| | | | 今日の写真は16年前に撮影した銀塩フィルム。ずいぶんと昔のことであり、もちろんデジタルカメラなど夢にも描けない時代であった。
所沢市郊外の雑木林、2月。そのころ私はヒヨドリの撮影に没頭していたのだが、この冬は特に水浴びのシーンを撮影するのが第一目標であった。それで連日、水場の近くにブラインドを張り、最低でも3時間以上は待機するという日々を送っていた。このころはNikonのカメラ機材が主力。 で、ある日、いつものようにブラインドに入り、カメラを覗きつつやがて姿を現すであろうヒヨドリを待っていた。ブラインドから差し出したレンズは400ミリ。そして手に握ったリモコン端子の先にはマクロ100ミリレンズのついたカメラが防音ケースに包まれて水場のすぐ近くに配置されていた。 ストロボは全部で3台。それぞれがバイク用バッテリーから電源供給を受けて、これまた私の意図する位置でいつでも閃光できるように待機していた。 午後2時を過ぎた頃だろうか、それまで聞こえていたシジュウカラたちのさえずりが、急にピタリと止んでしまった。あれ?どうしたことかと胸騒ぎを憶えてブラインドの小さなな窓から外を覗いた。と、その瞬間!ふわりと音も無く大きな鳥が舞い降りて来たのである。
白くまぶしく輝いていた!そう表現するしかない。
私はNikon F3のファインダーを覗きつつ膝がガタガタと震えるのを懸命にこらえようとしていた。その場を圧倒するかのようなオオタカの突然の出現に目頭さえ熱くなっていた。 オオタカと私はちょうど対峙する格好で、向こうからこちらが見えていないとわかってはいても、オオタカの視線に見据えられているようで、極度に緊張したことを今でもよく覚えている。その距離は4メートル強。400ミリレンズの最短至近距離ギリギリである。 もちろんヒヨドリを想定してのカメラセッティングであったので、どのカメラのフレームからも、オオタカの姿がはみ出すことはわかっていた。しかし、体の震えをこらえながら、各カメラのシャッターボタンを祈るようにして順番に押し続けたのは言うまでもない。 最初はストロボの閃光のたびに反応していたオオタカも、そのうちまったく気にすること無く水を飲み続けた。その悠然たる姿に見惚れている時間は、ほんの数分間であった。
『虫の目線レンズ、Canon版を作る』
フォーサーズでの「虫の目線レンズ」は、まだ完成の域に到達するには時間が掛かるので、今日はCanon20ミリ広角レンズのオートリバース改造の工作に手をつけてしまった。 さて、この工作でやっかいなのは、レンズとボディをつなげる信号回路をハンダ付け作業すること、その一点のみである。ハンダ付けはほんとうに久しぶりでもあるし、近接した7個の接点をきちんと区別する作業にはある程度の視力も欠かせない。じつに細やかな作業である。
で、他にも焦点距離を調節するリング製作などにも思いのほか時間が掛かり、本日中に作業を終えることができなかった。
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