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ジョロウグモのオス 2005/10/14(その2)
 近所の雑木林でしゃがみ込んで、犬のうんちを朝からじーっと眺めている。
これは何事もおこらなければ、やはりあくびの一つや二つも出る。
 しゃがんだ側には、ちょうどジョロウグモの巣網があったので(写真上)、ときどきこちらを覗き込んでは気晴らしに撮影してみた。
 ジョロウグモのメスは巣網の真ん中に頭を下にして陣取って、獲物がかかるのを忍耐強く待っている。その巣網の少し上のほうに、いかにも控えめの小さなオス(写真下)が二匹、これまたじーっとメスの様子を窺っている。
 しばらく見ているとエンマコガネの一種が飛んで来て、私の目の前で網に掛かり、あっという間にメスの餌食にされてしまった。
 するとその騒動を待ってましたとばかり、オスがそわそわとメスの所へと這い降りて来たではないか。おお、これは交尾に至るのか、とカメラを構えたのだが、
メスの獲物が小さかったためか、オスは途中でぴたりと前進を止めてしまった。

(OLYMPUS E-300 マクロ50ミリ+1.4テレコン使用)新開 孝

オオヒラタシデムシ 2005/10/14(その1)
 オオヒラタシデムシの黒くて薄っぺらな体つきは、落ち葉で埋もれた地面を徘徊するにはいかにもふさわしい姿なのかもしれない。
 近所の雑木林でも、こうしてミミズなどの死骸を食べる姿はよく見かける。三葉虫のような格好の幼虫も成虫と並んで一緒の食事をしていることも多い。

 宮城県牡鹿半島の先にある金華山ではこの夏、鹿の糞に群れているオオヒラタシデムシを観察している。オオヒラタシデムシは他にも獣の死骸やキノコのグレバや腐植物などもよく食べる。まさに林の掃除屋さんというわけだ。


(Canon キッスデジタルN 合体特殊レンズ使用)新開 孝

ムカデ 2005/10/13(その2)
 ムカデの体の色つや、形態などには私はけっこう好感を持っている。

 これまでムカデに噛まれた経験は二回しかないが、いずれも顔面を噛まれた。
しかし、それは一時的な痛みで終わり、むしろヤブ蚊に刺された痒みに比べれば、不快感は薄い。
 以前、私の嫁さんは夜中に布団に侵入した大きなトビズムカデに太ももを噛まれて、大騒ぎをしたことがあるが、そのときも噛んだ犯人の正体を知ってから、その姿を知ったが故に恐怖心を増したようで、実質の肉体的な痛みはさほどでもなかったようだ。
 私は蛇が苦手だが、脚の多いムカデやヤスデ、クモには好感すら憶える。
その理由はよくわからないが、学生時代に居酒屋のバイト中、ウナギをさばく際に強烈な恐怖心に襲われたことを思い出した。そのときは店のお姉ちゃんにえらく叱られた。新開 孝

ジョロウグモの表と裏 2005/10/13(その1)
 ジョロウグモはいかにも毒々しい姿をしている。
身近にいくらでも棲息していることもあって、普段はあまり意識していないが、
よく見てみると、怪しい美しさがある。

 体の裏側、つまりお腹側には赤い色模様があって(写真下)、これが着物の帯色に捉えられたそうだ。つまり女郎の帯というわけ。もっとも「女郎」以外に高貴な「上臈」に由来すると言う説もあって、生きものの命名の由来は複雑である。
 いずれにせよこの怪しい色紋様はメスにしか見られない。新開 孝

LEDライトの改善 2005/10/12
 東京は久しぶりの青空に恵まれた。

 そうではあるけれど、いろいろ雑務処理に追われフィールドを巡る時間はあまり無いので、思い切って秋葉原に出掛けた。
 秋葉原はほんとうに久しぶりで、JR秋葉原駅がずいぶんと様変わりしていて少し戸惑ってしまった。しかし、ここはいつ来ても人が多く活気に満ちていることに何も変わりがない。
 さて秋葉原での用事はいくつもあったのだが、その一つはモデリングランプ用のLEDライトを新規に探すことであった。特に高倍率接写時のモデリングランプ用には、光量の大きいものでしかも希望するサイズやスイッチの形状の条件を満たしたものが欲しかったのである。
 さすがに秋葉原!その望み通りのLEDライトが格安の780円で見つかった。
まるで投げ売りのごとく無造作に山積みされているところが秋葉原らしくていい。ちなみにその店には監視カメラやファイバースコープカメラなど、昆虫観察に欲しいところの機材類も扱っていて、しばしショーウィンドウにかじりついてしまった。

 さて、写真のLEDライトはまずお尻にプッシュ式のスイッチがあり、操作性が向上したこと(前のはライト先端部に回転式のスイッチがあった)。9個のLEDの光量はこれまでのものと比べて数倍の明るさがあって、マクロ20ミリをF8まで絞り込んでもフォーカス合わせができるようになったのも有り難い。
 新開 孝

シンジュサンの卵 2005/10/11(その2)
 松山を発つ前の早朝、クロガネモチをもう一度見に行ってみた。

 それとなく葉っぱをめくっていると、シンジュサンの卵が見つかった。
成虫の体に比べれば、卵はずいぶんと小さく感じる。長径で2ミリほどしかない。

 さてシンジュサンの幼虫はシンジュ(神樹)の葉も食べるので、「神樹蚕」と呼ばれる。幼虫の食性はかなり広いようだ。

 シンジュの木は通常「ニワウルシ」と呼ばれ、ニガキ科の落葉高木。
神樹というからには神社などと関係するのかと思っていたら、ニワウルシは中国原産で明治初期に渡来して野生化したということを初めて知った。
 ニワウルシの英名が「Tree of Heaven」なのでシンジュ(神樹)と呼ばれるようになったらしい。

(OLYMPUS E-300 改造ズイコーマクロ20ミリ使用)新開 孝

クサカゲロウ科の卵 2005/10/11(その1)
10月9日にアップしたクサカゲロウ科一種の卵が色付いてきた。

 本日、東京に戻ってからさっそく学研の『日本産幼虫図鑑』を調べてみると、
フタモンクサカゲロウという種の解説で、「卵柄を数本束ねるという独特の卵塊を形成する。」という記載があった。

 はたして写真の卵の正体はそれであろうか?
 何としても幼虫飼育を成功させたいと思う。

(OLYMPUS E-300 改造ズイコーマクロ20ミリ使用)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/3 2005/10/10(その4)
ツメレンゲの群生地をもう少し見ておこうと思い、これまで入ったことのない道を調べてみた。
 すると大きな露岩や田んぼの石垣でなかなか見事なツメレンゲの群生を見つけることができた。
それでしつこく花を探してみれば、なんと!帰り際になって開花した株がわずかだがあった。群生地のちょっとした向きの違いで開花が早まったのかもしれない。

 それにしても今回は、クロツバメシジミがツメレンゲの花で吸蜜する姿を撮影するにはタイミングが悪かった。あと数日遅ければ、、、、、、、。



(※写真はクリックすると拡大できます)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/2 2005/10/10(その3)
ツメレンゲの花茎をつぶさに見ていると、クロツバメシジミの卵(写真上)や若い幼虫(写真下)がいくつか見つかった。

 幼虫にはアリがまとわりついていることもあって、アリの挙動に気をつけていれば幼虫を発見できるし、幼虫の排泄した黒粒の糞も目印になる。

 (写真上/E-300 改造ズイコーマクロ20ミリ使用)
 (写真下/E-300 マクロ50ミリ+1.4テレコン使用)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/1 2005/10/10(その2)
 四国、松山の滞在最終日はクロツバメシジミを撮影する予定にしていた。
幼虫の食草ツメレンゲは今頃がちょうど開花時期であろうと期待し、そこでクロツバメシジミが吸蜜する姿を想像し楽しみにしていたわけだ。
 生憎、曇り空で風も強かったのだが、車を運転して50分ほどでツメレンゲが群生する山間の村に到着。
 過去にも数回訪れた場所だが、ここにはほんとうにツメレンゲが多い。しかし、なんと!花蕾を無数にまとった花茎がニョキニョキと乱立しているけれど、花が開いたものは皆無であった。開花時期には数日早かったようである(写真上)。
 陽射しがないこともあってクロツバメシジミの姿はわずかに2、3匹を見ただけであった。ツメレンゲにまとわりつくようにチラチラと低く舞い、ときおりキツネノマゴの花で吸蜜していた。しかし、石垣などの上に止まることが多く、少しでも目を離すと、すぐに姿を見失ってしまう(写真下)。
 
新開 孝

シンジュサン幼虫 2005/10/10(その1)
シンジュサン幼虫

 松山市滞在、最終日の朝。

 実家近くのクロガネモチでシンジュサン幼虫を見つけた。
でっぷりと太った終令幼虫(写真上)は数少なく、それよりか小柄の若い幼虫(写真下)が梢のあちこちの葉にしがみついている。

 シンジュサンは十数年前、ここ松山で大発生を繰り返していた。そのため幼虫の食害を受けて丸坊主になったクロガネモチもあった。クロガネモチ以外にもクスノキも餌となっていた。
 葉っぱを綴って造った繭はちょっと集めれば軽く100個を超えるほどだった。
 しかし、大発生を戒めるがごとく寄生率も高く、持ち帰った繭の9割以上が羽化せず死んでいた。
新開 孝

ヤスマツトビナナフシ 2005/10/09(その2)
 今日(10月8日)は曇っている上に、ときおり小雨模様となった。
 予定していた山行きを断念して実家の庭木の手入れをしていたら、
クリの梢でヤスマツトビナナフシを見つけた。お腹が大きく膨らんでいるから卵をいっぱい産んでくれることだろう。
 それにトビナナフシはちょうど探していた虫だったので助かった。

 剪定バサミをカメラに取っ替えて、
 さっそく使い始めたばかりのレンズで撮影してみた(10月8日)。

(写真/E-300  シグマ8ミリ円周魚眼 )


『シグマ15ミリ水平魚眼』

 先日、シグマ15ミリ魚眼レンズのCanon用が手に入らなかったことを書いたら、すぐに数名の方からデジタル対応の新型レンズが近々発売されることを教えていただいた。
 ここに改めてお礼を申し上げます。

 しかしながらその新レンズの発売は今月末なので、今すぐ必要な撮影の仕事には間に合わない。そこで糸崎公朗さんのホームページで紹介されていた8ミリの円周魚眼を使う手法を私もさっそく試してみることにした。

 この手法ではレンズ先端から被写体までの距離が1センチ弱程度と極めて短いため、ストロボを使ってのライティングにはそれなりの工夫が必要である。
 いろいろテストした結果、E-300の内蔵ストロボを使ったライティングシステムが出来た。システムというのは少々オーバーだが、、、、。
 最初のうち簡単なディフューザーを使った程度では被写体のトップが白飛びして
しまいうまくいかなかったが、ちょっとした工作でこの問題は解消できた。
 ただしレンズ先端が被写体に寄りすぎるため、撮影条件は制約をかなり受ける。被写体となる虫の立場にたてば、でっかいレンズがすぐ間近に迫ってくるのだからたまったものではない。ほとんどの場合は、さっさと逃げられてしまう。
 しかもレンズ面積が大きいために、突起物があればぶつかって被写体を驚かしてしまうし、もとより近寄れない。

ずいぶんと昔、Nikonの水平魚眼16ミリに薄いリングをかまして最短距離を縮めて使った経験があり、苦労したわりには成果が乏しかっことを懐かしく思い出した。

 しかし、特に小さいサイズの昆虫を、生息環境とともに一枚の写真で説明したいような場合には、こういった超広角接写での撮影も必須である。
 こんな場合はレンズ径の小さい棒状レンズがあればいいのだろう。
新開 孝

謎の優華花(うどんげ) 2005/10/09(その1)
 カシワの葉裏に、長さ1センチの細い柄の先にぶら下がった卵の束を見つけた。(写真上)
 見つけた場所は、松山の実家の庭先。
この卵の束は以前にも何度か見たことがあるが、いつもふ化した後のため親の正体を突き止めるチャンスがこれまでなかった。
 
すでに気付かれた方も多いと思うが、この卵はいわゆる「優華花」の一種で、クサカゲロウ類の卵である。
 普通よく見かける「優華花」とは、卵が等間隔で離れて並び、糸の柄が絡むようなことはない。
 写真の卵の束は、糸の柄の付着点を一カ所にまとめてしまう習性がゆえの結果だが、この親の正体を是非知りたいものだし、産卵の現場も見てみたい。
 
ふ化した幼虫たちは一本の、それこそまさにシルクロードをよじ登り、葉っぱにつくアブラムシの餌場へと旅立つのだろう。(10月8日撮影)

(写真上/E-300 マクロ50ミリ+1.4テレコン)
(写真下/E-300 ズイコーマクロ20ミリ)
新開 孝

本日、更新できず! 2005/10/08
 今日は実家の近くのネットカフェで更新をしようとしたが、
ここのパソコンは用意していたUSBクリップドライブを認識できないことがわかった。(というか、迂闊にもそのことを忘れていた)
 したがって写真データの入力ができないのではお話にならず、明日CD−Rに焼きなおして出直すことにした。

 というわけでせっかく訪問された方にはお詫申し上げます。明日の午前中には更新作業を済ませます。
                     新開新開 孝
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