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クサカゲロウ科の卵 2005/10/11(その1)
10月9日にアップしたクサカゲロウ科一種の卵が色付いてきた。

 本日、東京に戻ってからさっそく学研の『日本産幼虫図鑑』を調べてみると、
フタモンクサカゲロウという種の解説で、「卵柄を数本束ねるという独特の卵塊を形成する。」という記載があった。

 はたして写真の卵の正体はそれであろうか?
 何としても幼虫飼育を成功させたいと思う。

(OLYMPUS E-300 改造ズイコーマクロ20ミリ使用)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/3 2005/10/10(その4)
ツメレンゲの群生地をもう少し見ておこうと思い、これまで入ったことのない道を調べてみた。
 すると大きな露岩や田んぼの石垣でなかなか見事なツメレンゲの群生を見つけることができた。
それでしつこく花を探してみれば、なんと!帰り際になって開花した株がわずかだがあった。群生地のちょっとした向きの違いで開花が早まったのかもしれない。

 それにしても今回は、クロツバメシジミがツメレンゲの花で吸蜜する姿を撮影するにはタイミングが悪かった。あと数日遅ければ、、、、、、、。



(※写真はクリックすると拡大できます)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/2 2005/10/10(その3)
ツメレンゲの花茎をつぶさに見ていると、クロツバメシジミの卵(写真上)や若い幼虫(写真下)がいくつか見つかった。

 幼虫にはアリがまとわりついていることもあって、アリの挙動に気をつけていれば幼虫を発見できるし、幼虫の排泄した黒粒の糞も目印になる。

 (写真上/E-300 改造ズイコーマクロ20ミリ使用)
 (写真下/E-300 マクロ50ミリ+1.4テレコン使用)
新開 孝

クロツバメシジミとツメレンゲ/1 2005/10/10(その2)
 四国、松山の滞在最終日はクロツバメシジミを撮影する予定にしていた。
幼虫の食草ツメレンゲは今頃がちょうど開花時期であろうと期待し、そこでクロツバメシジミが吸蜜する姿を想像し楽しみにしていたわけだ。
 生憎、曇り空で風も強かったのだが、車を運転して50分ほどでツメレンゲが群生する山間の村に到着。
 過去にも数回訪れた場所だが、ここにはほんとうにツメレンゲが多い。しかし、なんと!花蕾を無数にまとった花茎がニョキニョキと乱立しているけれど、花が開いたものは皆無であった。開花時期には数日早かったようである(写真上)。
 陽射しがないこともあってクロツバメシジミの姿はわずかに2、3匹を見ただけであった。ツメレンゲにまとわりつくようにチラチラと低く舞い、ときおりキツネノマゴの花で吸蜜していた。しかし、石垣などの上に止まることが多く、少しでも目を離すと、すぐに姿を見失ってしまう(写真下)。
 
新開 孝

シンジュサン幼虫 2005/10/10(その1)
シンジュサン幼虫

 松山市滞在、最終日の朝。

 実家近くのクロガネモチでシンジュサン幼虫を見つけた。
でっぷりと太った終令幼虫(写真上)は数少なく、それよりか小柄の若い幼虫(写真下)が梢のあちこちの葉にしがみついている。

 シンジュサンは十数年前、ここ松山で大発生を繰り返していた。そのため幼虫の食害を受けて丸坊主になったクロガネモチもあった。クロガネモチ以外にもクスノキも餌となっていた。
 葉っぱを綴って造った繭はちょっと集めれば軽く100個を超えるほどだった。
 しかし、大発生を戒めるがごとく寄生率も高く、持ち帰った繭の9割以上が羽化せず死んでいた。
新開 孝

ヤスマツトビナナフシ 2005/10/09(その2)
 今日(10月8日)は曇っている上に、ときおり小雨模様となった。
 予定していた山行きを断念して実家の庭木の手入れをしていたら、
クリの梢でヤスマツトビナナフシを見つけた。お腹が大きく膨らんでいるから卵をいっぱい産んでくれることだろう。
 それにトビナナフシはちょうど探していた虫だったので助かった。

 剪定バサミをカメラに取っ替えて、
 さっそく使い始めたばかりのレンズで撮影してみた(10月8日)。

(写真/E-300  シグマ8ミリ円周魚眼 )


『シグマ15ミリ水平魚眼』

 先日、シグマ15ミリ魚眼レンズのCanon用が手に入らなかったことを書いたら、すぐに数名の方からデジタル対応の新型レンズが近々発売されることを教えていただいた。
 ここに改めてお礼を申し上げます。

 しかしながらその新レンズの発売は今月末なので、今すぐ必要な撮影の仕事には間に合わない。そこで糸崎公朗さんのホームページで紹介されていた8ミリの円周魚眼を使う手法を私もさっそく試してみることにした。

 この手法ではレンズ先端から被写体までの距離が1センチ弱程度と極めて短いため、ストロボを使ってのライティングにはそれなりの工夫が必要である。
 いろいろテストした結果、E-300の内蔵ストロボを使ったライティングシステムが出来た。システムというのは少々オーバーだが、、、、。
 最初のうち簡単なディフューザーを使った程度では被写体のトップが白飛びして
しまいうまくいかなかったが、ちょっとした工作でこの問題は解消できた。
 ただしレンズ先端が被写体に寄りすぎるため、撮影条件は制約をかなり受ける。被写体となる虫の立場にたてば、でっかいレンズがすぐ間近に迫ってくるのだからたまったものではない。ほとんどの場合は、さっさと逃げられてしまう。
 しかもレンズ面積が大きいために、突起物があればぶつかって被写体を驚かしてしまうし、もとより近寄れない。

ずいぶんと昔、Nikonの水平魚眼16ミリに薄いリングをかまして最短距離を縮めて使った経験があり、苦労したわりには成果が乏しかっことを懐かしく思い出した。

 しかし、特に小さいサイズの昆虫を、生息環境とともに一枚の写真で説明したいような場合には、こういった超広角接写での撮影も必須である。
 こんな場合はレンズ径の小さい棒状レンズがあればいいのだろう。
新開 孝

謎の優華花(うどんげ) 2005/10/09(その1)
 カシワの葉裏に、長さ1センチの細い柄の先にぶら下がった卵の束を見つけた。(写真上)
 見つけた場所は、松山の実家の庭先。
この卵の束は以前にも何度か見たことがあるが、いつもふ化した後のため親の正体を突き止めるチャンスがこれまでなかった。
 
すでに気付かれた方も多いと思うが、この卵はいわゆる「優華花」の一種で、クサカゲロウ類の卵である。
 普通よく見かける「優華花」とは、卵が等間隔で離れて並び、糸の柄が絡むようなことはない。
 写真の卵の束は、糸の柄の付着点を一カ所にまとめてしまう習性がゆえの結果だが、この親の正体を是非知りたいものだし、産卵の現場も見てみたい。
 
ふ化した幼虫たちは一本の、それこそまさにシルクロードをよじ登り、葉っぱにつくアブラムシの餌場へと旅立つのだろう。(10月8日撮影)

(写真上/E-300 マクロ50ミリ+1.4テレコン)
(写真下/E-300 ズイコーマクロ20ミリ)
新開 孝

本日、更新できず! 2005/10/08
 今日は実家の近くのネットカフェで更新をしようとしたが、
ここのパソコンは用意していたUSBクリップドライブを認識できないことがわかった。(というか、迂闊にもそのことを忘れていた)
 したがって写真データの入力ができないのではお話にならず、明日CD−Rに焼きなおして出直すことにした。

 というわけでせっかく訪問された方にはお詫申し上げます。明日の午前中には更新作業を済ませます。
                     新開新開 孝

『新開からのおしらせ』 2005/10/07
本日から四国、松山です。

 今回は母校、愛媛大学農学部の昆虫学研究室の催事で数日、帰省します。
 
 やはりあちらのうどんは美味しいのでささやかな楽しみの一つです。

 昔、電車を乗り継いで帰省していたころは、岡山から高松まで宇高連絡船でした。その船上デッキのうどん屋台が、抜群においしかった!です。
乗船してすぐ並ばないと品切れで食べ損ねるのですが、一杯では物足らず再度行列のうしろに並んで2杯は食べてました。

 写真は、キノコを食べるセンチコガネ。
 糞虫のなかでももっともよく見かけるセンチコガネはその食性が広く、
腐果とかキノコによく潜り込んでいます。
 キノコも痛みかけたのが好きなようです。ですからキノコの種類を判別するのが難しいわけですね。
 センチコガネがブンブン雑木林の中を舞う姿が目立つのが今頃ですが、
その光景はいかにも秋の到来を感じさせます。

 新開 孝

訂正/イチモンジチョウ蛹の眼とは 2005/10/06
 昨日アップしたイチモンジチョウ蛹の眼とした部分は、私の勘違いであったようだ。
 写真の赤い矢印の部分がほんとうの眼だと思う。
 訂正してここにお詫び申し上げます。

 真珠光沢の部分はいかにも眼のように見えて、私はこれまでずっとそうだと思い込んでいた。しかも6個の個眼の痕跡とおぼしき突起まで並んで、、、、。

 チョウや蛾の蛹の体の各部解説イラストをいろいろ調べてみたが、眼の部分を鮮明に指し示したものが意外と見当たらない。
 私が学生時代に昆虫学の教科書の一つとして使っていた石原保 著『農業昆虫大要』にはアゲハの蛹のイラストがあって、それを見ると一番明快に眼の箇所がわかった。アゲハの蛹が手元にあったらきちんとそれで確認できていたのであるが、
私には案外とこういう思い込みによる間違いが多くて恥ずかしい。
 ちなみに『農業昆虫大要』は昭和38年に初版が出た本で、カバーは私の手垢で汚れてしまっている。たしか高校生のときに買ってむさぼるように読んでいた。新開 孝

イチモンジチョウ蛹の眼 2005/10/05(その2)
 先日、寄生されたと思い込んでいたイチモンジチョウ蛹は、病原菌かなにかに侵されていたようで、体の内部は空洞化していた。

 さてもう一匹、飼育下で蛹になったものがいるので高倍率接写のテストがてら体の細部を撮影してみた。
 すると真珠光沢の眼の部分には幼虫時代の個眼の痕跡が6個くっきりと見えた(写真上)。これは意外な発見!

 (写真下/本日の撮影に使用したE-300)


 


『ズイコーマクロ20、38ミリを活用する』

 2倍以上の高倍率接写ではCanonの65ミリマクロが優れていて、OLYMPUSのEシステムを使う場合でもキッスデジタル付き65ミリマクロを携行せざるを得なかった。
 しかし野外撮影での機材は、Eシステムでいくならそれに統一しておく方がすっきりしていて使い易い。だがフォーサーズレンズにはまだ専用マクロレンズがない。
 そこでせっかく手持ちであるところの旧ズイコーマクロレンズ2本とOLYMPUSから無償でいただいているOMフォーサーズ変換アダプターを活用してみることにした。無論、自動絞りとはいかないが、ちょっと試してみるとこれがけっこう使えるのであった。
 と言っても特別なことをしたわけではない。E-300の内蔵ストロボを活かして少し工作をするだけのこと。ポイントは3つある。

 写真を見ていただければわかることだが、まず一つ目はポップアップ式のストロボにマジックテープで着脱できるソフトボックスをかぶせる。
 さらに二つ目に、焦点合わせのためのモデリングランプを添える。E-300の場合ストロボ発光部が光軸とわずかにずれていることが幸いして、本体のアクセサリーシューにモデリングランプを装着できる。
 三つ目がレンズの絞り込みボタンを大きくして指のかかり具合を安定させること。
 
 以上三つのポイントをおさえて実際に撮影してみると、結果はすこぶる良い。
撮影倍率は20ミリと38ミリのレンズの選択という2つに限られるが、使い道は広いと思う。モデリングランプに協力なLEDを使用すれば絞り込みでのピント合わせも可能である。
 
新開 孝

シャチホコガ科の幼虫 2005/10/05
 若い幼虫のためまだ種名がわからないが、シャチホコガ科の一種であることは疑いない。飯能市で見つけたこの幼虫はフジの葉を食べていた。
 発見当初は3匹いたが後日、採集した段階では1匹しか見当たらなかった。

 


とにかく驚くのは、頭とお尻をそり返しての幼虫のポーズだ。
葉っぱを食べているときや歩くとき以外は、いつもこの姿勢をとっている。



 『シグマ 15ミリ魚眼レンズ Canon用は生産完了!?』

 EOS-5Dを使い始めて、Canon純正レンズ15ミリ魚眼レンズの使用頻度が以前のように高くなっている。以前というのはフィルムカメラ時代ということ。
 ところがこのEF15ミリレンズの調子が悪い。少し前から気付いていたのだが、撮影中に突如としてエラーが発生し、カメラがフリーズしてしまう。
 一旦電源を落として再び起動させれば立ち直るが、さらに絞り込みレバーを押さないと、絞り込み状態のままで撮影できない。この症状はどのカメラ機種に取り付けても同じように発生するので、レンズ側に問題があることは間違いない。
 おそらくはレンズの電気接点の接触不良が原因とみて、接点を磨き導通力を高める処置までほどこしたが、トラブルは解消できていない。
 このままだと修理出しが必要のようだが修理から戻ってくるまでの間、代替レンズがないのも困る。そこでこの際シグマの15ミリ魚眼を予備レンズとして購入しておこうと思い、昨日は都内にでたついでに池袋のビックカメラに立ち寄ってみた。
 ところが店員がメーカーに問い合わせてみると、シグマ15ミリ魚眼レンズのCanon用はすでにメーカー側で生産完了しているということで、購入できなかった。Nikon用はあったが。
 
新開 孝

コウチスズメの幼虫 2005/10/04
 近所のドウダンツツジの生け垣でコウチスズメの幼虫を見つけた。
体の側面には派手な赤い紋様があって綺麗だ。

 さてこの幼虫を今日発売の学研の『日本産幼虫図鑑』で調べてみた。
ところが同じ姿の写真が見当たらない。
 まったく素人の方が絵合わせだけで調べようとすればこれはたいへん困るケースだろう。
 じつはコウチスズメの幼虫の体色や紋様には個体変異がある。
 スズメガ類の幼虫全体にその傾向が強いことをあらかじめ知っていれば、紋様のパターンや形態からだいたいの検討を付けることができる。
 検討がつけば記載文中の変異の解説に納得でき、種名も判明する。もっとも幼虫の個体変異まで網羅して一冊の図鑑に載せることなど、膨大な種数を抱える蛾類では不可能なことである。

 私も、本日の写真の色付きタイプ幼虫を見るのは初めてのことで、ちょっと驚いた。
 しかし、コウチスズメの幼虫は近年、都市部のドウダンツツジの植え込みでよく見つかるようになっているそうだ。(学研『日本産幼虫図鑑』による)

(写真上/Canon EOS-5D EF15mm 使用)

(写真下/OLYMPUS E-300 マクロ50mm 使用)新開 孝

イチモンジチョウ蛹の異変 2005/10/03
 先日スイカズラで見つけたイチモンジチョウの蛹に異変が生じた。
 どうやら幼虫時代に寄生されていたようだ。
羽化が近づいて蛹の色が変化する場合は、全体にほぼ均一に黒化していくはずだが写真の蛹は茶褐色に変色し始めている。
 蛹背後から電灯で照らしてみると、体のあちこちがまだらに空洞化している。この蛹はすでに死んでいるのだろう。
 ならばいずれ姿を現すであろう新たな生命体、その寄生昆虫を待ち構えてやろうではないか。
 とはいっても、今日は本作りの仕事のためずっとパソコンの前に座っての作業が続く。ときおり蛹の様子を窺うことはできるが、張り付くことはできない。
 おまけに夕食のおでんの仕込みもやっているので、あちこちに神経を張りつめている。おでんの煮込み過ぎは禁物だ。
 だからといって、今日中に寄生昆虫が出現するかどうかもわからない。  

(OLYMPUS E-300  50ミリマクロ テレコン使用)
新開 孝
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