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オオミズアオ夏型 2004/08/02(その3)
秋ケ瀬公園のケヤキでは、先程羽化したばかりのオオミズアオが翅を伸ばしていた(写真上/午後2時ころ)。

大きな櫛状の触角から、オスであることがわかる(写真中)。

オオミズアオは繭で越冬したものが5月ころ春型として羽化し、その次の世代が夏型として今頃、登場する。
わがマンションの門灯にも去年、そう言えば飛来したなあ。
新開 孝

シラホシナガタマムシ 2004/08/02(その2)
さいたま市、秋ケ瀬公園を訪れてみた。
エノキの幹に何匹もシラホシナガタマムシが歩いていた。
周辺のエノキには見当たらず、どうも一本のエノキに集合しているかのようだ。
数えてみると5匹以上はいる。
どの個体もうろうろ歩いているだけのように見受ける。
シラホシナガタマムシの体長は1センチ前後だが、よく見れば明るい藍色を帯びた体はなかなか渋くちょっと持ち帰りたくなる。キラキラ輝く派手な金属光沢ではなく、深みのある光沢がなんともいい。新開 孝

ヨコヅナサシガメの幼虫 2004/08/02
秋ケ瀬公園を訪れた理由の一つはヨコヅナサシガメの繁殖を確認することでもあった。
彼らは毎年、同じ木に産卵する習性があるので、さっそく冬のあいだ幼虫群の着いていたエノキを覗いてみた。
産卵時期は7月末から8月だが、エノキの幹ではすでに、2令幼虫が数匹歩いていた。
そしてなんとその幼虫のうち一匹は、木の肌に擬態したかのような蛾の体に、口吻を突き刺していた!
ヨコヅナサシガメ幼虫の前脚は蛾のはねを踏みしめているが、蛾はびくとも動かない。すでにサシガメの毒液で体が麻痺しているのだろうか?
そこで試しに蛾の体を指で触れてみると、蛾は驚いたように飛び立ってしまった。
いやいや、すまんことしました。ヨコヅナサシガメ幼虫は、大きな獲物を逃してしまったのである。私のせいで。
新開 孝

アカスジキンカメムシのメス 2004/08/01
7/28にアップしたアカスジキンカメムシ幼虫たち。
その幼虫たちが着いていたコブシの木で、成虫のメスを見つけた。

あの孵化幼虫たちは移動してしまい所在がわからなくなったが
コブシの実で吸汁するこのメスは、今後もまだ産卵すると思われる。
過去に私が見たもっとも遅い産卵例は、9月に入ってからであり、そのころまでアカスジキンカメムシの卵、そして孵化幼虫などを観察できるはずである。
新開 孝

カタツムリの交尾 2004/07/31
林の縁で交尾しているカタツムリを見つけた(午後4時50分)。

他にも近くを歩いている個体が数匹いて、カタツムリ日和ということなのだろう。
今日は朝から降ったり止んだりだが、どちらかといえば日射しのある時間の方が多かった。
しかし、一昨日からの雨で地面も草木もしっかり濡れており、湿度も極めて高い。
林や遊歩道を歩く人は皆、汗びっしょりだ。

さてカタツムリの種名はまだ調べていないのだが、
カタツムリは雌雄同体であり、お互いのペニスをお互いの生殖口に挿入し合うという、人から見れば実にややこしい生殖方法をとる。



『知ってるよ!おじさん』

今日のカタツムリ交尾の撮影は、うちの子供兄弟二人を伴っていた。夕方近くの散歩というわけ。
親子三人が歩いていると、お兄ちゃんと学童でいっしょの友達二人に林で出会った。
小学一年生と二年生だからうちのお兄ちゃん(小学三年生)の後輩なわけだが、これがけっこう生意気というか元気いっぱいで、お兄ちゃんは名前を呼び捨てにされ、私にもづけづけとよくしゃべり、質問も多い。いや私なんぞも同列の友達感覚で話し掛けられ、それはそれでうれしい。
一方うちの子供らは圧倒されて沈黙が続く。でもって、カタツムリの交尾を私が見つけ撮影しようということになった。
「これは珍しいなあ。何だかわかる?」
という私の質問に、先の友達のうち一年生の子が「交尾だよ!本に出ていたよ」と元気に答えた。
「知ってるよ!おじさん。ちゃんと本に出ていた!」
いかにも冷めたしゃべりが、私にはちと気になる。おい、少しは興奮せんかい!
科学児童本や図鑑類の仕事に関わる自分としては、こういう弊害?ももちろん意識しないではない。
新開 孝

オミナエシと昆虫 2004/07/30
秋の七草のひとつオミナエシが近所の公園で開花していた。
今や関東周辺で野生のオミナエシを見ることは不可能に近いのかもしれない。
うだるような暑さの中、それでも多くの昆虫が花には来ていた。

(写真上、ヒメアカタテハ)
(写真中、オオセイボウ)
(写真下、アズチグモに捕らえられたヤマトシジミ/アズチグモは花と同じ黄色で溶け込んでいる)

他にモンシロチョウ、キチョウ、キマダラセセリ、泥バチ類(3種以上)、葉切りバチ類(2種)、ニホンミツバチ、ジガバチ、コアシナガバチ、ハエ類、ブチヒゲカメムシなど種類も数も多くにぎやかだ。
このあとアブラゼミの求愛行動を見ているうちに、雲行きが怪しくなってきた。
午後4時過ぎオミナエシの花壇から急いでうちに戻る。
マンションの手前で雨がぱらぱらと落ち始めた。急いで洗濯物を取り入れたが、それを嘲笑うかのようにすぐ日射しが戻ってきた。
新開 孝

韓国のセミの抜け殻 2004/07/29(その2)
中里の林や空掘川の遊歩道で
撮影していると、ときおりお会いする素敵な叔母さまがいらっしゃる。
昨日も林でアブラゼミを撮影していたら声を掛けていただいた。
そのとき叔母さまが韓国のソウル市内で鳴き声を聞いたセミの話しとそのセミの抜け殻を見せてくれた。
見た感じでは日本のクマゼミに似ていると思った(写真上)。
しかし、私もさすがに韓国の虫事情には疎い。抜け殻を預かりまずはネットで調べてみた。
するとこの抜け殻の正体は
「スジアカクマゼミ」のものらしいことがわかった。叔母さまから伺ったうるさい鳴き声の話しなどからも
どうやらそうではないか、と思う。
参考にしたのは『セミの家』という
税所康正(さいしょ やすまさ)さんのホームページ。
今やなにかと韓国ブームであるが
あちらの昆虫や自然についての情報もどんどん入ってくると面白いと思う。
セミなどは日常生活の中でも身近な存在なので、人との関わりなども興味深い。

さて、本日は降ったり止んだりの一日だったが、おかげでカラカラに干上がっていた空掘川も一気に凄まじい濁流となった(写真下)。新開 孝

アブラゼミの羽化 2004/07/29
とにかくここ一ヶ月余りだろうか
東京では雨らしい雨が無かった。

ところが昨夜から台風10号の影響でかなりの雨量となった。
午前中外で用事を済ませて戻ってみると、マンション裏のブロック塀で
アブラゼミが羽化している最中であった(写真上/午前11時23分)。
ときおり強い風にあおられて危なっかしいが(写真中)、どうにか羽化完了間近である(写真下/午後1時半)。

今朝からの雨は降り出すと激しく、だが長くは続かず、ときおりの中休みが多い。しかも強い日射しが出たりして奇妙な空模様だ。
日射しが出ると急にトンボやチョウが飛び交い始める。
写真のアブラゼミは昨夜あたりに羽化したかったのだろうが、生憎の強い雨で叶わず、そのために正午前の羽化を余儀無くされたと見受ける。新開 孝

クロアゲハ、舞う 2004/07/28(その3)
パッサ、パッサ、パッサ、、、、。

ハタ、ハタ、ハタ、、、、。

シャカ、シャカ、シャカ、、。

「クロアゲハの飛ぶ姿を擬態語で表現するとしたら、どうしたらええんぞなもし?」

「ほりゃあ、やっぱりズギュギュギュン!!とか、ビシュンー!!
とかの方がかっこええんと違う?」

「おお!そういやあ、バットマンザフユーチャーの空飛ぶシルエットによう似とるぜよ!」
新開 孝

キツネノカミソリ 2004/07/28(その2)
中里の林内でキツネノカミソリが花を開き始めた。

薄暗い雑木林の中で鮮やかな色の花弁が際立つ。

「キツネの剃刀」という名前は春先の白みがかった葉っぱを剃刀に見立てた名前らしい。


来年の春はその葉っぱを見てみたいものだ。

新開 孝

アカスジキンカメムシの孵化 2004/07/28(その1)
一昨日にアップしたアカスジキンカメムシの卵が孵化していた。
おそらく本日中のことであろう。

11卵のうち孵化したものは7頭。
まだ2卵は遅れて孵化しそうだが、あとの2卵は死んでいるようだ。

孵化幼虫はこのまま餌をとることなく
兄弟同士で固まって過ごす。
やがて2令幼虫となるとコブシの実などで吸汁を始める。

もし卵から飼育をすることになった場合、孵化が始まっても慌てることはない。とりあえず水分だけ与えておこう。
新開 孝

ゴマダラチョウ幼虫と卵 2004/07/26(その3)
久々にゴマダラチョウ幼虫を見た(写真、下矢印先)。
頭部には立派な角があり
終令幼虫であることがわかるが
まだ脱皮して間も無いのだろう。
胴体の方は貧弱で小さく、頭でっかちな体型である。
この幼虫を撮影したあと、
画像をパソコン上で見てみると
なんと画面右上(上矢印先)に卵があったことに気付いた。

新開 孝

アカスジキンカメムシの卵 2004/07/26(その2)
数日前から気にかけていたのが
アカスジキンカメムシ。
そろそろ産卵時期であるからだ。
ようやく今日、コブシの葉で卵塊2つを見つけた。

(写真上、矢印先)では10個の卵が並んでいるが、すでに赤い眼点が現れており、産卵されたのは5日くらい前であることがわかる。

もうひとつの卵塊では14個のうち2卵のみ発生が進行している他はなんらかの理由により死卵となっている。



アカスジキンカメムシは5月ころ
越冬幼虫が羽化して成虫となるが
その後しばらくは彷徨い生活を送り、
繁殖活動は早くても7月以降となる。
今頃はまだ粘れば交尾や産卵行動が観察できるチャンスがあるようだ。
新開 孝

昨日のあられ粒、再び 2004/07/26(その1)
エゴノキ根元で見つけた「あられ」粒。
昨日は私が噴出穴を暴いておいたのだが、
今日再び見てみるとあられ粒で噴出穴が塞がっていた。

しかもよく見てみると
穴近くの粒ほど色が赤味を帯びている。
これは真新しい糞であることを物語る証しであろう。
エゴノキの根から外に排出された糞は次々と画面手前に向ってなだれ現象をおこし、平面状に広がっている。
これは地面の傾斜のせいだと考えられる。
想像するに得体の知れない昆虫の幼虫は、噴出口にお尻だけを曝して糞を外へと排泄しているのではないか。
外界へ姿を現わすようなことは決してしないのであろうと思われる。

昆虫の幼虫にはこうして植物の実や葉っぱ、茎の中などに潜入して暮らすものが数多い。
隠れ家と食糧を兼ねたこういう生活はとても快適のように見受けるが、昆虫写真家にとっては表現しようにも苦しむ厄介な存在でもある。
新開 孝
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