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マントカラカサタケ 2004/10/14
マントカラカサタケはどうなっただろう?

午前9時頃、林に行ってみた。すると林の中で白く輝くキノコがあった。
おお!傘がきれいに開いている。今朝は散歩する人が多いが、少し離れたところから見ていると、この大きなキノコに気付かない方もいる。いや知ってて無視しているのか。ともかくもマントカラカサタケは無事であった。
私が這いつくばって撮影していると、キノコの名前を尋ねてきた方が二人いた。そのうちの一人は携帯電話のカメラで撮影する。
ハッと気付くと、1時間近くもマントカラカサタケを眺め撮影していた。
昨日作った超ローアングル三脚はさすがに使い易い。シャッターはセルフタイマーで切るが、最初は10秒しか設定がないものと思い、えらく時間を無駄にしていた。メニューを開くと、2秒という選択もできることに途中で気付いた。コンパクトデジカメのマニュアルはちゃんと読んでおいた方がいいようだ。
今まで低速シャッターを切る時は、リモコンばかり使っていたせいもある。
しかもセルフタイマ−音の設定がいつの間にか、犬の遠吠えになっており驚いてしまった。
新開 孝

マントカラカサタケ/その4 2004/10/13
マントカラカサタケの幼菌をつぶさに眺め、撮影しているうちに、不覚にもつばに手が触れてしまいその一部分が破れた(写真上、下)。
非常にデリケートなキノコだ。

林の中とはいえ、小道沿いであるからまた何者かに抜き取られる危険性が高い。
なんとか傘が完全に開いた姿を見てみたいが、明日を待つしかないようだ。
もっともすぐ近くにはかなり古いマントカラカサタケも見つかってはいるが、
こちらは殆ど崩れる寸前にまで萎れていた。

昨日も今日も、室内での仕事に追われる状況ではあったのだが、
このマントカラカサタケについては気になって仕方が無かった。
ほんとうに仕事をさぼっている時間が長くなってしまったが、
キノコには無知でありながら、何故か夢中になってしまう。
キノコの魅力にとり憑かれてしまい、仕事が手に付かないのだから、これは困ったものだ。
新開 孝

マントカラカサタケ/その3 2004/10/13
さて、いよいよ今朝になってにわか作りの超ローアングル三脚を携え、林に出向いてみた。
林入り口のマントカラカサタケは、やはり人目に触れ易い場所のためか、またもや根元から抜き取られてころがっていた。無惨!
少し不安になって今度は林の奥に行ってみれば、おお、こちらは健在!しかも球状だった傘が開きかけている。
写真上では私の手を画面に入れてみた。
キノコを真上からみると(写真中)、まるで乳房か肉まんのよう。
傘を下から覗き上げると(写真下)、つばが傘にくっついており、ひだが見えない。新開 孝

マントカラカサタケ/その2 2004/10/13
さて昨日見つけたマントカラカサタケ幼菌、今日はどうなっただろうか?
幸いにしてずっと雨が続いている。これでは犬連れの散歩者なども少ないだろうと、良い方に期待してみる。

今朝は撮影に出る前に、コンパクトデジカメ用の超ローアングル三脚を急遽作ってみた。
あり合わせの材料をネジ止めしただけなので、制作時間は5分程度。脚の金属プレートは、L型の先を地面に埋め込むので、カメラ底までの地上高は10センチと低いポジションがとれる。
キノコの写真撮影では自然光を主体とし、なおかつ絞り込みたいので三脚は必須。ところが市販の三脚ではちょうどいいものが無い。こういうときは自作機材を工夫するといい。
私の使っているコンパクトデジカメ、パワーショットG5は、広角側が35ミリ程度なので不満はあるが、それでも撮影条件によっては一眼レフより有利であったり、何と言っても機動性が高いので、けっこう仕事にも使っている。(ちなみにこの10月発売になったニコンのクールピクス8400は、広角側が24ミリ!でこれは注目に値する。接写能力もG5より高い。)新開 孝

マントカラカサタケ/その1 2004/10/13
1週間程前、まるで杖のようなキノコを発見(写真上/10/6)。
高さは30センチもあるが、まだ傘の開かない幼菌だとわかった。しかし、種名まではわからず、このキノコが成長するのを待つしかなかった。
ところが翌日には根元からぽっきり抜き取られ、地面にころがっていた。中里の林内は散歩する人が多く、この幼菌はちょうど小道沿いにあったので心配だったが、その通りになってしまった。

残念ではあったが、昨日のこと、雨の中で別の幼菌が見つかった(写真中、下/10/12)。最初に見つけたものより成長が進んでおり、特徴がはっきりしているので、キノコ図鑑を調べてみると「マントカラカサタケ」であろうと検討がついた。
今回の幼菌も道沿いにあって、しかも林の入り口なのでとても目立ってしょうがない。
これも危ないなあ、と思いつつ林の中に入ると前回、抜き取られた場所近くに、もう一本の幼菌があった。
新開 孝

オンブバッタの独り言 2004/10/12
「ヒナタイノコヅチの葉っぱで、ちょっとお食事を。
おっとっと、でも彼女から離れず、慎重にと!」

「ほやけど苦労しましたで。あんたはん、
色白でっしゃろ。競争相手、多かったんですわ!」




「ありゃりゃ!もう終わりでっか?もうちょっと、
イノコヅチのランチ食べたかったんですけど、、、。」

「はいはい、お務めいたしますう!
それにしても、あんたはん、ごっつう身長ありまんなあ!あっ!それは禁句でっか!ごめんさない!」

「落ちないよう、しっかり掴まってと。はいはい、これからいきますよって、ちいと待ってなあ!あ、あ、あ、滑るうー!落とさんでなあ!」

「確かにこの図は、オンブバッタ!て、言われてもしょうがないですわなあ。では、しっつれい!!」

新開 孝

ゴマダラチョウの羽化 2004/10/11
午前11時25分、羽化したばかりのゴマダラチョウを発見。
蛹殻にぶら下がったままだが、翅はすっかり伸展している。空掘川の遊歩道沿いにあるエノキの小木では、ゴマダラチョウの幼虫をよく見かけるが、こうして羽化した直後の成虫に出会ったのは初めてのことだ。
天気情報の予想に反して、今朝は小雨も混じる曇天となった。
今頃羽化したこのゴマダラチョウの子供らが、越冬世代の幼虫まで成長できるか否かは、けっこう際どいような気がする。新開 孝

アオマツムシの産卵 2004/10/10(その2)
午後3時半ころ、ムクノキの枝で産卵しているアオマツムシのメスがいた(写真上)。
写真では頭が下向きだが、最初は上向きの格好であった。
茶色をした注射針のような産卵管を、丸い窪みに射し込んでいる(写真中)。この窪みはメスがあらかじめ齧って掘ったものだ。右後ろ脚がなく、そのため産卵管がよく見えている。
産卵姿勢が上向き、下向きになる理由は、この窪みへの産み込み方向を上下方向にわけて行うためである(写真下/産卵痕に産卵管挿入方向を矢印で示した)。
山吹色の柔らかい紡錘形の卵が、産卵窪みの上下の組織中に数個ずつ産み付けられている。
アオマツムシは様々な木の枝にこうして産卵するが、暑い時期には夜間に行うことが多い。
新開 孝

カネタタキ 2004/10/10
「チン、チン、チン、、、、、」と鐘を打つような鳴き声で知られるカネタタキ(写真上/エノキの葉っぱの隙間に潜む)。
単調な鳴き声からして、憶え易い虫ではあるが、
鳴いているオスの姿を見たことがある人は、案外少ないかもしれない。
カネタタキは昼間も鳴くので、その気になれば観察し易い虫だが、梢の込み入った場所をあちこち隠れるように移動しながら鳴く習性がある。
体長は1センチ足らずの小柄で、しかも翅自体も写真のごとく極小サイズでありながら、鳴き声はけっこう遠くまで届くから不思議である(写真下)。
メスでは翅が完全に退化している。
オスも後ろ翅は退化していて、飛翔することはできない。オス、メスともぴょんぴょんと敏捷にジャンプして移動する。
以前から私のマンションのベランダで、このカネタタキをよく見かける。
それも夏頃から小さな幼虫が、チョロチョロとベランダの壁面を歩いていたりして、どうしたことだろうかと怪訝に感じていた。
よくよく考えてみると、私が春頃から何かと昆虫飼育のために様々な枝を持ち込んだ際、
一緒にカネタタキの卵入り枝まで、知らないうちに運び来んでしまったようだ。
もっともカネタタキは都会の公園や住宅地の生け垣、庭木などに多数住んでいるので、ベランダなども棲み家の延長線上であろうと思う。新開 孝

サトクダマキモドキと産卵痕 2004/10/09
サトクダマキモドキ(写真上/一昨日撮影)のメスを見つけた梢では、産卵痕(写真中)もあった。

産卵痕は細かい木屑が枝の下側に付着した格好で、
よく目立つ。
おそらく産卵を行ったのは、メスを見つけた日の前日、夜中あたりであろうと思う。木屑は白く新しい。

今日はその産卵痕の中を割って覗いてみた(写真下)。卵はラクビーボールを平たく潰したような形で薄く、多数が整然と並んでいる。写真の奥にももう一列あり、卵の総数は約26個だ。
サトクダマキモドキのメスの産卵管は、管というよりなぎなた刃を2枚合わせたような格好で、その2枚刃を交互にずらしながら枝に切り込みを入れる。
刃の先はのこぎり状になっており、かなり固い枝でもゆっくり切り裂いてしまう。そうして産卵管を枝にくい込ませたあと、2枚刃の隙間を押し広げるようにして、卵が枝の組織内に滑り込んでいく。
卵が枝の中に納まると、今度は口を使って枝表面を噛みほぐし木屑を作って、産卵孔を塞ぐのである。
(この様子を見るたびに学生時代の化学実習で、綿栓を作るのに苦労したことを思い出す。かなりマイナーな話題)
この手順をメスは繰り返しながら移動し、およそ45ミリ長の産卵痕(写真中)が完成する。

ちなみにこの卵たちが孵化するのは、来年4月から5月にかけての早朝である。
サトクダマキモドキはキリギリス類の中でも大柄であり、メスは体長6センチ近くにもなる。オスは一回り小さい。
草食で多種類の樹木の葉が餌となる。
普段は梢にじっと潜んでおり、大きい体とはいえ意外と目に付かない虫である。
人影に驚いて、いきなり梢から飛び出して来ることも珍しくはないが、そういうときの滑空する様は印象的である。
透けて輝く後ろ翅を広げ、絹糸のような長ーいアンテナを風にたなびかせて空中を一直線に去っていく姿は、一度見たら忘れられない。
成虫の出現期は8月から10月といわれているが、
南の地方では11月以降も姿を見ることができる。新開 孝

野原は秋 2004/10/07
もうどう足掻いても、秋。
どこからどこまでが秋なのか判然としないが、
野原にはセイタカアワダチソウやセンダングサの花が咲き、そこに訪れてくる昆虫たちも秋の顔ぶればかりだ。
一時期の夏枯れから、昆虫たちにもまたにぎやかさが戻って来たのは嬉しいが。

今日はビデオ撮影の準備のため、金山緑地公園という川べりに赴き、土手の野原を歩いてみた。
スチール撮影は二の次だったが、ヒメアカタテハ(写真上)もキチョウ(写真下)も新鮮で、ちょとだけ撮影してみたくなった。しかし、こういう写真は決まりきった絵柄でまったく面白くない。




『そこでついでに思い出したことが、、、、、』

それは私が中学生のとき、蝶の採集を始めた頃の標本第一号が、ヒメアカタテハだったことだ。
学校からの帰り道、学生帽で花壇に来たヒメアカタテハを採ったことが懐かしい。
思わず衝動的に採集したこのことがきっかけになり、蝶の標本を集めようと心に決めたのであった。
いかにも地味な蝶だが、蝶という存在を手の中で初めて意識した瞬間でもあった。
思春期の目覚め多き中での出来事だから、かなり動揺したことをはっきり憶えている。
それと錯綜して北杜夫の「どくとるマンボウ昆虫記」などもむさぼるようにして読んだものだ。
で、当時は愛媛に住んでいたこともあり、捕虫網など昆虫採集や標本作りに必要な道具類は、大阪の大阪博物社という所から取り寄せたものだ。
しかし、中学生から始めた蝶の採集はかなり早い段階で嫌になってしまった。
まず標本作製に必要な展翅板にお金がかかることと、遠方の旅費などは皆無であったことなど経済的理由が一番大きい。
それに加えて、私は蝶の成虫そのものより幼虫や蛹などの幼生期に興味を見い出し、成虫にしても求愛行動、産卵行動などを観察する面白さの方へと嵌まっていった。
そうすると捕虫網ではなく、たちまちカメラが欲しくなったものである。
しかし、それこそ高嶺の花。
カメラは手にすることなく、それでも観察するのは楽しいので、ときおりスケッチブックに描きこんだりもした。
そんな日々がピークに達する頃、大学受験に突入
する高校生時代を迎え、学校社会には思いっきり背中を向けてしまった。

このつづきは、また気が向いたらということで。
新開 孝

お菊虫 2004/10/06(その5)
そろそろ「お菊虫」が見られるころだろうと、
狭山丘陵に出向いてみれば、やはりあちこちにジャコウアゲハの蛹が見つかった(写真上、中)。
少しでも人工物があると、余計にそこでは「お菊虫」が目立つのだが、チョウの蛹でこれほど人目につくのは、ジャコウアゲハくらいだろう。
まだウマノスズクサの葉を齧る幼虫もいたけれど(写真下)、蛹の数の方が圧倒的に多かった。蛹はこのまま冬を越して、来年羽化するのは5月のころだ。新開 孝

トノサマバッタ、産卵事情 2004/10/06(その4)
狭山丘陵で、トノサマバッタが路上で産卵しているのに出会した。それもアスファルトのひび割れた隙間で(写真上、中)。

実は狭山丘陵のこの一角は、トノサマバッタの大産地だったのだが、W大学という有名私立大学の造成地開発で、それまであった裸地と草地が、壊滅的打撃を被ったのである。それは凄まじい破壊行為であったが、教育という大儀名分の前では、一部市民の抗議の声など、瞬く間にかき消されてしまった。

それから数年経って、
このアスファルトの割れ目のわずかな土の露出は、トノサマバッタのメスにはかなり魅力的な場所になった。今日、私が観察している間にも、次々と産卵にやってくるのだ。これには驚いた。
しかし、さすがに車の行き来もある中で、犠牲になったメスも見受けられた(写真下)。見事にぺしゃんこになったこの遺体が語るものは、トノサマバッタのメスがここで産卵に没頭していて、車の接近にさせ身じろぎもしなかったという事実である。

新開 孝

ツツハムシ幼虫、歩く 2004/10/06(その3)
イヌシデの幹を這い登る、ツツハムシ類の幼虫がいた。
この幼虫は自分の糞で作ったケースから体を乗り出して歩くから面白い。危険を察知すると瞬時にこのケース内に体を引っ込めてしまう。
その様はまるで、ヤドカリのようだ。

ツツハムシと言うよりか、ヤドカリハムシとでも呼びたいくらいだが、遡って孵化したときのケースは母親の糞である。つまり母親は、産卵時に卵を自分の糞で包んでから放り捨てるのだ。孵化したばかりの幼虫は、親の遺産の家(糞だけれど)が用意されているわけで、まず住宅問題で悩むことはない。
幼虫は成長するに従い、今度は自らの糞を使って、親の形見の家を増築していく。
何故にイヌシデの幹を登り歩いていたのか、その理由はよくわからないけれど、新鮮な葉っぱを食べたかったのではないか?

いずれにせよ、このツツハムシ幼虫はこの糞ハウスに籠ったまま、地面の落ち葉の間で冬越しするのである。新開 孝
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