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シオヤアブとドウガネブイブイ 2004/07/03
日射しは強いけれど空気はカラリとして気持ちがいい。
ニイニイゼミの鳴き声も初鳴きを聞いてから一週間目に入る。

中里の林縁で獲物を仕留めた
シオヤアブを見つけた。
たいそう満腹したか腹部が大きく膨らんでいる。
シオヤアブの太い口吻はドオガネブイブイ前翅の隙間から腹部を突き刺して吸血している。
こうしてシオヤアブは体液しか吸わないのであるから、見方によってはずいぶんと贅沢な食事ではないか。


このシオヤアブの属するムシヒキアブ類は、獲物をがっしりと押さえ込むため脚が太く、
それはまるでポパイの腕のようだ。


そして口ひげのような毛はこれまた
「髭おやじ」を思わせる風貌でもある。

新開 孝

イチモンジカメノコハムシの卵 2004/07/02
イチモンジカメノコハムシを見つけるには、食痕の穴が目立つヤブムラサキを探せば良い。
ハムシの姿は丸い形をした鳥の糞にも見える(写真上)。
一寸した振動ですぐにポロリと地面に落ちてしまうので気を付けたい。

今日、見つけた個体は産卵を終えたばかりのメスであった(写真中、矢印先が卵)。
産まれた直後の卵は白くてよく目立つ。

しかし時間が経つとやがて薄茶色へと変り、卵を納めている薄皮膜の色に紛れてしまう。
(写真下)では卵ケースを強い透過光で見てみた。

カメノコハムシの仲間にはこうして
卵を薄皮ケースのカプセルに納めるという変った習性がある。
イチモンジカメノコハムシの場合、
ケースに1個ずつ産むが、ヒルガオで見つかるジンガサハムシでは一つのケースに3個以上入っている。
この卵ケースはメスが分泌して作るものだが、あらかじめケースをこしらえてから卵をその中に産み込む。


『昨日の間違いの訂正』

昨日アップした「ミスジコウガイビル」は誤りで、
実は「オオミスジコウガイビル」との指摘をいただいた。また餌となるのはミミズということである。
(今回の指摘はフォトモや昆虫ツギラマなどでもお馴染みの写真家、糸崎公朗さんからでした。どうもありがとうございました。)
私のうろ覚えで書いてしまったのだが、ナメクジを喰うのはクロイロコウガイビルの方であろうか?
クロイロコウガイビルはうちのマンション周辺ではもっともよく見かける、真っ黒のコウガイビルである。
あらためてオオミスジコウガイビルのことを調べようと思って平凡社の「日本動物大百科/第7巻」を開いてみたらちゃんと写真も出ていた。
最長では1メートルにもなるらしい!
しかし、本種の生態については詳しい記載がなく、沖縄諸島では近年カタツムリの天敵となるコウガイビル類の一種が増えているということが書かれてある。
どうやらナメクジやそしてカタツムリもコウガイビル類の餌となるようだが、
オオミスジコウガイビルもはたしてミミズ専門食なのであろうか?
なおコウガイビル類はいわゆるヒル(チスイビルやヤマビル)などとは全く違うグループの生き物で、
プラナリアなどの属する扁形動物の仲間であることも付け加えておきたい。
新開 孝

オオミスジコウガイビル 2004/07/01
コナラの根際を這う
「オオミスジコウガイビル」を
見つけた(写真上、矢印先が頭)。
長さは30センチを超える!

落ち葉の下へ潜り込みそうだったので、行く手を遮ると
長い「ゴムひも」は素早く
進路を反転した(写真中)。

扇形の頭はうねるようにして進路を探っている(写真下)。

名前のごとく体には3本の黒い筋があり、このヒルに見覚えのある人も多いことだろう。
このオオミスジコウガイビルはうちのマンション周辺でもよく見られる。
まだその現場を見たことが無いが、このコウガイビルはミミズを食べるということだ。





『業務日誌/失ったデータはついに戻らず!』

昨日、紛失した写真データを探索していると書いたが、ついに見つからず断念した。
昨夜は布団に入っても気になって仕方が無かったが、きっぱりデータ回復をあきらめて、再度撮影し直すことに決めた。
今日はその撮影のために半日を費やしてしまったが、
どうせ撮り直すなら前よりいい仕上がりにしようと考えて撮影に入った。
私のパソコン環境の現状ではバックアップとしてCD-Rがもっとも手軽で凡庸性も高いので、容量は低いがこまめに焼き込んでおくしかない。
近いうちにDVDメディアも導入したいが、あまりにもフォーマットが多彩で迷うところだ。

そういえばEOS-1Dマーク2の撮影画像にかなり細かいゴミが出始めた。
ちょうど使い始めて一ヶ月目となるが、やはりこのゴミ問題は避けて通れない。
自分でクリーニングできるキットを教えていただいたりしたが、まだ購入していない。
明日はちょうど都内に出るので銀座のキャノンCPSでクリーニングする予定。
新開 孝

謎の赤頭巾アブ 2004/06/30
昨日の頭でっかちアブ、
気になっていたのでさらに
頭部を前から撮影してみた。
こうしてみると
赤いのは複眼の上半球部で
下半球部は黒い。
まだ種名もわからないが
アタマアブ科の仲間だろうか?
御存知の方がいたら教えて下さい。



『業務日誌/雨から晴天』

今朝は雨となった。
ちょうど雨に打たれるアシナガバチの巣をビデオ撮影する予定を立てていたので好都合であった。
こういうときのためにビデオカメラ用の合羽を作っておきたいと痛切に反省する。
業務用カメラでは市販のものがあるが、キャノンXL-1用の合羽はなかったように思う。
またカメラだけでなくカメラを載せる雲台(このパーツだけでも¥50万近くするんだね!)や三脚もカバーできるといい。

そういえば昨日、EOS-1Dマーク2に一寸したトラブルが発生した。
撮影後の画像確認をしていたときセレクトダイヤルで次々と画像を送っている途中でフリーズしてしまったのである。
一旦カメラの電源を切ると回復したが、こういう現象は以前のEOS-1Dでは全く経験してないので驚いた。
それとは逆に良い点も見つけた。
オートホワイトバランスを初めて使ってみたのだが、明らかにEOS-1Dより適応力が広くて正確である。
接写倍率の高い撮影ではストロボの発光部に光りを柔らかくするためのディフューザーを付けるのだが、それがために照明の色温度が自然光とはかけ離れてしまう。
EOS-1Dではオートホワイトではうまく色温度調整ができなかったが、マーク2では色再現が良好である。

本日は午後からせっかく好天したにも関わらず、
一歩も外に出ることができなかった。
それというのも2ヶ月前に撮影したある重要なカットのデータファイルが見当たらないのである。
現在、その紛失ファイルの納まったフォルダを探索中であるが、かなり難航している。
写真データの整理方法を今一度、構築し直す必要もあるようだ。

新開 孝

樹液の甲虫 2004/06/29(その4)
シロテンハナムグリ(左)と
お馴染みカナブン(右)。

中里の雑木林では目の届く
樹液そのものが少ないが
そこへ集う昆虫の顔ぶれも
地味なものばかりで
寂しいといえば寂しい。

以前はノコギリクワガタに
カブトムシ、などという
にぎやかな場面も見られたが、今では期待できそうにない。

それでも先日、近所の小学生がヒラタクワガタが捕れたよと見せてくれた。
小柄なヒラタだがオスの風格があった。

「樹液レストラン」と語れるような写真を撮影できる場所は、
日本の何処に出掛けてもほんとうに激減してしまった。
新開 孝

赤頭巾バエ 2004/06/29(その3)
とにかく小さいハエである。
体長わずかに2ミリ!

しかしながら葉っぱの上
(カラスウリ)に佇んでいる姿はよく目立つ。





頭部はほとんどが赤い複眼で覆われており、それとは対照的に胸から腹部にかけては墨のような黒色。
この赤、黒バエの種名はまだ調べていない。新開 孝

サムライアリの奴隷狩り 2004/06/29(その2)
午後3時半、中里の林で
黒アリの群れがまさにマスゲームで蛇を描いたように地面をうねり歩きしていた(写真上)。
何かに取り憑かれたような慌ただしい行進は、異様な雰囲気が漂う。
残念ながら写真ではこういったアリの群れ動く様を表現するのは難しい。

一目でこれはサムライアリの行進とわかった。
どこかに見つけたクロヤマアリの巣へ向っているのだな!
そう思い蛇行していく先を追いかけてみた。

すると1メートルも行かない内に、行軍の先頭は落ち葉の下へと次々となだれ込んで行く。
意外にすぐ近くに巣があった。数分と経たず今度はクロヤマアリの白い幼虫や繭をくわえたサムライアリが物凄い勢いで地面に溢れ出てくる!

繭や幼虫をくわえたサムライアリたちは、今行進してきた道を逆に辿って引き返していく。(写真下)
その作業の実に速いこと!

それに対して抵抗するクロヤマアリの姿はほとんど見られなかった。新開 孝

クロツヤキマワリの産卵 2004/06/29(その1)
昨日も登場したクロツヤキマワリが
今日は産卵をしていた。

写真ではキノコの一種に産卵管を刺し込んでいるが、別のメスでは朽ち木の屑に産卵していた。

こうなると卵も是非見てみたい。

キノコからいっぱい突き出た茶色のものは、アブ類の蛹殻のようだ。
こちらも少し気に掛かる。新開 孝

カナヘビの昼寝 2004/06/28(その3)
どうもこうもなく眠いんですわ。

ちとカメラのシャッター音
がうるさいけれど、

ああ、たまらん!おやすみなさい。


近くの薮ではハエを捕らえ損ねたカナヘビが、ガサゴソはねていたけれど、こちとら
もうお腹一杯なんですう。


新開 孝

クロツヤキマワリ 2004/06/28(その2)
今日の食事はキノコです。

それもキクラゲ。

こうしてカリカリに干したものが、上等なんですう。


新開 孝

夏のオオカマキリ 2004/06/28(その1)
アキノノゲシの葉裏には
アブラムシのコロニーが鮮やか!
それをじっと睨んでおるのが
オオカマキリの幼虫である。
体長は3センチほど(写真上)。

「達磨さんがころんだ!」
「おいおい、今動いたのお、
そこのお方!」
と言いおき、お尻振り振りしたアブラムシ目掛けて鎌パンチが
パシン!と弾ける(写真中)。

「いただきます!」って、おい
いっぺんに3匹も4匹も
それは暴食やがな!
反則やでえ!

しかしアブラムシコロニーの
壊滅を案ずることもなかった。
このオオカマキリはやがて、
近くを通りかかったショウリョウバッタ幼虫に目移りして、去って行ったのである。

オオカマキリはまさにハンター。動く獲物でないと納得しない。新開 孝

野津田公園の観察会 2004/06/27
町田市、野津田公園で昆虫観察会を行った。
主催は「(株)風の旅行社」。

青空こそ見えないが、梅雨の最中にしてはむしろ好天に恵まれた、と言っていいだろう。

(写真上、コウゾで交尾中のキボシカミキリ。)

(写真下、エビイロカメムシ。この成虫は確かに海老色だ!)

今回は「30種類の昆虫を覚えよう!」というお題目を立て種名リストまで用意した。
もちろん結果的にはそれ以上の昆虫が登場したのであるが、
私としては数種類だけでもいいから、植物や他の生き物との連なりで昆虫というものを心に留めていただければ、それでいいと考えていた。
昆虫はただ単に姿だけでも楽しめる生き物であり、そのカタログ集を紹介するだけでも私の仕事はある程度は成立する。
しかし、昆虫が生きる上では生態系の複雑なしがらみが背景にあることを知ってもらいたい、そういう思いが強く私にはあった。

今日、集まっていただいた方々は年齢層も様々。中でも中学2年生の男の子二人はさすがによく動き、よくしゃべる。私が貸してあげた捕虫網を振り回し、狩猟本能をむき出しにする様は、なんとも懐かしい光景だった。
参加者数は9名と、観察会を行うには最適の人数でありとてもやり易かった。
これまでは20人以上の参加者を相手に観察会を経験してきたが、やはり少々無理があったと思う。

そこでふと、私は25年前の昔を想い出した。
私が初めて自然観察会という行事に参加した日のことである。

それは「夜の鳴く虫を聞く会」という実に洒落たお題目の催しであった。
秋の夜、山間の牧場近くの草地を巡りながら、参加者一同かぼそい虫の鳴き声に神経を集中するのである。
牧場というのは農薬をあまり使わないので、鳴く虫達の数も種類も多くまさに昆虫天国!
そしてそれぞれの虫の名前を講師の方からリアルタイムに教わる。
これはなんとも贅沢なひとときであった。
私はこの自然観察会のおかげでひと晩のうちに10種類以上の鳴き虫を憶えることができた。

その当時の感動やら興奮を思い起こせば、今や自分が自然観察会の講師という立場に置かれていることにかなりの責任感を抱かざるを得ない。


新開 孝

兄弟よ! 2004/06/26(その2)
中里の林に赴いたのは午後5時も過ぎてから。
ヤマブキの植え込みで
迷子になった?クサギカメムシ2令幼虫の兄弟に出会った。

クサギカメムシは10数個以上の卵塊で産み落とされるので、しばらくは孵化幼虫たち兄弟は寄り添うようにして生活する。
しかし、2令幼虫へと脱皮したあとはそれぞれが分散していく傾向があるようだ。

それでも仲間の兄弟への未練はけっこうあるようで、こうして手をつないだかのような行動は微笑ましい。
新開 孝

セマダラコガネ 2004/06/26
近所ではムクゲの花が満開だ。

きっと何か昆虫が来ているだろうと思い覗き込んでみるとセマダラコガネが潜んでいた。

このコガネムシはよくマンションの灯りにも飛来してくるので、顔馴染みである。
中里の林にも多い。

ムクゲの花は韓国の国花になっていることを今日、
初めて知った。
韓国では「無窮花(ムグンファ)」と呼ぶそうだ。
新開 孝
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