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まだまだ元気、キボシカミキリ 2005/11/13(その1)
 近所のヤマグワの木で見つからなかったキボシカミキリが、「お化け山」に行ってみると金網柵の上を歩いていた。

 冷たいメタル廊下をテケテケとひたすら歩む。いったい何処を目指すというのだろうか?
 私がおもしろがって撮影していると、たまに散歩の方が話しかけてくる。
「何か珍しいものでもいましたか?」
 この決まりきった問いかけに、私はいつも笑顔で答えることにしている。
 心の中で「珍しくなければ、いけないですか?」などと少しばかりムッとしていたのは、ずっと若い頃のことで、そういうことにいちいち目くじら立てることはもう今の自分にはない。
 さて、
 「カミキリムシがまだ活動していますよ。」
 「へーっ!?ああ、ほんとだ。いるんだね。よく見てないとわからないよね。」

 なんとものどかな日曜日だ。新開 孝

まだまだ元気、アオスジアゲハ幼虫 2005/11/12
 台所の窓の外にはクスノキが一本植えてある。調理しているとアオスジアゲハの蛹がいつも目に入って、ああ、これは越冬蛹だなあ、と思っていた。緑色のきれいな蛹で、見事に葉っぱに溶け込んでいる。

 今日は外に出てみて、台所脇のクスノキをじっくり眺めてみた。すると蛹が他にも2つ見つかった。
 しかも、さらに何と!終令幼虫が2匹いた。
 新開 孝

クロタラリア(Crotalaria)とは 2005/11/11(その2)
 11/06の「ある記」でウラナミシジミが産卵していた黄色い花のマメ科植物(写真)は、学名を「クロタラリア レツーサ」と書き込んだ。

 ところが、その後、さらに別の方から、この植物に関しての情報をメールでいただいた。
 まず写真の植物の和名は「コガネタヌキマメ」と呼ばれているそうだ。さらに、このコガネタヌキマメの学名の種小名については、現状ではどうやら混乱をきたしているそうで、いずれ整理される必要があるようだ。

 そこで訂正として、とりあえずは「クロタラリア レツーサ」という学名の種小名「レツーサ」は一旦取り下げておき、和名の「コガネタヌキマメ」という呼称にしておこう。学名中の属名「クロタラリア」はそのままで間違いない。

 コガネタヌキマメは種苗業者が海外から輸入しており、全国の畑で植えられているそうだが、日本在来種としては「タヌキマメ」がよく知られている。あいにく私はタヌキマメの写真を持ち合わせていないので、ここで紹介できないが、タヌキマメの学名は「クロタラリア セシリフローラ Crotalaria sessiliflora」だ。

 タヌキマメは紫色の可憐な花をつけるが、私が初めて見たのは29年前の11月。当時はカメラを持ってなかったので、つたないスケッチが残っているのみ。それ以後はたしかどこかで一度出会った記憶があるだけで、今まで撮影する機会を得ていない。スケッチのメモには、「ウラナミシジミの卵がたくさん産まれてあり!」とある。
 属名「クロタラリア Crotalaria」の意味は、ギリシャ語で「ガラガラ箱」だそうである。

私はタヌキマメを久しぶりに訪ねて撮影してみたいと思っているが、何処で出会えるかはまったくわからない。
新開 孝

ウスタビガ、羽化する 2005/11/11
 昨晩、ウスタビガの♂が羽化した。

 羽化推定時刻は17時から19時のあいだである。この時間帯は、保育園へのお迎え、夕食の準備、夕食と、私は家事で慌ただしい。まさに意表をつかれた羽化であった。

 これまで私の観察した範囲でのウスタビガの羽化時刻は、午後2時から4時のあいだに集中している。また最近の研究結果によれば、ウスタビガの羽化時刻は「14時から始まり、15時から増え、18時にピークとなった」という(INTERNATIONAL JOURNAL OF WILD SILKMOTH & SILK,8:73-80.
三田村敏正:「ウスタビガの配偶行動と産卵」)。

 昨晩の羽化時刻はまさに上記の研究結果にぴったしあてはまる。今回羽化したウスタビガの繭は、この夏に山梨県長坂町で見つけたもの。繭は食樹から離れたササの一種の枝にぶらさがっていた。その繭をこの秋までずっと室内に置き、ときおり霧吹きで水分を与えてきた。
 繭の中の蛹は室内に閉じ込められた状況でも、体内時計はきちんと正常に働いていたようだ。

 また先の研究報告ではウスタビガの羽化時期について、10月中旬に始まり、ピークは11月中旬であった、としている。そして終了は11下旬。
 私もこれまでの経験から、羽化待機は11月に入ってからということで、昨夜の繭もちょうど数日前に撮影準備に入ったばかりであった。

 写真のウスタビガ♂は、深夜になってから秋冷の空へと飛び去っていった。昨夜は半月。
新開 孝

コカマキリの♀ 2005/11/10(その3)
 秋になると空堀川沿いの遊歩道と雑木林の境にある金網柵には、コカマキリの♀が産卵に集まってくる。

 今日も3匹の♀が数メートルづつ間隔をあけて、佇んでいた。もちろんこれから産卵するのが彼女らの目的である。金網のL型をした庇の内側は、ちょうど雨を凌げるし目立ちにくい。コカマキリはこうして卵を隠すように産む習性が強い。

新開 孝

エサキモンキツノカメムシ、羽化続く 2005/11/10(その2)
 昨日も紹介したエサキモンキツノカメムシは、おびただしい数が「お化け山」で徘徊しているが、成虫と幼虫の割合はざっと見て8:2程度で圧倒的に成虫の方が多い。
 遊歩道柵をしっかり見ていくと、羽化後の抜け殻がかなりの数ついており、成虫への羽化ピークはもう終わりに近いのだなあ、と思った。
 
 エサキモンキツノカメムシの終令幼虫たちが生まれ育った木を離れ、広く林の中に分散してから羽化するというのは、ここ「お化け山」では初めての観察である。羽化に先立ってホストの木(おそらくミズキ)を遠く離れてしまうその理由はいったい何だろう?
 ミズキに何か異変でも生じたのだろうか?あるいは一本の木にあまりにも集中して高密度な繁殖をしてしまったからだろうか?

新開 孝

アカイラガ幼虫 2005/11/10(その1)
 アカイラガはその名前のように赤い大きな突起がよく目立つ。

やはりうかつに触れるとかなり痛いようだ。私はイラガ類に刺された経験がまだないので、どれだけ痛いかは受け売りの話しかできない。

 写真の幼虫が雑木林の遊歩道柵のロープを徘徊しているのは、繭を紡ぐ場所を探しているのであろうと思う。アカイラガは面白いことに繭を紡ぐ寸前になると、その特徴的な赤い突起を全部根元から離脱するのである。するといかにもスリムな体型に変身する。
 ではなぜスリムになる必要があるのか?その理由はどうやら繭の形とも関係しているのではないだろうか?アカイラガの繭はほぼ完全な球体形なのである。繭作りのときにできるだけ柔軟に体をくねらせるには、少しでも余計なでっぱりは無いほうがいいと思われる。他にも理由があるのかもしれないが、、、。新開 孝

エサキモンキツノカメムシ、集う 2005/11/09
 一月ほど前から近所の「お化け山」のあちこちに徘徊していてその数の多さが気にかかっているのが、エサキモンキツノカメムシだ。
 で、本日は林内の遊歩道柵のロープに数匹が団子状態で集まっているのが目に止まった(写真上、中)。よく見れば終令幼虫も混ざっていて、羽化したばかりの成虫もいる(写真下)。ということは、この集団はもともとは幼虫集団だったのかもしれない。遊歩道柵をずっと辿っていくと、エサキモンキツノカメムシの成虫や幼虫が歩いている姿がポツンポツンと見つかる。その数を併せると、相当な数にのぼるだろう。
 この無数ともいえるエサキモンキツノカメムシたちは、ここ「お化け山」の中で生まれ育ったことは間違いない。彼らが繁殖する木は主にミズキだが、ミズキはここの林では少ない。その上ミズキのある場所は観察しずらいので、これまで密かに進行していた大繁殖に気付かなかったのは、少し悔しく思う。

(EOS-5D シグマ20ミリ サンパックB3000S使用)新開 孝

秋のキボシカミキリ 2005/11/08(その2)
 一昨年もマンション裏のヤマグワで、秋遅くまでキボシカミキリが活動していて驚いたものだが、今朝もまた同じ場所の木でキボシカミキリを見つけた。

 触角の一部を失っているものの、いたって元気に歩いていた。ヤマグワは細くて小さな株が数本並んでいるだけだが、どの木の幹にも痛々しいくらいにキボシカミキリの産卵痕がついている。新開 孝

歩くヒカゲチョウ幼虫 2005/11/08(その1)
 駐車場に続く金網柵の上を、ヒカゲチョウの幼虫がゆっくりと歩いていた(写真上、矢印の先)。
 この金網柵の反対側(画面右側)にはアズマネザサが繁茂しているから、幼虫はそこから彷徨ってきたようだ。住宅を背景に歩く姿(写真中)を見れば、幼虫がずいぶんと大きく感じられるが、実際の体長は13ミリである。
 おせっかいを焼いて、ササに移してから撮影したのが写真下。ヒカゲチョウの幼虫は落ち葉の下などに潜り込み冬越しする。
新開 孝

近所のトゲアリ 2005/11/07(その2)
 先週、子供がお世話になっている保母さんが見つけてくれたトゲアリを撮影しに出掛けてみた。といっても場所は清瀬市のすぐ隣の東村山市の雑木林。自転車をこいで10分程度で行ける。
 
 トゲアリの巣はコナラの根際の空洞内にあって、数匹の働きアリが入り口あたりをウロウロしている。
 巣内の拡張工事でもしているのか、ときどき土や木屑をくわえて外へと捨てるワーカーがいる。とくに餌を運んでいるような様子はほとんど見かけない。コロニー全体は不活発なようであるが、コナラの高い幹から降りてくるワーカーも少ないながらいたので、カイガラムシの甘露でも収穫していたのだろうか?

 近年、このトゲアリは少なくなってきたようだ。

(EOS-5D 65ミリマクロ使用)新開 孝

エッグヴァスター 2005/11/07(その1)
 「egg-burstar」エッグヴァスター、とは「卵殻破砕器」のこと。
英語をカタカナ表記するのは難しいが、かといって日本語だと耳で聞いたときに
ほとんどの人にとって意味不明だろう。

 カメムシの卵の内部には、このエッグヴァスターが仕組まれている。幼虫はふ化するとき、頭にエッグヴァスターをかぶった格好でグイグイと卵の上部の蓋を押し上げる。するとこのエッグヴァスターがうまーく蓋を切り開いてくれるわけである。このエッグヴァスターは、つまり缶詰切りのような役目をする。

 今日の写真は、雑木林の小枝についた白いカメムシの卵の抜け殻を見つけて撮影したもの。カメムシの種類はさすがにわからない。
 黒い筋の入った三角形のものが、エッグヴァスター「卵殻破砕器」である。

(EOS-5D  EF65ミリマクロ使用)新開 孝

再びウラナミシジミの産卵 2005/11/06
 一昨日の4日にアップしたウラナミシジミの産卵していたマメ科植物の名前を、ある方からメールで教えていただいた。
 「クロタラーリア・レツーサ」という学名だが、結実したさやを振ると「カラカラ」という音がするので別名「マラカス豆」と呼ばれるそうだ。
 名前を教えていただいた方は、このマラカス豆でウラナミシジミ幼虫が実際に成長できることも飼育で確認なさっているそうだ。
 この場であらためてお礼申し上げます。

(写真上)畑の「マラカス豆」
(写真中)マラカス豆の蕾みに産卵するウラナミシジミの♀
(写真下)ウラナミシジミの卵。直径は0.5ミリ程度。

写真撮影日は11/3および11/4。新開 孝

ミノウスバ 2005/11/05
 ミノウスバの幼虫は、マサキ、ニシキギなどで育ち5月ころ蛹になる。
その蛹が羽化するのが晩秋のこのごろである。よく人家の庭先で大発生して、そうなると害虫とみなされ駆除されることもしばしば。
 ミノウスバが属するマダラガ科は昼間活動するものがほとんどで、身近なところでは6、9月と2回現れるホタルガや、年一回初夏のころのシロシタホタルガがいる。そして南方系の美麗種で有名なサツマニシキは、紀伊半島南部、四国南部から九州、南西諸島広くに分布している。

 

写真の成虫は近所の「お化け山」でケヤキの葉っぱに静止していた。
まだ羽化して間もない、新鮮個体だ。

(OLYMPUS E-300  マクロ50ミリ+1.4×テレコン使用)
 新開 孝
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