| ヤマトコマチグモの産室がススキの葉に目立つ(写真上)。 産室はススキの葉をちまき状に糸で絡めたもので、たいへん巧妙に出来ている。クモが誰に邪魔されることなく安心して産卵でき、その後のふ化までずっと付き添えるという素晴らしい密閉空間なのだ。
だがしかし、生物の世界ではいつも平穏な日々というわけにもいかない。この一見、安全強固な密閉空間も、ヤマトツツベッコウという蜂に見つかったらもう対処の方策は無い。ヤマトツツベッコウのメスは、産室の外側から産卵管を突き刺し、産室で産卵を控えているヤマトコマチグモのメスに寄生産卵をするのである。
今日の写真は、ヤマトコマチグモの腹部背面にヤマトツツベッコウの幼虫がへばりついているところ(写真下)。ヤマトツツベッコウ幼虫の居場所はこうしてこの場所に、こんな向きで静止することと厳格に決まっているところも興味深い。幼虫はこれからクモの体液を吸いながら、ドンドン肥っていくのである。
(写真上/E-3 50ミリマクロ) (写真下/E-520 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
撮影場所/都城市 山之口町 桝安森林公園
※新開への連絡先は、yamakamasu@shinkai.info です。
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