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脱皮間近の幼虫、2種 2005/06/25
 オニグルミの葉裏でしゃきんと体を伸ばしているのが、モンホソバスズメ幼虫だ(写真上)。明日には脱皮する様子。そしてコナラの葉裏で同じく脱皮を控えているのはエゾヨツメ幼虫である(写真下)。エゾヨツメの方はこの脱皮で終令幼虫となる。
 エゾヨツメの蛹はちなみにこのような粗い繭の中(写真下、蛹はメス)。落ち葉の間で繭を紡ぎ来年の春まで蛹で過ごす。エゾヨツメは関東地方では山地よりに生息しており写真の幼虫も群馬の知り合いの方から譲ってもらったもの。
 私は以前、群馬の水上町(5月)でコナラの幹に産卵されていた卵を見つけ飼育したことがある。しかしそのときは終令幼虫まで育ったものの、おそらくは薬剤散布を施されたコナラの葉をうっかり与えてしまい、全滅させた苦い経験がある。
今回、初めてエゾヨツメの繭と蛹を見ることができた。新開 孝

オオカマキリの幼虫たち 2005/06/22(その2)
 ニンフといえば、そのなかでもけっこう目立つのがオオカマキリだ。ある仕事で彼らの姿を撮影しなければならなかったが、次々と見つかるので今日はすぐに撮影が完了できた。
 ところでカマキリは一個の「泡状卵ふくろ」(カマキリ類の卵を表現するのはちとやっかいだ。卵のうという表現もあまり正確ではないようだし、、、)から200匹あまりの集団でふ化することはよく知られている。ぞろぞろとニンフたちが逆さまにふ化してくる様子にうろたえた方も多いはず。しかし、肉食昆虫でありながらも、ふ化直後のニンフたちはいかにも弱々しく、実際成虫になるまで生存できる確率はかなり低いとされている。
 それで今日はオオカマキリ幼虫が何か天敵に喰われているシーンを撮影したいと思って、少し歩いてみた。昆虫写真家はこういうふうにいろんな出来事をクールに見つめなければならない。で、ところがそういうシーンは全く見られず、逆に天敵の側のクモが、オオカマキリ幼虫に食べられているところに出会してしまった。ありゃりゃ、と思いつつ撮影したのだが、いずれが食べられる側になるか、喰う側になるかは、まさに運しだいということかもしれない。新開 孝

ニンフたちのにぎわい 2005/06/22(その1)
 昆虫の中でも不完全変態するものは、幼虫を「若虫」あるいは「ニンフ nymph」と呼ぶこともある。これは幼虫の姿がすでに成虫に似ているところからの呼び名だろう。(ちなみにnymphはギリシャ神話に出てくる若い女性の精霊。)
 それで今頃、近所の雑木林のへりの草地にしゃがみ込んでみれば、あちこちに多数のニンフたちが見つかる。ショウリョウバッタ(写真上)、オンブバッタ(写真中)、ササキリ(写真下)、他イナゴ類やカマキリなどが目につく。オンブバッタなどは体長が5ミリあるかないか。どれもこれも小さくて可愛い。

(OLYMPUS E-300 マクロ50ミリ テレコン使用)新開 孝

オナガミズアオとハンノキ 2005/06/22
 一昨日の「ある記」で秋が瀬公園のハンノキでオオミズアオ幼虫を見つけたことをアップしたが、これは誤りだった(20日の文章は訂正済み)。

 実は前々からここのハンノキで見つかる幼虫は「オナガミズアオ」ではないか?と疑っていたのである。オナガミズアオは成虫、幼虫ともにオオミズアオとそっくりだが、こと食樹の嗜好性には狭いものがあるそうだ。とくにオナガミズアオが好むのはハンノキやヤシャブシなどのAlnus属に限られるようだ。
 オナガミズアオ幼虫の特徴は大きなこぶのような肉質突起の基部が黒色であることで、オオミズアオ幼虫と容易に区別がつく。若い幼虫での区別は難しい。
 私は当初、オオミズアオの食性が広いために、ハンノキで見つかったことだけでオナガミズアオと断定していいものかどうか迷っていたのである。成虫での区別点はうしろ翅の模様が決めてとなる。

(OLYMPUS E-300  マクロ50ミリ テレコン使用)新開 孝

明日は我が身(コアシナガバチ) 2005/06/21(その2)
 コアシナガバチが芋虫を捕まえて、さっそく肉団子を造り始めた(写真上)。それっとカメラを準備する間に、芋虫はもう原型を留めないまでに加工されてしまった。実に手早い作業だ。この肉団子は自分の巣で待っている子供(幼虫)に給餌するためのもの。これを親心と言えるかどうかは知らないが、こうして獲物を加工するのがアシナガバチ類の変わらぬ習性だ。
 ところで、この肉団子造りを撮影してから2時間後のこと。ベランダに出てみるといきなりムシヒキアブが目の前に着地した。なんと獲物にコアシナガバチを抱えている(写真下)。

補足:上の写真は女王バチです。ですからお母さんです。しかし巣が大きくなると働きバチ、つまり娘たちがお母さんの子供の世話をするようになります。その場合は妹を養うことになります。
   下の写真の犠牲者は働きバチです。すぐそばに巣もありますが、もう働きバチが数匹働いています。

(EOS-1Dマーク2 100ミリマクロ使用、写真上)

(OLYMPUS E-300 マクロ50ミリ テレコン使用、写真下)新開 孝

ウンモンスズメの迷彩模様 2005/06/21
 マンションの門灯に飛来したウンモンスズメ。そのはねの紋様はまさに迷彩模様だ。そこでこのウンモンスズメを指でちょんと脅かしてみると、うしろばねを瞬間的に見せる。ほんとにわずかな一瞬だけれど。うしろばねには鮮やかな赤色模様があってたしかに人の目ではハッとするのだが、はたして鳥などの天敵に対して威嚇効果がどれだけあるのだろうか?

(EOS-1Dマーク2 100ミリマクロ使用)新開 孝

オナガミズアオの幼虫 2005/06/20(その2)
 秋が瀬公園のハンノキでは、オナガミズアオの若令幼虫が見つかった(写真上)。すでに終令間近の幼虫(写真下)もいることから、オナガミズアオの発生時期にもずいぶん幅があるのだなあ、と感じた。
 さて私の住んでいる清瀬あたりでオオミズアオ幼虫がよく見つかる木は、ミズキやアメリカハナミズキなどである。4、5月ころ葉っぱ表面に産みつけられた卵の列は必ずといっていいほど毎年見つかるが、そのあとにふ化した幼虫を見つける機会はうんと減ってしまう。

 オオミズアオの学名の種小名は「artemis」。これは月と狩猟の女神を意味するギリシャ語。そして英名は「Luna moth」、まさに「月の蛾」。幻想的なイメージの強い蛾ではある。
新開 孝

ミドリシジミ 2005/06/20
 さいたま市の秋が瀬公園にはハンノキが多く、ミドリシジミも毎年発生している。ちょうど梅雨のころが発生初期のころではないだろうか。車を降りてすぐの場所でメス(写真上)、とオス(写真下)を見つけた。残念ながらはねを広げてくれなかったので、雌雄の区別といっても写真では難儀な話だ。新開 孝

イチモンジカメノコハムシ 2005/06/18
 昆虫撮影ツアー(その4)

 イチモンジカメノコハムシがヤブムラサキの葉から今にも飛び立ちそうであった。その瞬間をとらえるべくファインダーを覗いているそばで、森上さんが何か話しかけてきた。と、そのはずみでせっかくのチャンスを逃してしまった。あーあ、と思うが自分の失敗を他人のせいにするのは良くない。良くないことだがツアーという場ではこういうことも起こりうることを肝に命じておくべきか。
 まあ、しかし狭い範囲で6人もがめいめいに散らばり、数時間も気ままに過ごせるというのは、昆虫撮影、観察の醍醐味かもしれない。そして撮影しつつもカメラ機材のことやら、データ管理の話や、その場所にいない人の陰口など、さんざんおしゃべりも盛り上がるわけである。新開 孝

尻切れトンボ 2005/06/18
昆虫撮影ツアー(その3)

 キカマキリモドキをどうしても見てみたいというのが森上さんの願いだ。その願いを叶えるべく私も探索するが、どうも今年は少し出遅れているのではないか、しだいにそう思えてきた。懸命の探索中、森上さんがサラサヤンマを見つけて教えてくれた。どれどれと見にいくとなるほど下草におとなしくぶら下がっている。
 私と黒柳さん、糸崎さん、遊星人さん4人がカメラを構えると、サラサヤンマは狭い範囲をゆったりとホバリング飛翔しカメラマンの間を旋回し始めた。空中での静止時間も長いときがあったが、フォーサーズ50ミリマクロをまだ使いこなせてないせいか、まさに「尻切れトンボ」に終止してしまった。いやいや本当はそうではなく、気力のなさのせいだと思うのだが。新開 孝

クロテンシャチホコ 2005/06/18
 昆虫撮影ツアー(その2)

 キカマキリモドキを懸命に探していた私は、コナラでシャチホコガ類の幼虫を見つけ、この副産物に喜んだ。せめてもの救いだ。あとで調べてみるとクロテンシャチホコの幼虫と判明。こういう派手な芋虫もよろしい。やはり成虫も見てみたいので葉っぱごと持ち帰ることにした。新開 孝

ウラギンシジミの好みとは? 2005/06/18
昆虫撮影ツアー(その1)
 
埼玉県飯能市のフィールドに、6人の昆虫ツアー組で訪れた。うち5人はいずれもカメラを携え(さすがに皆デジタルカメラだ)、それぞれ気ままに昆虫探索に耽る。声のよく通る森上さんは、一番おしゃべりでなおかつエネルギッシュに撮影に励む。一方、私はキカマキリモドキを参加者に見せようと張り切っていたが、結局見つからず、だんだんと気力が抜けていった。カマキリモドキが見つかったら飲むつもりのワンカップにもついに手をつけなかった。
 さてこの日はウラギンシジミがやたらと多く、地面での吸水集団も撮影できた。ツアー参加者の体や衣服にもよく飛来する。サワガニの死骸があったのでそれを地面に置いてみたが、いっこうにそこへはやって来ない。ところが露天商のごとくカメラザックを広げた森上さん(写真上)のところへは、異常なほどウラギンシジミが集まってきた。ザックの中やそして取り出したニコンD70にまでたかっている。
森上さんは「なんだよ俺の汗はサワガニよりか生臭いのかよ!」と嬉しそうにしていた。ウラギンシジミに好まれる森上さんがうらやましい、、、、、、とは誰も思っていなかっただろう。新開 孝

カノコガとベニシジミ 2005/06/17
 出版社からの依頼で急ぎの撮影をしなければならず、その虫を探しに
隣の林に出掛けた。目的の虫はすぐ見つかったので、少しだけ林を歩いてみた。
わずかに薄日もあったけれど梅雨空の重い空気を感じる。ああしかし、もうたっぷり初夏です〜。ベニシジミの新鮮な夏型がヒメジョオンで盛んに吸蜜していた。

(OLYMPUS E-1 マクロ50ミリ、テレコン使用)新開 孝

過去の遺物となる道具 2005/06/16
 昆虫写真撮影の仕事では、このようなストロボ機材を今まではよく使っていた。どのストロボも既製品に多かれ少なかれ改造を加えている。それぞれ使用するカメラやレンズに併せて、使いやすいようにそして光の回りが良いように工夫している。しかし写真に並んだストロボのうち現役なのは、右端中段下段の2台とツイン発光部の組み合わせだけで他はもう出番がない。(右端下段のB3000Sは発光部にモデリングランプを埋め込んだだけ)
 デジタルカメラを使い始めてからストロボの使い方も変わってきている。撮影方法そのものはフィルムカメラとほとんど変わらないのだが、何かと機材をコンパクトにしたいがため新しい工夫を施しているからだ。それとブローニーサイズのフィルムカメラを野外ではまったく使わなくなってしまったことも大きい。だからもう出番のなくなった改造ストロボたちも、そろそろ処分時かと思ったりして記念撮影してみた。でも今朝あわてて撮影したから、写真の出来が悪い。記念にするならもう少しまともに撮影しなければ、、、、。 新開 孝
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