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サンゴジュハムシの卵とゴマダラ幼虫 2003/11/03
10/31にアップしたサンゴジュハムシ、この時期はさかんに産卵している。その産卵痕はまるで牛糞をなすりつけたようで、たいへん目立つ。メスはガマズミの枝の表面をかじって浅く掘りそこへ卵を産み込む。その後分泌物を塗り付け卵を覆い隠す。したがって牛糞のような塊が産卵の回数だけ連なって枝表面に残っている。(写真上)ではガマズミの左の葉の付け根から、頂芽の下まで黒褐色のかたまりが付いているのがわかる。



牛糞状の蓋は簡単にはずれる。するとぎっしり詰め込まれた丸い卵が見える(写真中)。一つの窪みには10数卵程が並んでいる。手元の文献で調べてみると、このまま卵で冬越しし孵化は来年の3月下旬ころという。成虫は年一回、7〜10月頃現れる。植木のガマズミやサンゴジュに大発生し夥しい被害を出しているので、このハムシに気付いている方も多いことだろう。



さて、昨日のゴマダラチョウ幼虫だが今朝(写真下)には体の茶色味がいっそう強くなっている。エノキの葉も縮んできた。葉が落ちることなく枝に留まっているのは、幼虫が吐いた糸の束でかろうじて繋ぎ止めているからだろう。
こうして日々の昆虫、林の様子などを窺っていると秋の深まりと同時に、すでに初冬の到来すら感じる。そういえばベランダ外壁のコアシナガバチだが、昨日の暖かい日射しのなかで団子状のハチたちはかなりの数が巣を離れていった。おそらく新女王たちだったのだろう。離脱後、どこでどうやって冬越しするのだろう?コアシナガバチの越冬する姿は、ごく普通種であるにも関わらずまだ一度も見たことが無い。新開 孝

ゴマダラ幼虫とエゴノキの種子 2003/11/02
昨日の今日である。ゴマダラ幼虫たちの様子にさして変化はあるまい、と思っていたのだが、トッ、とんでもない!昨日アップしたばかりの黄色い幼虫はすでにうっすらと茶色味を帯びていた。エノキの葉もいくぶんか黄色くなっている。これは午前中の写真。予想より進行が速いようなので今夜も見ておいた方が良さそうだ。他の幼虫たちの体色変化は微々たるもので、2頭は暖かい日射しを受けてのんびりお食事中であった。


中里の林でおばあちゃんが腰をかがめて何かを拾い集めていた。
私:「おばあちゃん、これ、集めてどうするん?」
おばあちゃん:「お遊びに使うんですよ。」
私:「お遊び?もしかしてお手玉!ほおかな、あずきの替わりかや! 写真、撮らさしてや、ええですか?」
エゴノキの種子は釣り餌ばかりではなく、お手玉にも使うという実例に初めて出会った。「私なんか撮らなくてもそこの大学にいけば、、、、。」「あの、おばあちゃん、私なあ、、、も嫌いじゃないんやけど、虫とか花とかも好きなんよ。」新開 孝

ゴマダラチョウ幼虫とクロアゲハ蛹 2003/11/01
10/25から注目してきた3頭のゴマダラチョウ幼虫たち。1週間目にして体色の変化はない。ところが今朝、この3頭のすぐ側であらたに2頭見つかった。迂闊にも見落としであったようだ!そのうち1頭は、御覧のごとく葉っぱの黄色に溶け込むまでになっている。こうした体色の変化は葉っぱの上にいる段階で進行するものが多く、大抵は完全に茶色へと移行してから落ち葉へ降りる。けれど落ち葉の下に降りてもなお緑色のままの、のんびりタイプもいないわけではなく、私は2例を見ている。のんびり屋というより、さっさと急いで降りたせっかちタイプであるのかもしれないが。

10/20にアップしたクロアゲハの蛹。くっついていた場所はイヌシデの幹だ。そしてクロアゲハ幼虫が育ったのはすぐ近くにあるカラタチの生け垣であろう。蛹を逆光でよく見るとクモの糸が多数張られていることに気付いた。クモにとって蛹は木の一部であり、巣網の足場としては手頃な出っ張りだったのだろう。長い冬を乗り切らなければならない蛹としても、日々こうして自分の体が木の一部に溶け込んでしまうと都合がいいはずだ。蛹の位置はちょうど大人の目線の高さだ。散歩する人がすぐそばを通るのだが、さて気付いた人がいるだろうか?
新開 孝

サンゴジュハムシとクロナガアリ 2003/10/31
オス:「おっとっとっと、落ちるがなあ、待ってや!」
メス:「何しよん、どんくさいなあ!」

冬を迎える前に産卵せねばなりません。
はたしてこのオス、邪魔しているだけでしょうか?
このサンゴジュハムシさん、ガマズミを暴食します。
園芸家の嫌われものです。葉っぱが穴ぼこだらけになります。


「あーら、よっと!どいて!そこ、どいてや!」

冬を迎える前に食糧を貯えなければなりません。
この方もあの方も忙しいようです。
働き者の代名詞にされたアリさん。本名、クロナガアリです。
昆虫専門家は収穫アリとも呼んでくれます。

でも本当はこっそり、つまみ食いしたいのではないでしょうか?新開 孝

モンキチョウとコアシナガバチ 2003/10/30
秋晴れで気持ちがいい。強めの西風にモンキチョウが逆らうように舞っている(写真上)。左のオスはメスの行く手を遮るように飛んでなんとかプロポーズしたいのだが、メスには乗る気なし。メスはそれどころではない。きれいに刈り込まれた土手斜面にはカスマグサの数Bに伸びた若葉が無数にあり、それに次々と産卵しているのだ。ざっと視界に入るだけでも10数頭のメスが群れ飛んでいる。産卵の動作もテンポも早く、産み落とされる卵の数は相当な数になるはずだ。この卵はこれから孵化して成長するのだが、おそらく若い幼虫のままで冬を越すだろう。午前9時から10時頃まではメスの姿が多かったが、やがてオスも次々と飛来するようになり、手当たりしだいメスを追い掛け回すようになった。1頭のメスに3頭のオスが金魚の糞のように連なって飛んだり、あちこちで求愛飛翔が繰り広げられ土手は一段とにぎわってきた。この場所は空掘川と柳瀬川の合流地点の少し下流で、柳瀬川の南向きの土手(写真中)。私のマンションから自転車で10分程だ。土手が人手によって定期的に刈り込まれ丈の低い草地が維持されているからこそ、ここではモンキチョウが繁栄している。




10/12にベランダ外壁の植え込みで見つかったコアシナガバチの巣。あれから毎日覗いているが、少し団子状態のハチの数が減ったような気もする(写真下)。ときおり餌を持ち帰ったハチに、巣で待ち受けていた個体が我も我もと口移しの催促をする場面も見られた。しかし相変わらずハチの大多数は身を寄せあったまま、じっとしているばかりである。新開 孝

キチョウとヒヨドリジョウゴ 2003/10/29
中里の雑木林を一回りすると、ヒヨドリジョウゴの赤い実がたくさん成っている所があった(写真下)。茎はひょろひょろと四方に伸び上がり、木々の梢を這うかのごとく展開していて、一見ツル草のようだがそうでもない。まるで空中に寝そべっているというべきか。ヒヨドリジョウゴはナス科。ナス科の同類、トマト、それもミニトマトを連想するとなんとなく納得できる姿だ。この赤色の実はいかにも甘くおいしそうにも思えるが、まだ私は試食をしたことがない。
コセンダングサは林の外に出た道路の脇の空き地に密生している。小さな黄色い花にはヤマトシジミ、スジグロシロチョウ、ニホンミツバチ、そしてキチョウが訪れている(写真上)。このキチョウは秋型と称される翅の紋様が逆光の中でよくわかる。ヒヨドリジョウゴの赤い実、キチョウの黄色い翅といい、いかにも秋の風情あふれんばかりの光景だ。ところがこの時期でもときに夏型のキチョウが同時に見られることがあり、私はずっと不思議に思っていた。実はキチョウの季節型は日長の変化に伴うものだが、オスはメスより短日日長への感受性が弱いため、秋になってもオスでは夏型の個体が遅くまで羽化するらしい。季節型の移行に性差があるとは驚いたものだが、それには成虫で越冬するキチョウの複雑な事情があるという。普通種といっても話題は尽きないようだ。新開 孝

ヨコヅナサシガメ、ヒカゲチョウ 2003/10/27
昼前ころから雲が切れて日射しが出る。ヨコヅナサシガメが気になって、今日もクヌギを覗いてみた。すると御覧の通り(写真上)、ミノムシの一種を2頭が吸血していた。サシガメの口吻はミノムシの蓑を突き破り、中の幼虫を餌にしているのだ。せっかくのシェルター「蓑」もこれでは役に立たない。サシガメの嗅覚たるや、けっして獲物を見逃さない優れものと言える。ここでさらに仔細に観察すれば、サシガメの口吻が突き立っているのは、蓑の襟首にあたる位置だ。ここはミノムシ幼虫が頭を出し入れするため柔軟で薄くなっており、もっとも急所というべきところである。このあと1時間ほどして様子を窺うと、サシガメが3頭になっていた。血の匂いを嗅ぎ付けたのであろうか?あるいはサシガメの間で呼び合ったのか?実はヨコヅナサシガメ幼虫には集団で大きな獲物を吸血するという習性が知られている。まさに昆虫界のオオカミやハイエナである!それにしてもこのサシガメ、はるか昔の学生時代に、四国の松山でさんざん観察したものである、この私は。それがこの東京でよもや再会するとは思わんかったぞなもし!
写真に写っている緑のビニールのようなものは、クヌギの幹に看板を固定している針金である。余計なものが画面に入ってしまったが、このおかげでどのクヌギであったかは一目でわかるから良い。
ついでながらミノムシを吸血するカメムシには、アオクチブトカメムシを今年の5月に所沢のクリ林で見ていることを付け加えておこう。航空公園から近い場所だ。
さて、サシガメ観察のすぐ近くでヒカゲチョウを見つけた(写真下)。羽化したばかりで翅は柔らかく綺麗。この時期に成虫羽化はかなり遅いと思う。これからどないするん!?と心配したくなるが、別の場所ではササの葉裏に蛹の抜け殻も見つけた(写真中)。この抜け殻も新しい。ということは他にもつい最近羽化したヒカゲチョウがおるということだ。新開 孝

コカマキリ、クコとニホンミツバチ 2003/10/26
ヨコヅナサシガメ幼虫の様子を今日も見てきた。朝から暖かいこともあって、幼虫たちは幹を歩き回っている。しかし、その動く範囲はあまり広くないのですぐに幼虫全部を発見できる。(写真上)の林が中里の雑木林だが、左のクヌギに6頭、奥の白い看板がかかったクヌギに1頭、それぞれ幼虫が居着いている。今日は捕食シーンが見れるだろうと思っていたが、ジンガサハムシの一種を吸血する幼虫と、樹皮の割れ目の中に潜んでいたトビケラ目の一種を吸血するもの、2例を目撃できた。撮影はしたのだが、獲物が小さく写真としてはわかりづらいので割愛した。どうやら幼虫たちはそこそこ食事にありつけているようだが、まだパンパンに腹部が膨らむほどの飽食はできていない。
さてこの雑木林と空掘川遊歩道の境には高さ1.2m程の金網のフェンスがある。そこにはさまざまなツル植物や林の下草などが絡んでいる。このフェンスの上部の梁を30mほどにわたって見ていくと、コカマキリのメスが全部で7頭もいた。どれもお腹が大きい。コカマキリの卵のうも2個あった。この梁の部分は逆L字になっているので雨が当たりにくい。コカマキリにとってはうってつけの産卵場所なのだ。7頭も産卵を控えたメスが来ているのだから、1頭くらいはそのうち産卵してくれるだろうと、昼食を済ませたあともう一度出直してみた。すると(写真中)のごとく午後3時50分、産卵を始めたばかりのメスがいた。この金属ひさしは他にもいろいろな昆虫が利用しており、今日はキタテハの蛹殻が4個、ナミテントウの蛹が多数、などなど、見ていてけっこう面白い。
清瀬四小の裏手にある『せせらぎ公園』にはクコの植え込みがあり、花と実が同時に見れた(写真下)。花にはニホンミツバチが多数来ている。クコの花には花粉が多くどのミツバチの脚にも白い花粉団子が付いている。『せせらぎ公園』は空掘川から分流してこしらえた人工のせせらぎがだが、水辺植物や遊歩道の植え込み、所々のゆるいスロープの岸など、多様な生物環境が管理保全されている。今日も子供たちがザリガニ採りに来ていた。新開 孝

ゴマダラチョウとキクキンウワバ 2003/10/25
9/19にアップしたゴマダラチョウ幼虫はすでに脱皮を終えていて、4令となっていた。1ヶ月前と同じ葉に留まっている(写真上)。食事の時だけ他の葉へ移動しては戻って来ている。すぐ近くのエノキでも同じ令の幼虫がいて(写真中)、さらにもう1頭を加えて現在3頭の4令幼虫を観察中である。今後、体色の変化と、いつ頃地上へ下るかを見てみたい。もちろん天敵もいるのでいつ姿を消すかもしれない。毎年のことながらゴマダラチョウ幼虫は春と秋にこうして眺めているのだが、その理由のひとつとしては、幼虫の居場所が林の縁であり、目線の高さであり、葉表のまん中先端よりであり、と幼虫自らが見てくれと言っているからだ。要するに探す苦労がないので、不精なわたしには向いているのかもしれない。おまけに3頭の幼虫たちの居場所はマンション裏にあって、観察するといっても5分もかからない。








(写真下)ついでに草むらを見て回ったら、キクキンウワバの真新しい成虫がいた。幼虫はこのあたりのセイヨウタンポポかヒメジョオンを食べて育ったのだろう。まるでチョンマゲのようなけったいな飾りがこんなに付いていたとは、今まで知らなかった。翅表の金色の模様ばかりに気を取られていたようだ。少し離れて見ればキクキンウワバはもう枯れ葉に過ぎず、この蛾も見事な擬態をしている。新開 孝

センチコガネ、連続死体事件! 2003/10/23
ちょうど1ヶ月ほど前だったか、この写真(上)とまったく同じ場所でセンチコガネが同じように死んでいた。少し驚いたが、この時期あちこちの雑木林でセンチコガネが多いのは例年のことだ。ただ勘ぐってみれば、この殺戮の犯人が同一の生き物ではないかという可能性が匂う。これは鳥の類いが食べ損ねたのではないか?今回の写真ではすぐそばにちぎれた後ろ脚がころがっている。くわえられ、嘴で弄ばれるうちにはずれかけた脚が、地上に落下したショックでもげたのではないか?同じ場所に死体があるということは、この場所の上空の枝が犯人のお決まりの止まり木だったのではないか?では、犯人の鳥はなんであろうか?だいぶ前の話しだが、モズのはやにえを調べていたときだ。ちょうど10月の今頃だったが、同じ林のなかでセンチコガネのはやにえが次々と2つ見つかった。いずれもエゴノキの枝だった。センチコガネのはやにえというのは私にとって初めて見るものだったので驚いたし、あの固い装甲車のような体のセンチコガネを見事に串刺しにしたモズの手際良さには感動すら憶えたものだ。で、そのときのことを今思い出してみて、今回の連続死体事件の謎ときが朧げに見えて来たのである。まずセンチコガネの体は固い上に全体が丸く大きい。私はブラインドの中から、モズがゴミムシ類を丸のみするのを何度か見たことがあるが、センチコガネより小さいサイズのゴミムシでもかなりきつそうに思えた。モズがセンチコガネを丸のみするにしてもかなり手こずるのではないだろうか?あるいはこの時期、モズは獲物に不自由はしていないから、おそらくセンチコガネは余裕の状況で捕らえており、はやにえに立てる算段?でもしていたのではないか?止まり木でくわえたまま思案するうちに落とした?あるいは、そこではやにえにたてようとして、失敗した?センチコガネの死体遺棄事件?から私はこの場所にまた通ってみて、今度は鳥の同行を探ってみたくなった。
(写真下)の右手の林が、私のよく通う清瀬市中里の雑木林。センチコガネもヨコヅナサシガメもここで観察中。近所の雑木林というと此処であることが多い。空掘川をはさんで左岸が明治薬科大学。女子大生が多い。新開 孝

ヨコヅナサシガメとコアシナガバチ 2003/10/21
昨日のヨコヅナサシガメ幼虫たち、どんな獲物にありついているだろうか?期待して見に行ったが数頭の幼虫いずれものんびり歩いているか、じっと構えているかである(写真上)。1頭だけ幹のしわの間に首を突っ込んだりして、獲物を探す素振りはあった。しかし、どの幼虫を見ても腹部が小さい。ここしばらく満足のいく餌を口にしてない様子だ。今日も卵殻を探してみたが見当たらない。2本並んだクヌギのうち、幼虫の数が多い(と言っても確認できたのは6頭だが)木の方に付いている可能性が高いのだが、産卵に適した窪みとか大きな皺がまずないので、探すにしても絞り込めないから効率が悪い。いずれにせよ他の場所でも幼虫を探してみよう。一方、ベランダのコアシナガバチの巣では、ずっとハチの団子が解けずにいる。晴れて気温が上がると歩き回る者や、私の接近に対して翅をふるわせ威嚇する者がいる程度。またときに飛び立つ者もいるがそれもすぐ巣に舞い戻っているようだ。全体の数は減りもせず増えもせず、と見えるがどうだろう。コアシナガバチのオスバチを私は見たことがない。どうやってメスと識別すればいいのだろうか。
新開 孝

ヨコヅナサシガメ、清瀬市に現わる 2003/10/20
近くの雑木林にクロアゲハの蛹の様子を見に行ってみた。2週間前に見つけた蛹は、まだ無事であった(写真上)。ついでに林の中を少し歩いてみた。戻りかけて林の入り口近くのクヌギの幹でヨコヅナサシガメ幼虫を見つけた!とうとう清瀬市まできたか!脱皮したばかりで体が赤い5令幼虫だ(写真下)。隣のクヌギには3頭。こちらは4令2頭、と5令1頭だ。このサシガメが知人によって町田市で確認されたのが、たしか4年くらい前だったと思う。そのときはえらくびっくりした。私の知識ではこのサシガメの分布北限は滋賀県あたりで、そこから若干北上しているくらい、ということになっていたからだ。あと八丈島にはいつからか棲息していることは聞いていた。その後、多摩市や国分寺市での棲息が今年になって耳に入ってきて、いずれうちの近所でも現われるだろうと思い始めていた矢先である。清瀬市にはいつごろから進出しているかはわからない。しかしこうなると埼玉県内にもすでに分布域を伸ばしていそうだ。冬の越冬集団探しも面白いかもしれない。ヨコヅナサシガメを含めいろんな昆虫にみられる北上分布拡大の現象は、きちんと記録しておく必要を感じる。新開 孝

コアシナガバチ 2003/10/13
昨日ベランダから外に体を乗り出していたら、植え込みの下にアシナガバチの巣があることに初めて気付いた。地面すれすれの低い位置にあって植え込みの茂みに遮られているので、まず人の目に触れることがないであろう。すぐ脇を近所の子供がときたま虫探しなどで通ることもあったのだが、ほぼ完璧にこの巣は安全圏に留まっている。昨日は雨も降り出したので撮影はしなかったのだが、今朝になってようやく雨があがった。さっそく巣の間近にしゃがみ込んで見ると、コアシナガバチの巣であった。無数のハチがびっしりと巣の下部を覆い尽くしている。雨もあったし今朝の気温も低めだから活動できないのだろう。雨水の排水作業どころではないようだ。この季節、そろそろオスバチが出る頃だがどうだろうか。しかしながらずっと今回の発見に至るまで、この巣に気がつかなかったことは悔やまれる。これから少なくとも、冬を迎えるまでの巣の推移はしっかりと見届けたいと思う。
午後からはすっかり晴れ渡り、秋らしいうろこ雲が見事であった(写真下)。雲は強い西風に流されてしまいベランダからは数カットしか写せなかった。新開 孝

アシグロツユムシ 2003/10/09
狭山丘陵の掘内でアシグロツユムシを撮影した(写真上)。ツユムシ類のなかでも山地性なので清瀬あたりの平地林では見かけない。それで少し足を伸ばして狭山丘陵へと赴いたわけだが、この虫は過去にも何回か撮影している。求愛行動を撮影したのはやはり埼玉県の武蔵嵐山近辺だった。しかし、このアシグロツユムシは間近でじっくりと体を見てみると、なんとも微細な紋様が全体にあって、えらく綺麗だということにごく最近気付いたのである。それでなんとかもう一度、きちんと撮影しようということになった。幸い掘内の丘陵(写真下)の林にはけっこうこの虫がいて、なかなか面白い行動も見ることができた。林の南側の陽当たりのよいところで日光浴していたりするから探すのも簡単である。ここの丘陵地は天空をよくオオタカが舞う。近くに毎年営巣もしているようだ。双眼鏡を持って歩く人にもときたま会うから鳥屋さんたちのよく訪れるフィールドでもあるようだ。この時期はサシバやヒヨドリの渡りが見られる。そして虫屋さんにもたまに出会う。去年の5月のことだが一日に3人もの虫屋さんに会ったことがある。3人ともヒゲブトハナムグリの採集が目的だった。このハナムグリは局地的に発生するのだが居る場所ではわんさか飛んでいる。しかしわんさか見つかるのはオスばかりで、メスは極端に少ない。話がどんどん逸れてしまった。この甲虫についてはまたいずれ書き込むことになるだろうと思う。新開 孝
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