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昨日のオオミズアオ幼虫 2005/11/14
 昨日、ツツジで見つけたオオミズアオ幼虫は、どうやら食べる葉っぱが無くなってハナミズキから離れたようであった。
 渋々、ツツジの葉をかじっていたのは、食欲がある証拠だ。今日、これはまずいと思って、まだ青い葉っぱが残っているハナミズキの枝に移してやった。するとすぐさまパリパリと食事を始めた。
 このオオミズアオ幼虫はずいぶんとのんびりしているが、これから繭を作って、その中で蛹となり冬を越す。羽化するのは来年5月ころである。


(OLYMPUS E-500 ズイコーデジタル17.5-45ミリ 内蔵ストロボ使用)新開 孝

まだまだ食べてます!オオミズアオ幼虫 2005/11/13(その4)
 オオカマキリをハナミズキの幹上で撮影していたとき、ひょいと下を見ると、
なんとオオミズアオの終令幼虫がいた。

 幼虫はハナミズキの横に植えられたツツジの枝に、でぇーんと構えていた。

 「なんか、文句ある!!」

 そうは言わないまでも、いかにも風格ありの芋虫だ。
 ハナミズキの葉は赤く紅葉し、ほとんど落葉しつつあるなか、もう餌になるような葉っぱもない。繭作りが近いのだなあ、と思っていたら、この幼虫はツツジの葉っぱをかじり始めた。新開 孝

小さい秋 2005/11/13(その3)
 「虫の目線レンズ」で見た小さい秋、ふたつ。

 シオデの黒い実が、いかにも重そうに感じるのは、こうして見上げる視線のためかもしれない。あれが頭上に落っこちてきたら!?

 ハナミズキの幹で出会した、オオカマキリの♀。
おおっ!!そのでかい鎌に押さえ込まれたら、逃げれんぞなもし!



  『虫の目線レンズ』

 昆虫はいかにも小さい。だからその世界をつぶさに観察するには、昆虫と等身大になれるといいかもしれない。彼らが葉っぱの隙間に逃げ込んだとしても、こちらもそこへ追いかけて入っていける。相手が土の穴蔵に引きこもってしまっても、そこへロープを垂れて滑り降りていけばいい。
 昆虫と付き合っていれば、そういうミクロコスモスへ自分を投影してみたくなる誘惑に駆られる。もっともそれがほんとうに実現すれば、怖いどころではない、過酷で厳しい死が、いきなり待ち受けているはずだが、、、。

 昆虫写真の表現手段にはいくつもやり方があって、その中でも虫と等身大になったつもり、虫の目線で昆虫世界を眺めるという手法には、私にも少しばかり憧れもあった。すでに有名な写真家によって、その手法を駆使した作品は公表されて長く久しい。
 私がプロの昆虫写真家ということもあって、その「虫の目線レンズ」のことについて技術的な質問をいろいろな方から受けることもしばしば。つまり昆虫写真をてがける方々にとって、その「虫の目線レンズ」を使ってみたいという思いは皆、同じなわけである。私自身も光学的な知識は皆無に近く、いろいろ試してはみたけれど、そう易々とうまくいかなかった経緯があった。
 ところが、インターネットの時代に入ってから事情は劇的に変わってきた。この手のいわゆる、非常にマニアックな情報も次々と掲示板上で公開されるようになったからだ。
 そして気付いてみれば、まさに灯台下暗し。自分の所有するカメラ機材を工夫し、少し買い物に走れば、あっと言う間に「虫の目線レンズ」が出来てしまった。

 もっとも今使っているレンズシステムには改善すべき問題点も多い。あくまでも簡易システムと言うべきだろう。
 そして、もっとも肝要なことは、この「虫の目線レンズ」を使って自分なりの何を表現するかである。ついついこのレンズは遊んでみたくなるのである。遊ぶのはもちろんけっこう。 
 しかし、せっかくの表現手段を手に入れたなら、これで自己世界をどこまで構築できるか、そこまで突き詰めたいものである。
 という、私はまだまだテスト撮影に明け暮れているのだが、、、、。新開 孝

しつこく今日もエサキモンキツノカメムシ 2005/11/13(その2)
 本日も「お化け山」で大発生しているエサキモンキツノカメムシを見に行った。

 いくつか確かめたい事があったのだが、その一つが配偶行動のこと。つまりエサキモンキツノカメムシは越冬に入る前に交尾を終えるのか否か?
 先日から次々と羽化しているわけだが、その後の成虫は何処か遠くへ分散していく様子もなく、ただただ林内のあちこちで佇んでいるようにしか見えない。餌はどうするのだろうか?
 などと思いながら歩いていると、交尾しているペアが見つかった。
 やはり越冬前に交尾を終えるのだろうか?それとも一部の♀だけなのだろうか? 新開 孝

まだまだ元気、キボシカミキリ 2005/11/13(その1)
 近所のヤマグワの木で見つからなかったキボシカミキリが、「お化け山」に行ってみると金網柵の上を歩いていた。

 冷たいメタル廊下をテケテケとひたすら歩む。いったい何処を目指すというのだろうか?
 私がおもしろがって撮影していると、たまに散歩の方が話しかけてくる。
「何か珍しいものでもいましたか?」
 この決まりきった問いかけに、私はいつも笑顔で答えることにしている。
 心の中で「珍しくなければ、いけないですか?」などと少しばかりムッとしていたのは、ずっと若い頃のことで、そういうことにいちいち目くじら立てることはもう今の自分にはない。
 さて、
 「カミキリムシがまだ活動していますよ。」
 「へーっ!?ああ、ほんとだ。いるんだね。よく見てないとわからないよね。」

 なんとものどかな日曜日だ。新開 孝

まだまだ元気、アオスジアゲハ幼虫 2005/11/12
 台所の窓の外にはクスノキが一本植えてある。調理しているとアオスジアゲハの蛹がいつも目に入って、ああ、これは越冬蛹だなあ、と思っていた。緑色のきれいな蛹で、見事に葉っぱに溶け込んでいる。

 今日は外に出てみて、台所脇のクスノキをじっくり眺めてみた。すると蛹が他にも2つ見つかった。
 しかも、さらに何と!終令幼虫が2匹いた。
 新開 孝

クロタラリア(Crotalaria)とは 2005/11/11(その2)
 11/06の「ある記」でウラナミシジミが産卵していた黄色い花のマメ科植物(写真)は、学名を「クロタラリア レツーサ」と書き込んだ。

 ところが、その後、さらに別の方から、この植物に関しての情報をメールでいただいた。
 まず写真の植物の和名は「コガネタヌキマメ」と呼ばれているそうだ。さらに、このコガネタヌキマメの学名の種小名については、現状ではどうやら混乱をきたしているそうで、いずれ整理される必要があるようだ。

 そこで訂正として、とりあえずは「クロタラリア レツーサ」という学名の種小名「レツーサ」は一旦取り下げておき、和名の「コガネタヌキマメ」という呼称にしておこう。学名中の属名「クロタラリア」はそのままで間違いない。

 コガネタヌキマメは種苗業者が海外から輸入しており、全国の畑で植えられているそうだが、日本在来種としては「タヌキマメ」がよく知られている。あいにく私はタヌキマメの写真を持ち合わせていないので、ここで紹介できないが、タヌキマメの学名は「クロタラリア セシリフローラ Crotalaria sessiliflora」だ。

 タヌキマメは紫色の可憐な花をつけるが、私が初めて見たのは29年前の11月。当時はカメラを持ってなかったので、つたないスケッチが残っているのみ。それ以後はたしかどこかで一度出会った記憶があるだけで、今まで撮影する機会を得ていない。スケッチのメモには、「ウラナミシジミの卵がたくさん産まれてあり!」とある。
 属名「クロタラリア Crotalaria」の意味は、ギリシャ語で「ガラガラ箱」だそうである。

私はタヌキマメを久しぶりに訪ねて撮影してみたいと思っているが、何処で出会えるかはまったくわからない。
新開 孝

ウスタビガ、羽化する 2005/11/11
 昨晩、ウスタビガの♂が羽化した。

 羽化推定時刻は17時から19時のあいだである。この時間帯は、保育園へのお迎え、夕食の準備、夕食と、私は家事で慌ただしい。まさに意表をつかれた羽化であった。

 これまで私の観察した範囲でのウスタビガの羽化時刻は、午後2時から4時のあいだに集中している。また最近の研究結果によれば、ウスタビガの羽化時刻は「14時から始まり、15時から増え、18時にピークとなった」という(INTERNATIONAL JOURNAL OF WILD SILKMOTH & SILK,8:73-80.
三田村敏正:「ウスタビガの配偶行動と産卵」)。

 昨晩の羽化時刻はまさに上記の研究結果にぴったしあてはまる。今回羽化したウスタビガの繭は、この夏に山梨県長坂町で見つけたもの。繭は食樹から離れたササの一種の枝にぶらさがっていた。その繭をこの秋までずっと室内に置き、ときおり霧吹きで水分を与えてきた。
 繭の中の蛹は室内に閉じ込められた状況でも、体内時計はきちんと正常に働いていたようだ。

 また先の研究報告ではウスタビガの羽化時期について、10月中旬に始まり、ピークは11月中旬であった、としている。そして終了は11下旬。
 私もこれまでの経験から、羽化待機は11月に入ってからということで、昨夜の繭もちょうど数日前に撮影準備に入ったばかりであった。

 写真のウスタビガ♂は、深夜になってから秋冷の空へと飛び去っていった。昨夜は半月。
新開 孝

コカマキリの♀ 2005/11/10(その3)
 秋になると空堀川沿いの遊歩道と雑木林の境にある金網柵には、コカマキリの♀が産卵に集まってくる。

 今日も3匹の♀が数メートルづつ間隔をあけて、佇んでいた。もちろんこれから産卵するのが彼女らの目的である。金網のL型をした庇の内側は、ちょうど雨を凌げるし目立ちにくい。コカマキリはこうして卵を隠すように産む習性が強い。

新開 孝

エサキモンキツノカメムシ、羽化続く 2005/11/10(その2)
 昨日も紹介したエサキモンキツノカメムシは、おびただしい数が「お化け山」で徘徊しているが、成虫と幼虫の割合はざっと見て8:2程度で圧倒的に成虫の方が多い。
 遊歩道柵をしっかり見ていくと、羽化後の抜け殻がかなりの数ついており、成虫への羽化ピークはもう終わりに近いのだなあ、と思った。
 
 エサキモンキツノカメムシの終令幼虫たちが生まれ育った木を離れ、広く林の中に分散してから羽化するというのは、ここ「お化け山」では初めての観察である。羽化に先立ってホストの木(おそらくミズキ)を遠く離れてしまうその理由はいったい何だろう?
 ミズキに何か異変でも生じたのだろうか?あるいは一本の木にあまりにも集中して高密度な繁殖をしてしまったからだろうか?

新開 孝

アカイラガ幼虫 2005/11/10(その1)
 アカイラガはその名前のように赤い大きな突起がよく目立つ。

やはりうかつに触れるとかなり痛いようだ。私はイラガ類に刺された経験がまだないので、どれだけ痛いかは受け売りの話しかできない。

 写真の幼虫が雑木林の遊歩道柵のロープを徘徊しているのは、繭を紡ぐ場所を探しているのであろうと思う。アカイラガは面白いことに繭を紡ぐ寸前になると、その特徴的な赤い突起を全部根元から離脱するのである。するといかにもスリムな体型に変身する。
 ではなぜスリムになる必要があるのか?その理由はどうやら繭の形とも関係しているのではないだろうか?アカイラガの繭はほぼ完全な球体形なのである。繭作りのときにできるだけ柔軟に体をくねらせるには、少しでも余計なでっぱりは無いほうがいいと思われる。他にも理由があるのかもしれないが、、、。新開 孝

エサキモンキツノカメムシ、集う 2005/11/09
 一月ほど前から近所の「お化け山」のあちこちに徘徊していてその数の多さが気にかかっているのが、エサキモンキツノカメムシだ。
 で、本日は林内の遊歩道柵のロープに数匹が団子状態で集まっているのが目に止まった(写真上、中)。よく見れば終令幼虫も混ざっていて、羽化したばかりの成虫もいる(写真下)。ということは、この集団はもともとは幼虫集団だったのかもしれない。遊歩道柵をずっと辿っていくと、エサキモンキツノカメムシの成虫や幼虫が歩いている姿がポツンポツンと見つかる。その数を併せると、相当な数にのぼるだろう。
 この無数ともいえるエサキモンキツノカメムシたちは、ここ「お化け山」の中で生まれ育ったことは間違いない。彼らが繁殖する木は主にミズキだが、ミズキはここの林では少ない。その上ミズキのある場所は観察しずらいので、これまで密かに進行していた大繁殖に気付かなかったのは、少し悔しく思う。

(EOS-5D シグマ20ミリ サンパックB3000S使用)新開 孝

秋のキボシカミキリ 2005/11/08(その2)
 一昨年もマンション裏のヤマグワで、秋遅くまでキボシカミキリが活動していて驚いたものだが、今朝もまた同じ場所の木でキボシカミキリを見つけた。

 触角の一部を失っているものの、いたって元気に歩いていた。ヤマグワは細くて小さな株が数本並んでいるだけだが、どの木の幹にも痛々しいくらいにキボシカミキリの産卵痕がついている。新開 孝

歩くヒカゲチョウ幼虫 2005/11/08(その1)
 駐車場に続く金網柵の上を、ヒカゲチョウの幼虫がゆっくりと歩いていた(写真上、矢印の先)。
 この金網柵の反対側(画面右側)にはアズマネザサが繁茂しているから、幼虫はそこから彷徨ってきたようだ。住宅を背景に歩く姿(写真中)を見れば、幼虫がずいぶんと大きく感じられるが、実際の体長は13ミリである。
 おせっかいを焼いて、ササに移してから撮影したのが写真下。ヒカゲチョウの幼虫は落ち葉の下などに潜り込み冬越しする。
新開 孝
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