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ギシギシと昆虫 2004/02/27
柳瀬川沿いの土手で
ベニシジミ幼虫を再び
探してみた。
ギシギシの群落では
近頃の陽気のせいか
どの株も茎が伸び上がって
きている。

葉っぱをめくると
御覧のように黒いアブラムシが
びっしりとついている。
「ギシギシアブラムシ」の
コロニーだ(写真上)。
体の小さいのは幼虫。

このアブラムシたちを
ナナホシテントウ幼虫が
貪り喰っている(写真中)。
一日中陽射しを受ける
土手斜面でナナホシテントウに
冬はないに等しい。
若い幼虫から成虫まで
ナナホシテントウの楽園のようだ。

そして「コガタルリハムシ」の
成虫も数匹見つかり、
すでに産卵も始まっていた。
(写真下)

見つかったベニシジミの幼虫は
どれも終令幼虫だった。
蛹もどこかに潜んでいても
おかしくないと思えるほど
食痕があった。

今年の春は異常に早く
到来するように思える。
昨日も都内、大田区では
モンシロチョウが飛んでいた。

新開 孝

再び石垣島のヤママユガ科幼虫 2004/02/26
先日アップした石垣島の
ヤママユガ科1令幼虫は
体長1センチまで成長した。
そこで今日の様子を撮影してみた。
(写真上、下)

これはどう見ても
「クスサン」ではないだろうか?
台湾には生息しているのだから
八重山地方にいても
おかしくはないはずだ。
保育社の『蛾類幼虫図鑑』では
「クスサンの1令は黒灰色」という
記載しかなく、これでは判別の
しようがないが、これまで
調べた結果ではクスサンしか
該当種がない。

幼虫は孵化してから熟令するまで
脱皮しては姿が一新するので
その全てを図鑑の写真で
掲載するのが困難でもあろう。

ただ気になっているのは
産卵方式が他の地域とは
違う点である。
クスサンの卵は直立させて
産まれてあり、それはタガメの
卵塊に似ている。
ところが私が石垣島で見た
卵塊は4例ともそうではなく、
2/23にアップしたごとくの
並び方であった。
それとクスサンが生息するなら
あの編目状の繭殻がそこそこ
見つかってもいいのではないか?

『御注意!!本種は後日2/29にカレハガ科の一種と判明!!訂正アップをしています』


新開 孝

春めく野原 2004/02/25
近所の公園ではアブラナが開花し始め今日は「ニホンミツバチ」もさかんに飛来した(写真上)。
どこに巣があるのか気になるが目立つ場所だとすぐ駆除されるのでいつも困っている。

暖かい日射しを浴びて「スジグロシロチョウ」もついに姿を現わした(写真中)。
越冬していた蛹が羽化した春一号だ。
ホトケノザで吸蜜したり日光浴の回数も多い。

ここの公園では他にモンシロチョウ、ヒメアカタテハ、キタテハが見られた。

そんな春の光景の中、落ち葉の下を覗いてみると
まだ冬ごもり中の「ホソヘリカメムシ」(写真下)
がいた。
このカメムシはスマートでかっこいい。色が地味なのが惜しい!

このところの陽気続きでもうどんな昆虫が飛び出しても驚かない、そんな気分だ。

明日は都内の出版社で打ち合わせやら親戚の会社のホームページ用撮影(会社は青山にある)があるので
フィールドに出る時間がない。
もしかしたら明日のアップは無理かもしれない。



「新開孝からのお知らせ」

最新情報、更新しました。
そちらも御覧下さい。

札幌行きは中止して正解でした。
やはりあちらは悪天候続きで
しかも最終日の飛行機は欠航と
なりました。
「雪虫」の撮影は別途、予定して
おりますので、また改めてお知らせします。新開 孝

肉食バエの空中殺法!! 2004/02/24
ラクダムシ幼虫を探しに
近所の神社に行ってみた。
すると陽当たりのいい場所で
体長6ミリほどの小さなハエが
休んでいた。

まさに小さなハエであり
興味を惹くほどでもないよなあ
と、何気なく眺めていると、
いきなり空中へと舞い上がり
ユスリカの一種を瞬時に捕らえた!
その巧みな技に私は驚いてしまった。

先程まで日光浴していた板切れの上に
戻りくるくると体の向きを
替えながら獲物の体液を
啜り始めたのである。
(写真上)



何喰わぬ顔をしていながら
肉食バエとは恐れ入った。
このハエについては
今しばらく食い下がってみよう。

肝心のラクダムシ幼虫は一匹
見つかったが、
ついでに姿を現わしたのが
「カニムシの一種」だ。(写真下)
サソリの尻尾をちょん切った
ような格好だが、
トビムシ類などを捕まえて
食べているらしい。
このカニムシ類は樹皮の裏側など
でよく見つかるのだが、
その生活のあり様を見る機会は
全く無い。
体長は4ミリ程度と小さい上
暗がりでの暮らしを好む。




新開 孝

石垣島のおみやげ 2004/02/23
といっても
仕事で持ち帰った蛾の幼虫である。

カシ類(Querucus)の幹で見つけた
ヤママユガ科の卵が
孵化したのである。
卵はこのように数卵以上まとめて
産みつけられていた(写真上)。

発見当初はオオミズアオに似ている
と思ったのだが、
孵化した幼虫(写真下)は
今までに見たことがない姿だ。

本種は今後どこまで飼育できるか
自信はないが、なんとしても
種名を確かめたいと思っている。



この卵は他の木でも見つかっており
幼虫は多食性かもしれない。


ヤママユガ科の幼生期をきちんと
調べようとしても、
国内には14種あまりしか生息
していないにも関わらず
卵、幼虫、蛹などの写真が
明解にしかも全ステージに渡って
掲載されている文献は皆無である。

これはなんとかせねば、と
思わずにはいられない。

『御注意!!本種は後日2/29、カレハガ科の一種と判明!訂正アップをしています。が、ここでは間違った経緯を残しておきます。』


新開 孝

屋外退去!! 2004/02/22
今日は午後から暖かい南風が
吹き荒れた。
生温い風は春一番かと思わせる。
しかし畑の砂が舞い上がり
その砂嵐のなかでは
デジタル一眼レフカメラを持ち出す
気になれない。
さて部屋で仕事をしていると
以前(バックナンバー2/8)逃走した
クロゴキブリ幼虫が姿を現わした。
暖かくなったので油断したようだ。
すぐさま私に捕われたのは
言うまでもない。
顔写真を撮り終えると(写真上)
即刻、屋外退去願った。
ところが私の部屋では
もっと若い幼虫も歩いていた。
1令幼虫だろう。これはやばい!
どこに卵があったのだろう!?

ゴキブリと言えば先日の石垣島で
「ヒメマルゴキブリ」
を見つけた(写真中)。




木の幹の剥がれかかった皮の裏側
などによく潜んでいる。
外見はダンゴムシそっくりで、
大きさもダンゴムシを一回り大きく
したくらいのサイズ。
長い触角が突き出ている。

手で捕まえると体を丸くする習性も
ダンゴムシそっくりだ。
体の裏側を見れば(写真下)
顔つきなどはゴキブリであることが
よくわかる。
写真の個体はメスで
オスには長い翅があるらしい。
オスは一度も見たことが無いが
どんな姿をしているのか興味深い。

新開 孝

越冬青虫、危機一髪!! 2004/02/21
畑の脇に置かれた水溜め缶で、
青虫「モンシロチョウ幼虫」が
溺れかけていた(写真上、中)。

同じ水面では「キバラモクメキリガ」
が溺死している(写真下)。
畑のあちこちには
こうした水溜めが多数置いてあって
意図せぬ「昆虫捕殺トラップ」と
なっている。

モンシロチョウの幼虫は水面から
救い出してやったが、
どうやら蛹になる場所を
探し歩くうちに落っこちたようだ。

近年の関東では
モンシロチョウが幼虫越冬
する場合も珍しくないようだ。


 本日は2回アップしています。
 

新開 孝

ホソヒラタアブ 2004/02/21
畑の周辺でたくさん咲いた
オオイヌノフグリでは
「ホソヒラタアブ」が花粉を
さかんに舐めていた(写真上)。
ホバリングを繰り返しながら
花から花へと移動していく。


アブラナの花では「ハナアブ」が
やはり花粉を舐めている(写真中)。

アブは人の気配にはとても敏感で
ちょっとした仕種でも
すぐに反応して逃げてしまう。
こういうときの撮影では
自らの体を軟体動物と化し、
ぬめりぬらりと動作するのがいい。

キタテハも元気に飛び回っていたが
元気過ぎてなかなか近くに寄れない。
そうこうするうちに
地面近くをころがるようにして
小さな茶色いチョウがやって来た。
落ち葉の上で日光浴を始めたのは
「ムラサキシジミ」のメスであった。
(写真下)



今日は昨日よりさらに気温が上がり
クロナガアリやクロヤマアリも
さかんに活動していた。




新開 孝

冬と春 2004/02/20
今日も暖かい。
東村山市の税務署へ
確定申告書を提出に行った。
私の住む清瀬市には
税務署と警察署がない。
したがって隣の東村山市まで
足を運ばねばならない。
自転車で30分くらい漕ぐと
多少とも暑く感じる。

書類作りに追われ
中里の林を歩いたのも
散歩程度になってしまった。
あちこちの日溜まりでは
オオイヌノフグリの花が咲いて
春の兆しを感じる(写真上)。




が、一方でフユシャク類の
オス4種の新鮮な個体もいた。
コナラの幹では
ヒメカゲロウ類の一種だろうか
じっと潜んでいるのを見つけた。
(写真下)頭から翅の先まで
1センチ弱。しつこく撮影していると
飛んで逃げてしまった。

クヌギカメムシ類の卵も
まだ孵化していないものも多く
春の勢力よりかはまだまだ
冬のパワーが上回っているようだ。






「再び新開孝からのお知らせ」

明日より札幌行きを予定してましたが、
現地の天候悪化に伴い急遽、取り止めました。
今回は特に雪上を歩く「クモガタガガンボ」
という翅のない昆虫を撮影する予定でした。
しかし雪や雨では活動しないので、
空振りする可能性大と判断しました。
どうもこのところ北海道は天候不順が続いており
束の間の晴れにスケジュールを合わせることが難しいようです。さすがに私も1週間以上の滞在はできません。
新開 孝

ニワトコとアブラムシ 2004/02/19
ほぼ1週間ぶりに中里の林を
歩いてみた。
「ウグイスカグラ」の開花が
始まっており(写真上)、
遊歩道に植えられたマンサクも
黄色い花が目立つ。

ウグイスカグラでは
イチモンジチョウの幼虫が
育つが今冬はまだ越冬幼虫を
見つけていない。

ニワトコフクレアブラムシが
多数ついていたニワトコも
葉が伸長し始めている。
ニワトコフクレアブラムシには
黄色いもの(写真中)と
緑色のものがいて
春以降は様々な植物にもつく。

ニワトコの目覚めと
アブラムシの繁殖に同調する
かのように天敵ヒラタアブの
産卵も始まった。
(写真下、矢印先が卵)
ヒラタアブ類の幼虫は
アブラムシを食べて育つ。





「新開孝からのお知らせ」

あさって21日から23日まで、
札幌へ行って来ます。
今度は零下の世界です!
Tシャツ一枚というわけには
いきません。
札幌での3日間、『ある記』
はお休みします。

銀世界の極寒に生きる昆虫を
探してみます。
乞う御期待!



新開 孝

石垣島、最後の2時間 2004/02/18
トンボも気にはなっていたが結局、水辺環境を回ることができず4日間はオキナワツノトンボ生息環境に釘付けとなってしまった。
2日間も探せば見つかるものと楽観していたオキナワツノトンボ幼虫探しは失敗に終わった。

今日は午前中に残された2時間をオモト岳登山口から名蔵に抜ける林道でチョウの撮影に費やした。
この林道は2年前に舗装されたが数ケ所にある退避場がやたら広い。今朝その広い理由に納得できた。
大型ダンプが工事のため通過するのであった。
林道の道幅いっぱいのダンプが度々疾走する光景に
かつてののどかな雰囲気からは信じ難いものがあった。

オモト登山口や他でも工事事務所が仮設で建ち並び、どうやら林道の舗装工事はさらなる環境開発工事
へと発展していくようだ。
登山口の駐車スペースは工事車両で一杯で入れなかった。




さて2時間という短い時間でたいした撮影はできなかったがコノハチョウが日光浴したり(写真上)、
ミカドアゲハが花に来たりした。
ミカドはしかし物凄くせっかちだ。
撮影は難しい。NGカットだが証拠写真として残しておこう。(写真中)
そして最後の最後に登場したのがツマベニチョウだった(写真下)。
リュウキュウバライチゴの花に来てくれるとは意外だった。とても新鮮な個体だ。
新開 孝

石垣島のクロアゲハ 2004/02/17
アゲハ類のなかでも多いのがカラスアゲハとクロアゲハだ。
他にはベニモンアゲハ、シロオビアゲハ、モンキアゲハアオスジアゲハなどが見られる。

「クロアゲハ」はしかし東京近辺のクロアゲハとは違うところが面白い(写真上、中)。
後ろ翅の突起が短いのである。
この話はバックナンバー9/14でも取り上げたと思う。

今日はオキナワツノトンボ幼虫探索最終日とあってバンナ公園で粘ってみたのだが、遂に見つからなかった。



水辺のトンボを見てみようと
昨年ベニトンボを撮影した沢に
行ってみたが水が涸れており
トンボは一種もいなかった。


「ヒカゲヘゴ」を見上げていると
(写真下)、コノハチョウが3頭
いたちごっこのように追飛していて
天空に透かして見える翅がとても
綺麗だ。テリトリーを張っている
個体が侵入者を追うようであるが
もうどれが占有者なのか訳解らない。

語るべきことは多かれど、
後日、おさらいをしたい。

泡盛で乾杯、最後の夜なり!新開 孝

迷蝶、クロテンシロチョウ 2004/02/16
石垣島に来て3日目になる。
今日は竹富島に行ってみた。
石垣港から船で10分の距離だ。
ここではオキナワツノトンボの
生息密度が高い場所の情報を
得て、探索してみた。

細かい経過は省こう。
オキナワツノトンボ幼虫は
結局、見つからなかった。
これは想定された結果でもあり
めげることなく蝶の撮影に励んだ。

フワリ、フワリと今にも手掴かみ
できそうな飛び方は
「クロテンシロチョウ」(写真上)。
モンシロチョウを一回り小さく
したような可憐なチョウだ。
台湾から飛来しては細々と
発生を繰り返しているようだ。
なんとも繊細な舞い方は、
妙に気を惹く魅力がある。
花に止まるかと思わせるような
飛翔を繰り返しながら、
なかなか静止してくれない。

こちらでもっとも多く見られる
てんとう虫が「ダンダラテントウ」。
(写真中)
ナミテントウのようだが別種だ。

竹富島には土日をはずして来たのだが
やはり観光客は多い。
若い女性にもよく出会い向こうは
にこやかに挨拶してくれる。
が、私はうつむきかげんに
会釈するのみだ。何故に!!どして?

私の前歯一本は先月抜歯したばかり。
会話するうちに相手の表情が変わる。
それが恐いのだ。

さて竹富島を去る束の間
「カンヒザクラ」(写真下)を
撮影した。神社の境内に植えられて
いる木だが、まだ満開ではなかった。


『オキナワホウジャクについて』

昨日の「オキナワスズメ」は誤りで
正しくは「オキナワホウジャク」でした。
本日、石垣島市内の書店で
確認し直したところ間違いに気付きました。
メールを読むことができない状況ですので
もしかしたら御指摘いただいているかも
しれません。




新開 孝

おお!オキナワホウジャク幼虫 2004/02/15
今日も晴天。
風は涼しく人によっては
肌寒く感じるかもしれないが
私はTシャツ一枚でいい。
しかし日射しはけっこう強く
またもや日焼けした。

ヒメユズリハの新芽を
おいしそうに食べていたのは
「オキナワホウジャク」の幼虫。
(写真上)
驚かすと頭を反らせて怒る。
いかにも南国の色模様で
綺麗な芋虫だ。
もっと成長すると体色は緑色に
なるらしい。それは残念!

昨日のヤエヤマイチモンジ幼虫
の成虫(写真中)や
「ウスキシロチョウ」(写真下)
など様々なチョウが花に来る。
リュウキュウバライチゴの
白い花にはカラスアゲハが
よくやって来た。





肝心のオキナワツノトンボ幼虫は
まだ見つかっていない。
楽観している上、あせってはいない。
昼飯抜きでの探索は少し堪えたが
2月という初めてのシーズンの
石垣島を堪能している。

明日は竹富島に渡る。
さあ、幼虫がそこで見つかるだろうか?新開 孝
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