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キバラヘリカメムシ 2005/11/18(その3)
 ニシキギの赤く紅葉した葉っぱでキバラヘリカメムシが日光浴していた。
最初は成虫がいくつか目についたが、よく見れば終令幼虫の姿もあった。本種は成虫で冬越しするが、冬の雑木林でその姿を見つけるのは難しい。

(E-500 マクロ50ミリ 1.4×テレコン使用)


 『デジタルカメラ迷走街道を行く』

 そもそも私はこれまで、銀塩フィルムカメラといえばブローニーを主体に使っていた。ブローニーでは苦手だったり、不利な場面では35ミリサイズカメラを補助的に使う程度だった。印刷製版が仕事の上では一番の目的だったから、ブローニーを選択するのはそれなりの理由があったわけだ。
 それがデジタルカメラの時代に突入するや、いかにもブローニーカメラの存在が薄れてしまったような錯覚に陥ってしまった。もちろんスタジオ撮影の世界ではブローニーサイズの業務用カメラは以前からあるのだが、価格的にも桁が違い過ぎるし、野外で身軽に使える機種はかなり少ない事情もあって、そこはまた別世界となってしまった。
 このところデジタル一眼レフカメラの画素数が1000万画素を超え始めてくると、はたして撮像素子サイズはこのままで良いのか?と素人ながら疑問に思えてくる。1600万画素を超え2000万画素にも届こうかというとき、そこはもはやブローニーカメラの領域なのではないか?そんな素人考えが騒ぐ。
 過去に使い慣れていたPENTAX645はいったい、いつになったらデジタル化するのだろうか?私がこのところCanon、OLYMPUS、Nikonとメーカーを超えてそれぞれのデジタルカメラを手にするようになった訳は、どうやらPENTAX645を失ってしまった穴埋めに奔走しているような気がする。
 これまでにデジタルデータでの製版経験は、私の場合それほど数多くないが、正直言っていずれもフィルムのときのような満足感を得ていない。それは印刷所の問題もあるかもしれないが、もはやそういう時代ではないはずだ。どこの印刷所でもきちんとデジタルに対応できなければ、デジタルカメラを使うメリットはまったく活かされないことになる。
 
新開 孝

今年のエリマキアブ 2005/11/18(その2)
 テレビ番組収録の下見に近所を歩いていたら、エノキの枝に巻きついているエリマキアブ(フタスジヒラタアブ)幼虫が見つかった。
 本種の驚くべき生態は、すでにこの「ある記」バックナンバーで何度か紹介したのであるが、依然としてその生活史の詳細はよくわかっていない。

 このエリマキアブについては学研の「日本産幼虫図鑑」におそらく本邦初の生態写真として掲載されている。ちょっと高いけれど、この図鑑は昆虫観察を常とする方々にとって重宝すること間違いない。

 エリマキアブのことはもっと喰い下がって追求してみたいが、今年はハイビジョンビデオで撮影しておきたいと思っている。去年は少しDV撮影したのだが、中途半端に終わってしまった。それは写真撮影を先行させたせいだと思う。新開 孝

ツノロウカイガラムシ 2005/11/18(その1)
 本日の午前中は急遽、飛び込みの仕事となった。

 テレビ番組の収録の仕事では、いきなり「明日なんとかなりませんか!?」という事も珍しくない。こちらに手立てを打つ猶予などない。まあ、しかし先方が撮影したいというからには何とかせねばなあ。そういうときのために、私がおるのかもしれないし?

 さて、その撮影したいものとは「カイガラムシ」だったのである。

 心当たりはあったが、いずれも去年かさらには数年前の観察だから、今日いきなりではどうなるともわからない。しかも、さして珍しくはない昆虫でも、いざ探すとなると案外、見つからないものだ。
 それでも何とかお目当てのツノロウカイガラムシのコロニーが見つかった。
一本のサザンカにおびただしい数のツノロウカイガラムシが着いていた。この半球状の白い塊は♀であり、このまま冬越しする。

(E-500 50ミリマクロ 1.4×コンバーター使用)新開 孝

クビキリギス、受難の日 2005/11/17(その3)
 「いやね、私は好き好んでこんな場所に来たわけではないのよ。」

 



 

「なんせね、私のねぐらが、こうなんだから、、、。」


 





空堀川もここ数年、大雨のたびにかなりの増水となり、そのため護岸が削られてしまい、修復作業が必要となっている。そのための土木作業がここ数日前から続いているのだ。普段、あまり姿を見ないクビキリギスが姿を晒しているのは、草刈り作業とか、今日のような河川修復作業のおかげで追いたてられたせいであろう。新開 孝

ニホントビナナフシ 2005/11/17(その2)
 秋晴れの中、気持ちがいいので写真には青空を入れたくなる。

 ずいぶんと冷え込んできたが、ニホントビナナフシが元気に歩いていた。
本種はこの関東域では♀しかおらず、単為生殖をおこなう。
 卵はまるで糞を投げ飛ばすかのようにして地上へと落ちていくのである。新開 孝

集うエサキモンキツノカメムシたち 2005/11/17(その1)
 今日はハイビジョンカメラのテスト撮影のつもりが、風が強いので取り止めた。
そこで「お化け山」に出向いてみたのだが、、、。

「お化け山」のエサキモンキツノカメムシの大発生は、連日書き込んできた。
その個体数がいかに多いかを写真で伝えるのはほとんど不可能と思える。しかし、あえて今日もその群れを眺めてきた。ほんとうに多いのである。

 エサキモンキツノカメムシは遊歩道を超えて、河川の防護策にも集合している。もちろん成虫に混じって幼虫も多い。この防護柵は黒色コーティングが施されているので熱をためこむのであろう。その暖かい足場にはエサキ以外にも数々の昆虫たちがたむろしている。
新開 孝

エサキモンキツノカメムシの食事 2005/11/16
 「お化け山」で大発生したエサキモンキツノカメムシ。
その食事シーンのひとつを撮影してみた。餌は金網柵の上に落ちたムクノキの実である。雨水で浸出した実の汁を吸っている。

(E-500 マクロ50ミリ 1.4×テレコン使用 内蔵ストロボ)


 『昨日の訂正など』

 OLYMPUS E-500およびE-300の内蔵ストロボにはマニュアルモードがあることを昨日書き込んだのであるが、この機能はOLYMPUS独自というわけではなく、例えばNikonの D70にも同様の機能があることを、ある方からご指摘いただいた。
こういう機能についてはきちんと調べてから発言するべきで、迂闊であったと思う。
 
 さて、本日はハイビジョンビデオカメラHDR-FX1用に発注していた、raynoxのコンバージョンレンズのいくつかが届いた。
 来年からはビデオ撮影もハイビジョンに移行していくので、とりあえずはHDR-FX1のみで昆虫撮影のできる範囲を少しでも広げておこうと思い立ったのである。HDR-FX1は当然ながらレンズ交換などできないので、まさにコンパクトデジカメと同じような境遇。高倍率接写と超広角撮影を可能にするための機材で、できるだけ経費の安く済む手段を探っていきたい。
 明日はこのコンバージョンレンズのテスト撮影をしてみよう。
 

新開 孝

ハートマークもいろいろ 2005/11/15(その2)
 しつこくエサキモンキツノカメムシの話題。

 このカメムシの特徴は、何といっても背面にある「ハートマーク」だ。
で、その紋様をたくさん見ていくと、これがけっこう様々なパターンがあることに改めて気付いたというわけだ。

 で、このエサキモンキツノカメムシに極めて近似している別種、「モンキツノカメムシ」というのがいる。両種のもっとも簡単な見分け方は、ハートマークの上部中央の切れ込みがほとんどない無いのが、モンキツノカメムシということになっている。
 私はこれまでにモンキツノカメムシを2回だけ、撮影したことがあるがいずれも四国南部でのこと。たしかにエサキモンキツノカメムシとは紋様も当然ながら、どこか雰囲気が違っていた。
 しかし、エサキモンキツノカメムシのハートマークには変異が多く、うっかりするとモンキツノカメムシではないか!と錯覚してしまう個体もいるのである。
 新開 孝

エサキモンキツノカメムシの羽化 2005/11/15
本日はずいぶんと寒かった。
しかし、正午過ぎに「お化け山」に行ってみると、エサキモンキツノカメムシの羽化に立ち会うことができた。
 終令幼虫を見つけた段階では、背中が少し盛り上がった状態で力んでいたため、これは羽化の全過程を撮影できるチャンスとばかり、その場所に貼付いてみた。

 これまでにも書いてきたように、ここ「お化け山」では例年になくエサキモンキツノカメムシが異常に大発生している。そして幼虫の数もまだ多いので、そのうち羽化の現場にも出会すだろうと思っていた。
 頻繁に通えるフィールドの良いところは、こうしてどんな虫のどのようなシーンが撮影できるかという、細かいデータを蓄積できることだと思う。

 




『OLYMPUS E-500を使ってみると』

 昨日、購入したばかりのE-500だが今日はテスト撮影でボチボチと思っていたら、豈図らんやエサキモンキツノカメムシの羽化を撮影するチャンスに恵まれた。
 E-500の基本的な性能や操作性はE-300とほぼ同じであるが、操作レスポンスやAF性能はかなり向上しており、ボディの軽さもあって、非常に心地良く撮影できた、というのが第一印象だった。
 グリップのホールディングもしっかりしていて良い。ただ、ボディが小さいこともあって親指が背面の「WBワンタッチボタン」をうっかり押してしまうことが多く、そのたびに撮影が中断してしまった。しかし、これも現場でメニューを探ってみると、このボタンをプレビューボタンへとメニュー変更できることがわかり、さっそく実行してみると、これが実に良い。外見上は絞り込みボタンがないE-500だが、ここを押せば実絞り状態を確認できるというわけだ。
 E-500では、ISO感度も3分の1段階で変更できるのが有り難い。やはりデジカメの良いところはISO感度での露出制御が微妙に操作できるところが大きいと感じているからだ。

 そして気になる画質だが、これは文句無くよろしい。今日はISO400に感度アップして使う場面も多かったが、ISO200での画像と見比べて、まったく問題がないと感じている。
 
新開 孝

中古機材を改良する 2005/11/14(その2)
 OLYMPUS E-500を購入しての帰り、池袋の中古カメラ店に立ち寄ってみた。目的はストロボだったが、ちょうどNikonのAS-14というツインマクロフラッシュがあったので買ってみた。
 このストロボはマニュアルで3段階の調光が効くから、いろいろ応用できそうだ。最初はCanonのリングストロボを考えていたが、こちらは発光管の大きさからして改造には向かないことがわかった。
 さて、このNikon AS-14ツインフラッシュの発光部をこれからバラして、「虫の目線レンズ」に役立てようというわけだ。
 昨日アップした「虫の目線レンズ」画像では、昔使っていた改造ストロボを急遽、無理矢理に使ってみたのだが、やはりライティングとしては非常に出来が悪かった。しかも使いずらいさもあった。
 中古機材というのは、まさに巡り合わせの運しだいで良くも悪くも両極端であるから、その出会いのタイミングはいかにもスリリングである。
 無欲にして、ふらりと店を訪れる。それがもしかしたら極意かも。出会いは何事でも、あせってはいけませんね。
 
新開 孝

昨日のオオミズアオ幼虫 2005/11/14
 昨日、ツツジで見つけたオオミズアオ幼虫は、どうやら食べる葉っぱが無くなってハナミズキから離れたようであった。
 渋々、ツツジの葉をかじっていたのは、食欲がある証拠だ。今日、これはまずいと思って、まだ青い葉っぱが残っているハナミズキの枝に移してやった。するとすぐさまパリパリと食事を始めた。
 このオオミズアオ幼虫はずいぶんとのんびりしているが、これから繭を作って、その中で蛹となり冬を越す。羽化するのは来年5月ころである。


(OLYMPUS E-500 ズイコーデジタル17.5-45ミリ 内蔵ストロボ使用)新開 孝

まだまだ食べてます!オオミズアオ幼虫 2005/11/13(その4)
 オオカマキリをハナミズキの幹上で撮影していたとき、ひょいと下を見ると、
なんとオオミズアオの終令幼虫がいた。

 幼虫はハナミズキの横に植えられたツツジの枝に、でぇーんと構えていた。

 「なんか、文句ある!!」

 そうは言わないまでも、いかにも風格ありの芋虫だ。
 ハナミズキの葉は赤く紅葉し、ほとんど落葉しつつあるなか、もう餌になるような葉っぱもない。繭作りが近いのだなあ、と思っていたら、この幼虫はツツジの葉っぱをかじり始めた。新開 孝

小さい秋 2005/11/13(その3)
 「虫の目線レンズ」で見た小さい秋、ふたつ。

 シオデの黒い実が、いかにも重そうに感じるのは、こうして見上げる視線のためかもしれない。あれが頭上に落っこちてきたら!?

 ハナミズキの幹で出会した、オオカマキリの♀。
おおっ!!そのでかい鎌に押さえ込まれたら、逃げれんぞなもし!



  『虫の目線レンズ』

 昆虫はいかにも小さい。だからその世界をつぶさに観察するには、昆虫と等身大になれるといいかもしれない。彼らが葉っぱの隙間に逃げ込んだとしても、こちらもそこへ追いかけて入っていける。相手が土の穴蔵に引きこもってしまっても、そこへロープを垂れて滑り降りていけばいい。
 昆虫と付き合っていれば、そういうミクロコスモスへ自分を投影してみたくなる誘惑に駆られる。もっともそれがほんとうに実現すれば、怖いどころではない、過酷で厳しい死が、いきなり待ち受けているはずだが、、、。

 昆虫写真の表現手段にはいくつもやり方があって、その中でも虫と等身大になったつもり、虫の目線で昆虫世界を眺めるという手法には、私にも少しばかり憧れもあった。すでに有名な写真家によって、その手法を駆使した作品は公表されて長く久しい。
 私がプロの昆虫写真家ということもあって、その「虫の目線レンズ」のことについて技術的な質問をいろいろな方から受けることもしばしば。つまり昆虫写真をてがける方々にとって、その「虫の目線レンズ」を使ってみたいという思いは皆、同じなわけである。私自身も光学的な知識は皆無に近く、いろいろ試してはみたけれど、そう易々とうまくいかなかった経緯があった。
 ところが、インターネットの時代に入ってから事情は劇的に変わってきた。この手のいわゆる、非常にマニアックな情報も次々と掲示板上で公開されるようになったからだ。
 そして気付いてみれば、まさに灯台下暗し。自分の所有するカメラ機材を工夫し、少し買い物に走れば、あっと言う間に「虫の目線レンズ」が出来てしまった。

 もっとも今使っているレンズシステムには改善すべき問題点も多い。あくまでも簡易システムと言うべきだろう。
 そして、もっとも肝要なことは、この「虫の目線レンズ」を使って自分なりの何を表現するかである。ついついこのレンズは遊んでみたくなるのである。遊ぶのはもちろんけっこう。 
 しかし、せっかくの表現手段を手に入れたなら、これで自己世界をどこまで構築できるか、そこまで突き詰めたいものである。
 という、私はまだまだテスト撮影に明け暮れているのだが、、、、。新開 孝

しつこく今日もエサキモンキツノカメムシ 2005/11/13(その2)
 本日も「お化け山」で大発生しているエサキモンキツノカメムシを見に行った。

 いくつか確かめたい事があったのだが、その一つが配偶行動のこと。つまりエサキモンキツノカメムシは越冬に入る前に交尾を終えるのか否か?
 先日から次々と羽化しているわけだが、その後の成虫は何処か遠くへ分散していく様子もなく、ただただ林内のあちこちで佇んでいるようにしか見えない。餌はどうするのだろうか?
 などと思いながら歩いていると、交尾しているペアが見つかった。
 やはり越冬前に交尾を終えるのだろうか?それとも一部の♀だけなのだろうか? 新開 孝
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