| 5月1日に産卵されたニホンホホビロコメツキモドキの卵が、今日ふ化した(写真上)。 なんと卵期間はわずかに4日間。1週間以内との予想は適中したことになる。それにしても早い。卵は室内に持ち込んだので、野外での状況とは少し違うかもしれないが、卵期間がきわめて短いことは間違いないだろう。
もう少し卵を観察しておきたいので、今日はさらに真新しい産卵痕を見つけ、卵を数個、追加採集しておいた。 卵の産み付けられている位置はおよそわかったので、メダケを割るのは止めてノコギリでギリギリの位置まで切リ詰める方法にしてみた。卵がメダケ内壁に付着している場所は、産卵痕を中心とする半径3〜6ミリの円内域である。メス親の産卵管が伸びる限界値がその辺りのようだ。 今日入手できた卵はすでに発生が進行しており、ふ化日が間近と思われる(写真中)。
ニホンホホビロコメツキモドキの卵のふ化率はたいへん高いのではないか、とも思える。まずこれだけ卵期間が短ければ、例えば寄生バチが産卵するのも難しいだろう。 ただし、ちょっと気に掛かる卵もあった。それは竹筒内壁にベタリとくっついた卵が1例あったのだが、どうも様子がおかしい。卵表面がブヨッとしていて、これはふ化できないだろうと思えた。 通常、卵の姿勢はバナナのごとく反り返った姿で、竹筒内に一端のみで付着している。このような起立した格好で卵が産み付けられる理由とはなんだろうか?
それともう一点。前にも書いたが、産卵痕は一つの節に一個というのが原則となっている。しかし稀に2箇所ダブって付いていることもある。今日はそういう重複産卵痕を3例見つけた。しかし、そういう重複産卵痕の節内ではいづれも卵が見つかっていない。これも不思議だ。もちろん幼虫がふ化して早くふ化したほうが片方の卵を食べてしまうという可能性もあるだろう。しかし、いくら探しても幼虫、卵とも見つからなかった。この点については、まだまだこれから観察を深める必要がある。
そして、今一つ本種の周年経過についてはよくわからない。 昨年の秋にメダケ内部で見つけた幼虫たちは、いまだに幼虫のまま過ごしているからだ。この幼虫たちが成虫になるのはいつ頃だろうか?一年に何世代、成虫は現れるのだろうか?
(写真/E-3 ズイコーマクロ80ミリ+オートベローズ)
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