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タケトゲハムシ 2008/06/20(その2)
 庭のササの葉ではタケトゲハムシが特徴のある食痕を残している。

 タケトゲハムシはササの葉表から葉肉を舐めとるように食べるため、薄皮が残って、そこが透けてみえる(写真上)。
 よく見れば、タケトゲハムシの卵もあった(写真下)。画面下の2個が葉肉内に産み込まれた卵。で、おそらく上側の食痕はふ化幼虫が残したものと思われるが、その幼虫の姿が見当たらない。

(写真上/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/EOS-5D  65ミリマクロ)新開 孝

本の紹介 2008/06/20(その1)
 雨だからというわけでもないが、今月に入ってからいただいた新刊本3冊を紹介したい。

 まずはレディファーストで、童話作家の深山さくらさんの『かえるのじいさま と あめんぼ おはな』(教育画劇)という絵本。絵は松成真理子さんという方が描いている。あめんぼの「おはな」がとっても可愛い。ぼくなどが田んぼでアメンボをいくら眺めていてもこういった絵本話になるような想像力は働かないので、うらやましく感じる。深山さくらさんのホームページは こちら


  2冊目は、自然写真家、皆越ようせいさんの『ハサミムシのおやこ』(ポプラ社)。本書ではコブハサミムシを取り上げ、細かくその生活を紹介している。ハッとするような場面や、生態的にも貴重な写真もあって大人も子供も楽しめる。本書と今月出したぼくの『いのちのカプセル まゆ』もポプラ社の「ふしぎいっぱい写真絵本」という同じシリーズ。


 3冊目は、昆虫写真家、筒井学さんの『かいこ  しぜんキンダーブック6月号』(フレーベル館)。カイコといえばこれまでにもいくつかの写真絵本があるが、筒井さんの写真、そして構成ともに斬新で素晴らしく、ダントツの出来だと思う。ぼくより7歳も若い筒井さん、今後もますます活躍していく写真家の一人だ。 新開 孝

オオゴマダラエダシャクの幼虫 2008/06/19
 不気味な眼玉模様をつけた幼虫は、昨日見つけ撮影したもの。幼虫は小さな柿の幼木でパリパリと葉っぱを食べている最中だった。

 オオゴマダラエダシャクは名前の通り、シャクガ類のなかまで、幼虫はいわゆる「尺取り虫」だ。大きさは5センチ以上もあって、シャクトリムシとしては大型の方だろう。
 昨年、ポプラ社から出した写真絵本『どこにいるの?シャクトリムシ』にもこのオオゴマダラエダシャク幼虫が登場している。というか、これはどうしても入れたかった写真だった。本作りの段階ではまだ見たこともなかったこの幼虫をなんとかシーズン中に撮影できたのはかなり幸運だったと言える。

 そして昨日のこと、三股町の山間の河川を巡りながらトンボの観察をしていたとき、2年ぶりにこの幼虫に再会できたわけだ。
 シャクトリムシの多くが、植物の枝や茎、葉、芽あるいは鳥の糞などに擬態して、天敵から身を隠している。しかし、そうではなくむしろ天敵に対して目立ったり、威嚇と思われるような色模様をした種類もいる。その代表的な存在がこのオオゴマダラエダシャクの幼虫なのだ。

 プクリと膨らんだ部分は、胸部と腹部第1節でこれはいつもこういう形状となっている。幼虫に刺激を与えれば、頭部と胸脚をグッと縮めるようにして陥没させるのでますます膨らみが増し、眼玉模様がさらに強調される。

 今日の午前中は、こんどの日曜日に催される昆虫観察会の下見を行なった。現場は遊歩道が整備され、園芸植栽がかなり入っているので自然植生としてはちょっと貧弱だ。もう少しもともとあった照葉樹の二次林を残してくれていればなあ、と思う。杉の植林も多過ぎる。がともあれ、まずは観察会当日の天気が心配だ。

(写真/E-520  50ミリマクロ )

新開 孝

セグロアシナガバチの巣 2008/06/18(その2)

 庭のセグロアシナガバチの巣は、ようやく繭部屋も出来た。
 大きく育った幼虫の顔も見える。

 ところが、そうした巣の内部を撮影するには、巣の直下からレンズを向けないといけない。しかしこれを実行しようとすると、回りの枝葉が邪魔になり思うようにいかない。かといって、巣の周辺の枝葉をあまり剪定すると、アシナガバチ女王が巣を放棄してしまう危険性もある。

 さて、どうしよう!?

 で、昨日、急に思い立って潜望鏡カメラを作ってみた。作るというより、部品を組み合わせただけで、コンパクトデジカメをいろいろ応用して遊んでみようと思ったしだい。ほんとうのねらいは、浅い水深で昆虫を撮影するための潜望鏡カメラなのだが、今日はまず陸上でいろいろとテスト撮影してみた。試してみるとアシナガバチ巣の真下から仰ぐ撮影にはじつに便利だった。

 写真上はカメラ内蔵ストロボを直接発光させたもので、写真中は潜望鏡先端部にレフ板を添えたもの。潜望鏡先端部分にストロボ発光部を取り付けたり、あるいは光りファイバーでストロボ光を誘導しようか、などとも考えたが、工作が面倒だ。そこでレフ板をつけてみたのだが、これでけっこう効果がある。

 潜望鏡カメラとは、単にアングルファインダーをコンパクトデジカメのレンズ先端に取り付けただけであり、こういうことはいろんな方がすでにやっていることだろう。この潜望鏡カメラでどういう成果を出していけるのか、これからいろいろと試してみたい。

 それにしてもセグロアシナガバチの巣の繭壁がひとつ開いており、すでに娘バチが登場しているはずなのだが、その姿が無い。どうしたことだろう?

(リコー Caplio  GX100 +PENTAX645アングルファインダー)新開 孝

渓流のサツマシジミ 2008/06/18
 昨年の8月、うちの子供が通う梶山小学校では「筏下り大会」が催された。三股町に流れる沖水川が、山間部から平野部へと移行する場所で、渓流環境が途切れる間際とでも言える。ちょうどそこには「めがね橋」が掛かっている(写真上)。

 筏下りの出発点に今日は降りてみた。このところの雨続きで川はかなり増水している。川辺に降りるとすぐにヤマセミが飛び立った。しばらく佇んでいると再びヤマセミが下流からやって来て、ぼくの目の前で慌ててUターンした。どうやらヤマセミの猟場だったようだ。

 ハグロトンボの若い成虫が林の道沿いにいたが、まだ飛び方もおとなしい。川辺にいるのはミヤマカワトンボばかり。岩場にはあちこちに鳥の糞が落ちており、そこへときおりサツマシジミがやって来る。よく見ると新鮮なオスとわかった。しかも糞に来たオスはしばらく糞を確かめるように狭い範囲をクルクルと低く舞う。

 1時間ほど粘ってみたが、なんとかオスの翅の表が見えるカットはこの1枚だけ(写真下)。

(写真上/E-3  14-54ミリズーム)
(写真下/E-520  8ミリ魚眼+1.4倍テレコン/ストロボFL36R使用/トリミングあり)新開 孝

庭の虫とヤマアジサイ 2008/06/17
 昨夜は室内撮影の失敗もあって、ちょっとイライラしてしまった。そこで寝る前に台所に立って、ポテトサラダの下作りをしておいた。体や手先を動かしておれば、気分転換になるかと思ったのだ。
 失敗とは、ある幼虫の脱皮時刻を読み違えたのだが、このところその同じ失敗が続いたので、余計にムシャクシャしてしまった。こういう失敗はすぐに取り返しがつかないし、しかも他の撮影スケジュールに影響が出るので余計に厄介だ。

 今朝は久しぶりに晴れ間が出た。が、長続きはしなかった。
 午後からはときおり小雨となり、雲行きが怪しくなった時点で洗濯物を早々と軒下へ撤収しておいたのは正解だった。
 晴れ間があるときには撮影する気になれなかったヤマアジサイ。しかし日射しがかげってから、最近購入したOLYMPUSの25ミリレンズを使って撮影してみた(写真上)。
 フォーサーズ25ミリレンズは、昔のライカ判で言えば50ミリ標準レンズ。このような焦点距離の単体レンズを昆虫写真の仕事で使うことはほとんどない。しかし、とても小さくて薄い25ミリレンズは何か使えるように思えた。先日は無人カメラなどにも役立ったし。

 先月末に発売されたばかりのOLYMPUS E-520は、ボディ内手ぶれ補正機能、ライブヴュー、などなど有り難い機能が盛り込まれて、しかも小型軽量。これと25ミリレンズを組み合わせてみれば、どこかフラフラと旅しながら、のんびりとスケッチ撮影でもしてみようか、などという楽しい気分も湧いてくる。ま、しかしこのスタイルで昆虫写真を楽しむには限界がある。適当なクローズアップレンズでもポケットに用意すればいいかもしれないが、、、、、。

 さて、ヤマアジサイの茂みの中を覗き込んでみると、ヤブキリの終令幼虫がいた。産卵管が無いからオスだ(写真中)。ヤブキリは成虫をあちこちで見かけるから、ちょうど今頃が羽化期だと思われる。

 クヌギの樹液はこのところオオスズメバチやヒメスズメバチに独占されていることが多かったが、今日は久しぶりにノコギリクワガタのオスがやって来た(写真下)。アカメガシワの樹液には相変わらずノコギリクワガタのでっかいオスが陣取っており、それを取り巻くようにしてサトキマダラヒカゲやクロヒカゲ、ヒメジャノメなどが群れている。

 アカメガシワの樹液が出る原因は、コウモリガ幼虫の仕業であることはこれまでに何度も書いてきたが、今年は本腰を入れてそのコウモリガの生態を少し掘り下げてみなければ、と思う。幸いうちの敷地内にはコウモリガ幼虫の潜入したアカメガシワが多数あるので、少し荒っぽい手段を駆使することも可能だ。

(写真上/E-520  25ミリレンズ)
(写真中、下/EOSキッスデジタルN  超深度広角レンズ使用 改造サンパックストロボ使用)

新開 孝

ニホンホホビロコメツキモドキの蛹 2008/06/16
 2日前にニホンホホビロコメツキモドキ幼虫が蛹化した。

 この幼虫は昨年、メダケの枯れ筒内から見つけておいた幼虫で、冬越しした後5月に入ってから一度脱皮している。これはどの幼虫も同じで、つまり越冬ステージは終令の手前でおこなうようだ。

 今回の蛹はオスのようで大アゴは左右対象となっており、顔に歪みもない。早くメスの蛹を見てみたいものだ。蛹は外部から刺激を受けると腹部を大きくくねらせて、筒内を移動する。

 以前にも書いたように、ニホンホホビロコメツキモドキは幼虫で越冬する場合と新成虫で越冬する場合の二通りがある。新成虫は4月ころから活動を始めて5月ころ交尾産卵を行なう。
 すると今、蛹になっている世代はいつ頃にメダケの外へと出て活動するのだろう。このあとダラダラと成虫が出て来るようにも思えるが、どうだろうか?

 (写真全て/E−3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

奇虫、クチキクシヒゲムシ 2008/06/15

 先日、13日に霧島山で出会った虫を紹介しておこう。

 本種はクシヒゲムシ科に属し、日本には本種を含めて3種のみが記載されている。世界的に見てもクシヒゲムシ科の種類は少なく50種程度。

 「奇虫」とあえて表現したのも、まずその姿が奇妙に思えるからである。名前のごとく触角はクシ状となっており、とくにオスのほうが大きく目立つ(写真上、中)。

 じつはクチキクシヒゲムシを始めて見たのは昨年の6月始め頃で、場所は群馬県の東村(今は行政区が変わっているかもしれない)の山中。案内してくれたのは昆虫写真家の鈴木知之さん。「他の虫は何もいませんから普通なら虫屋の入らない場所です。」と前置きがあって、たしかに現場に着いてみれば、ただの杉林だった。しかし下枝は綺麗に刈られており、林の中には薄日が射し込むような環境。
 「日射しが出るとオスがさかんに飛翔します」という鈴木さんの言葉通り、杉の高い所を幹に絡むようにしてオスがクルクルと舞う姿があった。
 そして今年の6月、ふたたびその杉林を訪れたのが先日の9日のこと。薄日が射すと去年と同じようにさっそくオスの舞う姿が見えたものの、やはり高い場所が多くせいぜいシルエットが見えるだけだった。「もう発生時期としては遅いですね。」これまで何度も観察をしている鈴木さんの言葉には説得力がある。しかし、なんとわれわれの足下の朽ち木上で産卵しようと徘徊するメスを見つけることができた(写真下)。これはライターの仲瀬葉子さんのお手柄。メスの触角はオスに比べて小さいが、お腹はでっぷりと肥えており、産卵管を伸ばしたまま適当な溝を探して歩き回っていた。残念ながらメスの産卵を見ることはできなかった。どう見ても体力が弱っていたようだし、産卵行動をアリに邪魔されたのも影響したようだ。

 鈴木さんの観察によれば、メスはとても小さな卵をまとめて多数産むそうだ。それは例えばカマキリモドキなどのような寄生昆虫たちと共通した習性である。同科の北アメリカに産する種類では、驚くことにセミの幼虫に寄生するそうだ。つまりクチキクシヒゲムシもそういった他の昆虫に寄生する習性であろうことは間違いない。
 そういう奇抜な生活をしているという点でも、クチキクシヒゲムシはまさに奇虫と言えるだろう。

 クチキクシヒゲムシは北海道から九州までの全国に広く分布している。群馬での観察中、「これって例えば霧島山あたりなら、当然いますよね!」といういささか興奮気味の私の発言は的中したのであった。

 ぐんま昆虫の森での観察会のあと鈴木さんは、ぼくなら喜ぶだろうと、あえてクチキクシヒゲムシのフィールド回りをお膳立てしてくれたわけで、感謝の気持ちで一杯だ。そしてじつはもう一種、奇虫とも言える虫も同じ現場で観察できたのだが、それについてはいづれ紹介したいと思う。

(写真上/E-3  マクロ80ミリ+OLYMPUSオートベローズ)
(写真中/E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/Caplio GX100+クローズアップレンズ、外部ストロボ使用)

 新開 孝

タケカレハの成虫 2008/06/14(その2)
 仕事部屋の灯りには、毎晩いろいろな虫がやって来る。だから毎朝一番にこの窓辺を見に行く。だいたい午前5時過ぎころだ。

 今朝はタケカレハの成虫が一匹いて嬉しかった。昆虫と付き合っていると、こうして簡単にささやかな幸福に浸れるのだから、お金の掛からない趣味にはうってつけだろうと思う。遠くへ出掛ける必要などないのだ。ちょっとしたお庭でもあればいい。

 さて、タケカレハの巨大な幼虫はよく目にする割に、成虫に出会う機会は少ない。そんな話を先日の群馬で森上さんから聞いたばかり。

(写真/E-520  35ミリマクロ)新開 孝

イシガケチョウの今頃とは 2008/06/14
 うちの林のアカメガシワは花が真っ盛り。
その花にはたくさんの虫たちが来ており、今日はアオスジアゲハとイシガケチョウが目についた。庭仕事をしている最中だったが、いそいでカメラを取りに走った。

 ところでイシガケチョウは、近所のイヌビワを見てみると若齢幼虫が多い。(写真上)などは若齢幼虫のいる葉っぱにも関わらず卵が産みつけてある。母蝶もよほどのんびり屋さんだったのだろうか。
 すでに4令のものもいた(写真中)。ムシャムシャ葉っぱを食べている。

 イシガケチョウの幼虫期はたいへん短いと感じるが、以前に和歌山県の古座町で見た光景にはほんとうにびっくりした。一本のイヌビワで、卵、さまざまな幼虫ステージ、蛹、そして交尾中の成虫カップルと、まるでイシガケチョウの生活史を圧縮したような場面に遭遇したのであった。イシガケチョウの生活史が1時間も掛けずに撮影できてしまうとは!そのときに撮影した交尾の写真は拙著『里山蝶ガイドブック』で使用したもの、と付け加えておこう。
 古座町の現場では翌日にも羽化しそうな蛹を宿に持ち帰り、撮影態勢を整えてみたが、なんと午前4時過ぎには羽化してしまい、午前4時半に起きても間に合わなかったことなど、懐かしい想い出がある。

 写真下は、イシガケチョウ幼虫が多い場所のすぐ隣のクヌギで見かけた、ゴマダラオトシブミ。ゴマダラオトシブミはうちの近辺では多くはなく、ゆりかごはポツポツ見つかるが、成虫の姿を見るのは今回が始めて。しかもその紋様はゴマダラではなく全体に黒化している。

 ここのクヌギは畑に植えられた幼木の集まりだが、今年に入ってから下刈りも枝打ちもされず、かなり荒れてきた。クヌギ畑の持主は、犬の散歩の途中でときおり出会うおばあさんとわかったが、2ヶ月ほど前に会って聞いた話では、おじいさんの体調がおもわしくない、とのことだった。手入れをしたくてもできない、というもどかしい気持ちを察することができた。
 できれば私が手入れのお手伝いを、と思ったりするが、あまりでしゃばり過ぎてもなあ、などと躊躇していたが、もうそれどころではない。歩いてすぐの場所だから作業はそう負担にもならない、手入れすれば自分の昆虫観察にも都合が良い。

 こんどはいつ、あのおばあちゃんに会えるだろうか?そこが問題だ。そしてぼくの提案を喜んで聞き入れてくれるだろうか?それも心配。

(写真/E-520  35ミリマクロ/内蔵ストロボ)新開 孝

霧島山に登るのも、今日が最後? 2008/06/13(その2)
 貴重な晴れ間だった。

 今日が最後の登攀となることは心得ており、これでミヤマキリシマ絡みの撮影も終了と思えた。その予想通り、中岳から新燃岳にかけてミヤマキリシマの花はほぼ終わっていた。

 それで今日はビデオ以外にも昆虫撮影ができるように、E-520とマクロレンズの組み合わせを携え、休憩時には少しだけスチール撮影も行なった。
 新燃岳近辺の草地では、オオセンチコガネ(写真上)の飛翔個体がときおり見られ、久々の快音に一人満足した。ブ〜ンという翅音はけっこう大きい。

 シリアゲムシの一種はクモの巣網に掛かった蛾の残骸に三匹が群れていたが、うち1匹はメス、あと二匹は交尾カップルだった(写真中)。

 写真のシリアゲムシの種類はまだ調べていないが、たしかにシリアゲムシ類のお尻はサソリにそっくりである(写真下)。

 山岳地での撮影には時間の制約が大きく、その上今日は午後4時にNHKの取材が入る予定だったので、1時間ほど早く引き揚げる必要があった。

(写真/E-520  35ミリマクロ)新開 孝

スズメのお宿は酒パック 2008/06/13
 縁側の庇下に、焼酎の酒パックの巣箱を設置してみたのだが、さっそくスズメの営巣が始まった。
 この巣箱を利用するスズメの姿を捉えようと、今日は朝から晩まで無人カメラを置きっぱなしにしてみた。今回のカメラはOLYMPUS E-300。これにパンケーキレンズ25ミリを付けてみた。なぜならまず、レンズが軽いこと。カメラの位置はかなり高く、三脚では無理だったのでライトスタンドを使ったのだが、これだと重量があまり大きくなると不安定になる。25ミリレンズなら画角的にもちょうど納まり良く、重量軽減にもうってつけ。

 E-300を使った理由の一つは、カメラの電源としてAC電源が使えることと、バッテリーホルダーを介して手持ちのリモートケーブルRM-CB1が使えるからだった。なんとこのリモートケーブルRM-CB1は、E-3と共用できる。リモートケーブルRM-CB1には少し手を加えて、ここに赤外線センサーからの端子を接続できるようにした。カメラをセッティングしてから気になったのは、センサーが反応してからシャッターが落ちるまでのタイムラグが意外と長いことだった。

 で、結果は証拠写真として1枚だけスズメさんの姿が写っていた(写真)。できれば巣材をくわえていると、なお良かったのだが。背景はオーバー露光となっているがこれはカメラの測光モードをマニュアル設定にしていたせいだ。

 スズメの営巣場所をいろいろと見てみれば、彼らはとにかくある程度の空間があれば何処でも良く、そこに藁屑などをしこたま詰め込んで産室につながる閉鎖空間をこしらえるのである。したがって、営巣場所の条件の大前提というのは、むしろ人の生活があるやなしやであって、そのような場所ならどうにでも巣場所の都合をつける能力がスズメにはあるようだ。

 それにしても、スズメの住宅難は解決せず、さらなる酒パックアパートを増設しなければならない。

(写真/E-300  25ミリレンズ+内蔵ストロボ/赤外線センサー使用)

 新開 孝

セダカシャチホコ、新成虫 2008/06/12(その2)
 ヒサゴクサキリ幼虫の様子を見てから、林のあちこちにニョキニョキと顔を出した「笹の子」をでっかい鎌で払う作業をした。出る釘は打つ!ではないが、こうして徹底して下草刈りを行なうのも雑木林再生のためだ。これは少なくとも3年間続ける必要があるそうだ。

 こういう作業中にはカメラは持たないことにしているが、今日はOLYMPUSのE-520を首に下げていた。このカメラなら軽くて首への負担も少ない。しかも画質はフラッグシップ機E-3とほぼ同等。
 その下刈り作業中に見つけたのが、セダカシャチホコガのオスとメス(写真上/画面上がメス)。いづれも羽化直後の新成虫だ。両者の態勢から察すれば、少し前までは交尾していたものと思われる。

 メスの顔をクローズアップしてみると、眉毛のような毛束が目立つ(写真下)。

(写真/E-520 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

ウメエダシャク 2008/06/12
 ぼくの仕事部屋の西側には梅の木があって、昨年は梅をたくさん収穫した。梅干しと梅酒を造るのは嫁さんの仕事だが、今年は雨続きでなかなか収穫できない。できないでいるうちに、梅の実は赤く染まり始め、ボトボト地面に落ちるものが多い。

 その梅の木の下草で、ウメエダシャクの成虫が佇んでいた(写真上)。
翅の紋様は、墨で半紙に描いた一筆書きのようでダイナミックな筆使いとも見える。まるでその翅紋様や体の縞模様を誇示するかのようだったが、しばらくするとウメエダシャクは翅を折り畳んでしまった(写真中)。

(写真/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 先日、縁側の庇に焼酎の酒パックでスズメの巣箱を設置したことを書いた。その後、スズメが営巣を始めており、今日になって中を覗いてみれば巣材がいくつか押し込んであった。そこでスズメの営巣の証拠写真をと思い、無人カメラを設置してみた。無人カメラの写真はいづれまた紹介できると思う。それにしても雨樋で営巣するものが絶えず、今日も雨で流された巣材がどっさりと地面に流れ落ちていた。崩れた産座の中には壊れた卵が数個あった(写真下)。新開 孝
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