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シャクガ幼虫 2005/04/06
スイカズラの茎が何本も絡みながらエノキの小木を絞めつけており、ゴマダラ幼虫の撮影に邪魔なのでハサミで切りとろうとしたら、写真の尺取り虫を見つけた。
ズズーンとそそり立つこの幼虫、以前にも他の植物で撮影した憶えがある。
しかし、そのときも種名調べはうまくいかなかった。この類いの幼虫は個体変異も多く、それが災いして種名の同定はやっかいである。おそらくこの幼虫は冬のあいだもじわじわ成長してきたのであろう。持って帰って飼育し、名前を確定したいところだが、近々、沖縄に行くので断念した。
(Caplio R2使用)新開 孝

ウグイスカグラの白花 2005/04/06
本日はビデオ撮影の仕事で所沢市に出掛けた。
小さな昆虫の行動を手際良く収録したい仕事では、CanonのデジタルビデオカメラXL-1が活躍する。このカメラではEFレンズが交換レンズとして使えるから接写あるいは超望遠撮影には極めて重宝する。
撮影の合間、現場付近でウグイスカグラの白花の株を一つ見つけた。過去にレンゲ、ヒガンバナ、ノアザミ、ムラサキサギゴケなど、赤色系の草花で白花を見つけると、なんだか嬉しくなったものだが、このウグイスカグラ白花は今年、初めて見る。

(Caplio R2使用)新開 孝

小さなヒラタアブ 2005/04/05
本日は都内をあちこちうろついて、うちに帰ったのが午後4時近く。急いでOLYMPUS E−300にズイコーデジタル7−14ミリをつけて中里へ赴いたのだが、さすがに柵越しではカタクリの満足な写真は撮れなかった。カタクリは一気に開花が進行しており、あと2、3日で盛況の様子。まあ、カタクリの撮影そのものはどうでもよろしい。とにかくはズイコーデジタル7−14ミリの実写を試してみたかったのだ。このレンズはとにかく超広角でありながら歪みが極めて少ない点と、近接撮影が効くことを評価したい。いずれ実写の成果はおいおいアップすることだろう。
さて、カタクリはそこそこに眺め、マンションに帰りかけると、ヒラタアブの一種に出くわした。さすがに今日は暖かい。


(RICOH Caplio R2 マクロモード)

新開 孝

ヒメアトスカシバの幼虫 2005/04/04(その2)
ヘクソカズラの茎に形成された虫えいの中から黒い繭を取り出し、さらにその中を見てみるとぶよぶよした体の幼虫が姿を現した。幼虫の外皮は非常にデリケートであり、繭殻を切断する作業は極めて難しい。しかも幼虫は繭壁にぎっちりと納まっているからなおさらである。繭壁は切断していくとその薄さのためかしだいに内側へと丸まって変形し、これが幼虫の体を締め付けることになる。さすがに1個目の繭解体では幼虫の体を傷つけてしまった。これは気を引き締めて取りかからないと幼虫の死骸の山をつくる事になってしまう。それでもなんとか無事に一匹の幼虫を繭から取り出すことができた。幼虫の頭部付近には少しだが隙間があることがわかった。ヒメアトスカシバの幼虫は、ヘクソカズラ茎の組織内で生活を送るわけだから、体の外皮が少々やわであってもいいのかもしれない。まさに植物体のゆりかごに守られて育つというわけであろう。
この幼虫がいつ頃か蛹となりそして羽化するのだろう?私の記憶では8月に新鮮な羽化個体を見ているが、、、。新開 孝

ヒメアトスカシバの虫えい 2005/04/04(その1)
松山市の知人の方から、ヒメアトスカシバの虫えいを送っていただいた。
虫えいは、ヘクソカズラの茎に形成された紡錘型のコブである(写真上)。さっそくこの虫えいの中を覗いてみた。中には黒いインゲン豆のようなものが一個納まっている(写真中)。このインゲン豆を取り出してみた(写真下)。その形はとても蛾類の繭とは思えない特異な形状をしている。指さきの感触もどちらかと言えば蜂類の柔らかい繭に似ている。私は最初、これは寄生バチの繭ではないかと勘違いしそうになったくらいだ。
さて、その幼虫の写真も(その2)でアップしている。

ヒメアトスカシバはスカシバ類のなかでも、もっとも普通に見られる蛾である。その姿は蛾というより蜂のようであり、初めて遭遇した人ならまずだまされてしまうだろう。拙著『里山蝶ガイドブック』の73頁に本種成虫の交尾写真が掲載されているので、この本をお持ちの方はそちらを見ていただきたい。新開 孝

カタクリ 2005/04/03
清瀬市の中里ではカタクリがぽつぽつと開花し始めている。
昨日までの天気予報とは違って、今日は朝から日射しもきつく気温も高めだ。この陽気が町田市でおこなった昨日の観察会に欲しかったと悔やまれる。
マンション裏のエノキに登ったゴマダラチョウ幼虫たちも、台座から出歩いてはほころびかけた若芽をかじっているようだが、まだ脱皮したものはいない。新開 孝

カネコトタテグモ 2005/04/01(その2)
今日は町田市の野津田公園に赴いた。
明日、自然観察会の講師の仕事があり、その下見をするためである。それにしても今年の春の進行具合はかなり遅めであり不順であって、家を出るときから気に掛かって仕方がない。観察会の告知パンフレットの文面はいささかフィールドの実態に合わなくなってきた。困ったなあと思いつつ車を走らせるが、府中街道から鎌倉街道にかけてやたらと渋滞続きで、さらにこれも気分を重くする。
さて、現地を歩いてみて、やはり!である。虫がおらん!どれもこれもまだ、早いのである。おまけに天候も良くない。明日はもっと悪くなるようだ。これは困る。
お金を払って観察会に参加してくださるお客さま方に、自然の面白さをお伝えするのが私の務めである。「今日はほんとうに楽しかった!面白かった!」の感想を抱いて帰ってもらわねばならない。うーん、どうする!新開よ!
で、写真は道沿いの崖に造られたカネコトタテグモの巣である。
観音開きになっているが、中に潜んでいるクモを見つけることはできなかった。新開 孝

ノキシノブ 2005/04/01(その1)
おいしそうな和菓子が並んでいる。甘さもひかえめなところが食欲を
そそる。盛った器もいいではないか。そんなことを想いながらノキシノブの葉裏を撮影してみた。
さて、シダ植物のなかで一番最初に名前を覚えたのがこのノキシノブで、それは私が小学6年生のころだったと思う。愛媛県松山市、番町小学校の6年生だったその当時、理科の課題でシダ植物を20種類集めてこい、というのがあった。その課題を出した教頭であり理科の先生の顔は今でもよく憶えている。申し訳ないがあまりいい印象は残っていない。しかしシダ植物20種類というのも無茶な話ではある。図鑑もなく手当たりしだいに集めるわけだから、どれもこれも当時の私には同じにしか見えない。探す場所は松山城の森の中であるが、がさごそ薮に分け入っての探索はなんとも辛いものがあった。それでも私はまじめに20種類に挑んでしまった。そういう点では実に損な性格ではあった。結果はさんざんなものであり、先生からは、「なんだこりゃあ!」とばかり一喝されてしまった。それ以来シダ植物が嫌いになってしまったのは、ほんとうの話である。新開 孝

ベニシジミ春型 2005/03/26
四国は愛媛県南予、明浜町といえばおいしいミカンの産地、そして宇和海の真珠養殖などで有名である。
当地は私の奥さんの田舎でもあり、今回は3日間滞在した。海に面した急峻な斜面はミカン畑で埋め尽くされているが、その狭間にはアブラナが咲き乱れ、黄色い帯模様がなんとも明るい景色となって目に眩しい。
さてそうした風景のなかにゆったりと佇んでみると、チラチラとベニシジミが多数舞っている。アブラナの花で吸蜜したり(写真上)、地面で日光浴したり、そして目まぐるしく2匹がもつれ合うように卍どもえ飛翔を繰り返したりと、まさに春を謳歌しているようだ。そのせわしく追飛行を繰り返す2匹がある瞬間、ぴたりと同じ場所に並んで静止した(写真下)。左の翅がくすんだ個体はメスであり、右の若々しい姿の主はオスと判る。つまりオスは、一生懸命メスに追いすがっていたのである。通常、蝶の世界ではメスが先に羽化してなおかつ早熟であり、オスは少しおくれて成虫となる。メスの翅のくたびれ方を見ると、もうこの母蝶はすでにして交尾を終え、近いうちには産卵できる体のように思えた。切ないオスの求愛が成就するのかどうか?私はそれを見届ける時間もなくその場を去ってしまうしかなかった。新開 孝

樹上越冬のゴマダラチョウ幼虫、動く!! 2005/03/31
エノキの樹上で越冬していたゴマダラチョウ幼虫は、昨年からずっと注目してきたが、ついにこの春めく暖かさの中で移動した。いや、昨日気付いた時点ではすでに移動したあとだった。今月は24日から昨日30日までのあいだ、私は家族とともに四国の実家に帰省しており、その間にゴマダラチョウ幼虫は動きだしたようだ。四国から戻ってすぐにエノキを見に行くと、幼虫が鎮座していた枝又には白く輝く台座糸が残っているだけだった(写真上)。これには驚いて(というのも四国、松山ではまだゴマダラチョウ幼虫の越冬眠起は確認できなかったので、東京はもう少し遅れると思っていた)あわてて、幼虫の姿を探してみたのであった。すると台座の近くで程なく幼虫の姿を見つけることができた(写真下)。
ところがこの幼虫を撮影しているうちに、この同じエノキの枝のあちこちで他に3匹もの眠起幼虫が見つかってしまった。すでにいずれも体の色は樹上越冬タイプのものと同色までに変色したあとなので、ほんとうの樹上越冬幼虫がどれだったのかは判然としない。おそらくは台座から一番近い位置の幼虫と考えるしかないのだが。
暖かくなったとはいえ、まだエノキの芽はほんの少し開きかけた程度。これがもう少し膨らんでくると、ゴマダラ幼虫の食欲も出てくる。それまでは落ち葉の下から樹上へと眠りの場所を移動したものの、しばらくは軽く居眠り状態が続く。新開 孝

クロクサアリ、活動はじまる 2005/03/24
大きなクヌギの根元には数年前からクロクサアリの巣がある。今頃はどうしているかと見に行ってみると、もうクヌギの樹肌には多数のワーカーがうろうろしていた。根際あたりでは行列もできている。
しかし、さすがに獲物らしきものを運んでいるワーカーの姿はなかなか見つからない。それでもしつこく眺めていると、甲虫の幼虫を運んでいる数匹のワーカーたちがいた。不運なこの幼虫はどこから姿を現したのであろうか。新開 孝

朝日新聞連載カラー写真その2/キチョウ 2005/03/23
去年暮れから今年の1月にかけて朝日新聞夕刊で8回連載した『雑木林、冬』の
第4回目を振り返ってアップしてみた。いきなり2、3回目をすっ飛ばしたのは、いずれもまだ原版ポジが戻っていないからである。他にも理由があるのだが、それはあとで書き込むことにしたい。
さて、4回目の写真はキチョウの日光浴のシーン。
このカットは2年前の12月に近くの雑木林の林床で撮影したものだ。そのときの様子は当『ある記』でも数日に渡って書き込んだので、今日は省略したい。この写真のキチョウはわずかに日射しの反対方向へたたんだ翅を傾けているのがわかる。前々からキチョウの越冬する姿を見たくて、ずいぶん探し歩いたものだが未だにその様子に出くわしたことがなく残念。しかし、この連載の写真は完全な越冬態勢ではないものの、その前後数日間を落ち葉のあいだで過ごしていた。

さてさて、今回のキチョウの写真はデジタル撮影のデータであり、手元にいわゆる原版にあたるデータが常にある。データの利点は、仕事でいくら貸し出しを行っても、ポジ写真のようにいつまでも未返却とか、あってはならない貸し出し先での写真紛失、あるいは損傷という事故も起こりえないので、カメラマンとしては非常に安心できる。
しかし、私がデジタルカメラを使い始めてからまだ4年目であり、デジタル写真のストックは銀塩ポジ写真のストックの足下にも及ばないのも現実。どんな仕事にせよ、銀塩ポジ写真の出番は当分のあいだ、比率としてはかなり高いものとなるのは仕方がない。それで今回の新聞連載で気付いたことだが、銀塩ポジ写真で入稿したものは印刷の上がりが良くなかった。それが、連載2、3回目の結果でよくわかったのである。特に2回目の「ホソミオツネントンボ」の場合は広角撮影のカットからかなりトリミングしてあるので、その分余計に画質を損なっており、読者の方からの評判も悪かった。3回目の「ルリビタキ」も画質が良くない。そしてこの2回とも原版は35ミリサイズであったのだ。だが、第1回目の「ウスタビガ」はブローニー版であったが故か、画質はさほど悪くはない。
こうした製版の事情については、きちんと編集部に問い合わせればいいのであろうが、冬場にも関わらず私もやけに多忙な最中で(けっこうそういう状況は珍しいのだが)ついに怠ってしまったのである。
いずれにせよ、新聞というマスメディアにおいてはデジタル化の最先端を走っているのであろうから、デジタルデータの印刷においてもっとも早くから適応している業界なのであろうと感じたしだい。
新開 孝

寄生バチの羽化 2005/03/20
先週、町田市のクリ林で寄生バチの繭団子を拾って持ち帰った。クリの落ち葉に半球状の白い塊がついてたものだ。この繭団子の見かけは、固い綿ドームのようだが中にはぎっしりと細長いハチの繭が多数詰まっている。最初はジョロウグモの卵のうかと見間違えそうであった。今朝、その繭団子の表面に一つ穴があいて(写真上)中から出てきた寄生バチ(写真下)が歩いていた。体長は4ミリ弱。このあと兄弟たちがぞくぞくと誕生してくるだろうか。
そして何よりも、この多数の寄生バチの犠牲となった昆虫は何だったのだろう?


(EOS Kiss デジタルN/ MP-E65ミリ/ パナソニックPE-28S使用)新開 孝

まだ眠っているチビタマムシ 2005/03/19
ムクノキの樹皮がめくれかけている。そこをはがすとチビタマムシの仲間が多数見つかった。3匹や2匹が寄り添うようにしている場面もあった。種類は1種のようだ。私の車を置いている駐車場の脇のムクノキだから、毎日のように視界に入っていた。今日は初めて樹皮をめくってみたのだが、こうした観察は遠慮がちになる。すぐに虫が見つかればいいが、そうでなければ早々と諦めるしかない。チビタマムシの仲間は種類が多く、しかも非常によく似たものがいて、同定は難しい。

体長は3ミリ前後だから、接写倍率も2倍以上となった。今日も65ミリマクロとキッスデジタルNの組み合わせで撮影。内蔵ストロボと拡散板を使用してのライティングでは光量のロスがかなり大きい上、写真のような反射率のきわめて低い被写体では、ISO感度を400にして絞りはF8でようやく適正露出が得られる。
ホワイトバランスはマニュアルホワイトバランスであらかじめ設定しておくのがいい。ただし、キッスではその設定が一つしかできないから、他のライティングシステムを使う場合は、一度キャンセルされるのが惜しい。

(EOS Kiss デジタルN MP-E65ミリ使用)新開 孝
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