menu前ページTOPページ次ページspace.gif

スミナガシ幼虫、ふたたび 2008/06/26(その3)
 昨日はヤマビワでスミナガシの幼虫を見つけたが、今日はアワブキでも見つけておく必要があった。

 北郷町でのウラナミジャノメ撮影を終えてから一旦は自宅に立ち寄り、準備を整え直してから、すぐに都城市山ノ口町のある林道へと向かった。ここでは昨年、アワブキの樹を見つけておいた。ただし、この林道は大雨によって通行止めになることが多く、ちょっと心配だった。

 案の定、所々では土砂が崩れたり道の陥没もあったが、車は泥だらけになりながらなんとかアワブキのところまで行くことができた。アワブキの梢を見上げれば、4令幼虫が数匹、葉裏に静止していた。

(写真/E-3   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)


 昨日の夕方、遠くからヒグラシの鳴き声を庭で聴いた。
 今日の北郷町の山中ではニイニイゼミの鳴き声もよく聞こえた。山頂付近ではアマツバメがさかんに飛翔し、サンショウクイもすぐ近くに来た。新開 孝

ダブル芋虫とは 2008/06/25(その2)
 雨はしつこく降り続ける。梅雨だから仕方が無い。

 スミナガシやアオバセセリの春型成虫がうちの林の樹液や花壇に姿を現したのは、もうずいぶんと前のこと。少し気になっていたので、近くの上米公園に出向いてみた。

 ヤマビワの低い枝先では、若い葉っぱを綴り合わせたアオバセセリ幼虫が多数いた。ちょっと申し訳ないが綴った巣を開いて中を覗いてみた(写真上)。巣から出て葉っぱをモリモリ食べている幼虫もいた。どれも終令だ。

 地上高50センチほどの幼木では、丸々と太ったスミナガシ終令幼虫が2匹いた(写真中)。じっと顔を伏せているが、息を吹きかけるとヌッと顔を持ち上げ角を左右に振って怒るかのようだ(写真下)。

 日中でも薄暗い林なのだが、雨雲の下ではさらに暗い。今日の写真は条件的に厳しい。できれば日射しのある日に撮り直したいものだ。

 それにしてもこれだけ個性豊かな幼虫2種が、同じ食樹というのも何だか奇妙な取り合わせではないだろうか。

(写真/E-520  25ミリレンズ+2倍テレコン+魚露目8号、内蔵ストロボ)新開 孝

セグロアシナガバチ改め、正しくはヤマトアシナガバチ? 2008/06/25(その1)
 かなり以前から紹介してきた「セグロアシナガバチ」は、種名が間違っていたようだ 。たしかに繭蓋の色がやたらと黄色いことが気には掛かっていた。このことをある方からご指摘いただき、あらためて母バチをじっくりと見直してみた(写真上)。

 当初、セグロアシナガバチと思い込んだのは、体長が23ミリほどあって大柄であることだった。しかし、前伸腹節の模様や体全体の色などを細かく見ていくと、やはりヤマトアシナガバチではないか、と思われる。といってもまだ自信が無いので、?マークをつけておこう。
 
 アシナガバチ類は種類数も少ないが、意外と判別の厄介なものもいて、とくに写真から判断するのは難しいことが多い。巣の形や特徴から種が限定できるものもあるが、できればアシナガバチ類とスズメバチ類を合せた明解な判別用ハンドブックでもあれば良いなあ、と思う。

 ところで今日、巣を見てみると最後に残っていた繭部屋も破られて空っぽになっていた(写真下)。いっぽうでっぷりと肥えていた幼虫の一部が新たに繭蓋を作り始めている。いったいこれからどういう展開となるだろうか。こうなるとどうしてもヒメスズメバチの所業を見届けたいものだ。

(写真上/E-3   シグマ105ミリマクロ、内蔵ストロボ)
(写真下/リコー Caplio GX100 潜望鏡レンズ使用)新開 孝

用心棒とは 2008/06/24
 先月末、霧島山の登山道脇で思わずマムシを踏むところだったが、そのときのマムシはなかなか格好良かった。

 しかし、ヘビが苦手な上に相手がマムシとあっては、広角接写撮影などできたものではない。ほんとうなら地面に這いつくばって、マムシの視線よりわずか下から仰いで、、、な〜んて、そりゃ無茶な話だ。望遠レンズで証拠写真程度しか撮れなかったのはいかにも残念だった。

 数日前、仕事部屋で片付けをしているときに、ほとんど使ったことのない伸縮棒が目についた。たしかビデオ撮影の録音マイクを固定するものだったかのように記憶している。棒の太さ、長さ、重さ、といいこれは使える!!咄嗟に思いついてすぐにこしらえたのが名付けて「用心棒」。

 伸縮棒の先端に自在アングルとプレートを付け、プレートにコンパクトデジカメを固定できるようにした。プレートを適度な角度で叩き曲げる作業が必要だったが、工作はあっというまに終わった。伸縮棒は4段で、長さ調節リングを緩めても棒が回転しないように溝が掘ってある。したがって伸縮させるときにカメラがクルリと回転してしまうこともない。しかし、カメラの専用リモートケーブルが届くのに数日掛かり、ようやく今日になって届いた。

 専用リモートケーブルが届くまでに、手元に一杯あるUSBケーブルを改造してリモートケーブルを自作できないものかと試してみたが、これはうまくいかなかった。市販されている専用ケーブルは65センチと少し長さが足りないから気になったのだ。届いた専用リモートケーブルは、操作ボタン部に電池が必要で、何らかの回路が組み込んである。なるほど単純なショートスイッチではダメなわけだ。

 さて、本日、専用リモートケーブルが届いてさっそくテスト撮影をしてみた。カメラからリモートケーブルの最後部までは50センチしかない(写真上)。しかし、カメラのモニターを確認しながらリモートスイッチを操作するには、この程度の長さあたりが限界だろうか、とも思える。
 ともかく使ってみて、いづれリモートケーブルの延長工作も検討するときが来るかもしれない。

 最初はカメラの位置を極限まで低くするため、カメラのホットシューで固定してみたが(写真下)、これだとストロボが使えないのですぐに固定方法を換えた。カメラ底部の三脚ネジでプレートに固定してみたが、固定ネジの厚さはたいしたことない。しかもネジやプレートがカメラ保護の役にも立つので結局この方法に落ち着いた。

 この「用心棒」、例えばなかなか近寄せてくれないハンミョウなどの撮影に力を発揮できるかもしれない。実際、こういう方法で撮影している方もおられるようだし、使い方はいろいろと工夫できそうだ。通常は「延長棒」とか呼ばれているのだろうか。
 僕の場合は危険な毒蛇の撮影に使いたい、というのが動機にあったから、敢て「用心棒」と名付けてみた。
 ただし50センチという距離は、マムシなら軽くジャンプできるんではないだろうか!?と不安にもなり、また一方「用心棒」を携えたからといって、いつマムシに遭遇できるかは極めて怪しいとも言える。
 ならば積極的にマムシに会いにいくか!それもいい考えだが、まずはシマヘビやアオダイショウで練習しておくべきかもしれない。

 道具というのは、こうして実際に使うときのことをいろいろと想定してみたりする時間も楽しい。
 
(写真上/E-3  14-54ミリズーム、ストロボFL-36R使用)
(写真下/E-520 魚露目8号+25ミリ+2倍テレコン、内蔵ストロボ使用)

※ 新開への連絡先は、yamakamasu@shinkai.info です。

 
新開 孝

ヤブキリの羽化 2008/06/23(その2)
 久留米市から戻って、犬の散歩に出た。

 散歩に出てすぐ今日届いたばかりの「魚露目8号」をさっそく使ってみたのが、ヤブキリの羽化シーンだった。この程度の大きさであればフォーサーズ魚眼8ミリレンズで充分なのだが、魚露目8号はレンズが小さいので扱い易い。画質もそこそこだしファインダーも明るい成像だから文句もつけ用が無い。
 
 魚露目レンズを25ミリレンズ+2倍テレコンに組み合わせるというアイデアは、昆虫写真家、尾園さんのブログで紹介されていたもの。さっそくぼくも真似をしてみた。

(E-520  25ミリレンズ+2倍テレコン+魚露目8号、内蔵ストロボ)新開 孝

卵を抱くベニツチカメムシ 2008/06/23
 久しぶりに日射しが出た。早朝6時に出発して久留米ICに到着したのは午前9時過ぎ。現地の方に案内してもらい再び福岡県久留米市のベニツチカメムシ産地へと向かった。

 今の時期、ベニツチカメムシは卵を抱えている(写真上)かあるいは早いものではすでに2令幼虫群も見られた、。他にもこれから産卵しそうなメスではないか、と思える個体も多い。メスは口吻を卵塊の中に刺し込んで抱っこしており、いくら外部から刺激を受けても卵塊を見捨てたりはしない。一匹のメスが抱えている卵は百個以上はあるだろうか、それらが分泌液で球状に固まっている。

 卵を抱えたメスは地上の窪みや落ち葉の下に隠れており、丁寧に探さないと気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。先日の豪雨のときなど、どうやってその雨水を凌いでいたのであろうか?たいへん気になることだ。

 ボロボロノキはたくさんの実をつけており(写真中)、木の特徴がとてもわかり易い。そう今こそボロボロノキ探索の適期と言えるだろう。冬場にボロボロノキを探そうというのは、あまりにも効率の悪過ぎることがよくわかった。
 あるボロボロノキの周辺ではオスが数匹、梢上で静止していた(写真下)。交尾はこうした地面より少し上がった梢上で行なわれるそうだ。

(写真上/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真中/E520   50-200ミリズーム)
(写真下/E-520  8ミリ魚眼+1.4倍テレコン)

 
 新開 孝

娘バチは何処に? 2008/06/22(その2)
 以前から紹介してきたセグロアシナガバチの初期巣(写真上)。巣は玄関脇にあって観察の頻度は高いはずだが、それは甘かった。

 今日も潜望鏡カメラで巣を真下から見上げるようにして撮影してみた。すると新たに繭蓋が三つも開いていた(写真下)。繭部屋は缶詰の蓋を切り開いたごとくにポッカリと大きな穴をあけ、中は空っぽになっている。ところがそこから誕生したと思われる娘バチたちの姿が無い。
 もしかしたら、と思っていたぼくの危惧は当たっていた。ぼくが少し外に出掛けている間に、嫁さんがその事態を観察していたのである。

 「アシナガバチの巣に、クマバチが来てたよ。」とは嫁さん。
 「クマバチ?ふ〜ん、それはスズメバチのことでしょ。アシナガバチの巣を襲って幼虫や蛹を持ち去ってしまうんだよ。」

 つまりどうやら、ヒメスズメバチがときおりやって来ては、繭蓋をこじ開け中の蛹を略奪していったようだ。嫁さんはその現場を見たという。その間、セグロアシナガバチの女王(母バチ)は巣から逃げもせず、ただじっと見守っているだけだったようだ。為す術は無いのである。ヒメスズメバチはこうしてアシナガバチの巣を襲っては略奪するという非常に特殊な食性の持主なのだ。

 それにしても、略奪の仕方がずいぶんと手が込んでいるように感じる。でっぷりと肥えた幼虫もいるのだし、そっちのほうが奪い取り易いのではないか。しかしわざわざ蛹部屋の蓋をこじ開けてまで蛹にこだわったのは、もしかしたら蛹の成長が進み過ぎては食べごろ(?)を過ぎてしまう、というヒメスズメバチの判断があったのだろうか?

 玄関脇のセグロアシナガバチの巣は、おそらくもうこれ以上に発展することなく、いづれは女王バチも見切りをつけて放棄してしまう可能性が高い。去年の今頃も、こうして放棄された初期巣を近所の集落で多数見ている。それほどまでにヒメスズメバチの存在はアシナガバチたちにとっては、脅威となっているのだ。

 ところが一方、世間でよく騒がれる恐ろしいスズメバチの脅威とはほとんど無関係なのが、ヒメスズメバチでもある。ヒメスズメバチは体の大きさではオオスズメバチに次ぐ体格をしているが、その巣の規模はスズメバチ類のなかでは最小であり、働きバチの数も少ない。つまり小家族なのだ。まず人を襲うことはないだろうと思う。
 だからオオスズメバチとヒメスズメバチの見分け方を覚えておけば、野歩きするときには役立つはずだ。すこしでも余計な恐怖心を減らすことができるから。


(写真上/E-520 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真/リコー Caplio GX100+潜望鏡レンズ)

新開 孝

昆虫観察会 2008/06/22
 今日は梶山小学校の学外教育という催しで、昆虫観察会を行なった。参加者数は父兄の方も入れて50名以上。

 朝方まで断続的に雨が降っており一旦は延期かと思ったが、しだいに回復するようでもあり決行することにした。午前10時、三股町内の上米公園に集合。少し風が出てき始め、どんよりとした雲が空一面に広がり気温が上がらない。
観察会の気象条件としては良くなかったが、参加してくれた子供たちは元気に虫探しをしていた。虫はそこそこしか見つからなかったが、サワガニが多く子供たちの虫かごに次々に詰め込まれていた。やはりサワガニくらいの大きさもあって、しかも動き回る生き物は捕まえたくなるものだ。
 サワガニの収穫に満足する子もいれば、「エノキがあればゴマダラチョウ幼虫が見つかるのになあ〜」、などとチョウに詳しい女の子もいる。

 今回の観察会で見つかった主な昆虫たちは、
 
 キチョウ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、ジャコウアゲハ蛹、イシガケチョウ、キマダラセセリ、クロセセリ幼虫、オオカマキリ幼虫、オンブバッタ幼虫、タンボコオロギ、キオビゴマダラエダシャク幼虫、オオゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、シロコブゾウムシ、アトボシアオゴミムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、モノサシトンボ、ハラビロトンボ、ウスバキトンボ、ヤマトシリアゲ、ホオアカオサゾウムシ、セマダラコガネ、マメコガネ、ドウガネブイブイ、ツチイナゴなどなど。

 そして観察会コース最終地点のサクラ園で、ヤツメカミキリ(写真)が見つかった。子供たちの体力、気力の持続を考えると観察会の時間は1時間〜1時間半がちょうどいい。ほんとうは日射しがあれば良かったのだが、また来年にも期待したい。
 ぼくの子供が梶山小学校を卒業するのは3年後だが、それ以降でもこういった行事には積極的に参加したいと思う。

(写真/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

アンテナ 2008/06/21
 昨夜はもの凄い豪雨だった。雨音で目が覚めたのは久しぶり。
 雨量が多いと農作物にも影響する。今朝は決壊した田んぼの畦を修復している農家の方の姿があった。田んぼは風景として綺麗だなんて眺めている立場では、実際に農業に従事している方々の苦労はなかなか見えてこない。

 さて雨が降ったにも関わらず、仕事部屋の灯りには夜の間に集まって来た虫たちが、けっこういる。そのなかでも今日の写真の蛾は、まるでウサギコウモリのようにも見える。大きなアンテナ(触角)は細かい櫛状になっていて、メスの放つ性フェロモンをキャッチできるのだろう。本種の種名はただいま調査中。

 蛾の天敵でもあるコウモリは、世界に約1000種、そして国内には36種もいるそうだ。

(写真/EOS−5D  65ミリマクロ)

※本種はその後、ドクガ科のスゲオオドクガと判明した。新開 孝

ニジュウヤホシテントウ 2008/06/20(その1)
 うちの菜園のジャガイモとナスの葉っぱには、ニジュウヤホシテントウの食害が目立つ。いやうちなどは軽微なほうで、近所の畑を見て回るともの凄い食害を受けているジャガイモ畑もあった。それでも土中ではちゃんとジャガ芋が育っているから問題はない。

 ニジュウヤホシテントウの幼虫(写真上)や蛹(写真中/右が蛹、左は前蛹)、そして卵(写真下)と次々と見つかる。


(写真上、中/E-520 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/EOS-5D  65ミリマクロ)


昨夜は地元集落の芸能保存会で「俵踊り」の稽古があった。うちの嫁さんは三味線で伴奏。三味線の手習いはまだ半年程度だが、まがりなりにも演奏できるようになったようだ。それにひきかえ踊り手のぼくなどはヒドいもんだ。実際に踊るのは昨夜が初めて。手取り足取り稽古をつけてくれるのかと思っていたら、いきなり皆さんと本番に入る。しかし見よう見まねでまともに踊れるわけがない。クルクル回ったりして、目が回るだけ。しかも蒸し暑い夜で汗ダラダラとなる。

 これまで実演や映像では何度も見て来た「俵踊り」。見ているだけだと簡単そうに思えたが、いやこれはなんとも難しい。しかし、「見て覚えろ!」というのが保存会の方針のようで、誰も教えてはくれない。とても冷たい仕打ちにも思える。
 だが、保存会のメンバー皆さん、これまで同じ様な体験を通して踊りを憶えたそうだ(ほんとうかなあ〜?)。ぼくも見よう見まねでなんとか習得するしかないようだ。川の石が波に揉まれて丸くなるごとく、ぼくも試練のうちに自ら習得するしかない。踊りはしかし憶えてしまえば、楽しいことこの上ない。それまで、しばらく辛抱だ。
 
 新開 孝

タケトゲハムシ 2008/06/20(その2)
 庭のササの葉ではタケトゲハムシが特徴のある食痕を残している。

 タケトゲハムシはササの葉表から葉肉を舐めとるように食べるため、薄皮が残って、そこが透けてみえる(写真上)。
 よく見れば、タケトゲハムシの卵もあった(写真下)。画面下の2個が葉肉内に産み込まれた卵。で、おそらく上側の食痕はふ化幼虫が残したものと思われるが、その幼虫の姿が見当たらない。

(写真上/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/EOS-5D  65ミリマクロ)新開 孝

本の紹介 2008/06/20(その1)
 雨だからというわけでもないが、今月に入ってからいただいた新刊本3冊を紹介したい。

 まずはレディファーストで、童話作家の深山さくらさんの『かえるのじいさま と あめんぼ おはな』(教育画劇)という絵本。絵は松成真理子さんという方が描いている。あめんぼの「おはな」がとっても可愛い。ぼくなどが田んぼでアメンボをいくら眺めていてもこういった絵本話になるような想像力は働かないので、うらやましく感じる。深山さくらさんのホームページは こちら


  2冊目は、自然写真家、皆越ようせいさんの『ハサミムシのおやこ』(ポプラ社)。本書ではコブハサミムシを取り上げ、細かくその生活を紹介している。ハッとするような場面や、生態的にも貴重な写真もあって大人も子供も楽しめる。本書と今月出したぼくの『いのちのカプセル まゆ』もポプラ社の「ふしぎいっぱい写真絵本」という同じシリーズ。


 3冊目は、昆虫写真家、筒井学さんの『かいこ  しぜんキンダーブック6月号』(フレーベル館)。カイコといえばこれまでにもいくつかの写真絵本があるが、筒井さんの写真、そして構成ともに斬新で素晴らしく、ダントツの出来だと思う。ぼくより7歳も若い筒井さん、今後もますます活躍していく写真家の一人だ。 新開 孝

オオゴマダラエダシャクの幼虫 2008/06/19
 不気味な眼玉模様をつけた幼虫は、昨日見つけ撮影したもの。幼虫は小さな柿の幼木でパリパリと葉っぱを食べている最中だった。

 オオゴマダラエダシャクは名前の通り、シャクガ類のなかまで、幼虫はいわゆる「尺取り虫」だ。大きさは5センチ以上もあって、シャクトリムシとしては大型の方だろう。
 昨年、ポプラ社から出した写真絵本『どこにいるの?シャクトリムシ』にもこのオオゴマダラエダシャク幼虫が登場している。というか、これはどうしても入れたかった写真だった。本作りの段階ではまだ見たこともなかったこの幼虫をなんとかシーズン中に撮影できたのはかなり幸運だったと言える。

 そして昨日のこと、三股町の山間の河川を巡りながらトンボの観察をしていたとき、2年ぶりにこの幼虫に再会できたわけだ。
 シャクトリムシの多くが、植物の枝や茎、葉、芽あるいは鳥の糞などに擬態して、天敵から身を隠している。しかし、そうではなくむしろ天敵に対して目立ったり、威嚇と思われるような色模様をした種類もいる。その代表的な存在がこのオオゴマダラエダシャクの幼虫なのだ。

 プクリと膨らんだ部分は、胸部と腹部第1節でこれはいつもこういう形状となっている。幼虫に刺激を与えれば、頭部と胸脚をグッと縮めるようにして陥没させるのでますます膨らみが増し、眼玉模様がさらに強調される。

 今日の午前中は、こんどの日曜日に催される昆虫観察会の下見を行なった。現場は遊歩道が整備され、園芸植栽がかなり入っているので自然植生としてはちょっと貧弱だ。もう少しもともとあった照葉樹の二次林を残してくれていればなあ、と思う。杉の植林も多過ぎる。がともあれ、まずは観察会当日の天気が心配だ。

(写真/E-520  50ミリマクロ )

新開 孝

セグロアシナガバチの巣 2008/06/18(その2)

 庭のセグロアシナガバチの巣は、ようやく繭部屋も出来た。
 大きく育った幼虫の顔も見える。

 ところが、そうした巣の内部を撮影するには、巣の直下からレンズを向けないといけない。しかしこれを実行しようとすると、回りの枝葉が邪魔になり思うようにいかない。かといって、巣の周辺の枝葉をあまり剪定すると、アシナガバチ女王が巣を放棄してしまう危険性もある。

 さて、どうしよう!?

 で、昨日、急に思い立って潜望鏡カメラを作ってみた。作るというより、部品を組み合わせただけで、コンパクトデジカメをいろいろ応用して遊んでみようと思ったしだい。ほんとうのねらいは、浅い水深で昆虫を撮影するための潜望鏡カメラなのだが、今日はまず陸上でいろいろとテスト撮影してみた。試してみるとアシナガバチ巣の真下から仰ぐ撮影にはじつに便利だった。

 写真上はカメラ内蔵ストロボを直接発光させたもので、写真中は潜望鏡先端部にレフ板を添えたもの。潜望鏡先端部分にストロボ発光部を取り付けたり、あるいは光りファイバーでストロボ光を誘導しようか、などとも考えたが、工作が面倒だ。そこでレフ板をつけてみたのだが、これでけっこう効果がある。

 潜望鏡カメラとは、単にアングルファインダーをコンパクトデジカメのレンズ先端に取り付けただけであり、こういうことはいろんな方がすでにやっていることだろう。この潜望鏡カメラでどういう成果を出していけるのか、これからいろいろと試してみたい。

 それにしてもセグロアシナガバチの巣の繭壁がひとつ開いており、すでに娘バチが登場しているはずなのだが、その姿が無い。どうしたことだろう?

(リコー Caplio  GX100 +PENTAX645アングルファインダー)新開 孝
menu前ページTOPページ次ページspace.gif
Topics Board
ホーム | 最新情報 | 昆虫ある記 | ギャラリー | リンク | 著作紹介 | プロフィール