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『新開からのおしらせ』 2005/10/07
本日から四国、松山です。

 今回は母校、愛媛大学農学部の昆虫学研究室の催事で数日、帰省します。
 
 やはりあちらのうどんは美味しいのでささやかな楽しみの一つです。

 昔、電車を乗り継いで帰省していたころは、岡山から高松まで宇高連絡船でした。その船上デッキのうどん屋台が、抜群においしかった!です。
乗船してすぐ並ばないと品切れで食べ損ねるのですが、一杯では物足らず再度行列のうしろに並んで2杯は食べてました。

 写真は、キノコを食べるセンチコガネ。
 糞虫のなかでももっともよく見かけるセンチコガネはその食性が広く、
腐果とかキノコによく潜り込んでいます。
 キノコも痛みかけたのが好きなようです。ですからキノコの種類を判別するのが難しいわけですね。
 センチコガネがブンブン雑木林の中を舞う姿が目立つのが今頃ですが、
その光景はいかにも秋の到来を感じさせます。

 新開 孝

訂正/イチモンジチョウ蛹の眼とは 2005/10/06
 昨日アップしたイチモンジチョウ蛹の眼とした部分は、私の勘違いであったようだ。
 写真の赤い矢印の部分がほんとうの眼だと思う。
 訂正してここにお詫び申し上げます。

 真珠光沢の部分はいかにも眼のように見えて、私はこれまでずっとそうだと思い込んでいた。しかも6個の個眼の痕跡とおぼしき突起まで並んで、、、、。

 チョウや蛾の蛹の体の各部解説イラストをいろいろ調べてみたが、眼の部分を鮮明に指し示したものが意外と見当たらない。
 私が学生時代に昆虫学の教科書の一つとして使っていた石原保 著『農業昆虫大要』にはアゲハの蛹のイラストがあって、それを見ると一番明快に眼の箇所がわかった。アゲハの蛹が手元にあったらきちんとそれで確認できていたのであるが、
私には案外とこういう思い込みによる間違いが多くて恥ずかしい。
 ちなみに『農業昆虫大要』は昭和38年に初版が出た本で、カバーは私の手垢で汚れてしまっている。たしか高校生のときに買ってむさぼるように読んでいた。新開 孝

イチモンジチョウ蛹の眼 2005/10/05(その2)
 先日、寄生されたと思い込んでいたイチモンジチョウ蛹は、病原菌かなにかに侵されていたようで、体の内部は空洞化していた。

 さてもう一匹、飼育下で蛹になったものがいるので高倍率接写のテストがてら体の細部を撮影してみた。
 すると真珠光沢の眼の部分には幼虫時代の個眼の痕跡が6個くっきりと見えた(写真上)。これは意外な発見!

 (写真下/本日の撮影に使用したE-300)


 


『ズイコーマクロ20、38ミリを活用する』

 2倍以上の高倍率接写ではCanonの65ミリマクロが優れていて、OLYMPUSのEシステムを使う場合でもキッスデジタル付き65ミリマクロを携行せざるを得なかった。
 しかし野外撮影での機材は、Eシステムでいくならそれに統一しておく方がすっきりしていて使い易い。だがフォーサーズレンズにはまだ専用マクロレンズがない。
 そこでせっかく手持ちであるところの旧ズイコーマクロレンズ2本とOLYMPUSから無償でいただいているOMフォーサーズ変換アダプターを活用してみることにした。無論、自動絞りとはいかないが、ちょっと試してみるとこれがけっこう使えるのであった。
 と言っても特別なことをしたわけではない。E-300の内蔵ストロボを活かして少し工作をするだけのこと。ポイントは3つある。

 写真を見ていただければわかることだが、まず一つ目はポップアップ式のストロボにマジックテープで着脱できるソフトボックスをかぶせる。
 さらに二つ目に、焦点合わせのためのモデリングランプを添える。E-300の場合ストロボ発光部が光軸とわずかにずれていることが幸いして、本体のアクセサリーシューにモデリングランプを装着できる。
 三つ目がレンズの絞り込みボタンを大きくして指のかかり具合を安定させること。
 
 以上三つのポイントをおさえて実際に撮影してみると、結果はすこぶる良い。
撮影倍率は20ミリと38ミリのレンズの選択という2つに限られるが、使い道は広いと思う。モデリングランプに協力なLEDを使用すれば絞り込みでのピント合わせも可能である。
 
新開 孝

シャチホコガ科の幼虫 2005/10/05
 若い幼虫のためまだ種名がわからないが、シャチホコガ科の一種であることは疑いない。飯能市で見つけたこの幼虫はフジの葉を食べていた。
 発見当初は3匹いたが後日、採集した段階では1匹しか見当たらなかった。

 


とにかく驚くのは、頭とお尻をそり返しての幼虫のポーズだ。
葉っぱを食べているときや歩くとき以外は、いつもこの姿勢をとっている。



 『シグマ 15ミリ魚眼レンズ Canon用は生産完了!?』

 EOS-5Dを使い始めて、Canon純正レンズ15ミリ魚眼レンズの使用頻度が以前のように高くなっている。以前というのはフィルムカメラ時代ということ。
 ところがこのEF15ミリレンズの調子が悪い。少し前から気付いていたのだが、撮影中に突如としてエラーが発生し、カメラがフリーズしてしまう。
 一旦電源を落として再び起動させれば立ち直るが、さらに絞り込みレバーを押さないと、絞り込み状態のままで撮影できない。この症状はどのカメラ機種に取り付けても同じように発生するので、レンズ側に問題があることは間違いない。
 おそらくはレンズの電気接点の接触不良が原因とみて、接点を磨き導通力を高める処置までほどこしたが、トラブルは解消できていない。
 このままだと修理出しが必要のようだが修理から戻ってくるまでの間、代替レンズがないのも困る。そこでこの際シグマの15ミリ魚眼を予備レンズとして購入しておこうと思い、昨日は都内にでたついでに池袋のビックカメラに立ち寄ってみた。
 ところが店員がメーカーに問い合わせてみると、シグマ15ミリ魚眼レンズのCanon用はすでにメーカー側で生産完了しているということで、購入できなかった。Nikon用はあったが。
 
新開 孝

コウチスズメの幼虫 2005/10/04
 近所のドウダンツツジの生け垣でコウチスズメの幼虫を見つけた。
体の側面には派手な赤い紋様があって綺麗だ。

 さてこの幼虫を今日発売の学研の『日本産幼虫図鑑』で調べてみた。
ところが同じ姿の写真が見当たらない。
 まったく素人の方が絵合わせだけで調べようとすればこれはたいへん困るケースだろう。
 じつはコウチスズメの幼虫の体色や紋様には個体変異がある。
 スズメガ類の幼虫全体にその傾向が強いことをあらかじめ知っていれば、紋様のパターンや形態からだいたいの検討を付けることができる。
 検討がつけば記載文中の変異の解説に納得でき、種名も判明する。もっとも幼虫の個体変異まで網羅して一冊の図鑑に載せることなど、膨大な種数を抱える蛾類では不可能なことである。

 私も、本日の写真の色付きタイプ幼虫を見るのは初めてのことで、ちょっと驚いた。
 しかし、コウチスズメの幼虫は近年、都市部のドウダンツツジの植え込みでよく見つかるようになっているそうだ。(学研『日本産幼虫図鑑』による)

(写真上/Canon EOS-5D EF15mm 使用)

(写真下/OLYMPUS E-300 マクロ50mm 使用)新開 孝

イチモンジチョウ蛹の異変 2005/10/03
 先日スイカズラで見つけたイチモンジチョウの蛹に異変が生じた。
 どうやら幼虫時代に寄生されていたようだ。
羽化が近づいて蛹の色が変化する場合は、全体にほぼ均一に黒化していくはずだが写真の蛹は茶褐色に変色し始めている。
 蛹背後から電灯で照らしてみると、体のあちこちがまだらに空洞化している。この蛹はすでに死んでいるのだろう。
 ならばいずれ姿を現すであろう新たな生命体、その寄生昆虫を待ち構えてやろうではないか。
 とはいっても、今日は本作りの仕事のためずっとパソコンの前に座っての作業が続く。ときおり蛹の様子を窺うことはできるが、張り付くことはできない。
 おまけに夕食のおでんの仕込みもやっているので、あちこちに神経を張りつめている。おでんの煮込み過ぎは禁物だ。
 だからといって、今日中に寄生昆虫が出現するかどうかもわからない。  

(OLYMPUS E-300  50ミリマクロ テレコン使用)
新開 孝

ハラビロカマキリのかっ色型 2005/10/02
 昨日は飯能市で昆虫観察会の講師の仕事があった。
これは「風カルチャークラブ」の講座のひとつで、昆虫観察会の大人版としては珍しい催しと思う。
 さて、観察会は午後3時からだったので、一足さきに家族とフィールドに入ってみた。オオウラギンスジヒョウモンやメスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどヒョウモン類がさかんにノハラアザミに吸蜜に来ている姿が目立った。
 子供がカマキリを見つけて騒いでいるので覗いてみると、ハラビロカマキリのかっ色型だった。
 ハラビロカマキリのかっ色型を見るのは、これまでわずかに3回しかない。それとは逆にコカマキリの場合、ほとんどがかっ色型で緑色型はたいへん少ない。

  写真は昨日、10/1に撮影。場所は飯能市天覧山。

(OLYMPUS E-300  50ミリマクロ テレコン使用)新開 孝

オオカマキリ怒る!!秋 2005/10/01
 10月に入ったばかりだが、ずいぶんと暖かい一日であった。

飯能市のあるお寺で、これまたずいぶんと威勢のいいオオカマキリに出会った。



(OLYMPUS E-300  7〜14ミリズーム 使用)新開 孝

スイカズラとイチモンジチョウの蛹 2005/09/30
 駐車場に行き来している間のほんの数メートルの薮では、いろいろなチョウに会える。で、先日はイチモンジチョウの若い幼虫を見つけ今も飼っている。
 昨日はこの幼虫の餌を補給するためスイカズラを摘み採ろうとしたら、そこに下垂したイチモンジチョウの蛹を見つけた(写真上)。 


 逆さになった頭をよく見ると、眼の部分が真珠のような光沢をしている(写真下)。

新開 孝

新機種、EOS-5D 2005/09/29(その2)
さっそく新しいカメラのテストに出掛けてみた。
テストとは形ばかりで、その結果がどうあろうとこのカメラを返品したりするわけでもないから、まあ、いきなり本番といった方がいいだろう。
10/1に行う観察会の仕事の下見も兼ねてのことだから、テストは二の次といえる。
 
 さてEOS-5Dは使ってみると、とにかく操作性はごくシンプルに仕上がっていて、初めて触ってもすんなり使えるカメラだ。画像表示、画像拡大チェック、画像消去など、次々と撮影しながらの各操作はじつに滑らかで迅速。これが1280万画素のカメラかと驚くほどだ。カードへの書き込み中でも手前の画像を読み出し、拡大チェック、消去などがなんのストレスもなく実行できるのは気持ちがいい。
 だが、ミラーアップ時の「パカコン」という作動音はちょいと歯切れが悪い。なんだかのったりやってます、という感じがする。感じとは裏腹に、カメラ内部では凄い作業をこなしていることには間違いないのだが。
 ファインダーが、ずっとこれまで使い慣れてきた35ミリフルサイズになって、なんとも気持ちがいい。これはこれで素直にいいと思う。
 
 写真はナガコガネグモの巣網。

 新開 孝

2枚の枯れ葉 2005/09/29
 飯能市の雑木林を歩いての帰り道。コナラの梢に引っかかった枯れ葉が目に止まった。
 「うん!?枯れ葉?」
 「おお!ホシヒメホウジャクではないか!」

しかも、その枯れ葉そっくりの蛾は、裏側にもう一匹、いたあーっ!!


(Canon EOS-5D 100ミリマクロ使用)
新開 孝

アオスジアゲハの目玉模様(その2) 2005/09/28
 うちで飼っているアオスジアゲハ幼虫も、次々に終令となっている(写真上)。







幼虫の胸部背面(背中の頭より)には一対の目玉模様があるが、幼虫の頭の方から見た場合(写真中)も、背中から見た場合(写真下)も、あるいはお尻側から見ても、それぞれ目玉模様に見える。それはアオスジアゲハの目玉模様は立体的に出来ているからだ。
 立体型になっているわけは、(その1)を見ていただきたい。新開 孝

アオスジアゲハの目玉模様(その1) 2005/09/28
 アオスジアゲハ幼虫の若いころは、背中にいくつか小さな突起がある。
特に大きいのが背中の一番盛り上がったあたり、つまり胸部背面の一対である。
 終令の一段階手前の4令幼虫でこの突起を見てみると(写真上)、この部分が終令期には目玉模様(写真下)に整形されることがよくわかる。新開 孝

ディテール 2005/09/27(その2)
 昆虫の体の細部の状況は、相当に千差万別。さらにステージによってその有様はずいぶんと変化に富んでいる。

 先のアケビコノハ蛹の頭部を横から見てみたのが写真上。
アケビコノハの蛹は指で摘もうとしても、ツルツルとすべってしまうくらい、外見上はテカテカなのだが、そのディテールはと言うと平らな面ではなく、実に細かい複雑なレリーフが施されている。蛹と言えどいかにもおしゃれなのである。

 写真下はイチモンジチョウ幼虫の体に生えている突起。これはいくら触っても刺されたりはしないが、見た目にはいかにも痛そうである。このトゲトゲを見た小鳥が、この幼虫を前にして補食を躊躇するかどうかは、そう簡単に断定できはしない。新開 孝
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