| うちの敷地内ではシロハラをよく見かける。 ピョンピョンと地面を低くジャンプしながら移動しては、目ざとく獲物をついばんでいる。どんな獲物を食べているのか興味深いが、一瞬にして飲み込んでしまうからいくら双眼鏡で観察してもなかなか正体が掴めない。 そこでシロハラになったつもりで、しばらく地面に横たわってみれば意外といろんな小動物や虫の存在に気付く。もっともそんな暇なことできるかい!と言われてしまいそうだが、ともかくどこでもいい、草むらとかにゴロンとしばらく佇んでみれば、小さな生き物の世界が見えてくる。
シロハラはうちの敷地のあらゆる場所を餌場としているが、玄関先の庭の植え込みもお気に入りらしく、毎朝のように彼らと出会す。こちらは脅かすつもりはないのだが、庭をうろつけばすなわちシロハラをびっくりさせることになる。
(写真/E-330 8ミリ魚眼)
さて、今日の写真はどのようにして撮影したのかという説明を要するだろう。魚眼レンズを使っての鳥の接写撮影など通常は不可能に近いから、これは何か訳ありだと気付かれた方も多いと思う。
じつは早朝、犬の散歩から戻ってさて玄関に向かおうとしたそのとき、「ゴツン!!」と鈍い音がして、ふと足下を見ればシロハラが横たわっていたのである。 どうやらシロハラは私の姿に驚いてか、台所の出窓ガラスに衝突してしまったようなのである。 その衝撃はかなり強烈だったようで、今にも昇天しそうなくらいに弱り果てていた。しばらく様子を見てみたが、いづれにせよ台所の勝手口のすぐ前だから、このままではイカンだろうと移動を試みてみた。幸いそっと枯れ枝を差し出してみれば、うまくその枝に乗っかってくれる程度の元気を取り戻した。そこでそのままゆっくりと庭の木立へと移したのであった。そこは以前からシロハラたちのお気に入りの場所でもあるだろうからである。 ともかくも自力で枝に踏ん張ることができるのだから、ガラス窓にぶつかったダメージは大したことはなかったようだ。しばらくの間は呆然という表情のままじっと静止したままだったが、10分ほどしてからさすがに衝突のショックから立ち直り、一気に林へと飛び去っていった。
シロハラは冬鳥だから、いづれ彼らも北方へと帰っていく。 | |