| 前にも書いたことがあるが、とにかく私の仕事部屋は、6畳間一部屋であり、人様から見れば、こんなものが昆虫写真家の仕事部屋なのか!?と驚愕されてもいっこうにおかしくない。
どこをどういじっても、作業スペースを確保するのは至難の業に近いものがあるが、ここ数日、風邪で寝込んだこともあって、部屋の整理をしてみた。 本日の写真は、その6畳間の一角、アナログな机上作業をするスペースである。左画面に写っている今年のカレンダーは海野和男さんの「昆虫たちの世界」。私が尊敬する昆虫写真家、といえば今さら言うまでもない、海野和男さん。カレンダーは2部購入して、海野さんファンと称する知り合いのライターの方にプレゼントした。 さて、ずいぶんと昔の話だが、私が受けた高校入試試験の国語の問題に載った、岩波新書の青版「南極越冬記」(西堀栄三郎著)の文章が記憶に鮮やかだ(長らく絶版だったが、アンコール復刊した。そういう息の長い本というものを、私も出したい!!)それがあまりにも印象的だったので、試験が終わった次の日に書店で「南極越冬記」を買い求め、一気に読み耽ったことがある。 このての書物に関心を覚えたのも初めての経験だったかもしれないが、なかでも 「孤独の楽しみ」という章が気に入った、と記憶している。この章では、せまい越冬基地で自分にあてがわれた小部屋で、身の回りの小物を工夫して研究のアイデアを暖めるというような、そういう知の楽しみなどが語られていたと思う。で、その小部屋のモノクロ写真も掲載されていたが、私はそういう、まるで一畳一部屋みたいな空間で、孤独ながらも夢想に耽るという幸せな時間に共感を憶えた。 私の仕事部屋も、まさに南極越冬隊(第一次のころだが、、)の個人部屋に相当するほど狭く窮屈だ。しかし、ここでの仕事もあと2年も満たない。ゆとり空間にも憧れるが、こういう自分好みの空間もじっくり味わいおさめておきたいと思う。 ( E-500 魚眼8ミリ ストロボFL-50使用) | |