| 先日からヤママユのふ化シーンをビデオ撮影している。冬のあいだに卵をせっせと集めていたのはそのためだったのだが、例年ヤママユの飼育そのものを楽しんでいる。 ヤママユのふ化は早朝から始まることがほとんどで、確実に撮影するためには午前4時半には起きて待機することになる。昨日は午前5時20分ころから、そして今朝は午前6時05分ころからふ化が始まった。たまには寝坊する幼虫もいて正午近くにふ化するものもいるが、それはほんとうに少数である。 幼虫は卵の内側から固い卵の殻をゆっくりとかじり、30分から1時間ほどかけて脱出穴をあける。頭が通り抜けるだけの穴が開くと、おもむろに卵の外へと這い出てくる。ふ化したばかりの幼虫は少し頭でっかちで、体長は5ミリ程度。 ふ化を終えると、幼虫は体を大きく反り返すようにしてねじり運動を数回以上、繰り返す(写真上)。その様子はまるでラジオ体操のようだが、これを捻転運動と呼んでもいる。この行動は体の調子を整えるために行うと言われており、このあと数回おこなう脱皮の直後にも見られる。しかし、どういう効用があるのか判然とはしない。ただ見ていて面白いのである。同じヤママユガ科のウスタビガでも同じ捻転運動を行うので、ヤママユ独自の行動というわけではない。 ふ化したあとは2、30分休憩したあと若葉へと移動し、誕生して初めての食事をとる(写真下)。
(EOS キッスデジタルN 65ミリマクロ使用) | |