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近所のトゲアリ 2005/11/07(その2)
 先週、子供がお世話になっている保母さんが見つけてくれたトゲアリを撮影しに出掛けてみた。といっても場所は清瀬市のすぐ隣の東村山市の雑木林。自転車をこいで10分程度で行ける。
 
 トゲアリの巣はコナラの根際の空洞内にあって、数匹の働きアリが入り口あたりをウロウロしている。
 巣内の拡張工事でもしているのか、ときどき土や木屑をくわえて外へと捨てるワーカーがいる。とくに餌を運んでいるような様子はほとんど見かけない。コロニー全体は不活発なようであるが、コナラの高い幹から降りてくるワーカーも少ないながらいたので、カイガラムシの甘露でも収穫していたのだろうか?

 近年、このトゲアリは少なくなってきたようだ。

(EOS-5D 65ミリマクロ使用)新開 孝

エッグヴァスター 2005/11/07(その1)
 「egg-burstar」エッグヴァスター、とは「卵殻破砕器」のこと。
英語をカタカナ表記するのは難しいが、かといって日本語だと耳で聞いたときに
ほとんどの人にとって意味不明だろう。

 カメムシの卵の内部には、このエッグヴァスターが仕組まれている。幼虫はふ化するとき、頭にエッグヴァスターをかぶった格好でグイグイと卵の上部の蓋を押し上げる。するとこのエッグヴァスターがうまーく蓋を切り開いてくれるわけである。このエッグヴァスターは、つまり缶詰切りのような役目をする。

 今日の写真は、雑木林の小枝についた白いカメムシの卵の抜け殻を見つけて撮影したもの。カメムシの種類はさすがにわからない。
 黒い筋の入った三角形のものが、エッグヴァスター「卵殻破砕器」である。

(EOS-5D  EF65ミリマクロ使用)新開 孝

再びウラナミシジミの産卵 2005/11/06
 一昨日の4日にアップしたウラナミシジミの産卵していたマメ科植物の名前を、ある方からメールで教えていただいた。
 「クロタラーリア・レツーサ」という学名だが、結実したさやを振ると「カラカラ」という音がするので別名「マラカス豆」と呼ばれるそうだ。
 名前を教えていただいた方は、このマラカス豆でウラナミシジミ幼虫が実際に成長できることも飼育で確認なさっているそうだ。
 この場であらためてお礼申し上げます。

(写真上)畑の「マラカス豆」
(写真中)マラカス豆の蕾みに産卵するウラナミシジミの♀
(写真下)ウラナミシジミの卵。直径は0.5ミリ程度。

写真撮影日は11/3および11/4。新開 孝

ミノウスバ 2005/11/05
 ミノウスバの幼虫は、マサキ、ニシキギなどで育ち5月ころ蛹になる。
その蛹が羽化するのが晩秋のこのごろである。よく人家の庭先で大発生して、そうなると害虫とみなされ駆除されることもしばしば。
 ミノウスバが属するマダラガ科は昼間活動するものがほとんどで、身近なところでは6、9月と2回現れるホタルガや、年一回初夏のころのシロシタホタルガがいる。そして南方系の美麗種で有名なサツマニシキは、紀伊半島南部、四国南部から九州、南西諸島広くに分布している。

 

写真の成虫は近所の「お化け山」でケヤキの葉っぱに静止していた。
まだ羽化して間もない、新鮮個体だ。

(OLYMPUS E-300  マクロ50ミリ+1.4×テレコン使用)
 新開 孝

ウラナミシジミ 2005/11/04(その2)
 狭山丘陵の畑では今日も多数のウラナミシジミが産卵に来ていた。
この黄色い花をつけたマメ科植物は、畑の肥料にするそうだ。
 ウラナミシジミは主に花の蕾みに卵を産んでいくが、その数はかなり多い。しかしふ化した幼虫たち全部を養えるわけもないだろうし、その前に根こそぎ刈り倒されて土に鋤き込まれてしまうから、ウラナミシジミの卵はみんな死んでしまう運命だ。
 また無事にふ化できて育っても、幼虫は冬を越すことができない。

(EOS 5D シグマ20ミリ使用/飛翔するメスの姿はシャッター速度が180分の1なので大きくブレている。5Dのストロボ同調速度は200分の1だから、それでもタイミングしだいではやはりブレてしまう。)新開 孝

よく見れば、ジャコウアゲハの蛹が、、、 2005/11/04
 昨日は糸崎さんをはじめ5名の方々と狭山丘陵に出かけた。
空は曇っていて、青空はほんのわずかしかのぞかなかったが、ウラナミシジミが畑で多数にぎやかに舞っていて、さかんに産卵していた。
 ウラナミシジミが産卵していた外来のマメ科植物は黄色い花をつけて、特徴的だったが聞いた名前を忘れてしまった。手元の資料でもわからない。
 きょうはよく晴れたので、そのマメ科植物と環境をきちんと撮りなおしておこうと思い、再び現地に赴いた。
 ほんとうは原稿書きしなければいけなかったのだが、あまりにも天気がいいのでとうとうさぼってしまった。

 棒杭にかぶせてあった長靴、よく見るとジャコウアゲハの蛹がついていた。
このあたりはウマノスズクサが多く、ずっと昔からジャコウアゲハが多いことでもよく知られた場所である。

(EOS 5D シグマ20ミリ)新開 孝

今日、羽化したクワゴ 2005/11/02
 本日は秋晴れのなか、子供の保育園に参観と面談に赴いた。

 午前中の散歩では、保育園近くの雑木林にクラス皆で出向いたのだが、なんとそこでは担当の保母さんがトゲアリの巣を見つけてくれた。トゲアリは清瀬周辺ではかなり稀なアリだから、これには驚いた。
 私はサービスで子供たちに、カブトムシ幼虫を見つけてあげた。

 さてうちに戻ると、以前に持ち帰っていたクワゴの繭から成虫が羽化していた。さっそく下の子に持たせて記念撮影してみた。新開 孝

ヤマトシジミとナナホシテントウ 2005/11/01(その2)
こちらの画像もニッコール45ミリレンズを使ったテスト撮影。

 撮影倍率はいずれも3倍だが、タンポポで吸蜜するヤマトシジミはさかんに動くので、絞り込みでなおかつ3倍という接写でのフォーカス合わせはかなり難しい。キッスデジタルNのファインダーは非常にピントの山がつかみにくいから、余計に厳しい撮影となる。ヤマトシジミの眼の表面にピントをもっていきたかったが、何枚も撮影してもうまくいかなかった。
 
 ナナホシテントウは、3倍の拡大率だと個体によってはフレームから体がはみだしてしまう。写真はできるだけ小柄なナナホシを選んで撮影してみた。新開 孝

カメムシの幼虫、2種 2005/11/01(その1)
 写真上は、ホソハリカメムシの5令幼虫(撮影倍率は1.5×)。


 写真下は、ヒメヘリカメムシ科の5令幼虫(おそらくケブカヒメヘリカメムシだろう)(撮影倍率は3×)。

(写真はクリックすると拡大できます)

 いづれもマンション裏の明るい草地で撮影した。今日もニッコール45ミリf2.8Pを使ったテスト撮影である。
 撮影倍率が1.5倍ではリングPN-11とPK-12のみで、リング長は6.5センチ。
 撮影倍率が3倍ではリングPN-11を2枚とPK-12を1枚をつなぎ、リング長は12センチ。
 ここでいう撮影倍率とは、カメラのCMOS撮像画面上で被写体が何倍に写るのかという実質倍率。 

 カメラはキッスデジタルNのため、絞り込み撮影となるが、強い日射しに救われて、あらかじめ絞りをF11まで絞っておいてもなんとかフォーカス合わせができた。ストロボはカメラの内蔵ストロボを使い、拡散版で光を和らげている。さすがに16まで絞るとフォーカス合わせが難しく、F16での画質を確認できなかったのは残念であった。
 今日の45ミリレンズを使った撮影画像を見る限り、あらためて実用的な画質であると感じた。アップした写真2枚はいずれもリサイズのみでいっさい加工はしていない。
 同じ条件でCanonの65ミリマクロレンズも使ってみたが、両者の画像を見比べてみても大きな優劣がつかない。これは意外な結果となった。

 新開 孝

ナシケンモン幼虫 2005/10/31
 ベランダのピラカンサスにナシケンモンと思われる幼虫を見つけた(写真上)。
頭部を拡大してみれば、新しい頭の盛り上がりがわかる(写真中)。これから脱皮するということは、この幼虫はまだ終令になっていないということだから、種名については確信がもてないことをお断りしておこう。
 ナシケンモンはいろんな植物を餌にして都会でもよく見かける。秋のうちに蛹となって蛹で越冬する。

 さて、本日の写真はNikonの45ミリレンズと接写リングの組み合わせで撮影している。まだNikonのボディは持ち合わせていないので、キッスデジタルNを使ってみた。もちろん自動絞り込みはできない。開放でピント合わせしてから絞り込んで(F11)シャッターを切る。
 
 写真上は、リングPK-13と45ミリレンズの組み合わせで、撮影倍率は0.6倍。
 写真中は、リングPN-112枚+PK-13+45ミリレンズで、撮影倍率は約3倍。

 この45ミリを使った接写撮影では倍率が3倍でも、カメラの内蔵ストロボと拡散版の組み合わせ(写真下)で充分光が回る。
 このシステムの良いところは、レンズ部分が筒状のリングと薄い45ミリレンズのみで構成されているので、カメラ重量を加えても非常に軽いという点にある。
 遠征ロケでNikon機材を選んだ場合、接写リング2、3個と45ミリレンズを加えるだけで昆虫写真の仕事の幅が広がるわけだ。この身軽さによって、Canonの65ミリレンズを携行する煩わしさからも解放されることとなる。

新開 孝

Nikonのレンズ、45ミリ 2005/10/30
 今日は機材の話。

 デジタルカメラを使い始めてまだ4年目くらいだが、これはというカメラ、私の道具としてお気に入りのカメラというものがまだ登場してこない、というのが正直なところである。
 銀塩フィルム時代のカメラなら35ミリサイズではEOS、ブローニーではPENTAX645と、使い慣れたカメラシステムで落ち着いていたものだが、ことデジタルカメラというのは、どうもいけない。
 デジタル革新はいつまでも終わりがないのが宿命なのかもしれないが、私とてこの先、元気になおかつ新鮮な気持ちで撮影活動できるのは、せいぜい20年あるかないかだろうと思う。
 まあ、ちょっと悲観的な見方は置いておくとして、私の手元にあるNikon機材の活用は前々から気になっていた。Nikonのカメラは大方処分したけれど、残したレンズたちを遊ばせておくのはいかがなものか。今はEOSやOLYMPUSのEシステムに機材の主流は移行したけれど、やはりどこのメーカーのデジタルカメラもこれぞ!というカメラでない限り、Nikonのシステムも可能な限り使えるようにしておきたい、そう考えていた。
 そこで一番のネックが接写撮影用のレンズであった。Nikonにはなぜか2倍以上のマクロ撮影が手軽にできるレンズというものがない。特殊なメディカルニッコールなどというものはあったが、とても野外で使えるような代物ではない。
私としては2倍以上の接写ができないカメラシステムでは、とても仕事には使えないのだ。
 ところがNikonの45ミリレンズという、とても薄い標準レンズが、これが4倍接写くらいまで自動絞りで使えるのである。このレンズはテッサータイプという3群4枚構造のいかにもシンプルなレンズだが、そのシンプルさゆえか、拡大接写での描写力がかなり良い。
 実はこのことはもうかなり昔に、ある方から教わったのだが、その当時このレンズは製造中止になってからずいぶんと年月が経っており、中古店でも入手は難しい状況であった。
 ところが数年前にNikonからこのレンズが復刻発売された。おお!とそのときは思ったけれど、EOSシステムに移行してからは忘れ去ってしまっていた。それでつい数日前にふと思い出して調べたら、このレンズは早くも製造中止となり、メーカー在庫は無くなっていたのである。
 が、しかし中野のカメラ店ではこの45ミリレンズがまだ新品で売っていることがわかり、急ぎさっそく本日、購入したのであった。

 さっそくテスト撮影してみると、これはいい!!
中間リングとテレコンの組み合わせで、APS-Cサイズのデジカメなら4倍強までの接写が手軽にできる。描写力も良い。
 これでNikon機材システムの復活も可能となった。あとはカメラボディ、D200の発売を待つしかない。
新開 孝

クサカゲロウ幼虫、さらに再び 2005/10/29
 今日は謎のクサカゲロウ幼虫の捕食行動を見ることができた。
獲物はアブラムシだが、クサカゲロウ幼虫に体液をすっかり吸われて、ぬけがらのような姿になっていた(写真上)。
吸血をたっぷりと堪能し終えたあとは、大アゴをしゃくり上げて獲物の死骸を背負う(写真下)。

(EOS-5D マクロ65ミリ使用  撮影倍率4×)新開 孝

ヒラタアブの一種とオオカマキリ 2005/10/28(その2)
 ヒラタアブ類は写真だけで同定するのはやっかいだ。いや昆虫全般、写真だけで名前調べを済ませるのは、かなり怪しいものという認識が必要だ。
 
 さて、オオカマキリの写真は円周魚眼レンズで撮影したようになっているが、今回使用している合体レンズのイメージサークルが35ミリフルサイズの受像素子面をカバーできないがためである。したがって本日のヤマトシジミやヒラタアブの写真は、実際はオオカマキリと同じ円周像であるところを、パソコン上でトリミングカットしたもの。
 受像素子がAPS-CサイズのEOSキッスデジタルNを使えば、はじめからフレーム一杯の画像を得ることができる。 
 
(EOS-5D 合体レンズ使用)新開 孝

ヤマトシジミ 2005/10/28(その1)
 近所の畑や草原には、ヤマトシジミがたくさん舞っていた。
このところの低温と雨で活動できなかったぶん、それを取り戻すかのようにヤマトシジミたちはにぎわっている。
 ところがマンションのいかにも冷たい、日射しを受けない廊下の壁に、朝からずっと静止したままのヤマトシジミがいた。
 体の調子でも悪いのだろうか?少し気になって午後3時頃に指先ではねに軽く触れてみた。するといきなり元気に舞い上がっていった。ちらりと見えたはねの表の紋様から、このヤマトシジミがメスであったこともわかった。

(EOS-5D 合体レンズ使用)新開 孝
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