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今朝のウラギンシジミ 2005/12/10
 11月23日にキヅタ葉裏で越冬体勢に入っているウラギンシジミを見つけた。
その後折りをみてはこのウラギンシジミを覗きに行くのが日課の一つとなっている。
 今朝はねぐら場所が日射しを受けていたので、自然光のみで撮影ができた。これだけ日光を受けていても、ウラギンシジミはピクリとも動かない。

 さて、今日の写真はOLYMPUS E-500に「虫の目線レンズ」を装着して撮影したもの。まだ受像素子面いっぱいに画像を捉えることができないので、写真はトリミングしてある。
 35ミリマクロに中間リング、そして倍率の高いクローズアップレンズを組み合わせても、CCTVレンズから来る画像の拡大には不十分で、どうしても中間リングに加えてテレコンバーターをつなげてやる必要があるようだ。
 35ミリマクロは目一杯繰り出しているが、この先端につけるレンズ類が重くなるのは、35ミリ自体が華奢な構造なので、たいへん都合が悪い。
 ただ、このEシステムを使った「虫の目線レンズ」カメラはとにかく短いこと、軽いこと、そしてファインダーが無茶苦茶、明るい!こと、画質も向上したこと、ISO感度も200から400で充分に速いシャッター速度が切れることなど、良いことづくし。やはりこのまま何とか実用に漕ぎ着けたいと思っている。
 
 Canonの20ミリ広角レンズをオート絞りでリバースさせるためには、レンズ接点の改良工作をせねばならず、そのためのパーツ類も用意はしてみたが、まだ腰が重い。
 EOSキッスデジタルとこのリバースレンズの組み合わせでは、拡大率が充分得られる結果を見ているし、レンズ全長はEシステムよりか短くできることがわかった。
 新開 孝

オオカマキリの幼虫 2005/12/09
 オオカマキリの卵のうを見つけたが、外部からかじられたような痕跡があった。
もしかしたらカマキリカツオブシムシに寄生されたのではないか、そう思って卵のうの中を割り開いてみた。
 ところが私の見立ては誤りで、中には健全なオオカマキリの卵がびしりと詰まっていた。
 しかも、すでに発生がかなり進行しておりふ化幼虫の姿が出来上がっている。オオカマキリはこんなにも早い段階で幼虫体が成熟するとは、初めて知ったような気がする。

(E-500 マクロ50ミリ+エクステンションチューブ2.5使用)新開 孝

フォーサーズ版「虫の目線レンズ」 2005/12/08
 今日は用事があって都内巡りをしていた。
久しぶりに渋谷まで車で赴いてみると、やけに駐車場が増えていて驚いた。渋谷ではネイチャープロダクションという、私がお世話になっている会社を訪れた。仮に電車を利用すると、JR渋谷駅からここまでの道のりは10分弱だが、その間人混みをかき分けて歩く道程が苦痛でならない。もちろん車を使った理由はそれだけではないが、渋谷の様相は私が20数年前に上京した頃と今では、あまりにも変わってしまった。
 まあ、そのようなことはどうでもいいが、かねてから「虫の目線レンズ」を改善したく、今日もそのための光学パーツを購入してみた。その結果、Canonのレンズとボディを使うシステムよりか、重量も半分以下になり、レンズ全長までも半分に納まることとなった。
 ただし、まだ完成したわけではなく、本日の画像はトリミングしてある。まだ、まだ拡大系レンズの倍率が足りない。

(テスト写真/E-500 マクロ35ミリ+エクステンションチューブ2.5+CCTVレンズ+クローズアップレンズ)新開 孝

カギバイラガ幼虫 2005/12/07(その2)
 この芋虫はイラガ科のカギバイラガの幼虫である。画面左が頭の向きだが、頭部は体の下側に隠れていて普段は見ることが出来ない。体長は7ミリ前後。
 一見、刺は無いように見えるが、よく観察すると剛毛のような短い刺があり、迂闊に触れると刺されるらしい。その痛さについては私も経験が無いので何とも言えない。
 この芋虫は埼玉県、多福寺の雑木林で今朝見つけたものだが、落ち葉の上を歩いていた。おそらくこの後、繭を紡ぐものと思える。


『ベニシジミ、羽化する!』

 先月、11月中のことだが、偶然にしてベニシジミの蛹を2個、見つけることができた。この時期に蛹を得たことから、「あれ?ベニシジミは蛹越冬?」という錯覚に陥ってしまったくらいだ。しかし、そんなことはない。ベニシジミは幼虫越冬である。では、私が見つけた蛹はどういうことだろうか?
 そうこうしているうちに、この2個の蛹は羽化してしまった。12月に羽化するベニシジミとは!?実は九州地方では12月まで成虫が発生しているようなのだが、ここ東京で12月羽化というのはかなり異常な例ではないだろうか?
 そういえば、本日はモンシロチョウが飛んでいた!!
 新開 孝

オオウチワグンバイ 2005/12/07
 朝から抜けるような青空に恵まれた。

 午後1時過ぎにはテレビ番組収録の仕事から解放されて、スタッフの方たちと別れ、金山緑地公園の土手を少し歩いてみた。
 明るい草地で石を起こすと、そこにオオウチワグンバイ数匹が冬越しをしていた。本種はカメムシの仲間だが、体長は5ミリ前後と小さく、うっかりすると見落としてしまいそうだ。図鑑によると本種のつく寄主植物は不明となっている。
 これだけ小さいカメムシだと、その生活史の全貌を観察するのも難しいのかもしれないが、小さいとは言えかなり普通種であるようだ。
新開 孝

ヤママユの卵 2005/12/06(その2)
 コナラの梢を丹念に見ていくと、大粒の卵がかためて産まれてあるのが見つかる。

 これはヤママユ(ヤママユガ)の越冬卵だ。国内の蛾類中でも特大級のヤママユであるから、その卵も極めて大きく、冬の雑木林での卵探しもさして難しくはない。
 しかし残念ながら、写真の卵にはすでに寄生バチが脱出した小さな穴があって、ヤママユの幼虫がふ化することはない。
 ヤママユの母蛾が産卵する卵の数は三桁に及ぶが、そのうち来春になって無事、ふ化できる数はほんのわずかでしかない。そのことは、昆虫世界の生命がいかにも複雑で多様であるかを物語っている。新開 孝

ノササゲの種子 2005/12/06(その1〕
 あいにくの曇り空。そして小雨混じりで開始したテレビ番組収録だが、なんとか雨は早々にあがってくれた。

 テレビ収録に立ち会う仕事の場合、原則として私のカメラは携行しない。しかし自分の車にはカメラ機材一式を積んであるので、昼食後のちょっとした合間に撮影した一枚が、ノササゲの種子であった。ノササゲは、マメ科のツル植物で、いかにもこじんまりとした花を夏に開く。
 今朝はまず、エノキの根際の落ち葉で越冬中の、オオムラサキ、ゴマダラチョウ幼虫のビデオ撮影から入ったのであるが、その撮影現場のすぐ脇で写真のノササゲを見つけた。
 局のカメラマン、照明録音担当(LAというらしい)の方、そしてディレクター(PDというらしい)、という三人のスタッフから一歩退いた隙に、何かと自然物を目ざとく探し当てるというのも、私の芸当の一つとなった。
 ノササゲの種子のさやは、紫色でとても綺麗だ。以前、南四国の山中で撮影したことを想い起こしたのだが、たしかそのカットは「里山大百科」(TBSブリタニカ刊)の秋のページに掲載したと思う。そのカットを撮影したときは日射しもあって、紫色もくっきりと描写できていたと記憶しているが、本日は曇り空の下の撮影となってしまった。そこはデジタルカメラの本領発揮で、これまでの銀塩フィルムなら躊躇せざるを得ない条件でも、三脚も使わず自然光で撮影できてしまう。その結果は肉眼で見た印象にいかにも近い。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン使用)
 新開 孝

フユイチゴの果実 2005/12/05(その3)
 飯能市でテレビ番組収録ロケの下見で谷戸の薮を徘徊していると、足下で多数のフユイチゴが赤い果実をつけている場所に行き着いた。
 それはいかにもささやかな実りではあるが、地面に顔を近づけてみると、フユイチゴの実の赤色には、艶美な輝きを感じる。
 赤い色の誘惑に負けて、少しだけフユイチゴの実を食べてみた。

 うまい!  酸味があるが、これがいい。ささやかな味わい、これがいい。
 新開 孝

今日のウラギンシジミ 2005/12/05(その2)
 先々週からほぼ毎日のように見ているウラギンシジミ。

 昨日は久々の雨だったが、ウラギンシジミのはねはこの雨水をピン、ピンと跳ね返し、立派な雨合羽となっていた。
 ケヤキに這い登ったキヅタに潜むウラギンシジミのねぐらは、私の目線よりわずかに高い位置にある。今までは背伸びして、かなり窮屈な格好で撮影していたので、フレームの水平線も狂い、画面奥の風景が中途半端であった。
 そこで今日は踏み台に乗り、なんとか目線をねぐらと同じ高さにして撮影してみた。そうすると水平もほぼ正確にとれ、画面奥の風景もわかりやすくなった。
新開 孝

ハラビロカマキリ♀、死を迎える日 2005/12/05(その1)
 本日は明日のテレビ番組収録の下見のため、飯能市へ赴いた。

昨日は雨のためロケ現場に入ることを断念したが、今朝は雲ひとつない快晴であった。明日の本番こそ今日のような天候であってくれればいいが、、、。
 さて、日当たりの良い石畳の上を歩いていると、ハラビロカマキリの♀を2匹ほとんど同時に見つけた。一匹目は垂直の壁にしっかり踏ん張っており、まだ元気そうであったが、写真のもう一匹はでんぐり返ってあしをもがいていた。
 どうやらもう自力で起き上がることもできなければ、踏ん張ることも無理のようだ。見るからにその生命は息絶える寸前の様子。
 さらにしばらくして、ケヤキの幹にしがみついている♀、3匹目も見つけた。しかしよく見れば、頭の角度の不自然さや体のつや具合からして、すでに息絶えているのは明らかだ。
 ハラビロカマキリは秋遅くから初冬までよく姿を見かけるが、幹上にしがみついたまま死を迎えるケースをこれまでにも何回か記憶している。新開 孝

ヒラタアブ幼虫とアリの死 2005/12/03(その2)
 ケヤキに這い上がっているキヅタの葉上で、ヒラタアブ類の幼虫を見つけた(写真上/画面右が頭部)。

 このウジ虫の姿は、葉上に落とされた鳥の糞ではないかと見誤りそうでもある。見たところかなり成熟しているので、蛹化も近いのかもしれない。
 撮影していて何かゴミのようなものに気付いた。よーく観察すると、なんとアリがウジ虫に食らいついたまま、死んでいるのであった(写真下)。
 本種はおそらくテラニシシリアゲアリではないかと思う。
 このように他の昆虫に攻撃を挑み、そしてスッポンのごとく噛み付いたまま死んでしまうアリの姿は、昆虫観察をしているとよく見かける光景である。
 アリの執念はものすごい!と思ってしまう。
新開 孝

クサカゲロウの一種、繭となる 2005/12/03(その1)
 10月に愛媛県、松山で見つけたクサカゲロウの一種の幼虫
ゴミを背負ったこの幼虫にはときおりアブラムシを与えて飼育を続けてきたのだが、本日、繭となっていることに気付いた。
 おそらく先月の中頃あたりには、もう繭となっていたものと思われる。幼虫の背中に背負っていたゴミ屑が、そのまま繭にかぶさっているので、いつのまに繭を造ったのか見落としてしまったようだ。
 繭はほぼ球体で、直径は3ミリ程度とかなり小さい。
 このまま冬を越すのか、それとも冬の間に羽化するのか、まだわからない。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン使用)新開 孝

奈良のルリセンチコガネ 2005/12/02(その2)
 もう冬も近いというこの時期に、わざわざ奈良を訪れたのはルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)の観察がねらいであった。
 今年の5月末にもここ奈良の春日大社を訪れ、ルリセンチコガネの撮影を行なってきたのだが、その幼虫期に関する観察の方は未だに謎だらけで進展できないでいる。
 春日大社には数多くの鹿が生息し、その鹿が日々、膨大な量の糞を落とすと、それが様々な糞虫の餌となり、そしてルリセチコガネの繁栄にも一役買っているわけである。春日大社の参道を歩くだけでも、観光客に踏みつぶされたルリセンチコガネの死骸があちこちでよく見つかる。
 気温も低いので活発に動くルリセンチはさすがにいなかったが、それでも地面に佇んでいるものや、鹿糞の下の土中の浅い場所でうずくまっている個体を、少ないながら見ることができた。新開 孝

春日大社のヒメクダマキモドキ 2005/12/02(その1)
 一昨日の11/30から本日午前中まで滞在していた奈良では、春日大社の森をひたすら歩いてみた。文化遺産の宝庫を目前にして、観光しないのも勿体ない気がするが、そういう時間的な猶予はまったくないので仕方ない。
 気温も13度と低く、さすがに活動する昆虫の姿は少ない。はねがボロボロになったメスグロヒョウモンの♀が、地面すれすれを弱々しく飛んでいた。
 春日大社の参道を歩いていると、石畳の上に落ちていたヒメクダマキモドキ♀の死骸を見つけた(写真上)。さらに数メートル先で、今度は♂の新鮮な死骸が見つかり(写真下)、この偶然には少し驚いた。
 ヒメクダマキモドキは別名ヒロバネツユムシとも呼ばれることがある。その名のごとく、東京近辺でもよく見かけるサトクダマキモドキを一回り小さくしたような、小柄なツユムシ類である。♀のなぎなたのような長い産卵管が特徴的だ。
 本種は三重県以西から四国、九州、沖縄、そして台湾まで分布するようだ。私が調べた図鑑はもう古いので、最近の分布に関する知見は知らない。
新開 孝
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