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イシサワオニグモ 2004/09/28
仙台市滞在最終日は、青空も出て気温も少し高め。Tシャツ一枚でも汗ばむくらいだ。
直径40センチほどの円網に陣取っているのはイシサワオニグモ。
遠目でも鮮やかな橙色の体がよく目立つ。初めて見るオニグモだが、これほど特徴的な姿をしていると図鑑での名前調べも簡単だ。

図鑑の解説によれば、このクモの体色にはかなり赤っぽいものから、薄めのものまで変異の巾が大きいようだ。新開 孝

風船虫 2004/09/27
今日も仙台にてアップ。

コップの水の中には小さく切った折り紙と「風船虫」が。
これから始まる楽しい実験。

あら、不思議!
風船虫は折り紙につかまって、ふうわりと、水面に浮上しまあす!

あれれ、仲間につかまってそのまま浮上なんてことも、、、。

風船虫は水生カメムシの仲間。
とくにコミズムシ類が御活躍!

新開 孝

ナシカメムシ 2004/09/26
今日は宮城県に来ている。
東北高速道のパーキングエリア、長者原で
久しぶりにナシカメムシを見た。
ここはハクチョウの越冬で有名な伊豆沼の
少し南に位置する。

パーキングエリアにある遊園地内の植え込みを見て回ると、ヒメリンゴとサクラに多数のナシカメムシ卵塊がついていた(写真上)。
ナシカメムシはクヌギカメムシの仲間で、ゼリーで卵を覆う習性は同じだ。ゼリーは透明で、卵は平面的に並んでいるところが、クヌギカメムシとは異なる。
中にはすでに孵化した幼虫(写真中)もいる。
産卵ピークを過ぎているようなので、成虫はいないかと思ったが、しつこく探してみると産卵中のメスや幹で吸汁する個体がいくつか見つかった(写真下)。

ナシカメムシは地味な姿をしており、地衣類にうまく擬態している。
このカメムシは関東以南では山地性であり、あまり見かけることがないが、ここ東北では平地にも多いようだ。
今頃孵化した幼虫は、2令まで育ちそのまま越冬する。
新開 孝

シロヘリクチブトカメムシ 2004/09/25
9/22にアップしたシロヘリクチブトカメムシ幼虫が、その後脱皮して5令幼虫となっていた。しかもハグロハバチ幼虫を吸血しようとしている(写真上)。

また、すぐ近くの草むらでは成虫も見つけた(写真下)。
成虫の方はお腹がパンパンに膨らんでおり、食事シーンを期待しても無駄であることがわかった。

シロヘリクチブトカメムシが関東地方でも生息するようになってから、まだ数年程度であろうか?このカメムシに出会うのは、毎年残暑のころ9月半ばから10月にかけてであるが、それ以外ではどこでどのように暮らしているのか、皆目わからない。
幼虫はふつう集団で見つかることが多く、草丈の低い草地環境に生息している。
カメムシの幼虫というのは各令(各ステージ)で体の模様ががらりと変わり、なかなかやっかいではある。
初めて出会った幼虫の模様から成虫の姿を連想しようとしても、これがうまくは当たらないことの方が多い。
結局、幼虫を飼育してみて成虫の正体を見極めるのが早道ではあるが、調べてみたい幼虫が次々に増えてしまい、悲鳴を上げる前に挫折するのが落ちである。


『久しぶりに銀塩写真』

ここ2年以上、標本撮影の仕事を除いて、銀塩ポジフイルムでの撮影からは完全に遠のいている。
したがって現像出しでラボへ行くこともほとんどない。かつてはラボからの請求書額にびっくりこいて青ざめていた頃が懐かしいくらいだ。
このごろでは請求書が届かない月もあり、ラボのカウンターのお姉ちゃんたちもただでさえ入れ替わりが激しいのであるから、今やもう私が出向いても、反射的に上がりを出してくれる顔馴染みの女の子はいないのではないかと思う。
ところが、昨日、今日にかけてベルビア100FをEOS-1D RSに装填して、久々にフイルム撮影を行った。
こうした銀塩うんぬんという表現も、近いうちには死語となるのであろうが、デジタルカメラに撮影の仕事を100%委ねることができないのも現状ではある。
つまりこれは赤外線センサーを使った、超高速ストロボ撮影の領域のこと。
今回は平行してデジタルカメラでの手押し撮影も敢えて挑戦してみたのだが、あまりにも効率悪く、しかも何度も同じ行動をとらされる昆虫モデルの方が先にバテてしまうのである。
いつか撮影できればいいや、などというアマチュアなら楽しみながらできる世界だが、楽しみだけでは済まされないのがプロのつまらなさでもある。楽しいだけでは終われないのである。
もっとも、デジタルカメラの恐ろしく長いタイムラグの問題は、それなりに挑戦してみる価値はあった。
そのタイムラグをいかに読むかという、余興である。余興は楽しいものだ。

そういうわけで、来週あたりにはほんとうに久しぶりにラボへ出掛ける。
ラボは杉並にあり、近くには中野があって、この界隈の雑然とした空間を彷徨い歩くのも、実は私の楽しみでもあったりする。
ラボへ行くのはそんな楽しみに浸る、いい口実であったりする。
しかし、よく立ち寄ったおいしいとんかつ食堂が一軒つぶれてしまい、それが少し寂しい。
新開 孝

シロヘリクチブトカメムシ幼虫 2004/09/22(その4)
あまり見慣れないカメムシの幼虫を見つけた。
特にオレンジ色の斑点が目立つ。
こやつは数年前にも所沢市狭山湖で見たことがある。銀塩写真ではずいぶんストックもあるからよく憶えている。
写真のカメムシは、シロヘリクチブトカメムシの若令幼虫だ。

このカメムシは、数年前までは四国の高知から南の地方に棲む、まさに南国特産のカメムシだった。
それがいつのまにやら北上し始め、今は関東地方にも広く見られるようになったのである。
クチブトカメムシの仲間は肉食であり、主にハバチやガ類の幼虫など、芋虫の体液を吸血して暮らす。
その習性を利用して、農作物の害虫退治にいわゆる生物農薬として、研究され利用されてきた経緯もある。
新開 孝

ウラナミシジミ 2004/09/22(その3)
河川の土手にはびこるアレチウリの花には、多数のウラナミシジミが来ている。

このシジミチョウを見るようになると、あらためて秋の到来を感じる。
関東ではほぼ一年中発生しているようだが、夏場は数が少ないせいで滅多に見かけない。
幼虫は主に園芸あるいは農作物のマメ科植物の花穂で育つ。
エンドウ豆の鞘のなかで幼虫がよく見つかるので、この蝶は害虫とも言える。

しかし、うしろ翅の黒点模様には金属光沢の水色がささやかに輝いていて、思わず見とれてしまう、可憐なシジミチョウである。新開 孝

キアシナガバチの巣 2004/09/22(その2)
やはり巣は近くにあった!

写真上の黄色矢印の先がオス蜂集団。
画面奥左下のプレハブ家屋の赤矢印先に巣が見つかった。
オス蜂集団から数メートルしか離れていない。
近くで見ると巣全体がびっしりと蜂で覆われている(写真下)。
この巣はとても目立つのだが、これまですぐそばを何度も歩きながら、私は迂闊にも見落としていた。
私も含め多くの歩行者の死角に巣を構えているからこそ、駆除されず今まで生き延びてきたとも言えるだろう。
それにしても巣を覆うハチの数の多さには驚く。
新女王が多数を占めるのだろう。

新開 孝

キアシナガバチのオス達 2004/09/22(その1)
コブシの梢でキアシナガバチの集団を見つけた。
数十匹がおとなしく休んでいる。
顔を見てみると皆、オス蜂ばかりのようだ。
しかしメスがいないと言い切る自信はない。
手掴かみしかけて思いとどまった。先月はニホンミツバチに刺されたばかりでもあるし。

オス蜂集団から察するに、キアシナガバチの巣本体が何処か近くにあるはず。
前々から気に掛かっていた巣が見つかるかもしれない。新開 孝

ハグロハバチ幼虫 2004/09/21
ギシギシの葉を暴食する芋虫がとぐろを巻いている(写真上)。
この黒点模様をまとった葉蜂の幼虫は5月頃からよく見かける。
ハグロハバチという名前のごとく成虫は体全体が黒く、いかにも地味。だから成虫の印象はほとんど残らないが、その幼虫となると、けっこう目を惹く姿だ。
下の写真は糞をしているところ。
このあとポトリと地面に落とす。
この葉蜂幼虫にとりつかれたギシギシは、ぼろぼろに食い尽されてしまう(写真下)が、死に絶えることはなく、幼虫たちが去ったあとはまた元気を取り戻す。新開 孝

熊本県阿蘇町 2004/09/19(その2)
15日から18日までの阿蘇町滞在中、私のノートパソコンは調子悪く、カードメディアからのデータ転送が全くできなかった。
そのため現地での様子をリアルタイムでアップすることも不可能となったのである。
パソコンへのデータ転送の手段として、二重の安全策をとってなかったことも反省すべきことだと思った。実はポータブルストレージを出発間際に荷物から省いてしまったのも災いしたからだ。

さてさて阿蘇町滞在中は初日以外、毎日夕立ちがあり、それもかなり激しいスコール状態であったりもして、日々の動きに制約を受けてしまった。
しかし、概ね午前中の天候は良くて高原の清々しい空気を満喫しながら、とにかくもよく歩いた。
牧場の中では(もちろん牧場内への立ち入りは許可が必要)、ある雌牛になつかれてしまい、私が撮影中もそばから離れようとはせず、なんとかレンズを嘗めるのだけは阻止したのであるが、その図体のでかさに関わらずスキンシップをやたらと求めてくるので、ついつい私も雌牛の顔をさすったり叩いたり、話し掛けたりして楽しんでしまった。
だがそういう牛はむしろ少ない方で、放牧されている牛にはかなり個性の違いもあって、おっとりしているからと油断していれば、角をしゃくるようにして威嚇攻撃しかけてくることもある。どうやらそれは威嚇というだけで本気ではないにしろ、あの太い角がこちらの体に触れた瞬間はやはりドキッ!とする。やばいなあと思う。牛の気分を読むには、それ相応の付き合いもなければ無理というものだろう。

私はかねがね、糞虫というグループには少し遠目にながら興味を抱いてきたが、ここしばらくのうちにいわゆる嵌まるという言葉にふさわしい心境の変化があった。
広大な草原をうろつき、馬糞、牛糞を何十個となくひっくり返し、突き、観察するうちに、どうやら糞虫の世界を眺めるべく特等席を捜し求めてもいたようだ。

新開 孝

マダラカマドウマの産卵 2004/09/19(その1)
今日はある仕事の打ち合わせも兼ねて目黒自然教育園に出掛けた。
そこで初めてマダラカマドウマの産卵を見て驚いた。
ひとつには本来夜行性であるのに午後1時過ぎの出来事であったこと、
そしてもう一つはその産卵場所であった。
教育園内に設えたコンクリート枠の池。
そこの水面近くでおそらくは、コンクリート壁の割れ目にでも産卵管を突き立てていたのであろうと思われる。
このマダラカマドウマのメスは、後ろ脚を2本とも失っており、見るからに痛々しいのであるが、産卵行動を静かに続けるのであった。

では本来の産卵場所は何処であろうか?
生息場所から想像できるのは、湿った朽ち木内などであろうかと思うが、はっきりした観察例を私はまだ知らない。

新開 孝

アゲハの卵と孵化幼虫 2004/09/14
近所のミカンの木では今頃、アゲハの卵や若い幼虫が見つかる。
産卵された卵(写真上)は、ほぼ3、4日で孵化する。孵化の前日から卵の殻を透かして中の幼虫の体が見えるようになる(写真中)。
孵化当日には卵の殻が白く曇って、中の幼虫の姿がぼやけてしまう。そうなるといよいよ孵化だ。
あまりにも普通に見かけるアゲハではあるが、
こうして孵化のタイミングを待っていると、
新鮮な感動を新たにするものだ。
昆虫の誕生や成長の過程は、それ自体がドラマチックである。








『明日から阿蘇山へ』

昨日も書きましたが、明日から九州に赴きます。
現地で滞在するホテルにはパソコンコーナーがあることを、5月に行ったとき知りました。
ですから、ちょっとした短報くらいは現地アップするかもしれません。
こういう旅先での撮影時には、やはりデータ吸い上げのポータブルストレージがあると便利です。
撮影現場でカードからデータをどんどん移し、
ホテルで寝ている(飲んでいる)間に、ノートパソコンに取り込む。これは便利です。
これまで国内の製品では満足のいく機種がありませんでしたが、
ここのところいくつか使えそうな新機種が登場してきました。
ただし、いずれも接続コードがUSB2.0仕様のものばかりで、転送速度を稼ぎたいぶんには、私の所有するパソコンでは対応できません。
新開 孝

白いヒガンバナ 2004/09/13(その2)
真っ白のヒガンバナは、これまでにも見たことがあるが、そんなに多いわけではない。
レンゲの白花なども珍しくはないけれど、目に入るとなんだか嬉しくて撮影してしまう。
そういえば昔、鹿児島のどこかで、白と赤が帯模様となった混色ヒガンバナを撮影したことがある。
そこにはモンキアゲハがさかんに吸蜜に来ていたなあ。


『新開 孝からのお知らせ』

明後日、15日から18日まで九州に出掛けます。これで今年に入って九州に赴くのは3回目となりました。
私の郷里は四国ですが、お隣の九州には過去ほんの数回しか行ったことがありませんでした。
ですから今年はやけに九州づいております。
今回、滞在する場所は阿蘇町です。
外輪山を背景に広々とした田園地帯、そこにぽつんとある温泉街です。

というわけで、しばらく更新アップが滞る可能性大です。


新開 孝

ヒカゲチョウの蛹 2004/09/13(その1)
駐車場からうちに戻る途中の小道で、
ふと気になり足下を見ると、ヒカゲチョウの蛹がぶらさがっていた。

この「ふと、、、」というところが、
昆虫写真家の勘というべきものだろう。その勘が働くにはそれなりに日頃の観察眼という前提があってのことだ。
この小道沿いにはアズマネザサが生えており、ときおりヒカゲチョウが舞っている。
そして、先日からササの葉には幼虫のものと思しき食痕が目に付いていた。
正確に観察し計算したわけでもないが、「ふと気になり、、」見たのは、そろそろ蛹になっていてもおかしくない、そういう直感が湧いたからである。
探しもせず蛹が目の前にあった!
よく見るとなんとも綺麗だ。新開 孝
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