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シロスジショウジョウグモのお尻 2006/03/12(その3)
 シロスジショウジョウグモは体長3ミリ前後の小さなクモだが、体の紋様、色合いのせいで、よく目につく。

 このクモは「ある記」のバックナンバーでもかつて一度アップしたことがあるが、そのときには名前調べに苦労した。

 手元にある東海大学出版の『フィールド図鑑 クモ』に一応載ってはいるのだが、とても写真が小さいからである。しかも、シロスジショウジョウグモの正常型と呼ばれる個体は、黒い体色に白いすじ模様があり、図鑑にはそちらの写真が大きく出ている。今日の写真の個体は赤色フタホシ型と呼ばれているらしいが、とにかくその写真がほんとうに小さい。それは円網までも取り込んだ構図だから仕方が無いのであるが。

 にしてもこの赤色フタホシ型のシロスジショウジョウグモは、お尻が別の生きもののように見えて、楽しい。

(Nikon D200 45ミリ+接写リング パナソニックPE-28S使用)新開 孝

クワゴの卵と寄生バチ 2006/03/12(その2)
 昨年から見つけてあったクワゴの卵を、今日は久しぶりに覗いてみた。

 するとク寄生バチのクロタマゴバチ類の一種が卵の上に乗っていて、お尻を突き立てるような格好をしていた。ときおり触角で卵表面に触れてもいた。

 クワゴの卵は秋の頃産卵され、その卵の中では10日前後ですでに幼虫の体は出来上がっているはずだ。クロタマゴバチ類は卵の新鮮なうちに寄生産卵をするものとばかり思い込んでいたが、どうやら彼女らの生態事情はもっと複雑なようである。

(Nikon D200 45ミリ+接写リング ストロボSB-R200使用)新開 孝

チャイロキリガ 2006/03/12(その1)
 図鑑によれば本種は4月ころから現れるらしいので、時期的にはずいぶんと早いかもしれない。撮影場所はうちから3分とかからない中里の雑木林。

 ただし、チャイロキリガで正しいかどうかは、いささか自信が無いことをお断りしておこう。本種を過去に見たのは一度しかないからだ。
しかし、よく目立つ色合いで印象的だ。

(Nikon D200 DX10.5ミリ )新開 孝

ニワトコフクレアブラムシ 2006/03/11(その4)
 ニワトコの芽吹きがよく目立つようになった。
葉っぱを両脇に広げた花蕾の姿は、何か別の生きもののようだ(写真上)。

 芽吹きに近づいてよく見れば、ニワトコフクレアブラムシのコロニーがびっしりとついている(写真中、下)。芽吹きの勢いに同調するかのように、アブラムシも産めや増やせや、で頑張っている。いささか、ニワトコにとっては迷惑かもしれないが、このアブラムシたちを餌にする昆虫たちももうすぐやって来る。

 ニワトコが春に目覚めれれば、そこに複雑な昆虫たちのしがらみ生活も始まる。

(OLYMPUS E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

キブシ、開花する 2006/03/11(その3)
 先月の末訪れた宮崎県の綾町では、キブシがすでに満開であった。

ここ東京の清瀬市、中里の雑木林のキブシもようやく開花を始めた。開花期は宮崎に比べるとほぼ2週間遅れではないだろうか。

 キブシの花にはいろいろな昆虫が訪れるが、夜に飛来する蛾もまた面白い。新開 孝

ヒメカギバアオシャクの幼虫 2006/03/11(その2)
 近所のクヌギ林でヒメカギバアオシャクの幼虫が見つかった。
これまでにもここのクヌギはずいぶんと見て来たのだが、この冬の間には見当たらなかった。どうやら他所から梢を移動してきたようだ。しかも2匹が間近にいた。

 ヒメカギバアオシャクの幼虫は冬の間でも、暖かい日には枝の皮をかじって食べる。そうやって、ゆっくりゆっくりと成長している。
 彼らが蛹となってから羽化するのは5月に入ってからだ。

(OLYMPUS E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

コガタルリハムシのにぎわい 2006/03/11(その1)
 マンション裏の草地では、ギシギシの葉っぱが立ち上がってきた。

 気温もかなり上がったせいか、一斉にコガタルリハムシたちが活動を始めた。お腹が卵ではちきれそうなまでに膨らんだメスと、そのメスをめぐって争うオスたちと、たいへんにぎやかになっている(写真上)。すでに産卵しているメスもいた。
 何といってもオスどうしの争いは滑稽で笑える。もっともオスにしてみれば真剣そのものだ。その戦いぶりは体当たりやあし蹴りなどが主であるが、よく見ていると、相手に噛み付く者もいる。写真では相手の中脚の付け根あたりを噛んでいるせいで、噛み付かれた方は、空中に持ち上げられて、まったくなす術が無い。空中でもがくばかりで、むなしい。

(写真上/Nikon D200 虫の眼レンズ)
(写真下/OLYMPUS E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

ツツハムシ幼虫、登る 2006/03/09
 JR武蔵野線と関越自動車道が交叉する辺りと言えばわかり易いだろう。
午後から所沢市、滝之城址公園を少し歩いてみた。

 ソメイヨシノは蕾みがかなり膨らんできているし、土手にはハナウドの葉が目立ってきている。春の兆しはあちこちに見つかるが、しかし今日は吹く風が少し冷たくて、思いのほか昆虫の姿を見ることが出来なかった。

 園内を一巡してから駐車場に戻る手前で、ケヤキの並木が気にかかった。なんとなく予感がしたのである。そこでケヤキの幹に近づいてみれば、糞カプセルから体を乗り出して歩く、ツツハムシ幼虫の姿があった。
 不思議な事に、隣のケヤキでも同じように上へ上へと登るツツハムシ幼虫2匹目が見つかった。

 「ある記」のバックナンバーを調べてみると、2004年10月6日にも中里の林でイヌシデの幹を歩く幼虫の写真をアップしてあった。秋に見つかる幼虫はそのまま冬越しに入るのだが、今日、ケヤキを登っていた幼虫たちは、春に目覚め活動を開始したばかりであろう。

(OLYMPUS E-330 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

幼稚園での講演とは 2006/03/08
 昨日の午前中は狭山市にある幼稚園で「虫たちのふしぎ」という題目で講演をした。
 
 年長組の幼稚園児37名に混じって座り、液晶プロジェクターで写真を投影しながら、楽しくお話ができた。1時間近くの私のおしゃべりに子供たちがさいごまで熱心に付き合ってくれた。
 子供たちの反応はすこぶる良くて、そしてその感受性の豊かさにも助けられたような気がする。スミナガシ幼虫の顔写真を観ていきなり「スミナガシだよ!」との声にはこちらがびっくりした。
 今回は写真に加えて、最後の5分間だけビデオ映像も観てもらった。映像はアオバセセリとハネナシコロギスの巣作りの様子。(以前の講演ではビデオ映像をパソコンに取り込んで失敗したので、昨日はハンディカムからSビデオ端子で液晶プロジェクターに接続しての投影にしてみた。これなら画質についてはまったく問題ない。)

 お話が終わってから、女の子の一人が恥ずかしそうに折り畳んだ画用紙を私に手渡してくれた。開けてみると彼女が描いたクワガタムシとカブトムシの可愛らしい絵だった。
 うれしいプレゼントまでもらって、楽しい講演会を終えた。
 そして年中児の子供たちからも、来年の再講演のリクエストをいただいた。

 狭山市で講演を終えてから、川越インターへと向かい関越道で前橋に赴いた。
6、7日、そして本日夕方まで、標本撮影の仕事だったが、ようやくこの仕事も終わりが見えてきたようだ。この仕事は一昨年の12月から始まったものだが、二冬に分けての撮影となった。
 今年は何をやっても、「東京ではこれが最後、、、」である。
 新開 孝

オオイヌノフグリ 2006/03/05
 マンション横の草地ではオオイヌノフグリが群れて咲いている(写真上)。

 遠目では青い絨毯のように見えても、そばによって写真に撮ろうとすると花の密度はさほどではない事が多い。そうなると、花の位置関係など構図を決めるのにもひと苦労したりして、だんだんと写真などどうでも良い気持ちになったりする。
 
 10年ほど前、それでもほんとうに濃いオオイヌノフグリの花群に出会したことがあり、そのときの写真は銀塩ポジで残っている。構図がどうこうというより、画面いっぱいに並んだ花群全部にピントがくるように、カメラを構えるのが難しかった。地面に対してフィルム面を平行にもってくるようカメラを構えれば、どうしても自分やカメラの影が、花群に落ちてしまうからだ。
 今日は、ふとそんな昔の春を想い起こした。

(OLYMPUS E-500 マクロ50ミリ)

 今日は一日、部屋での作業が続いた。明後日の講演の準備と、明日から始まる標本撮影の仕事の準備もあったからだ。オオイヌノフグリにカメラを向けたのはちょっとした息抜きだった。
 標本撮影ではCanonのEOS-5Dを使う(写真下)。以前は1Dマーク2だったが、これでレンズワークも従来通り(銀塩時代)になって楽になる。しかし、今回の標本撮影では縦位置の構図が多いので、バッテリーグリップを装着してみた。
 三脚に固定しての撮影でも、私はほとんどリモートケーブル類は使用しない。カメラをしっかりホールドして、カメラにかぶりついてシャッターを切るから、縦位置に対応したシャッターボタンがどうしても必要になる。
 ただし5Dのバッテリーグリップは今ひとつボディとの一体感に欠け、もう少しスリムにできんかったのか、と思う。
 新開 孝

ナナホシテントウ 2006/03/04
 日射しのない部屋にこもっているよりか、外に出た方が暖かいくらいの一日だった。近所の中里の雑木林や空堀川の遊歩道を歩く人も多く、シジュウカラのさえずりは、もう春を感じさせる。

 マンションの回りの草地はオオイヌノフグリの絨毯となり、ときどきキタテハが舞う姿も見られた。ギシギシやスイバの近くにころがっている石を起こしてみると、コガタルリハムシたちが自分たちの出番待ちをしているかのようで、その数も多い事に驚いた。
 
 ナナホシテントウが日光浴したり、歩き回っている姿もよく見かけた。
 
(OLYMPUS E-500 ズイコーデジタルマクロ50ミリ)
新開 孝

カタクリ芽生える 2006/03/03(その3)
 近所の雑木林でも、少し場所が違うだけでカタクリの芽生えがもう始まっていたり、まだ土の中だったりと、かなりの遅延があって面白い。

 カタクリが芽生えるには、雑木林の落ち葉があまり厚く積もっているのは好ましくないようだ。

 せせらぎには、ヒキガエルの寒天に包まれたひも状の卵塊が多数見られたし、こうして確実に春の足音がどんどん近づいているのを目の当たりにすれば、ちょっとあせりたくもなる。まだ、冬のシーンで撮影しておくものがあったはずだ。

(OLYMPUS E-330 魚眼8ミリ)新開 孝

タマキクラゲ 2006/03/03(その2)
 「E-330」の使い初めとして、地面にころがっていた枯れ枝のキノコにもレンズを向けてみた。

 まさに地面すれすれにあった小枝にはポツリポツリと写真のタマキクラゲが並んでいた。この場合もカメラを地面に置き、ライブビューを見ながらの撮影。
 まるでゼリーのようなタマキクラゲは、逆光を入れてみるとその質感がよくわかる。いかにも食用になりそうだが、どうやら味はおいしくはなさそうだ。かと言って有毒でもないようだ。

(OLYMPUS E-330 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン使用) 新開 孝

ワカバグモ 2006/03/03(その1)
 今日は、OLYMPUSから先月発売されたばかりのデジタル一眼レフカメラ「E-330」(写真下)をようやく受け取ったので、さっそく使ってみた。

 「E-330」では可動式ライブビューが使えるために、例えば地面すれすれの低い被写体でも楽な姿勢で撮影できる。これまでだとファインダー接眼部に取り付けるアングルファインダーを使用してきたが、アングルファインダーにはぴったり目をつける必要があるので、けっこう辛い作業となっていた。
 可動式ライブビューのおかげで、姿勢が楽だという以上に、カメラのファインダーを覗きながらでは不可能に近いような条件の撮影まで可能になってくる。これはけっこう大きいメリットだ。

 近所の雑木林では、そろそろカタクリの芽生えでもないものかと落ち葉をめくっていたら、冬越し中のワカバグモが出て来た。地面の落ち葉にカメラを向けるには、カメラそのものも地面に置いての撮影となる。さっそくライブビューが活躍してくれたのは言うまでもない。

(写真上/OLYMPUS E-330 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン使用)
(写真下/E-300 8ミリ魚眼)新開 孝
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