| ヨコヅナサシガメ幼虫の狩り 2004/11/05(その2) | | ミスジチョウ幼虫探しのついでに、飯能市の天覧山にも立ち寄ってみた。 ヤマザクラの幹ではヨコヅナサシガメ幼虫がモンシロドクガ幼虫を襲っている場面に出会した。 サシガメ幼虫はモンシロドクガ幼虫に気付くとゆっくり接近し、触角をうしろに寝かせてから、素早く口吻を立てた(写真上)。 いつもは緩慢なサシガメだが、いざ狩りの瞬間は実に俊敏な動きを見せるので驚かされる。 モンシロドクガを吸血する間は、写真下のように口吻の先にぶら下げたままにし、相手の自由を奪う。 もっとも上の写真でわかるように、口吻を立てられた瞬間に、モンシロドクガ幼虫はお尻を跳ね上げ悶絶している。 立てた口吻内から飛び出る口針が、即体内に突き刺されて毒が注入されると、大抵の獲物は少々暴れてもすぐにおとなしくなってしまう。 今回のような小さな獲物では、瞬時に狩りの決着がつくのであるが、 相手が大きな、例えばマイマイガ終令幼虫などの大型毛虫である場合などは、 口吻を立てたにもかかわらず逃げ切られてしまうこともある。 しかし運良く仲間のサシガメ幼虫が近くにいれば、まさに血の匂いでもってその仲間が駆け付け、数匹での協同狩りが成立することも珍しくない。 ヨコヅナサシガメ幼虫の狩りの様子を観察したければ、今の時期がちょうどいい。
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