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フタモンアシナガバチの巣 2008/05/24
 近くの畦道でフタモンアシナガバチの初期巣を見つけたのは、4日前のこと。
フタモンアシナガバチの巣を見るのは久々のことだったので、少し嬉しかった。しかし同時に巣場所の位置には問題があった。

 一昨日のこと、私は敷地の西側斜面の草刈りを行なった。新しく買い求めた背負い式草刈り機を使ってみたのだが、これがたいへん調子良い。ノリ面などの傾斜地では背負い式だとたいへん作業効率が上がる。というか肩掛け式の刈払機だと傾斜地では脚元が不安定となって危ない。
 今回買った背負い式刈払機は、ゼノア(ZENOAH)というメーカーのもので、ハイブリッドスタートといってボタンを押すだけでエンジン始動できる。まあ、良い機械はそれなりのお値段もする。もうじき発売となるOLYMPUSの一眼デジカメ、E-520がちょうど買える金額。
 昆虫写真家がカメラと刈払機とどちらを買い求めるべきか選択をせまられたなら、その選択肢は決まっているようなものだ。しかし私の場合、まず刈払機を優先すべき状況にある。E-520は購入するつもりだったが、少し延期するつもりだ。

 さて、その草刈り中にすぐ下の畑からも刈払機の唸る音が聞こえてきた。Kさんが牧草畑周囲の草を刈リ始めたのだ。その瞬間、あの数日前に見つけておいたフタモンアシナガバチの巣も終わりだなあ、と思った。ま、仕方が無いか。

 翌日、犬の散歩でフタモンアシナガバチの巣があったところを見に行ってみると畑の周囲は綺麗に草刈りが施されていた。やはりダメだったか、と思いきや、なんと巣がある!女王もちゃんといる。

 よく見ると草刈りの刃は巣の直前で止まっており、まさに寸止めの技で巣を回避していることがわかった。そうか!Kさんはアシナガバチの巣に気付いて、刈り残してくれたのだ。
 そういえば、去年の6月、私はKさんのお家を訪れアシナガバチの巣を探したことがある。あのとき一生懸命に巣を探していた私のことをKさんは覚えていてくれたのだろう。

(写真/E-3  50ミリマクロ)

新開 孝

ラミーカミキリのメス 2008/05/23
 昨日、ラミーカミキリのオスの顔写真を紹介したので、今日はメスの顔を撮影してみた(写真)。小雨がパラつくなか犬の散歩に出てみたのだが、カラムシを見てみるとすぐにメスは見つかった。

 ラミーカミキリは普通に見られるカミキリムシだが、けっこう綺麗な色紋様をしておりその姿を見ているだけでも心なごむ気がする。しかし、ふりかえってみればこのラミーカミキリの生活史をしっかりと観察しているわけでもなく、私にとっては謎の多い虫の一つと言える。普通にいてしかも派手な姿をしたカミキリムシが、例えば児童書ではこれまでほとんど扱われていない。これは少し意外な気もする。 
 もっとも本種の生息分布は関東以西に偏っているから、普通とはいってもそれは西日本での話。でも、やはりもっと広く紹介されてもいいカミキリムシではないだろうか。本種の幼虫期なども鮮明な生態写真で表現できれば、と思うのは私だけではないだろう。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

ノコギリクワガタ初見 2008/05/22(その2)
 夕方の犬の散歩の途中、カラムシを眺めてはラミーカミキリのメスを探してみた。それというのもオスはけっこう見つかるのだが、いっこうにメスの姿が見えないからだ。

 ラミーカミキリのオスとメスの区別は、顔を正面から見ればすぐわかる。それでオスはこの顔(写真上)。ついでメスの顔写真をここに並べてみれば歴然とその雌雄の違いを紹介できたのだが、、、残念。

 ところがカラムシの葉上でノコギリクワガタのオスを今年初めて見かけた(写真中、下)。

 小柄なオスだったが、ファイト満々!!元気に大アゴを振り上げては威嚇してくる。

(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

スッコン谷渓谷 2008/05/22
 霧島山へ通うなかで気に掛かっていたのがこの看板(写真上)。
「スッコン」とはどういう意味でついたのかわからないが、川岸は常緑樹林に覆われており、今日はこの怪しい渓谷へと降りてみた。

 するとさっそく現れたのがアオハダトンボのオス(写真中)。他にもミヤマカワトンボが多く、カワトンボも褐色翅型のオスが一匹だけ見られた。

 川床には甌穴が多数あって、そこが水溜まりとなりオタマジャクシが群れ泳いでいる。岩棚にはミソサザイの巣跡らしきものも見つかった(写真下)。
 「スッコン谷渓谷」は狭い渓谷で階段を降りたところはとても人臭くて好きにはなれない雰囲気だったが、アオハダトンボが出迎えてくれたことで気分を取り直すことができた。そう少し上流、下流へと歩いてみれば、けっこう面白そうな自然環境のようであった。

(写真上/E-330  14-54ミリズーム)
(写真中、下/E-3  50-200ミリズーム)新開 孝

小さな小学校(昨日を振り返って) 2008/05/22
 高千穂峰から下山して、もう午後3時だったが高千穂河原の店で遅い昼食をとった。出て来た肉うどんは、麺や具がこんもりと盛り上がっておりつゆが見えない。食べ進んでいくとようやくつゆに到達。ぶっかけうどんではないのにつゆが少ないというのはどういうことか。しかし、腹が減っていたので文句言う間もなく食べ終えてしまった。
 そういえば群馬大学の食堂で出てきたカレーうどんを思い出す。こちらはつゆがほぼない。カレールーに麺を絡めながら食べるのであったが、それが群馬のあたりでは当たり前らしい。ぶっかけカレーうどん、とでも言うべきだろう。カレーうどんを食べた気がしなかったが、他のテーブルを見てみると大学の事務の方などはおいしそうに食べていた。

 さて、帰路についてからしばらく車で走っていると「吉之元小学校」という看板が目に入った。小高い丘の上に校舎が見える。人口が少ない地域の小学校は、こじんまりとしていてそしてのどかな風景のなかにある。自分もこんな学校に通いたかったなあ、などと思いながらついついカメラを向けてしまう。学校の向こうには霧島山がせまり(写真上)、校庭も落ち着いた雰囲気が良い(写真中)。学校のHPを見ると全校生徒はわずか16名。校舎は3階建てだから、昔はもっと児童数が多かったのだろう。
 近くの道沿いにはこんな看板まであった(写真下)。サルやイノシシはうちの近所にも出没するが、さすがにシカはいない。

(写真/E-3  14-54ミリズーム)新開 孝

霧島山のミヤマキリシマ 2008/05/21
 今日は霧島山に登ってみた。ミヤマキリシマの撮影にあたって下見をしておくのが目的だった。霧島山といっても多数の山からなり、そこを巡るルートもいろいろあってミヤマキリシマを撮影するにはどこが良いのか、それを現地で見ておく必要がある。世の中にはさまざまな情報が溢れているが、結局のところは自分の目で見なければ何事も始まらない。

 毎日のように庭から眺めてきた霧島山だが、その霧島山に登るのは今回が初めて。さて、どこのルートにしようかと車を走らせてみたところ、間違って高千穂川原の駐車場に入ってしまった。ほんとうはえびの高原方面に向かうつもりだったのだが、、、。しかし駐車料金は410円。入ってしまったからには勿体ないので、高千穂峰を目指してみることにした。案内板を見ればミヤマキリシマ群落地点などもあるようなので、ともかく出発だ。
 いつものカメラザックの仕切りを全部取っ払い、そこへハイビジョンビデオカメラHDR-FX1を収納する。このカメラザックはOLYMPUSのEシステム専用のものだが仕切りをはずしてみると、ゴミがたくさん出て来た。カメラザックは少なくとも週に一度くらいは掃除しなければいけない、と反省する。
 今回は下見とはいっても花の様子しだいでは本番撮影も想定しているので、ビデオ三脚も担いで登った。これが重くて厄介だ。

 高千穂峰への道は、樹林を抜けるとたちまち火山礫の険しい急峻な道となる。それまでは石畳の道でいかにも素人向きなのだが、この急変には初めての人は戸惑うだろう。火山礫の斜面はトレッキングシューズなど本格的な登山靴でないと脚を痛めそうだ。場所によってはズルズル滑って危険だ。

 休み休み喘ぎながらゆっくり慎重に登っていると、上から降りて来たおじさんが、私の姿を見て、
 「そんな重そうなもの担いで、兄さん大丈夫かい!ええ。なんだろうね、たいへんそうじゃねえか。ほんとに大丈夫かい!!」とべらんめえ調に声を掛けてくれた。

 「オレはよう、水筒ひとつで身軽だけどよお〜、お前さんそりゃあ、ないぜ!」
 「ええ?仕事ですってか!こりゃあおったまげたね。ご苦労なこって。」
 「オレはよう、園芸の仕事やってからよ、そういう目でしか見ないけれどよ、写真家ってのは、やっぱりこういう自然も見方が違うんだろうなあ、兄さん。ここに来る前には屋久島の宮ノ浦を縦走してきたんだけど、二日間とも雨降らずで良かったよお。」
 「なに?毎年来てるかだって!よしてくれよ、こちとら東京住まいだぜ、そんなしょっちゅう来れないよ。今日だって仕事さぼって来てんのよ。今晩は帰るけどね。まあ、がんばってなあ。」

 そのような会話もまた楽しい。御鉢の火口縁(写真上)でお弁当を食べていたおばさんともしばらく話し込んでしまった。

 「こんにちわ。」こんどは大阪弁だ。
 「私はね、姫路に嫁入りしたんだけど、生まれは大分なんですわ。」
 「いろいろあってね、それでも霧島山と阿蘇山、そして指宿が大好きでね、こっちに戻ってくると必ず登るんやわ。ええ、アンタ宮崎に引っ越してきたん!そんな思い切ったこと、うちらようできへんわ。でもそれはエエなあ。」
 「ミヤマキリシマはまだ遅れているみたいやなあ。そにしてもなあ、ほら、あそこの中岳なあ、昔はなあ、いっつも噴煙が登っていたんやでえ。それが今はな全然ないんや。これは噴火が近いんと違うのかいなあ。ほんま恐いわあ。」

 九州に来てからこういった具合に、すぐに打ち解けて会話する機会があきらかに増えた。

 肝心のミヤマキリシマだが、御鉢の西側斜面ではかなりまとまった群落を見ることができた(写真中)。ここの群落は霧島山のなかでももっとも急峻な場所かもしれない。ここより少し標高が上がるとまだ蕾みの段階が多い。
 最初は撮影を諦めかけていたが登山ルートからそれてみると、その急峻な斜面の群落を撮影するポイントに出ることができた。もっともそこから別ルートを辿って正規登山道に戻ろうとすると、途中たいへんな薮こぎせをねばならず、ズボンは破れる、腕はかすり傷だらけとなってしまった。

 今日はミヤマキリシマの開花状態のこともあって、標高1200メートルほどの御鉢で引き返し、高千穂峰(1574メートル)までは登らなかった。それにしてもこういった高標高の自然環境には、心なごむ。それはなぜだろう?

 広大な照葉樹林の樹海を目の前にして、昔憧れていたこの霧島山にようやく辿り着いたのだなあ、と感慨深いものがあった(写真下)。

(写真上/E-3  魚眼8ミリ) 
(写真中、下/ E-3   14-54ミリズーム)

 
新開 孝

せっかちなのか?几帳面なのか? 2008/05/20
 今シーズンに入ってからのハキリバチの活動は早く、すでに4月の上旬頃には庭木の葉っぱに切り跡が見られた。そこで先月の終わりころには慌てて竹筒アパートの更新をしたのであった。
 
 さて先日から、ハキリバチの一種が電気メーター箱(写真上)の底面にある通気口を出入りしている。けったいな場所を巣に選んでしまったものだと思ったが、ハキリバチにしてみれば、人工物であろうが自然物であろうがそんなことは関係ないのだろう。育児室をこしらえる空間さえあれば、それで良いのだ。

 しかし、通気口は地面に向いて空いており、その表面は滑り易いようだ。巣穴を出入りするには垂直上昇する必要がある。そのためか葉っぱを抱えて戻って来ても(写真中)、なかなか巣穴に入れずになんどもホバリングを繰り返すことが多い。しかもその挙げ句入れないと判断したのか、プイッと抱えていた葉っぱを捨てることがしばしばある。
 葉っぱを捨てたあとは、とりあえず手ぶらのまメーター箱の中に入って点検をしているようだ。地面に捨てられた切り葉はかなりの枚数が見つかり、古いものは茶色く枯れているものもある。

 巣が完成してハキリバチの出入りが見られなくなったら、電気メーター箱を開いてみて中の巣の様子を見てみるつもりだ。
 
新開 孝

さつま芋トラップ 2008/05/19(その2)
 先日、夕食の天ぷらにしようと土中に保存してあったさつま芋を掘り出してみた。ところがさつま芋は全部腐っており、手で掴むとグズグズに崩れてしまうほど。発酵臭もかなりのもので、できそこないの焼酎みたいだ。
 しかしこれは昆虫トラップとして活用できるので、昨日から林の縁の朽ち木台に置いてみた。

 さっそくやって来たのはサトキマダラヒカゲとクロヒカゲ。クロヒカゲは体の大きいサトキマダラヒカゲに追い出されてしまうことが多い。しかし、今朝はコムラサキとゴマダラチョウが来ており(写真上)、サトキマダラヒカゲが追い出される番となった。

 コムラサキ(写真中、下)がうちの林に姿を見せたのは今日が初めて。樹液レストランがもっと賑わってくるころ、このコムラサキはまた再びやって来るだろうか。ゴマダラチョウ、スミナガシ、そしてカブトムシ、ノコギリクワガタ、スズメバチなどといろんな顔ぶれが勢揃いして『樹液亭』が盛り上がって欲しい!

(写真上、中/E-3  シグマ105ミリマクロ)
(写真下/EOSキッスデジタルN 超深度広角レンズ使用)
新開 孝

スミナガシ春型 2008/05/19(その1)
 居間の窓からよく見えるクヌギの『樹液亭』は、ここ数日、閉店してしまったように静かだった。ときおりクロヒカゲがふらりと立ち寄っていくが、どこかの樹液酒場から追い出されたのだろう。しばらくウロウロしたあとで去っていく。

 ところが今朝の『樹液亭』では、スミナガシがおいしそうに食事をしていた。スミナガシの飛来は今シーズンに入って初めて(写真上)。
 昨日のこと立ち寄ってくれたW君には、「もうすぐしたらスミナガシも来るはずだよ。」と話したばかりだ。W君は小学6年生。とくにチョウが好きなようだ。お母さんと一緒にうちの近所までゴマダラチョウを採集しに来たそうだが、スミナガシをぜひ採集してみたいと目を輝せていた。

 (写真/EOSキッスデジタルN  超深度広角レンズ使用)


 久々に「超深度広角レンズ」を使ってみた。『虫の眼レンズ』とも呼ばれるが、まあ呼び方などはどうでも良い。どういう場面でこのレンズを活用するか、そこが大事なポイントとなる。
 あいにく曇り空の下とあって、背景が暗くなってしまうのが残念。ヤグルマギクで吸蜜していたモンシロチョウのメスはここ2、3日の間に羽化した新鮮な個体(写真中)。お尻の角度から見た姿がちょっと面白いと思ったが、その見た目通りの印象を誇張して再現できるのが「超深度広角レンズ」の特徴の一つ。
 
 シュンギクの茎にはヒゲナガアブラムシの一種が群れていた(写真下)。普段は食材としての春菊しか接していないが、花を咲かせた姿を見るとずいぶんとイメージが違ってくる。食材として味わったあとは、花を鑑賞できるわけだ。新開 孝

子育ては念入りに 2008/05/18(その2)
 ススキなどの葉っぱをちまき型に閉じて、その中に卵塊を隠すクモは何種類かいる。ちまき型の産室内にメス親が残る場合とそうではない場合とがあり、今朝見つけた産室は後者であった。

  それにしても今朝見つけた産室は、いかにも念入りな施錠を施されている。海外旅行用のでっかいボストンバックに、用心のため太いベルトを巻き付けている光景をテレビなどでよく見るが、まさにそれではないか。

 一枚の葉っぱを巧みに折り曲げて産室を作る技をなんとか見てみたいものだが、そういった作業は大概、夜間に行なわれるので晩酌もほどほどにせねばならない。

(写真/E-3 35ミリマクロ+2倍テレコン)

新開 孝

ノビルは、いろいろ伸びる 2008/05/18(その2)
 畦道の草原にはノビルが多い。葉っぱにはネギの香りがあり、球状の地下茎も食べられる。

 ノビルの花穂にはむかごをつける場合もおおい(写真上)。写真中は花の蕾みだが、蕾みをつける株は今のところたいへん少ない。

 ノビルの横では、ジョウカイボンが葉裏の寝床で朝を迎えていた(写真下)。

(写真/E-3   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

アシナガバチにそっくり! 2008/05/17(その1)
 午前中はわが家の敷地に接するコナラ林とクリ林で昆虫観察の時間を過ごした。

 コガネムシの姿もかなり増えてきたが、最盛期はまだまだ先のこと。クリの梢ではコガネムシも見かけるが、小柄なコイチャコガネの方が多い(写真上)。写真の3段重ねは、画面下2段がオス。オスはメスのことしか目に入らないようで、自分の下に別のオスが居ようとまるでおかまい無しなのだろうか?
 
 クリ林の明るい草地ではデガシラバエ科の一種を見つけた。姿はアシナガバチそっくりだ。調べてみると本種はよく知られているフトハチモドキバエとはあきらかに違う。この仲間のデガシラバエ幼虫はコガネムシ類の成虫に内部寄生するようだが、その詳しい生態はよくわかっていない。
本種は、オオハチモドキバエ、のようだ。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

ヒゲナガサシガメ 2008/05/17(その2)
 本種の和名はなんとも平凡過ぎるが、実際に目にするこのサシガメはたいへん美しい姿をしている。しかもかなり稀なサシガメのようだ。近くの桝安森林公園で、ファーブルさんがアジサイの葉裏に止まっていた本種を見つけられた。

 私が本種を撮影したのはかなり昔のことで、愛媛県の成川渓谷で夜の灯りに飛来した個体だった。そのときには他に飛来した小さな蛾を吸血していた。どうも夜行性らしく、昼間はこうして木の梢などでおとなしく休んでいるのだろう。だから普段はあまり目に触れる機会が少ないのかもしれない。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

トビケラの蛹 2008/05/16(その1)
 今日は鹿児島県、財部町にある大川原峡に行ってみた。
 時期としてはミズバチ類の成虫が現れるころ。そのミズバチが見れるかもしれない、という期待もあったからだ。

 ミズバチは、渓流の水中に生息するトビケラ幼虫に寄生するという、たいへん変わった習性をもつ。このミズバチの水中産卵行動など生態写真を日本で初めて発表したのは、昆虫写真家の藤丸篤夫さん。藤丸さんはハンミョウ幼虫に寄生するホソツヤアリバチなど他、多数のハチ類の生態写真を手掛けている。

 さて、大川原峡の流れを見ていくと、トビケラ類の巣が多数ありその密度の高さにはあらためて驚く。またサナエ類の羽化殻も3種類ほど見られ、ミヤマカワトンボも多い。小型のサナエのヤゴが羽化場所を探していたのだろうか?落ち葉に這い登っていた(写真上)。

 小石を綴り合わせた3センチほどのトビケラ巣が多く、巣を剥がしてみると中に蛹が入っていた(写真中/下)。巣は狭い場所の流れにあって、がっちりと岩盤や大石に貼付いている。流れと水面の反射のせいで巣は肉眼では見づらいが、手探りで次々と見つけることができる。残念ながらミズバチの成虫はいなかったが、ここでは水生昆虫がたいへん多いから今後の観察が楽しみだ。

 同行したファーブルさんは、カシオのEX-F1でミヤマカワトンボの飛び立ちの高速度撮影を試みた。撮影した画像をさっそく見てみると、これはなかなか面白い。ミヤマカワトンボの翅の動きがスローモーションでよく見える。このような高速度撮影は、以前なら大掛かりなカメラ装置が必要だったが、カシオのEX-F1はコンパクトなデジカメ。このカメラの主機能は高速連写撮影だが、動画撮影の画質もかなり良いようだ。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝
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