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オキナワツノトンボ羽化する 2004/06/11
前にもアップした石垣島産、オキナワツノトンボの繭から成虫が羽化した。

といっても私が不在中のことであり、しかも翅が伸び切らず羽化不全のためしばらくして死んでしまった。

繭の保管方法が悪かったのかもしれない。

今回の写真は繭殻とそこに残った蛹殻である。
上は蛹殻の顔を正面から、
下は側面から見たもの。

繭内の蛹は羽化の際、体半分を外に現わした後に
脱皮羽化する。
こうした羽化方法は例えば
アリジゴクでお馴染みの
ウスバカゲロウ類に共通した習性だ。



途中からこの『ある記』を見ている方には事情がわからないと思うが、
この繭は去年の夏に幼虫が偶然にも手に入り飼育してきたものである。
石垣島で撮影していたとき、なんと私のTシャツ襟首に幼虫が付着していたのであった。
幼虫は木の枝から落下してきたものと考えられる。
その運命的出会いは私をして再度、石垣島へと走らせたのであるが、、、、。新開 孝

ベニシジミ再び 2004/06/10
昨日6/9に松山のベニシジミ夏型をアップした。

東京に戻ってからマンション裏でも夏型を撮影した。
ところがその夏型の隣では春型の紋様をしたベニシジミも見つかった(写真上)。
この個体は少し翅が傷んでいる。

春型、夏型というよりベニシジミの場合、低温期型、高温期型という表現のほうが相応しいのかもしれない。
それというのも秋になってからは再び春型と同じ紋様に戻ってしまうからである。
翅の紋様の変化は幼虫時期の光周期つまり日の長さによって左右されるようだ。
しかも各型が発現するタイミングはある程度連続的であり、ルーズなようだ。




そのような季節に伴う紋様変化を身近に見ることができるチョウの一つがヤマトシジミだ(写真上、下)。

ベニシジミと同じように秋に現れるものは
春に羽化するタイプとほぼ同じになる。
写真の個体は翅の周縁の黒帯が広くなっており、
これも高温期型と呼ばれる。
春のヤマトシジミ(つまり低温期型)は、
拙著『里山 蝶ガイドブック』の23ページに出ているので参照されたい。
あらためてヤマトシジミを見てみると、
ブルーの発色は地味ながらけっこう綺麗である。
新開 孝

オオフタオビドロバチ 2004/06/10
今朝、ベランダに竹筒アパートを設えていると、さっそく「オオフタオビドロバチ」がやって来た(写真上、中)。

まだ作業中にも関わらず、ハチは筒に入って中を検分し始める。

この様子だと今年も営巣してくれるのは間違いない、そう思い外に出掛けてから用事を済ませて帰ってみると、
すでに竹筒の奥には卵が産まれてあった!

なんとも早い展開だ。
オオフタオビドロバチは私が巣場所をこしらえるのを待ちかねていたようにも思える。

このあと午後四時半には芋虫を一匹運び込んでいた。

マンション裏には
「トックリバチ」(写真下)をはじめ多種類の狩りバチ、花蜂がヒメジョオンの花に来ていた。

できるだけ多種類の家蜂たちを招きたいものだ。
そのためにはちょっとした板切れの置き方だけでも、けっこう気を使うのである。
狭いベランダだけに。
新開 孝

ベニシジミ、夏型 2004/06/09(その2)
このベニシジミも
松山市で撮影したもの。

いかにも新鮮な翅は、少なくとも昨日あたり羽化したのではないかと思わせる。
ベニシジミの夏型を見るのは
今年ではこれが初めてのような気がする。
ベニシジミは朝の日射しを浴びて日光浴していた。

今朝の松山は雲が多いものの
ときおり太陽が顔を出し、
午前8時半を過ぎるころからは晴天となった。

ベニシジミを撮影しているうちに、オオスズメバチ女王が私に接近してきた。
どうも私に関心があるらしくやたらとつきまとう。
ブンブンと、私の耳やら首筋やら大接近して嗅ぎ回るがごとくの行動は、やはり気味が悪い。
そこでゆっくりしゃがみ込み
じっとして去るのを待った。
ようやくにしてオオスズメバチは飛び去ったのだが、
その行く先が気に掛かる。

オオスズメバチが潜り込んだのは、カキの木の梢だ。
そこには多数のドウガネブイブイが群れていることを私は先日見ているから、
もしやこれはオオスズメバチの肉団子作りが撮影できるかもしれん!!
そう思って駆け出したのだが、残念ながらカキの梢をいくら探してもオオスズメバチの姿は見つからなかった。


6/6から本日まで四国、松山市に滞在したのは、
仕事ではなくてプライベートな用事であった。
しかし、時間的な余裕ができれば撮影もしようと、カメラは携えて帰った。
こういうときEOS-1D マーク2はバッテリーの持ちが良く、これは荷物の軽減にもなって気が楽だ。


新開 孝

セイヨウミツバチ 2004/06/09(その1)
午前8時。
ノアザミにセイヨウミツバチが来ていた。

撮影場所は、四国松山市。
私の実家の傍らである。
ここは松山平野を流れる
重信川の中流域にあたり、
その土手斜面では朝の散歩がてら昆虫観察を楽しめる。

昆虫観察などと書けばいかにも堅苦しいが、
要するに昆虫の振るまいを眺めているだけで、少しは幸せになれるということだ。

この辺りでは圧倒的にニホンミツバチが多いのであるが、わずかながらセイヨウミツバチも姿を見せるのでどこか近所で養蜂しているのだろう。
もっともセイヨウミツバチの野性巣の可能性も否定はできない。

私は今までに長崎県と和歌山県で、わずか2例ながらもそういう野外巣を見ている。

新開 孝

自然観察会 2004/06/05(その2)
目黒区「自然教育園」での観察会は
三鷹市教育センターの科学研究室が主催するもので、今日は小学5、6年生が主に対象となった。参加者は総勢38名。

2班に別れて昆虫、植物の講師各1人を伴い園内を歩いた。午前と午後で昆虫、植物班を入れ替える。

園内は木が総じて大きいためと、林床がアオキ群落で占められ閉鎖的で、昆虫観察にはどちらかと言えば不向きで実際昆虫の姿も少ない。
それでも一昨日の下見の成果を踏まえながら、なんとか子供達を惹き付けるよう努力した。

こうした観察会では子供達の個性が垣間見えて、指導する立場からすればけっこう面白い。
それぞれの子供の個性を掴みながら楽しく一緒に観察会を過ごせれば、私はそれでいいと思っている。
何時の間にか私の腕を掴み、ずっと寄り添うように歩く男の子も現われた。
黙々と歩くだけのこともあるが、私が虫を見つけて目を輝かせると、パッと花火のように子供達も反応して駆け寄って来る。

午後の昆虫班に1人、背丈の高い女の子が目に付いた。ほかの友だちは皆、2、3人のグループとなって会話は弾んでいる中、
この子は他の子たちからどこか疎遠に振る舞っていた。
昼食のときも1人ぽつんと面白くなさそうに下を向いている。
このYちゃんは、もしかしたら参加はしてみたもののつまらなくて後悔しているのでは?そう私は邪推していた。
しかし、昆虫班の観察歩きが始まると、次々に何かを見つけては「先生、これなんですか?」と好奇心旺盛であり、少し安心した。孤独だけどしっかりしている。

私が予想していたより虫の種類は少なく、
これはいかんと思い、用意した写真のうちアカスジキンカメムシのプリントを皆に見てもらい、
「今日このカメムシを見つけた人は、超ラッキーだよ」と虫探しをたきつけてみた。
「すっげえー、綺麗!!」
「こんなの本当にいるの!?」
とかの声が次々と飛び交う。
午前、午後と渡ってなかなか見つからなかったが、最後の最期、土壇場になって、ついになんとYちゃんがアカスジキンカメムシを見つけてくれた。
これは私も嬉しかった。
どれどれと駆け寄ってきた友だちの後ろへ、Yちゃんは恥ずかしそうに逃げるようにして消えてしまったけれど、
ほんの一瞬、満足げな表情を浮かべたのを私は見逃さなかった。

写真下は、クマザサの葉裏で見つけた
サトキマダラヒカゲの卵塊。
私は自慢げに「林の真珠だよ!」と
解説したのだが、はたして何人の子供が
心に留めたかは、いささか心もとない。

新開 孝

都会のモンシロチョウ 2004/06/05(その1)
目黒区「自然教育園」の正門前。
午前10時ころヒメジョオンに数頭のモンシロチョウが群れていた(写真上、下)。

ビルの狭間にあってもモンシロチョウが多く乱舞する様は、ちょっと意外であった。
自然教育園内ではあきらかにスジグロシロチョウの方が多いのであるが、少しでも開けた場所ではモンシロチョウも混じって飛んでいる。

正門前の空き地にしがみつくように生えているイヌガラシでは、
モンシロチョウのメスが盛んに産卵していた。

今日は三鷹市教育センターが主催する観察会の講師の仕事。
しかし参加者の子供達が乗ったバスは予定より30分遅れて到着というので、その待ち時間でモンシロチョウを撮影してみた。
使用カメラはキャノンパワーショットG5。

新開 孝

オオシロフベッコウの狩り 2004/06/04(その2)
今日はすがすがしい晴天。
ほどほどの風も心地よい。

ただし昆虫のような小さな
被写体を扱う者にとって
心地よい風すら撮影の支障を
きたすことがある。

中里の林で
「オオシロフベッコウ」が
ゴミグモのメスを襲っている
ところに出会った。
(写真上)はクモに産卵管を刺し麻酔を打っている。
ところが微風といえどクモの巣網が揺れてしまい
おまけにハチとクモの空中攻防戦であるから、
ファインダーに捉えるだけでも一苦労した。

麻酔を打ったもののゴミグモがなかなか巣網からはずれずオオシロフベッコウも苦労していたが、ようやく口にくわえ取り空中へとすばやく飛び去っていった(写真下)。

新開 孝

空中曲芸師、羽化する! 2004/06/04(その1)
もうお忘れになった方も多いと思うが、
バックナンバー4/30にアップした「チビアメバチ類の一種」が、今日、羽化した。

シャクガ幼虫から脱出したチビアメバチ幼虫は
見事な空中技で繭を成し、その様子を撮影しながら、私は思わず興奮したものだ。




ところがあの写真で御紹介した繭そのものは、私の室内で忽然と姿を消したのである!
まさか夜のあいだにゴキブリに喰われたわけでもないだろう(何かとゴキブリを悪者にしてしまう癖は私にもあるようだ)。

それでかねてから繭を探し歩いていたのだが数日前、手に入れることができた。
今日羽化したのは、その繭なのである。
聞いた話では彼らの繭は紡いでから1週間程で羽化するらしい。
新開 孝

アミメアリ 2004/06/03(その2)
「アミメアリ」という名前は頭部と胸部の網目状の模様から付けられたものだろう。

写真は行列の働きアリを追い撮りしたものだが、中央のアリは卵をくわえている。

この写真は5/25に中里の林で撮影したもの。
新開 孝

アミメアリの大行進 2004/06/03
例年この時期になると
「アミメアリ」の大行列が
あちこちで見られる。

レンガを敷き詰めた上に
できたこの行列。よく見ると
なんと!行列に沿ってレンガ
表面が変色している!!
(写真上)

小さなアリと言えど、
その歩く数は膨大であるから
レンガ表面のゴミをさらって
しまうのだろう。
まさに「アリの道」だ。

そしてその道に墜落
したオオヤマトンボの死骸は
当然ながらアリたちの食糧と
なっていた(写真下)。

アミメアリは林に住む普通のアリだが、女王がいない、
働きアリが産卵する、など変った習性の持ち主。

しかも数万以上の働きアリは特別巣を構えず、石の下や落ち葉の間などに無造作に群れて暮らす。
その集団がときおり大移動を繰り返すので、長い行列ができるわけである。

本日は、目黒の「自然教育園」に仕事で出向いたのだが、
園内のあちこちでアミメアリの大行列ができていた。
その列を目で追いかけていってもいっこうに、終点も始点も見つからない。
まるで迷路を辿っているような感じになった。


新開 孝

イラガセイボウの蛹、色付く! 2004/06/02(その4)
5/28にアップした「イラガセイボウ」の蛹は、一昨日あたりから次第に色付き始めた(写真上)。

蛹になったばかりの写真(写真下)と見比べれば、その変化がよくわかるだろう。

イラガセイボウはやがて蛹の皮をこの狭いカプセルの中で脱ぎ終えると、固い繭壁に脱出口を穿たねばならない。

コリコリと気長に齧り開くので、
その脱出劇は見ようと思えば、そう難しくはない。

新開 孝

キアシルリツツハムシ 2004/06/02(その3)
少し頭でっかちのこの甲虫は
体長5ミリの小粒な体。

もっこりした体型のため、
お顔はこうして覗き込まない限り、なかなか拝見できない。




ツツハムシの仲間は、産んだ卵を自分の糞で、しかも後ろ脚を使って包み隠すという、面白い習性がある。
その仕種はけっこう可愛いのだが、またそのうちアップできるだろう。
さらに本種のような甲虫の瑠璃色光沢を写真で表現するのは、なかなか厄介でもある。

私はそういう時のために野外撮影用のストロボ発光部を自作しているが生憎、今朝は持っていなかった。


『嬉しいリンク!!』

今朝はなんと南フランス在住の方から、リンクのお知らせをいただいた。

御家族と共にフランスへ移住し生活なさっている。

「南仏自然写真館」というホームページには昆虫写真を中心に、「南仏漂流記」というとても楽しい読み物日記も綴られており、
私は一気に全部を読んでしまった程だ。

とりわけ食文化に関わる写真やお話は、ほんとうによだれが出てきそうな程!実に羨ましい!

もちろんフランスの昆虫写真も興味深く拝見した。
ギフチョウとマドタイスアゲハの生態写真の対比などは、昆虫の顔ぶれがお国柄を具現しているという見事な実例で、とても刺激的であった。

このホームページを拝見していると、正直、すぐにでも南フランスに出掛けてみたくなるほど、写真や文章に魅力を感じる。

もっとも旅人として訪れる立場と、現地で生活を営むのとでは雲泥の差があると思うが、柔軟で繊細な感性が醸し出す世界にはついつい引き込まれてしまうのである。


新開 孝

モモスズメの交尾 2004/06/02(その2)
空掘川遊歩道沿いの植え込み、ヤマブキで交尾中の「モモスズメ」がいた(写真上)。

ヤマブキの葉にしがみついているのがメスで、オスは宙ぶらりん状態だ。

まさに恍惚の気分に浸っておるかのようだ(写真下、オスの顔)。

モモスズメの幼虫はヤマブキを食べるのだが、前にもその幼虫を紹介している。




あの頃(秋)の幼虫が地中で蛹となり冬を越し、そして今頃成虫となったわけである。

モモスズメの名前の由来と思われる後ろ翅の桃色模様は、翅を開かないと見えない。

新開 孝
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