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落ち葉の中のワカバグモ 2004/01/29
なるほど「若葉蜘蛛」という名前にふさわしい。
落ち葉の下から姿を現わすと、その緑色が際立っている。

中里の林を少し歩いてみたのだが、落ち葉をめくると
すぐに見つかるのがこの「ワカバグモ」だ。
落ち葉の中で冬越ししているその数はけっこう多いと思われる。



ワカバグモは徘徊性で巣網は張らない。
活動期には葉っぱの上で獲物を押さえ込んでいる
姿をよく目にする。

今日は午後3時過ぎに林に出向いてみたのだが、
いきなりシジュウカラたちの警戒鳴きが響いた。
上空を見上げるとオオタカがゆっくり旋回していた。
オオタカは上昇気流に乗ってどんどん高度を上げる。
新開 孝

キノカワガ、再び 2004/01/28
この冬「キノカワガ」を中里の林で見たのは
今日で2回目(前回はバックナンバー11/23)。
ここの林は歩道柵が巡らされていて、
林内には立ち入ることができない。
したがってキノカワガに出会う機会も極少ないと思う。

コナラの幹で見つけたこのキノカワガ(写真上)は、
翅の色模様が白っぽいため、かなり目立っていた。
もちろん少し距離を置けば地衣類に紛らわしいのだが
私の目はこの蛾の姿に敏感過ぎて見落とすことがない。と、思っている。

ついでにお顔を拝見した。枝先でちょこんと突いて
落ちていた木の皮に移ってもらった(写真下)。
この角度からキノカワガを見るのは初めてだ。




キノカワガはこうして
成虫で冬越ししているわけだが、
けっこう移動しており次の日にはいなかったりする。
動くということはそれなりにエネルギーを消費する
と思うが
それに伴う食生活などの活動は一切しないのだろうか?
頻繁に移動するのは擬態効果を高めたり、
寒さへの順応などの役目があるのだろうか?

キノカワガの幼虫は6月〜9月にカキの葉で
見つかるそうだ。
今年は幼虫探しにも気を配ってみたくなった。

新開 孝

ベニシジミ幼虫とナナホシテントウ 2004/01/27
秋にはモンキチョウが群れ飛んでいた
柳瀬川の土手に出向いてみた(写真上)。
目的はベニシジミの幼虫を探すこと。

南向きの土手斜面は暖かく、
ナナホシテントウがいっぱい歩いている。
成虫だけでなく幼虫もいた(写真中)。
こういう日射しをたっぷり受ける草地では
寒さは程々にやり過ごせるようである。
特にコンクリートや石の表面温度は日中には
かなり上がるだろう。蛹になる準備をしている
幼虫もそういう場所では見受けられた。

お目当てのベニシジミ幼虫はタデ科のギシギシ
で探せばいい。ところが意外とギシギシが少ない。
数えるほどしか株が見当たらない。
環境としては申し分ないと思っていたのだが。
それでもしばらくギシギシの葉っぱをめくっていくと
幼虫が5頭、見つかった(写真下)。
一番大きな幼虫はすでに終令幼虫、体長12ミリだ。
ベニシジミの幼虫は暖かい日には葉をかじり、
少しずつ成長しながら早春の訪れを待っている。

ベニシジミ幼虫を探したのはこの春に羽化のシーンを
撮影したいからであった。
ほんとうは3月ころに探したほうがあとあとの飼育の
手間も少なくて済む。
今日の場所はベニシジミの生息密度を確認しておくという下調べの意味合いがあって訪れたのだが、
3月にはもっと別の場所に行かねばならないことがわかった。
あまりにも食草ギシギシやスイバが少な過ぎた。

『閑話休題』

昨年の9月、私の自家用車デリカを廃車にしてから
これまで車無しという状況が続いている。
したがって今まで車で巡っていたフィールドの
ほとんどに通うことができないでいる。
たいへん困ったことなのだが、その反面、
今まで見過ごして来た近場のフィールドを
見直すいい機会にもなっている。
私の昆虫たちに向けるアンテナ感度は
最高レベルまで上げざるを得ず、
自分でもその感度の極限に挑戦しているつもりだ。
このような事態の中、電車などで通えるフィールドの
開拓にはまだほとんど手が付いていない。
いずれ辛抱できず車をなんとかせねばならなくなる、
そういう日も来るとは思うのだが、、、、、、、、。
新開 孝

コミミズク幼虫と尺取虫 2004/01/26
クヌギの枝にぴったり体を貼付けているのは
「コミミズク幼虫」(写真上)。体長1センチ。
見事な隠蔽擬態にはいつもながら感心する。

伏せていたお顔を拝見すると、睫毛のような触角や
ユーモラスな表情が現れて意外な発見!(写真中)
SF映画に登場する宇宙人のモデルになりそうだ。

コミミズクはセミやヨコバイの仲間で、
ストローのような口吻で植物の汁を吸う。
体の色は背景に合わせて様々なタイプがある。







さらにクヌギの梢を舐め回すかのように見ていくと
冬芽の上にシャキリ!と棒立ちになった尺取虫がいた。

「ハミスジエダシャク」の
若い幼虫のようだ(写真下)。

冬芽が白く光って見えるのは、
幼虫が糸をびっしり吐きつけているため。
風で吹き飛ばされないよう足場を築いているわけだ。
この足場糸がなければ隠蔽擬態はもっと完璧だった。

新開 孝

シロフフユエダシャクのオス 2004/01/25
綺麗なエダシャクのオスだ(写真上)。
もう少し大きな画像だと、
その美しさも伝わるのであるが、、、。

本種は冬尺蛾のなかでも晩冬(2月末)から早春に
現われるとされている。
だとすれば、ずいぶんと早い登場ではないだろうか。
メスはまだ見たことが無いが、
昨日も書いたようにフユシャク類のメスを
見極めるのは難しい。
一番いいのは交尾を観察することであるから
まだこれからもチャンスは残されている。


以前にもアップしたキヅタ喰うシャクガ幼虫。
現在、1匹のみ継続観察中である。
しかし、困ったことに幼虫が餌としていたキヅタの株が急に変色し始め、緑色だった葉が赤っぽくなってきた(写真下、矢印先に幼虫)。

幼虫はまだ熟令の手前と思われる。
うちにはすでに本種の蛹2頭を確保しているので
回収して飼育する必要は感じていないが、
別株のキヅタに移してやったほうがいいようだ。新開 孝

フユシャクのメス 2004/01/24
イヌシデの幹でフユシャクのメスを見つけた。
体長は6ミリ程度。
翅は体の長さの半分はあるが飛翔には役に立たない
であろう(写真上)。
全身真っ白でよく目立つが、これも種名はわからない。

体全体がびっしりと鱗粉で覆われており(写真中)
少しでも触れると、パラパラと粉が落ちてしまいそうな気がする。

顔をよく見れば、口吻は非常に短く(写真下)、
これで餌を吸い取れるのかどうか怪しい。

翅も口吻も極端に短くしてしまったこのフユシャクのメスは、真冬に特化した生活を送るための手段だと
主張しているのであろうか?

しかし、ことフユシャクに関しても
メスの同定は難しい!
メスは翅が無いか貧弱なので、標本にしても体が干涸びてしまい、同定に役立たないと思う。

きちんとした生態写真を体系的に残し、これをさらに
明解な製版にする努力が必要だろう。
新開 孝

シジュウカラ、コカマキリの卵を喰う! 2004/01/23
一昨日に引き続き、虫喰う鳥をねらってみた。
マンション裏に歩き出た途端、
「シジュウカラ」がエノキの梢で
何かを一生懸命ついばんでいた。

撮影中にはわからなかったが、
(私が使うEOS-1Dには画像拡大機能がない)
後になってパソコン画面で拡大してみると
なんと「コカマキリの卵のう」ではないか!

卵のうはスポンジのような断熱材でできているが、
これはけっこう固いため、
シジュウカラも苦労して食べていた(写真上)。
卵のうはどこかに付着していたものを
強引に引き剥がしてきたようだ。





中里の林を歩いていると
ガサゴソ落ち葉を掻きわける音がする。
大きな音だからツグミ大以上の鳥だろう
と思い覗き込んでみると、
「トラツグミ」だ(写真下)。
ときおり落ち葉の下から
何か小さな生き物をパクりと口に入れている。
獲物は小さ過ぎて何を喰っているやらわからない。
迷彩色のような体の模様には余程自信があるのか、
すぐには逃げようとしなかった。
体を細かく上下に揺するような
仕種が面白かった。

『昨夜のキリガ、姿現わさず!』

昨日、アップを予告したのだが、
夜の樹液をいくら探しても
キリガ類の姿は1頭も見つからなかった。
気温がかなり低かったのと風があったせいだろか?
夜の林で見つかったのは「シロフフユエダシャク」の
オス1頭のみであった。
新開 孝

アカタテハ、参上!! 2004/01/22
午前11時、外出先からマンションに戻ってみると、
外廊下で「アカタテハ」が舞っていた。
日射しがある晴天とはいえ、驚く光景だ!
しかも私の住居室の前だから、まるで『ある記』に
載せてくれ!と言わんばかりではないだろうか。
急いで部屋からカメラを取り出し、
アカタテハの同行を追ってみた。

アカタテハは1階の廊下からゆっくり舞い上がり、
2階の外廊下の廂にこだわるような飛び方を続けた。
廂に触れては何かを探しているような奇妙な行動。
やがて雨水排水パイプと廂コンクリートの隙間を
気にするかのように静止した。
(写真上、矢印先がアカタテハ)

しかし、ここでしばらく休むもやがて飛び立ち
2階廊下を行ったり来たりしてから
建物の南側へ流れるように姿を消した。
こちらも慌ててマンション裏へ出てみると、
マンション外壁で日光浴していた(写真中、矢印の位置で日光浴)。

ゆっくり近寄ってみると、左うしろ翅の縁が破れているものの、いたって綺麗な翅をしている(写真下)。
活動期なら気難しくてなかなか寄せてくれないところだ。


こうして日光浴してはまたマンションの廂を探り飛びしてと
建物の周囲をぐるぐる巡る行動を繰り返し、
なんと午後1時頃まで姿を見ることが出来た。

このアカタテハ、
越冬場所に潜り込むつもりだったのではないだろうか?


『昨夜のキリガは、大盛況!しかし、、、、!』

さて、昨夜はフユシャクの交尾などを撮影するつもりで林に出向いた。
残念ながらシロオビフユシャクのオスしかいなかったが、
あちこちの樹液では、キリガ類がけっこう来ていた。
過去の経験では懐中電灯を照らしても、
キリガの行動を妨げることがなかったのだが、
昨夜は灯りを照らすと
どのキリガも樹液を吸うのを中断してしまった。
樹液を吸う姿の撮影には失敗したわけで、
今日はそのやり直しを予定している。

明日にアップできるとは思うので、乞う御期待!
新開 孝

シジュウカラ、はやにえを喰う 2004/01/21
午前中、中里の林では、シジュウカラ、エナガ、
コゲラの混群がにぎやかに飛び交う。
みな餌探しに余念が無い。
そのうちシジュウカラが、コナラの梢でしきりと何かをついばみ始めた。
大物の昆虫を捕らえて料理しているのでは!?
急いで近寄ってみると、
脚でおさえているのは
モズの立てた「はやにえ」であった。
(写真上、矢印の先)

カメラで覗いてみると、干涸びたカナヘビだ。
もう内蔵もほとんど残っていない(写真中)。
こんな干し肉でもシジュウカラにとっては
ごちそうのようだ。すぐに他の仲間がやって来て
横取りしてしまった。
しかし、昆虫やクモならともかく、シジュウカラが
カナヘビの肉も喰うとは驚いた!


モズのはやにえを他の鳥たちが利用することは
ずいぶん前にも観察していて、
ヒヨドリ、ジョウビタキなども摘んでいくのを見たことがある。
しかし、一番目敏いのはシジュウカラだろう。

今日は鳥の捕食シーンをねらって、
カメラには400ミリレンズをつけて歩いた。
400ミリは滅多に使わないので、去年の暮れに肩慣らしをしたばかりだ。
しかし、シジュウカラなどは動きが非常に速い。
どうしてもフォーカスが甘い写真が多くなる。
今回もはやにえを突く瞬間のカットはピンぼけで使えなかった。

シジュウカラやエナガを見ていると、
保育園の子供達が散歩で林にやって来た。
5、6才の子供たちにシジュウカラを教えてやると
数人の女の子たちは、「きれい!可愛い!」と喜んでくれた。
子供達はにぎやかに遊歩道を駆け回るのだが、
鳥たちは落ち着いて行動している。

そのうちモズのオスが林に入ってくると、
シジュウカラが警戒鳴きをして
一斉に樹上高くへ散った。

「ははあーん!こやつがはやにえを立てたんぞな。」

新開 孝

虫こぶの執念!! 2004/01/20
「葉っぱ死すとも!虫こぶ、死せず!」

そんな叫びを思わず想像してしまった。
ケヤキの枯れ葉に見つけた虫こぶは、
なんと緑色(写真上)。そしてその活力は
葉の主脈から葉柄基部まで及んでいる。
枝から落ちないわけだ!

ほとんどの葉が散ってしまった梢で、
落ちること無く留まっている葉を見れば、
どれもこうした虫こぶ付きの枯れ葉なのである。

だがさすがにこの虫こぶ、すでに空家となっていた。
ぐっと近づいて見てみるとコブ表面が腐っていたり、
(写真中)
中を開いてみるとアブラムシの抜け殻しかない。
虫こぶも最後の最後までふんばったようだが、
ケヤキ本体からの栄養補給を断たれるという
兵糧攻めにはかなわなかったのだろう。

まさに執念深いこの虫こぶ、
「ケヤキハマキフシ」ではないだろうか?
そうだとすればこぶの製造者たるは、
「ケヤキワタムシ」というアブラムシである。
隣に生えているエノキでも
まったく同じこぶが見つかっている。

来春にはこの虫こぶには気をつけねばなるまい。
もし種名に間違いがなければ、
このアブラムシの1令幼虫には攻撃性がある!という。


『昆虫学教室の講議』

虫こぶを専門的には「ゴール」と呼ぶ。
さらに虫こぶは「虫えい(ちゅうえい)」
というのが正式のようだ。
虫こぶのほうが一般的で素直であると思うし、
それでいいようなものだが。
「えい」の漢字は難しく私のパソコンソフトでは
表示できない。(知りたい方は広辞苑を開いて下さい。)

さて私が在学中(ああ、もう20年以上昔となりました!)
に講議を受けた昆虫学では、
故・石原 保先生からこう教わった。

「虫こぶといってもだな、昆虫ばかりがこぶを形成するわけではなく
他にも菌類やウィルス、バクテリア、ダニ類などさまざまな生物によって形成されるんだね。
だから虫こぶと呼ぶと狭い意味合いになるし、
いつの間にか虫しか思い付かなくなる。
だから、諸君!
英語の『ゴール(Gall)』を使いたまえ!
いいかね、これからは『ゴール』。
これは憶えておいて下さい。試験にも出します。」

新開 孝

ウスバフユシャク 2004/01/19
午前中はけっこう雪が降ったが、積もることもなく
午後からは日射しが出た。

中里の林では「ウスバフユシャク」のオスが
見つかった。(写真上)
冬尺蛾/28種の中でも、ウスバフユシャクは
厳冬期の1、2月に登場する。
先日、紹介したシロオビフユシャクは12月下旬から
2月上旬に現れるのでほぼ同じ頃に両種が見られる。

ウスバフユシャクが枯れ茎に止まったので、
私も落ち葉に寝転んで顔を拝見してみた(写真中)。
この写真ではわかりずらいが、確かに口吻が見当たらない。
オスもメスも食事をしないというのは、
蛾の世界では珍しいことではなく、
天蚕で有名なヤママユガも口吻が退化している。





金網柵の昆虫観察トラップでは廂を覗き込んで歩くと
冬尺蛾のメスが見つかった(写真下)。
完全に無翅タイプだが、種名はわからない。
ウスバフユシャクか、シロオビフユシャクのどちらか?かもしれない。




中里の雑木林では何種類の冬尺蛾が生息しているのだろうか?
これをきちんと把握するには、新鮮な個体の標本を揃えるべきだが、
あの小さな体を展翅するのは厄介だろう。
図鑑の標本写真は全て展翅標本であるし、
正確な同定を専門家に依頼するにしても標本は必要である。

まずは自分で標本を作り、その標本写真をきちんと
撮影してみようかしら、などと考えている。
講談社の大図鑑、写真が小さいし製版がすこぶる良く無いと思うからです。
とりあえず『中里のフユシャクガ、超ミニ図鑑』でしょうか。
と言ってもすでにクロスジフユエダシャクは終わってしまいました。

新開 孝

フクラスズメの冬越し 2004/01/18
せせらぎ公園ではネコヤナギが開花し始めていた。
赤い大きな冬芽が花芽だが、ぽつぽつと開いている。
ずいぶん早いのではないだろうか(写真上)。







小川の底にはカワニナが這い回った足跡が夥しい。
これは秋の頃よりずっと多いように思う(写真中)。
今頃になって活発に動くのは何故だろうか?
水中の石をよく覗き込んでみると、
たくさんの稚貝がいる。
水の中の世界はようわからんだけに不思議で面白い。



「わあ、大きな蛾がいる!」と嫁さんが叫ぶ!
「おっしゃあ!それはフクラスズメぞなもし!
 見んでもわかるんよ。」と私が駆け寄ってみると、
確かに『フクラスズメ』(写真下)だ。
うちの寝室の窓枠サッシで、いつのまにやら冬越ししている。





中学生の頃、こやつは薄汚い蛾!
としか思っていなかったのだけどなんと後ろ翅には、
青くて怪しい紋様を隠しており、
それが発覚してからは汚いという印象は吹っ飛び、
私は深く蛾の世界へのめり込んだ
そんな想い出深いフクラスズメです。

「蛾」という呼び名はいかにも投げやりな表現だが、
しかし、この昆虫のグループは実に素晴らしい世界を構築している。
夜の暗闇に生活する上で、
「こんなことやってみました!」と
言わんばかりの多様複雑な世界は、
昆虫界の王者にもふさわしい!
と、私は思う。

新開 孝

シロオビフユシャクのオス 2004/01/17
今年に入ってから中里の林でよく見かける冬尺蛾は
この「シロオビフユシャク」のオスである(写真上)。
翅を広げると3.4センチくらい。

ずっと以前のことだが、
本種のオスが林床に舞い降りるやいなや、
興奮して歩き回り、すぐ落ち葉の下に潜り込んだ。
すかさず後を追って覗き込んでみれば、
なんと無翅メスと交尾が成立していたのである!
午後3時頃の出来事であった。
フユシャクの配偶行動を見たのは、
後にも先にもこの一回きりだ。

バックナンバー10/20に初めてアップしたクロアゲハ蛹。
あれから林に出向いた時には欠かさず見て来たのだが、
本日も無事を確認(写真中)。
遊歩道の奥からおばさんたちが歩いて来るのを
待っていたのだが、くるりとコースを替えてしまった。



アブラゼミの抜け殻が、粉雪舞う林で見つかる(写真下)。
セルロイド模型のような抜け殻は、何か物言いたげでもある。
しかし寒風に揺れて今にも落っこちそうだ。
夏の記憶を呼び戻すにも、あまりに風景が違い過ぎる。
今日はどんより曇った一日だが、
真夏の日射しを抜け殻に照らしてみた。




「お知らせ」

1/15のフィールド探索地は「飯能市」ではなく、
「日高市」でした。あとで訂正しましたが、
糸崎さんたちを案内した私が間違えてどうする!という
お粗末でした。
なんとか電車で行けるフィールドということで、
西武秩父線、高麗駅下車で徒歩の散策でした。
ご苦労様の一杯まで楽しめて、車無しの利点を発見!!
新開 孝

カマキリモドキ幼虫、登場!! 2004/01/16
昨日の掘り出し物とは、カマキリモドキ幼虫、
が取り付いているかもしれない
「コアシダカグモ」のこと。

正確には「キカマキリモドキの1令幼虫」。
クモを見つけたからと言って、
カマキリモドキ幼虫がそこにくっついている、
という保証は無い。
無いにもかかわらず、私には自信があった!
過去の経験から勘が働くのだ。
それで日高市では糸崎さんも訝しがるほど、
懸命にクモを捕まえまくったのだ。

そして今日、14匹捕獲したコアシダカグモを
詳しくルーペで調べてみたところ、
4匹のクモの体から各1頭づつ、
キカマキリモドキ1令幼虫の姿を見い出した。

(写真上)
    コアシダカグモ、丸く囲った中央に幼虫が。

(写真中)
    矢印の先がしがみつく幼虫、頭が上向き。

(写真下)
    1令幼虫の顕微鏡写真、体長1ミリ程度。



今日撮影したキカマキリモドキ幼虫は、
照明の熱のせいで、もぞもぞ動き始めてしまった。
「これはまずい!」ということで、
超拡大接写撮影は諦め、
以前撮った顕微鏡写真を使用。

カマキリモドキ類の生態については、
拙著『珍虫の愛虫記』(北宋社)を参照されたい。
本屋さんで見つからない場合
(池袋、淳久堂には置いてます)は、
神田の生物関係の古書店に行かれるといい。
山積みされているそうだ。
新開 孝
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