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雪虫 2004/03/10
今朝の仙台はよく晴れて
しかも気温は10度以上に
上がった。
雪面を歩いても汗をかくほど
陽気がいい。

さっそく「カワゲラ類」が
次々と見つかる。
皆、忙しそうに歩いている。
(写真上)
ときおり雪面上に口を押し付け
何かを食べているようだ。

数がやたらと多いのは
「トビムシ」の仲間だ。
名前のごとくピョンピョンと
ノミのように跳ねる。
数は多いが種類はこの
黒色の地味なものばかりだ。

他にはユスリカ類やセッケイカワゲラ
も歩いているが、数は少ない。
セッケイカワゲラの配偶行動や
食事シーンを撮影したかったのだが
個体数が少ないのでは仕方が無い。



二口峡谷の奥で野ざらしのバスを
発見!宮城交通から払い下げられた
ものだろうが、バスの中には
薪がぎっしり積まれてあった。
バスの屋台などはよく地方で
見かけるが、「薪バス」は
初めて遭遇した物件だ(写真下)。

今夜は仙台の地酒「田酒」を
飲もう!この酒は酒屋でも
見つけたがけっこうなお値段!!
新開 孝

二口渓谷の謎の幼虫 2004/03/09
みちのく仙台には正午前到着。
仙台市在住の昆虫写真家、中瀬潤さんと合流し
中瀬さん運転するジムニーで
秋保温泉奥の「二口渓谷」へと向かった。
本日はロケハンのみ。
日本海側の奥山はどんより曇っているが、
仙台側は日射しと青空がある。
雪原にはけものの足跡が多い。
ツキノワグマも
よく徘徊しているようだ(写真上、サルの足跡)。
雪原の上を見ていくと
オナシカワゲラの仲間や
セッケイカワゲラといった雪虫が
多数歩いている。
今回の撮影の目的はこの雪虫の類いだ。
渓流の川辺で面白い幼虫を見つけた
(写真中が現場)。
さっそく私が撮影状況をセットし、
中瀬さんが撮影を担当(写真下)。
この幼虫は川岸の石ころの下に
潜んでいるものが見つかった。
甲虫類の幼虫と思うが種名はわからない。


さあ、今晩は「栗駒山」純米吟醸で一杯やろう!新開 孝

オオハリアリとモンシロチョウ 2004/03/08
手のひら大の石を起すと
そこに「オオハリアリ」の
巣口があった(写真上)。
このアリは体長4ミリ程度。

細長い体型や褐色をした
口(大顎)、脚などが特徴。
(写真中)
全国に生息している普通の
身近なアリだが
人を刺すこともあり
痛みと痒みが残る。
日常でアリに刺されるとしたら
ほとんどが本種だそうだ。

まだ地上での活動はしていないが
他の昆虫を狩りしたりして
生活する。

本日は少しだけ気温も上がり
「モンシロチョウ」が2頭飛んでいた。
羽化したての弱々しい個体で
すぐに日光浴をする(写真下)。
体力が乏しいと侮って近寄ると
敏感に反応してサッさと
飛び去る。


『閑話休題』

もう季節感覚としては
早春と言ってもいいのだろうが
私としてはまだ冬の撮影で
やり残しているものが多々ある。
毎年ながらそういう撮影のために
北へ、標高の高い所へ、と走る。
タイムスリップというわけだ。

そう言えば去年のいつ頃か
書き込んだ「シジュウカラの
昆虫を捕食するシーン」だが
これはなんとか撮影できた。
あっという間にでかい昆虫を
解体しつつ食べてしまうので
このシーンはビデオ映像の
方がはるかに面白い。

シジュウカラは大きい獲物を
捕らえると
安心して食事のできる梢へと
急いで移動する習性がある。
これは番いで行動していても
変わりは無く
連れ添いにも奪われまいと
もう無我夢中なのがよく伝わって
くる。それはもちろん予想していた。
だからこちらも猛ダッシュで
シジュウカラを追跡する!
どうか低い梢で落ち着いてくれ!!
そう心の中で叫ぶ。走る!
私の願いがシジュウカラに
届いたかのようにまずまずの
梢で食事をしてくれた。

撮影を無事終えて、思ったのだが。
もう400ミリに中間リング装填
そういう時代でも無いよなあ、と。
重いことこの上なくカメラを構えた
ときのバランスも悪い。
そういえばキャノンから
EF70-300ミリで振れ防止装置内蔵
のしかもコンパクトなレンズが
発売されるそうな。
私の所有する400ミリも塗装が
はげるくらい長年使い込んでいる。
そろそろ買い替え時かもしれない。

さて明日からは仙台だ。
毎年、年中行事のように
「みちのく」のフィールドに赴く。

明晩は仙台、みちのくの地から
アップすることになる。






新開 孝

モンシロチョウ蛹とサクラ 2004/03/07
ソメイヨシノの蕾みが
ずいぶんと膨らんだ(写真上)。
清瀬市内のこの公園では
樹齢40年近くの
古木が多数並んでいる。

アブラナ花壇の様子も気になって
いたが開花はまだほんの少しだ。
風も強く気温も低めなので
チョウの飛んでいる姿はなかった。

ソメイヨシノの幹を見て回ると
モンシロチョウの蛹が二つ
見つかったが、どちらも
(写真中)のごとく変色して
かさかさに乾いていた。
そこで
蛹の体壁をそっとはがすと
空洞になった中には
寄生バチの幼虫が一匹
潜んでいた(写真下)。
こやつはモンシロチョウの
蛹の内部をすっかり喰い尽くして
成長を遂げ、あとは自らが
蛹となっていくのだ。
幼虫は歩いて移動する必要がない
ので蛆虫型をしていて脚は退化
している。

このような蛆虫タイプの幼虫は
どちらかと言えば可愛げがない。
私は芋虫、毛虫が大好きだが
いわゆる蛆虫は
やはり少々気味が悪い。
幼少の頃、「どっぽん便所」
の暗がりの底で無数の蛆虫が
うごめいているのを眺めては
恐怖心をつのらせた
そんな経験もあるからだろうか。
あるいは大学1年生のとき
山道で子犬の死骸を
つついて昆虫探しをしたとき
これまた夥しい蛆虫群が
うごめいており
息も詰まる程の腐臭とともに
不快感をつのらせもした。

これら蛆虫たちはしかしながら
生態系のなかでの重要な役割を
果たしており生命のエネルギー
循環という観点に立てば
恐怖心こそ湧いてもその気持ちが
憎悪に発展してはいけんのである。
そっと現場から立ち去ればよい。
そっと蓋をしておけば良い。

それでも今回の寄生バチ幼虫は
まだ頭部がしっかり形をなしており
脚が退化していることを除けば
まだましな方だ。動きも鈍い。
後ろにくっついて来た子供が
「これ食べれる!?」と
聞いてきたので、
「おお、これは蜂の子だから
うまいよ!!」と答えておいた。
どこで仕入れた知識なのか
子供はつい最近
「蜂の子はおいしんだよね!」
と言ってたのを思い出したのだ。

もっとも北アメリカの
あるインディアン部族では
獣の死骸から蛆虫を取り出して
食べており、貴重な蛋白源と
なっていたそうだし、
外見による気味悪さなどは
時代や人種や個人差や
いろんな条件を考えると
実に曖昧にもなってくるものだ。
そういう際どいモノが
昆虫界には実に多い。


最新情報更新しました!!


新開 孝

再びフユシャクガの卵 2004/03/06
昨日のフユシャクガ卵塊は
メスの毛束で隠蔽されていた。
そこで今日は
水を含ませた面相筆で
卵を潰さないように丁寧に
優しく毛束を拭い去ってみた。
すると
卵は4個ずつが並んでいた。
(写真上)
筆でなぞったので列が乱れて
しまったが本来はきちんと
整列して産卵されている。

卵塊帯の長さから計算すると
卵の総数は約400個である。

本種はクロテンフユシャクか
ウスバフユシャクの卵と
思われるが、
卵塊のそばには食樹のクヌギや
コナラがないので
こののち孵化しても餓死する
運命である。

また昨日蛹化したベニシジミの
蛹も体色が落ち着いたので
撮影しておいた(写真中、下)。


シジミチョウ類の蛹は
概ねこのような、だるま型を
していて、種類にもよるが
野外で蛹を見つけるのは難しい。



新開 孝

ベニシジミ蛹化する 2004/03/05
昨日のフユシャクガ産卵の
場所に再び赴いてみた。
予告したように
卵塊のアップを撮影した。
(写真上)
この写真を見て、おそらく
「これ何?」と思う方が多い
ことと思う。
どこが卵やねん!?である。
冬尺蛾のメスはこうして
隠蔽工作を施しておるのである。

本日早朝(深夜)1時59分
ベニシジミ幼虫が蛹化した。
この幼虫はバックナンバー
3/2にアップした前蛹である。
午前1時の段階で
蛹化脱皮が近いことを知り
撮影待機に入ったのだが
迂闊にも寝入ってしまった。
ハッと目を醒すと
(写真中)のように脱皮完了
をしていた。
もっとも前にも書き込んだように
シジミチョウ類の蛹化脱皮は
スチールで撮影しても面白くは無い。

(写真下)は午前9時ころの
蛹の様子である。
ベニシジミの蛹はこのあと
さらに色濃くなっていくのだが
その完成した姿は明日、アップしたい。

『モズの番い』

今朝はクヌギ林でモズの
求愛給餌を見た。
この光景をじっくり見たのは
ほんとうに久しぶりだ。
モズのメスがさかんにねだり鳴きすると
やがてオスが獲物をくわえて
やって来た。
獲物は昆虫だろうか?
どこに巣を造るのか興味が湧いてきた。
新開 孝

冬尺蛾の産卵 2004/03/04
フユシャクガの産卵は
今冬はもう撮影できないかと
思っていた。
ところが今朝、意外な場所で
産卵しているメスを見つけた。

空掘川の遊歩道沿いにある
金網柵の廂の縁(写真上、矢印先)
だ。
まさに私が昆虫観察トラップと
名付けた場所の連なりである!

しかしこの金網柵の地点は
雑木林からはかなり離れており
すぐそばにはエノキ一本しか
生えていない。



(写真中)の画面左に無翅の
メスが見えるが、お尻から
画面右端まで3センチほどの長さで
卵塊が産みつけられている。
卵はビロード状の毛束で覆われて
いるのだが、今朝は急いでいたので
卵塊のアップを撮影しそこねた。
これは明日にでも出直して
撮っておこう。

春になって孵化する幼虫たちにとって
こんな場所では非常に困るであろう。
フユシャクガのメスが
そもそも林から離れたこんな場所に
いること自体も妙だ。
この異常な場所での産卵は
なんらかの理由で
メス親がここまで運ばれてしまった
のではないだろうか?
メスが自力で移動してきたとは
考えにくいのだが?




新開 孝

ヒロハアマナ咲き始める 2004/03/04
近くのクヌギ林は
毎年、落ち葉のくずかきを
行うので林床がすっきりして
明るい。
今朝はここの地面で
「ヒロハアマナ」の開花を
みることができた(写真上)。

まだ芽を出したばかりのもの
(写真中)が多く、
花を開いたものは数株しかない。

ヒロハアマナの
アマナと違うところは
葉の中央に白い筋が
あることらしい。
らしい、というのも
私はアマナもヒロハアマナも
撮影するのは初めてだからだ。
アマナに似たヒロハアマナが
あることも今日知ったばかり。新開 孝

カタクリとクロクサアリ 2004/03/03
中里の林ではすでに
「カタクリ」の芽が出始めていた。
(写真上)

カタクリの葉もちらほらと
顔を見せており(写真中)
今年の開花はずいぶんと
早くなるのではないだろうか。
いきなり葉が現れた株は
若くて花芽は出さず
数年先にようやく花を咲かせる。







クヌギの根元から幹にかけては
「クロクサアリ」がさかんに
活動しており、これも早い春の
到来を感じさせる。
中には獲物のダンゴムシを
運んでいる者もいた(写真下)。


クロクサアリは刺激を与えると
山椒のようなツーンとした
臭いを放つのですぐわかる。
この臭いを嗅ぐと
いよいよ本格的な春がすぐそこ
まで来ているのだな、
と少し焦りさせ憶える。



新開 孝

ベニシジミ前蛹の運命! 2004/03/02
昨日アップしたベニシジミ前蛹は
今朝早くに死んでいた。

死因は寄生バエによるものだ。
前蛹の頭部近くに大きな穴があき
寄生バエのうじ虫が一匹、
這い出てきたのである。
うじ虫はしばらくして体が萎縮し
俵型の固い蛹となった(写真上)。
SF映画「エイリアン」などは
このような寄生昆虫の生態を
パクったものだ。

うじ虫の体長はベニシジミ前蛹の
それとほぼ同じ位に大きく
前蛹の中にどうやって
納まっていたのか不思議だ。
「エイリアン」どころではない!
凄まじさだ!
ベニシジミ幼虫を野外から
持ち帰り飼育していると
こうして寄生バエの犠牲になるものが
多いことに気付く。

昨日の前蛹は体色が異様に朱色で
しかもよく見ると頭部近くには
小さな黒いものが肌を透かして
見えていたのであった。

(写真下)は緑色型の前蛹。
こちらはどうであろうか?
画面向って左側が頭だが
今の所異変は見当たらない。
しかし、寄生の有無は
もうしばらく様子を見ないと
判断ができない。

昆虫の魅力の一つは
「変態」という劇的な変身だ。
変態は英語で「metamorphosis」
とも言うが、しかしもう少し
まっとうな日本語はないものか?


新開 孝

オオミズアオ繭殻の中身 2004/03/01
昨日アップした繭殻、
何気なく持ち帰っていた。
(写真上)
外部から何者かが繭壁を裂いた
痕跡がよくわかる。
オオミズアオの繭は今までにも
落ち葉の中からよく殻を拾ったし
中に蛹の入った繭も見つけた
経験がある。

で、今日はその繭殻を切断し
中を覗いてみた(写真中)。
矢印先は幼虫の抜け殻。
そして瓜型のものは植物の
種子のようだ。これは非常に硬い。
試しにカッターナイフで割ってみたが
なんだか内容がわからないほど
乾燥しきっている。

繭殻の中には
蛹のかけらも残っていないので
やはり蛹そのものは、何者かによって
食べられたのであろう。
とは思うが何故に種子が紛れ込んだ
のであろうか?
いずれにせよこの繭殻、
本来なら今年の5月ころには羽化
するはずのものが、あえなく天敵に
捕食されてしまったわけである。

2/28にアップしたベニシジミ前蛹
が、いよいよ蛹化間近となった。
(写真下)
体表面が透けた感じとなり
節間の皺が深くなった。
シジミチョウの仲間の蛹化脱皮は
例えばアゲハ類と比べると
劇的な変身とはならず、
写真で表現しても差程面白くない。

もともとシジミチョウ類の幼虫が
わらじ型をしていて、芋虫としての
特徴ある姿をなしていないからだ。
脱皮中も脱皮終了後も、
そのままこけし型の蛹になりました
という地味さに終始する。
シジミチョウ類の蛹化脱皮は
ビデオで撮影して早送りすれば
そこそこ面白いのではあるが。



新開 孝

『重大なミスとは!?』 2004/02/29


石垣島で見つけ、
ヤママユガ科の卵と孵化幼虫として
2/23、2/26の2回に渡りアップした
蛾の一種は、
「クヌギカレハ」のようです。

本日、石垣島在住の昆虫の専門家の方
から指摘を受けました。
たしかに孵化幼虫は見れば見る程
「カレハガ」!です。
現地ではクヌギカレハの成虫は12月から
1月に発生するそうで、その親が産卵した
卵であったようです。
クヌギカレハの食樹もカシ類を広く食します。
八重山諸島に生息するヤママユガ科は
現在、ヨナクニサンとシンジュサンの
2種だけのようです。
ああ、なんという失態でしょうか!!
本当にお騒がせして申し訳ありませんでした。

しかしこのような初歩的ミスを犯した
原因は、クヌギカレハの卵を
今まで見たことが無いことに加え
その卵の形態の特徴、産卵位置、
そのいずれもがヤママユガ科のものと
思わずにはいられない程
似通っていることから
早合点したことによります。

過ちを犯したことで
もしやヤママユガの未知種!?
などというわずかな夢をみることができ
それはそれで良かったのかもしれませんが
今回はいい勉強になりました。
『昆虫ある記』に登場する昆虫や生き物の
種同定については、慎重かつ正確にという
姿勢は保持しますが、
たまにはこのようにつまずくことが
今後もあるやもしれません。
そのときは御指摘や御指導の程よろしく
お願い致します。新開 孝

モンキチョウ、登場! 2004/02/29
柳瀬川の土手でモンキチョウが
飛んでいた。
気温が低いため、
地面に横倒しになって日光浴する
ことが多い(写真上)。
うしろ翅がすでに破れているので
数日前に羽化したのだろう。


コブシの蕾みが多数、
地面に落ちていた。
鳥のしわざだろうか、と
眺めていたら繭殻を見つけた。
油紙のような感触の薄い壁で
できた「オオミズアオ」の
繭殻(写真下)だ。
おそらく鳥に見つかり
中身の蛹は食べられたのだろう。
オオミズアオは梢や
落ち葉の中で繭を作る。

重大なミスが発覚しました!
本日、2回目アップを御覧下さい。


新開 孝

再びギシギシと昆虫 2004/02/28
ギシギシはタデ科だが
同じ仲間にスイバがあり
私はスイバの姿や花が
とても気に入っている。
スイバもベニシジミの食草だが
うちの近所ではたいへん少ない。
ほとんどがギシギシばかりだ。
今日もマンション裏の草地で
ギシギシの葉をめくってみた。

葉をめくる振動で
ころりと丸くなって姿を
現わすのが「ヨトウガ類」の
幼虫だ(写真上)。本種は
飼育して名前を調べるつもり。
個体数は多い。

「クビキリギス」も葉っぱに
包まれるようにして潜んでいた。
(写真中)。(バックナンバー
1/7に本種緑色型が登場)

ベランダで飼育していた
ベニシジミ幼虫のうち1頭が
落ち葉で前蛹になった。
矢印先に帯糸が数本架かって
いる(写真下)。
糸は細いので見づらい上
簡単に切れてしまう程弱い。
前蛹期に入ったかどうかの
判定にはこの帯糸を
ルーペで確認するのがいい。
帯糸は頭部の方よりに
架かっている。
新開 孝
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