と思う。
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