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カメムシの越冬カラー 2005/11/22(その2)
 カメムシの仲間には成虫で越冬するものが多い。
このチャバネアオカメムシも、真冬の落ち葉をめくっていると、あしを体の下に折り畳んで、寒さに耐えている姿がよく見つかる。
 チャバネアオカメムシは体の大部分が鮮やかな緑色をしているが、越冬中は今日の写真のようにくすんだ茶色に変色する。このような色変わりをするカメムシは他にも多くの種類がいて、共通していることは、みなくすんだ茶色系に変わることだ。
 そして色変わりのタイミングは、11月に入って秋冷の頃から始まる。新開 孝

芋虫乗り合いバス 2005/11/22(その1)
 この芋虫乗り合いバスはなぜか先を急いでいた。
しかし、乗客のアブラムシはたまったもんではない。アブラムシのすみかは同時に餌場でもある。そこから遠のくことは、アブラムシにとって断食を意味する。
 闇雲に走り続ける芋虫は、もしかしたら蛹になる場所を求めていたのかもしれない。
 
 乗り合いバスの芋虫は、おそらく「オオアオシャチホコ」の幼虫だと思う。図鑑によれば、エゴノキを食し6月下旬と9月下旬の2回現れるらしい。そうすると時期的にはずいぶんと遅いことになる。

(E-500  マクロ50ミリ1.4倍テレコン使用)新開 孝

オオキンカメムシ、越冬集団 2005/11/20
 千葉県、房総半島南端、野島崎燈台を訪れた。

 オオキンカメムシの越冬集団を撮影するためにここに来るのはもう何回目になるか忘れてしまった程だが、今回は家族旅行を兼ねて立ち寄ってみた。ちなみに家族旅行の目的地は鴨川シーワールドだった。
 
 さて野島崎燈台の林を歩くと、木々の梢で身を寄せ合ったオオキンカメムシたちをすぐにも見つけることができる。なにせ林といっても狭い範囲である。初めて訪れた方でも、このオオキンカメムシの越冬集団を見つけるのは容易いと思う。
 オオキンカメムシは秋に入ってから夏の繁殖地を離れて南へ南へと移動し、ついには太平洋の荒波せまる半島突端の林に集結するのである。新開 孝

キバラケンモン幼虫 2005/11/19
 木枯らし吹く寒い一日となったが、日射しはあって青空が綺麗だ。
しかし本日は原稿書きの仕事があり、外出は午前中に子供の小学校に行っただけとなった。体育館では子供たちの図画工作の展覧会が催されていた。小学校は歩いて5分程度の距離だが、帰り道は中里の雑木林を歩いて帰った。
 相変わらずエサキモンキツノカメムシの姿が多い。気温が低いので歩いているものは少なく、中には数十匹が葉うらに身を寄せ合っていたりする。
 そうした中、元気に徘徊していたのがキバラケンモンの幼虫であった。
蛹で冬越しだから、その蛹化場所を探し歩いていたと思われる。本種はサクラにつくようだが、他にも食樹があるのかもしれない。


 『デジタルカメラ迷走街道を行く/その2』

 デジタルカメラを使い始めてから、撮影が雑になりがちな事が多いことに気付く。デスクトップのモニターの大画面でチェックして冷や汗をかきながらも、また同じ過ちを繰り返してしまう。
 どうやら撮影直後にカメラのモニターで画像チェクできることで、かつてフィルム時代に培ってきた緊張感、集中力を欠いた撮影態度にいつのまにか陥っているようだ。
 フィルム撮影の頃は、被写体を前にして写真の出来上がりのイメージというものがもっと仔細に描かれていたように思う。そのあらかじめ描かれる脳内画像がこのところラフになっているようだ。ヒドいときにはその脳内画像すら省略して、いきなりモニターに浮かび上がる撮影結果にすがることも多い。
 これまでの、フィルムならこうして撮影すればこういう写真になる、という脳内回路がいまだに強く生き残っているようだ。もういいかげんデジタルカメラを使いこなしていいはずなのだが、、、。

 デジタル写真が印刷物に製版されてはじめて、その画質や写真の良さが評価できるのではないか。そう思うのも私の場合、印刷物という本作りがもっとも比重の大きい仕事と捉えているからに他ならない。
 だからパソコンのモニター画面でいくら上質の画像が描かれたところで、それは納得のいく、あるいは安心のできる撮影結果とはすぐには言い難いものがある。モニターの写真には実体感がない。いやそれは写真そのものではないはずだ。

 新開 孝

キバラヘリカメムシ 2005/11/18(その3)
 ニシキギの赤く紅葉した葉っぱでキバラヘリカメムシが日光浴していた。
最初は成虫がいくつか目についたが、よく見れば終令幼虫の姿もあった。本種は成虫で冬越しするが、冬の雑木林でその姿を見つけるのは難しい。

(E-500 マクロ50ミリ 1.4×テレコン使用)


 『デジタルカメラ迷走街道を行く』

 そもそも私はこれまで、銀塩フィルムカメラといえばブローニーを主体に使っていた。ブローニーでは苦手だったり、不利な場面では35ミリサイズカメラを補助的に使う程度だった。印刷製版が仕事の上では一番の目的だったから、ブローニーを選択するのはそれなりの理由があったわけだ。
 それがデジタルカメラの時代に突入するや、いかにもブローニーカメラの存在が薄れてしまったような錯覚に陥ってしまった。もちろんスタジオ撮影の世界ではブローニーサイズの業務用カメラは以前からあるのだが、価格的にも桁が違い過ぎるし、野外で身軽に使える機種はかなり少ない事情もあって、そこはまた別世界となってしまった。
 このところデジタル一眼レフカメラの画素数が1000万画素を超え始めてくると、はたして撮像素子サイズはこのままで良いのか?と素人ながら疑問に思えてくる。1600万画素を超え2000万画素にも届こうかというとき、そこはもはやブローニーカメラの領域なのではないか?そんな素人考えが騒ぐ。
 過去に使い慣れていたPENTAX645はいったい、いつになったらデジタル化するのだろうか?私がこのところCanon、OLYMPUS、Nikonとメーカーを超えてそれぞれのデジタルカメラを手にするようになった訳は、どうやらPENTAX645を失ってしまった穴埋めに奔走しているような気がする。
 これまでにデジタルデータでの製版経験は、私の場合それほど数多くないが、正直言っていずれもフィルムのときのような満足感を得ていない。それは印刷所の問題もあるかもしれないが、もはやそういう時代ではないはずだ。どこの印刷所でもきちんとデジタルに対応できなければ、デジタルカメラを使うメリットはまったく活かされないことになる。
 
新開 孝

今年のエリマキアブ 2005/11/18(その2)
 テレビ番組収録の下見に近所を歩いていたら、エノキの枝に巻きついているエリマキアブ(フタスジヒラタアブ)幼虫が見つかった。
 本種の驚くべき生態は、すでにこの「ある記」バックナンバーで何度か紹介したのであるが、依然としてその生活史の詳細はよくわかっていない。

 このエリマキアブについては学研の「日本産幼虫図鑑」におそらく本邦初の生態写真として掲載されている。ちょっと高いけれど、この図鑑は昆虫観察を常とする方々にとって重宝すること間違いない。

 エリマキアブのことはもっと喰い下がって追求してみたいが、今年はハイビジョンビデオで撮影しておきたいと思っている。去年は少しDV撮影したのだが、中途半端に終わってしまった。それは写真撮影を先行させたせいだと思う。新開 孝

ツノロウカイガラムシ 2005/11/18(その1)
 本日の午前中は急遽、飛び込みの仕事となった。

 テレビ番組の収録の仕事では、いきなり「明日なんとかなりませんか!?」という事も珍しくない。こちらに手立てを打つ猶予などない。まあ、しかし先方が撮影したいというからには何とかせねばなあ。そういうときのために、私がおるのかもしれないし?

 さて、その撮影したいものとは「カイガラムシ」だったのである。

 心当たりはあったが、いずれも去年かさらには数年前の観察だから、今日いきなりではどうなるともわからない。しかも、さして珍しくはない昆虫でも、いざ探すとなると案外、見つからないものだ。
 それでも何とかお目当てのツノロウカイガラムシのコロニーが見つかった。
一本のサザンカにおびただしい数のツノロウカイガラムシが着いていた。この半球状の白い塊は♀であり、このまま冬越しする。

(E-500 50ミリマクロ 1.4×コンバーター使用)新開 孝

クビキリギス、受難の日 2005/11/17(その3)
 「いやね、私は好き好んでこんな場所に来たわけではないのよ。」

 



 

「なんせね、私のねぐらが、こうなんだから、、、。」


 





空堀川もここ数年、大雨のたびにかなりの増水となり、そのため護岸が削られてしまい、修復作業が必要となっている。そのための土木作業がここ数日前から続いているのだ。普段、あまり姿を見ないクビキリギスが姿を晒しているのは、草刈り作業とか、今日のような河川修復作業のおかげで追いたてられたせいであろう。新開 孝

ニホントビナナフシ 2005/11/17(その2)
 秋晴れの中、気持ちがいいので写真には青空を入れたくなる。

 ずいぶんと冷え込んできたが、ニホントビナナフシが元気に歩いていた。
本種はこの関東域では♀しかおらず、単為生殖をおこなう。
 卵はまるで糞を投げ飛ばすかのようにして地上へと落ちていくのである。新開 孝

集うエサキモンキツノカメムシたち 2005/11/17(その1)
 今日はハイビジョンカメラのテスト撮影のつもりが、風が強いので取り止めた。
そこで「お化け山」に出向いてみたのだが、、、。

「お化け山」のエサキモンキツノカメムシの大発生は、連日書き込んできた。
その個体数がいかに多いかを写真で伝えるのはほとんど不可能と思える。しかし、あえて今日もその群れを眺めてきた。ほんとうに多いのである。

 エサキモンキツノカメムシは遊歩道を超えて、河川の防護策にも集合している。もちろん成虫に混じって幼虫も多い。この防護柵は黒色コーティングが施されているので熱をためこむのであろう。その暖かい足場にはエサキ以外にも数々の昆虫たちがたむろしている。
新開 孝

エサキモンキツノカメムシの食事 2005/11/16
 「お化け山」で大発生したエサキモンキツノカメムシ。
その食事シーンのひとつを撮影してみた。餌は金網柵の上に落ちたムクノキの実である。雨水で浸出した実の汁を吸っている。

(E-500 マクロ50ミリ 1.4×テレコン使用 内蔵ストロボ)


 『昨日の訂正など』

 OLYMPUS E-500およびE-300の内蔵ストロボにはマニュアルモードがあることを昨日書き込んだのであるが、この機能はOLYMPUS独自というわけではなく、例えばNikonの D70にも同様の機能があることを、ある方からご指摘いただいた。
こういう機能についてはきちんと調べてから発言するべきで、迂闊であったと思う。
 
 さて、本日はハイビジョンビデオカメラHDR-FX1用に発注していた、raynoxのコンバージョンレンズのいくつかが届いた。
 来年からはビデオ撮影もハイビジョンに移行していくので、とりあえずはHDR-FX1のみで昆虫撮影のできる範囲を少しでも広げておこうと思い立ったのである。HDR-FX1は当然ながらレンズ交換などできないので、まさにコンパクトデジカメと同じような境遇。高倍率接写と超広角撮影を可能にするための機材で、できるだけ経費の安く済む手段を探っていきたい。
 明日はこのコンバージョンレンズのテスト撮影をしてみよう。
 

新開 孝

ハートマークもいろいろ 2005/11/15(その2)
 しつこくエサキモンキツノカメムシの話題。

 このカメムシの特徴は、何といっても背面にある「ハートマーク」だ。
で、その紋様をたくさん見ていくと、これがけっこう様々なパターンがあることに改めて気付いたというわけだ。

 で、このエサキモンキツノカメムシに極めて近似している別種、「モンキツノカメムシ」というのがいる。両種のもっとも簡単な見分け方は、ハートマークの上部中央の切れ込みがほとんどない無いのが、モンキツノカメムシということになっている。
 私はこれまでにモンキツノカメムシを2回だけ、撮影したことがあるがいずれも四国南部でのこと。たしかにエサキモンキツノカメムシとは紋様も当然ながら、どこか雰囲気が違っていた。
 しかし、エサキモンキツノカメムシのハートマークには変異が多く、うっかりするとモンキツノカメムシではないか!と錯覚してしまう個体もいるのである。
 新開 孝

エサキモンキツノカメムシの羽化 2005/11/15
本日はずいぶんと寒かった。
しかし、正午過ぎに「お化け山」に行ってみると、エサキモンキツノカメムシの羽化に立ち会うことができた。
 終令幼虫を見つけた段階では、背中が少し盛り上がった状態で力んでいたため、これは羽化の全過程を撮影できるチャンスとばかり、その場所に貼付いてみた。

 これまでにも書いてきたように、ここ「お化け山」では例年になくエサキモンキツノカメムシが異常に大発生している。そして幼虫の数もまだ多いので、そのうち羽化の現場にも出会すだろうと思っていた。
 頻繁に通えるフィールドの良いところは、こうしてどんな虫のどのようなシーンが撮影できるかという、細かいデータを蓄積できることだと思う。

 




『OLYMPUS E-500を使ってみると』

 昨日、購入したばかりのE-500だが今日はテスト撮影でボチボチと思っていたら、豈図らんやエサキモンキツノカメムシの羽化を撮影するチャンスに恵まれた。
 E-500の基本的な性能や操作性はE-300とほぼ同じであるが、操作レスポンスやAF性能はかなり向上しており、ボディの軽さもあって、非常に心地良く撮影できた、というのが第一印象だった。
 グリップのホールディングもしっかりしていて良い。ただ、ボディが小さいこともあって親指が背面の「WBワンタッチボタン」をうっかり押してしまうことが多く、そのたびに撮影が中断してしまった。しかし、これも現場でメニューを探ってみると、このボタンをプレビューボタンへとメニュー変更できることがわかり、さっそく実行してみると、これが実に良い。外見上は絞り込みボタンがないE-500だが、ここを押せば実絞り状態を確認できるというわけだ。
 E-500では、ISO感度も3分の1段階で変更できるのが有り難い。やはりデジカメの良いところはISO感度での露出制御が微妙に操作できるところが大きいと感じているからだ。

 そして気になる画質だが、これは文句無くよろしい。今日はISO400に感度アップして使う場面も多かったが、ISO200での画像と見比べて、まったく問題がないと感じている。
 
新開 孝

中古機材を改良する 2005/11/14(その2)
 OLYMPUS E-500を購入しての帰り、池袋の中古カメラ店に立ち寄ってみた。目的はストロボだったが、ちょうどNikonのAS-14というツインマクロフラッシュがあったので買ってみた。
 このストロボはマニュアルで3段階の調光が効くから、いろいろ応用できそうだ。最初はCanonのリングストロボを考えていたが、こちらは発光管の大きさからして改造には向かないことがわかった。
 さて、このNikon AS-14ツインフラッシュの発光部をこれからバラして、「虫の目線レンズ」に役立てようというわけだ。
 昨日アップした「虫の目線レンズ」画像では、昔使っていた改造ストロボを急遽、無理矢理に使ってみたのだが、やはりライティングとしては非常に出来が悪かった。しかも使いずらいさもあった。
 中古機材というのは、まさに巡り合わせの運しだいで良くも悪くも両極端であるから、その出会いのタイミングはいかにもスリリングである。
 無欲にして、ふらりと店を訪れる。それがもしかしたら極意かも。出会いは何事でも、あせってはいけませんね。
 
新開 孝
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