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シロマダラとジャコウアゲハ 2008/05/16(その2)
 大川原峡を午前中いっぱいで切り上げ、次に都城市の母智丘公園(もちお)に移動してみた。

 ノアザミが斜面にたくさん咲いており、コアオハナムグリの姿も多い。ここでもさっそくカシオのEX-F1を使って高速度撮影にチャレンジ。虫が飛び立つ瞬間などは、撮影者以外に手助けがあった方が効率が良い。私がコアオハナムグリをくすぐって飛び立たせてみた。きっちり閉じた前翅の下からうしろ翅が開いて、それをはばたかせる様子もよくわかる動画が撮れた。
 
 スギの樹肌がめくれかけていたのでそっと剥がしていると、いきなりヘビが現れてびっくりした(写真上)。シロマダラの幼蛇だ。シロマダラの大人はまだ一度も見たことが無く、こどもを見るのも今回で2度目。このヘビは夜行性なのだろうか?

 ファーブルさんは、カシオEX-F1に自作の低視点高虫の眼レンズを取り付け、シロマダラの表情を動画撮影してみた(写真中)。20センチほどの小さな体だが、シロマダラは尻尾を小刻みに振るわせながら、果敢にもレンズに飛びかかってくる。どうやらレンズに巻き付けてある白いテープを標的にしているらしい。

 朽ち木にあいた多数の穴には、ギングチバチの一種がさかんに出入りしていた。ハチが抱えて持って帰った獲物は、ハナアブの一種。獲物を抱えた写真はピンぼけで失敗したが、ファーブルさんが巣穴に獲物を抱えて飛び込む瞬間を高速度撮影で捉えた。なんとか獲物を抱えたところを写真撮影しようと粘ってみたが、その後は手ぶらで戻って来るハチばかり。

 時間切れで引き揚げようとしたとき、朽ち木の近くでウマノスズクサのちょっとした群落を見つけた。まだ小さな株ばかりだったが、ジャコウアゲハの若齢幼虫が多数ついていた(写真下)新開 孝

砂浜の昆虫 2008/05/15
 はるばるフランスからお客さんがみえた。「ボンジュール!」その名もファーブルさん!
宮崎空港で出迎えそのまま日南海岸へと向かった。車中でお話しながら移動しているうちにいつのまにか日南市の見慣れた海岸林に来ていた。そこで車を降りて海を眺めながらコンビニ弁当で昼食をとった。海からくる風は強かったが、その潮の香りが心地良い。

 さて、目的の海岸までさらに南下して、いよいよ砂浜の昆虫観察だ。今日の目的はイカリモンハンミョウだったが、最初に飛んで逃げた一匹を見ただけで、その後はまったく見つけることができなかった。どうやら発生時期はもう少し先のようだ。
 砂浜の波打ち際では死んだり弱ったりした昆虫が何種類か見つかった。サラサヤンマ、ミナミアオカメムシ、ムシヒキアブの一種、そして写真のホシベニカミキリ。ホシベニカミキリはびっしょり濡れたまま歩いていた。しかしこの場違いな砂浜になぜ難着陸してしまったのだろうか?強い潮風のせいだろうか?

 海岸林に近い斜面には長い足跡が続いていた(写真下)。
これはヒョウタンゴミムシ類の歩いた跡だ。ファーブルさんによると、オオヒョウタンゴミムシではなく、オオヒョウタンゴミムシはもっと大きいとのこと。

 じつはファーブルさんは日本人。 『南仏自然観察館』 というホームページをご存知の方も多いかと思うが、南仏に5年前、家族とともに移住なさってそこで暮らしている。しかも昆虫観察や撮影をたいへん熱心に行なわれており、虫の眼レンズを工夫しての強烈な写真、映像を次々と発表なさっている。
 今回は仕事の関係で一時帰国しており、うちにまで立ち寄ってくれたわけだ。ファーブルさんは来日してすぐに購入したカシオのEX-F1という高速度撮影ができるデジカメを携えていた。が、しかし今日のところはまだ活躍するチャンスがなかった。どんな面白い写真が撮れるか楽しみだ。

(写真/ E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

モンシロチョウ夏型 2008/05/14
 少し前まではモンシロチョウの姿がガタッと減少していたが、このところふたたびモンシロチョウが舞うようになった。彼らの一部は私が植えたキャベツをボロボロに暴食して育った世代であるはずだ。近所にまとまったキャベツ畑がないせいか、我が菜園のキャベツは小さいうちから卵だらけとなり、やがて青虫と穴ぼこだらけとなっていた。

 午後5時半。レンゲの花で吸蜜していたメスは、ごく最近羽化した新鮮な個体だ(写真上)。気温が低くなってきたせいか動きは遅い。ねぐらにつく前に腹ごしらえというわけだろうか。
 ノアザミで交尾していたカップルも若い(写真下)。こちらは午前中に撮影。

 近所にはキャベツ畑がない!?それではと車で走ってみた。すると5分と掛からぬ畑の片隅で一列10株というささやかなキャベツ畑を発見できたのは、1週間程前のことだった。そこではモンシロチョウの卵から終令幼虫までセットで見ることができた。うちの近辺ではその頃すでに幼虫期はほぼ終わっているから、発見できた畑はかなり出足が遅いようだ。モンシロチョウの世代交替もこうして場所によっては微妙にずれているから、その結果大きなエリアで見れば年中ダラダラと発生していることになってしまう。


(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

駆け足の春(その2) 2008/05/13
 長時間の運転のあとは腰が痛む。午後5時すぎころ犬の散歩に出てみた。歩くと痛みも鎮まる。

 田んぼのキツネアザミはすでに花盛りも過ぎ、種子の白い綿毛がよく目立つようになった(写真上)。チガヤの花穂も次々と開花が進み、白くて細長い穂がちらほら増えてきている。チガヤの穂はキツネの尻尾のようにも見える。カヤネズミの巣作りではこの柔らかい穂を使って産座を設えるそうだ。

 キツネアザミと入れ替わるようにして花が目立ってきたのは、ノアザミ(写真中)。ノアザミの蕾みや花の姿には力強さを感じる。葉っぱには触ると痛い刺が多いから、その力強い印象をより強めるのだろう。
 ノアザミは花期も長いうえ、訪れる昆虫の種類も多い。よく見かけるのがモンキチョウだが、大柄なカラスアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハそしてアオスジアゲハなども、ノアザミの赤い花にはよく似合う気がする。

 畦道に沿ってカラムシの群落も元気に葉を広げている。夕陽の逆光を透かしてみれば、もうラミーカミキリが活動していた(写真下)。

(写真/E-3  シグマ105ミリマクロ)新開 孝

駆け足の春(その1) 2008/05/13
 大分市内を出たのは午前9時前。少し迷ったが一般道をひたすら南下して、延岡経由で帰宅することにしてみた。

 途中、延岡市内の愛宕山にでも寄ってみたかったが、そうすると帰宅時刻が夜遅くになってしまう。どうせなら、じっくりと虫探しをしたいので今日は止めておくことにした。
 愛宕山にはベニツチカメムシが生息している。国道を走りながら車窓からその愛宕山が見えた。鬱蒼とした照葉樹林に山全体がおおわれており、いかにも自然が豊そうだ。
 延岡から先は海岸線に近い国道10号線で、平地の道が延々と続く。日向まで下って見えてきた海はたいへん時化ており、高波がおおきくうねっていた。
 宮崎県は全国の中でも道路整備が一番遅れていると言われているが、とくにこの県西部の南北を結ぶ主要道路の高速道路化が大きな課題だろう。九州の高速道路網を見渡すと、宮崎県の途中でプツンと途切れており、九州内を大きく南北に移動するときには高速道路が整備された熊本県側を走る必要がある。
 何でも便利になる方向へと進むのが世の常だが、ま、のんびり走るのもたまには良い。遅かれ早かれ良いも悪いも関係なく、いづれ九州内の高速道路網もしだいに延長整備されていくはずだ。

 うちに着いたのは午後2時半。日射しはたいへん強い。敷地のクヌギでは樹液レストランが開業中。昨年とほぼ同じ場所で樹液が出始めたようだ。
 

(写真/E-3 50-200ミリズーム  /ゴマダラチョウとサトキマダラヒカゲ)
新開 孝

阿蘇山のオオルリシジミ 2008/05/13
 昨日は阿蘇山に赴き、オオルリシジミのビデオ撮影を行なった。
 現地では日射しも強かったが、風が強く次々と雲も流れてくる。そのたびに大きな影ができて、撮影はたびたび中断しなければならなかった。

 肝心のオオルリシジミは、午前中にわずか1匹のオスを見たのみ。そこで午前中は風景やクララの撮影を優先して行なった。昼過ぎになってようやくクララ上で交尾中のカップルを見つけた。しかもそこへ別のオスがやって来て、さかんにまとわりつくように飛翔し始めた。さっそくカメラを三脚に載せようとした途端、オスは飛び去り、しかも交尾ペアまで風に流されるように姿を消してしまった。
 ともかく風のせいか飛翔する個体は少ない。そこでクララの生えているところを重点的に歩き回ることにした。そうしているうちにポツポツと静止しているオスやメスを見つけることができた。それにしても個体数は少ない。

 午後2時を過ぎたころからわずかに風も弱まり、クララの頂点で休んでいるメスの姿も少しずつ増えてきた。新鮮なオスの日光浴の姿も撮影できた。
 オスが翅を広げた姿を見るのは今回が初めてだが、撮影できたのはビデオのみ。写真のほうはメスしか撮れなかった。

(写真上/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン/ツクシシオガマで吸蜜するメス)
(写真中/E-3  8ミリ魚眼/ツクシシオガマ)
(写真下/E-3 8ミリ魚眼/クララ上で交尾するオオルリシジミ)

    ※撮影日は全て、5月12日。場所は阿蘇山、南阿蘇村。

 オオルリシジミの撮影を終えたあとは、阿蘇神社経由で大分市内へと移動。知り合いの方のお宅に到着したのは午後7時前ころ。さて、それからは楽しい酒盛り!

 
 新開 孝

セグロアシナガバチの女王 2008/05/11
 去年は庭や私の林内でキボシアシナガバチの営巣が多く見られた。
今年はできるだけ早めにアシナガバチ類の初期巣を見つけておきたいので、毎日気をつけてはいる。

 一昨日は偶然、玄関前の植え込みでセグロアシナガバチの初期巣を見つけた(写真上)。すでに独房が6部屋あって、卵もそれぞれに産みつけられていた(写真下)。単独女王が巣の拡張工事や卵の世話につきっきりだ。
 うちにはキアシナバチもよくやって来るが、セグロ、キアシ両者共に初期巣の段階で巣を放棄してしまう例がたいへん多い。

 その理由の多くは、アシナガバチ類を獲物とするヒメスズメバチの脅威によるものだろう。

(写真/E-500  シグマ105ミリマクロ)

 昨夜は室内撮影で徹夜だったが、今朝の早朝4時過ぎに地震があった。ここ宮崎県三股町に引っ越して来て1年と1ヶ月間ほどだが、体感できる地震としては初体験だ。徹夜したせいで今日一日がたいへん長く感じられる。

 明日はまた、阿蘇山に赴く。
新開 孝

ニジュウヤホシテントウとクチブトカメムシ 2008/05/09(その2)
 うちの菜園に植えてあるジャガイモには多数のニジュウヤホシテントウが集まっている。ニジュウヤホシテントウは、ジャガイモを植える以前から敷地内のイヌホオズキによく着いていたが、ジャガイモという御馳走を見逃すはずがない。

 朝の犬の散歩から戻って仕事部屋の西側の斜面に登ってみれば、なんとクチブトカメムシがニジュウヤホシテントウを吸血していた。イヌホオズキの葉っぱを食べていたニジュウヤホシテントウが獲物となったのだ。クチブトカメムシの通常の獲物はチョウやガの幼虫など芋虫のことが多い。だからちょっと意外な気がした。

 したがって、菜園のジャガイモ畑にこのクチブトカメムシを移しておいたとしても、ほぼ間違いなくニジュウヤホシテントウの駆除には役立たないだろう。そう思ってみると、ニジュウヤホシテントウの天敵とはなんだろうと?と気になってきた。

(写真/E-3 50ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

イトトンボの羽化 2008/05/09(その1)
 仕事部屋のすぐ脇に置いてある睡蓮鉢で、イトトンボの一種のヤゴが上陸していた。ヤゴは睡蓮鉢の縁にしばらく静止していたが、そのうち歩き出して縁に接していたススキの葉っぱに登って定位した(写真上)。

 午前8時26分に羽化脱皮が始まり(写真中)、体が抜け切ってさらに翅が伸展し終えたのが午前9時半ころ(写真下)。ここからさらに処女飛行に飛び立つまでに2時間かかった。この飛び立つ瞬間も撮影したかったのだが、他の昆虫の観察も平行してせねばならず、叶わなかった。が、しかしその瞬間を見ることだけはできた。

 ヤゴの尾鰓の形や体長から、本種はアオモンイトトンボあたりだろか?まだ睡蓮鉢のなかにはヤゴがいるので、ヤゴをしっかりと観察すれば種名も判明するのだが、今日はともかく撮影やその予備観察に追われる一日だった。そして撮影はまだ深夜まで続く予定。

(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

ハラビロトンボの額 2008/05/08(その2)
 午前11時過ぎ。玄関前の植え込みにハラビロトンボの成熟オスが止まっていた。

 午後4時45分頃。今度は谷津田の畦道の草むらで未熟なオスを見つけた(写真上)。

 これまでハラビロトンボはあちこちで数多く見ているが、今日は額が綺麗な青色を帯びていることに初めて気付いた(写真下)。

(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン、内蔵ストロボ使用)新開 孝

覆面レスラー 2008/05/08(その1)
 プロレスに熱を上げたのは中学生の頃まで。特にメキシコの覆面レスラー、ミルマスカラスの試合は見逃せなかった。「千の顔を持つ男」と称され、その華麗な覆面は数多く披露された。派手なタイツとそしてマントを広げ、宙を舞うようにリングに登場する姿もじつに格好良かった!

 マスカラスの人気は華麗な仮面や姿だけではない。リング上での空中殺法、あるいは巧みな寝技など、様々な技をたいへんリズミカルに繰り出して、観る側を飽きさせなかった。そして、絶対に反則技を使わずルールに忠実であり、悪役レスラーをこらしめる、いわゆる正義の見方なのであった。

 ところが、身が軽いということもあってか、意外と打たれ弱い面もあった。パンチやキックをもろに受けると、すぐにでんぐり返ってしまう。もっともそのへんも計算尽くめのようでで、かなりオーバーアクションをしていた。外人レスラーは日本人レスラーに比べて、痛手をオーバーアクションする傾向が強かったが、マスカラスも例外ではなかったようだ。

 前置きが長くなったが、ナナホシテントウの蛹を集めて眺めていると、それはまさに覆面レスラーなのであった。千の顔ほどにバリエーションが揃うとは思えないが、この面々の違いにはそれなりに意味があるようだ。

 

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン) 新開 孝

猫顔 2008/05/07
 散歩の途中、メダケの花が開花しているのに気付いた。あたり一面というわけではなく、そこの株だけのようだ。ササ類の開花は珍しくはなく、毎年どこかで見かけるが、それでも大規模な一斉開花というのは、まだ見たことが無い。

 メダケの花を撮影していると、やけに虫喰いのあとがある葉っぱが目に入った。葉っぱを裏返してみると、大きなヒメジャノメ幼虫が隠れていた。体長は3センチ以上ある終令幼虫だ。胴体は褐色型だったが、ヒメジャノメ幼虫は緑色型のほうが多いようだ。しかし体色が緑色か褐色かを問わず、頭部の色はみな写真のような褐色となっているのも面白い。

 そういえば、4月25日に紹介したクロヒカゲ幼虫は昨日、蛹になっていた。

(写真/E-500   50ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 昨日から、仕事部屋のすぐ脇に網部屋を設置する作業を行なってきた。この網部屋はビニールハウス用のフレームを組んだもので、以前にハチの撮影で使ったものだ。今回はこれをコンクリート地面にしっかりと固定して、しばらく常設することにした。この網部屋では、クモの巣作りの様子を撮影するのが目的だ。

 18年くらい前だったか、狭いアパートの部屋でコガネグモの巣作りの撮影を試みたことがあった。ずいぶんと待たされたが、それでもようやく巣作りを始めてくれたときには、ほんとうに嬉しかった。しかし、しばらくして様子がおかしいことに気付いた。巣網の形が段々といびつになってきて、ついには巣作りを止めてしまったのであった。初めての試みは失敗に終わったのだ。
 その数年後、クモの専門家の方に伺った話では、クモの巣網作りは野外でないとまず無理だ、ということだった。そんな初歩的なことも知らず、がむしゃらに撮影しようとした私は、いかにも未熟だったのだ。ともかく人の写真を見ては、自分も挑戦してみたくなって次々と真似事をしていた時期があったわけだ。

 網部屋の位置は敷地北側の道路に面しているため、作業中には近所の農家の方たちがときおり不思議そうな顔をしては通り過ぎていく。
 「今度は、なにができるんと?」
 そういう質問を受けては、大声を張り上げて簡単ながらきちんと説明をせねばならない。

 「この中で!虫の撮影しまあ〜す!!皆さんのやり方とは逆ですね!ハハハ」

 「ご苦労なこってすね。」(笑)

  
新開 孝

寝姿 2008/05/06(その2)
 朝の畦道で見つけたのが、トガリハナバチの一種。

 本種の寝姿はこのように口で草を噛んで体を支えている。人の感覚からすれば、とてもしんどそうな姿勢に思えるが、どうやらトガリハナバチの仲間はこれが一番リラックスできるようだ。

 近づいて撮影しているうちに、ハチはグイッとお尻を下方に曲げ産卵管をニョキッと出した。こちらの気配に気付き、「刺すわよ!」との警告のつもりだろうか。ハナバチ類も手で掴んだりするとチクリと刺される。これはけっこう痛い。
可愛い顔して、なんてことするんだ!なんて怒っても仕方が無い。むこうは生死がかかっているのだから。

(写真/E-500  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

庭の虫 2008/05/06(その1)
 庭先の地面からふわりと舞い上がったのはキイロサナエ(写真上)。 サナエ類のなかでは中型のトンボだ。先日はカワトンボを見かけたが、撮影できなかった。これはまた逃げられたか、と急いでカメラを持って引き返してみたら、すぐ近くに舞い降りていた。
 仕事部屋の西側に置いてある睡蓮鉢の縁には、イトトンボ類のヤゴの羽化殻が二つ見つかった。これも近々、羽化の現場を撮影し種名を確認したいところだ。

 その睡蓮鉢ではヤマトヤブカが産卵に来ていたので、その様子を撮影していたら、ハネカクシの一種も現れた(写真下)。一瞬、交尾している小甲虫かと見間違えた。
 睡蓮鉢もようやくホームセンターなどの売り場に出始めたので、あと数個は買い求めて庭に設置したいものだ。小さな睡蓮鉢の水環境であっても、さまざまな昆虫が集まり、そこで生活を営む。さらにはそこに魚でも泳がせれば、カワセミやあるいはアカショウビンなどがやって来はしないだろうか?


 ※ 写真のハネカクシは、モンクロアリノスハネカクシあたりではないか、というご指摘をいただきました。本種はヒゲブトハネカクシ亜科に属し、このグループにはアリやシロアリと共生関係にあるものも多く、日本では250種記録されています。モンクロアリノスハネカクシの体長は約6ミリ。
 写真の個体はしばらく佇んでいたあと、画面奥に向かって飛び立っていきました。小さく折り畳んだ後ろ翅を拡げる瞬間を撮影できると思い、ねらってみましたが、前翅が開いた瞬間には後ろ翅は全速ではばたいており、写ったカットにはフワリと浮き上がった姿でした。もちろんピントはお尻にしかなく、ボツ写真でした。

 今回の記事をアップした際、うっかりと「シリアゲムシの一種」と書き込んでしまいました。翌朝になって自分の間違いに気付きすぐに訂正しましたが、たしかに本種の姿は「尻あげ」です。なんでこんな格好するのでしょうか?
(写真上/E-500  50-200ミリズーム)
(写真下/E-500  シグマ105ミリマクロ)
新開 孝
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