| 今日は飯能市のフィールドを歩いた。テレビ局のディレクターの方と番組ロケの下見の仕事であった。晴れた空の下、そよ風がとても心地よい。いつものヤマザクラの幹ではヨコヅナサシガメ成虫が食事中であった。ここのヤマザクラにはまだ、3匹の成虫が残っており、旅立ちが遅いような気がした。ヨコヅナサシガメは成虫になってもしばらくは幼虫時代を過ごした場所に留まるようだが、その期間はそう長くはないと思っていたからだ。 さて、ディレクターの方と歩いている最中、路上でアリがたくさんたかっている芋虫を見つけた。死んで萎縮してしまっているが、ウスタビガの若い幼虫だとわかった。それで路上から上を見上げてみると、コナラの梢が張り出していた。葉っぱにはこの幼虫が残したと思われる食べ痕もある。それならこの幼虫の兄弟が見つかるかもしれないと思って少し眺めていると案の定、新たなウスタビガ幼虫が見つかった(写真上)。 コナラの葉裏に静止している幼虫は3令幼虫だが、今は休眠に入っている。しばらくすれば脱皮して4令となるだろう。ウスタビガの幼虫は若いころにはこうして鋭い刺を先端にもった肉状突起が多数、体に生えている(写真中、下)。これが5令の終令幼虫ともなるとすっきりとした芋虫に変身する。 それにしてもウスタビガの幼虫は美しい。食べたいくらいだ。そしてその体色には黄色系と薄緑色系の二通りがあるが、いずれも蛍光発色のような不思議な雰囲気がある。この時期、関東地方でこの幼虫を林のなかで探し出すのは、余程運が良くない限り難しい。それでもウスタビガの多く生息する地域、例えば東北地方あたりに出掛ければそうでもないかもしれない。
(写真上/OLYMPUS E-1 マクロ50ミリ テレコン使用 写真中、下 /Canon キッスデジタルN 65ミリマクロ使用) | |