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スッコン谷渓谷 2008/05/22
 霧島山へ通うなかで気に掛かっていたのがこの看板(写真上)。
「スッコン」とはどういう意味でついたのかわからないが、川岸は常緑樹林に覆われており、今日はこの怪しい渓谷へと降りてみた。

 するとさっそく現れたのがアオハダトンボのオス(写真中)。他にもミヤマカワトンボが多く、カワトンボも褐色翅型のオスが一匹だけ見られた。

 川床には甌穴が多数あって、そこが水溜まりとなりオタマジャクシが群れ泳いでいる。岩棚にはミソサザイの巣跡らしきものも見つかった(写真下)。
 「スッコン谷渓谷」は狭い渓谷で階段を降りたところはとても人臭くて好きにはなれない雰囲気だったが、アオハダトンボが出迎えてくれたことで気分を取り直すことができた。そう少し上流、下流へと歩いてみれば、けっこう面白そうな自然環境のようであった。

(写真上/E-330  14-54ミリズーム)
(写真中、下/E-3  50-200ミリズーム)新開 孝

小さな小学校(昨日を振り返って) 2008/05/22
 高千穂峰から下山して、もう午後3時だったが高千穂河原の店で遅い昼食をとった。出て来た肉うどんは、麺や具がこんもりと盛り上がっておりつゆが見えない。食べ進んでいくとようやくつゆに到達。ぶっかけうどんではないのにつゆが少ないというのはどういうことか。しかし、腹が減っていたので文句言う間もなく食べ終えてしまった。
 そういえば群馬大学の食堂で出てきたカレーうどんを思い出す。こちらはつゆがほぼない。カレールーに麺を絡めながら食べるのであったが、それが群馬のあたりでは当たり前らしい。ぶっかけカレーうどん、とでも言うべきだろう。カレーうどんを食べた気がしなかったが、他のテーブルを見てみると大学の事務の方などはおいしそうに食べていた。

 さて、帰路についてからしばらく車で走っていると「吉之元小学校」という看板が目に入った。小高い丘の上に校舎が見える。人口が少ない地域の小学校は、こじんまりとしていてそしてのどかな風景のなかにある。自分もこんな学校に通いたかったなあ、などと思いながらついついカメラを向けてしまう。学校の向こうには霧島山がせまり(写真上)、校庭も落ち着いた雰囲気が良い(写真中)。学校のHPを見ると全校生徒はわずか16名。校舎は3階建てだから、昔はもっと児童数が多かったのだろう。
 近くの道沿いにはこんな看板まであった(写真下)。サルやイノシシはうちの近所にも出没するが、さすがにシカはいない。

(写真/E-3  14-54ミリズーム)新開 孝

霧島山のミヤマキリシマ 2008/05/21
 今日は霧島山に登ってみた。ミヤマキリシマの撮影にあたって下見をしておくのが目的だった。霧島山といっても多数の山からなり、そこを巡るルートもいろいろあってミヤマキリシマを撮影するにはどこが良いのか、それを現地で見ておく必要がある。世の中にはさまざまな情報が溢れているが、結局のところは自分の目で見なければ何事も始まらない。

 毎日のように庭から眺めてきた霧島山だが、その霧島山に登るのは今回が初めて。さて、どこのルートにしようかと車を走らせてみたところ、間違って高千穂川原の駐車場に入ってしまった。ほんとうはえびの高原方面に向かうつもりだったのだが、、、。しかし駐車料金は410円。入ってしまったからには勿体ないので、高千穂峰を目指してみることにした。案内板を見ればミヤマキリシマ群落地点などもあるようなので、ともかく出発だ。
 いつものカメラザックの仕切りを全部取っ払い、そこへハイビジョンビデオカメラHDR-FX1を収納する。このカメラザックはOLYMPUSのEシステム専用のものだが仕切りをはずしてみると、ゴミがたくさん出て来た。カメラザックは少なくとも週に一度くらいは掃除しなければいけない、と反省する。
 今回は下見とはいっても花の様子しだいでは本番撮影も想定しているので、ビデオ三脚も担いで登った。これが重くて厄介だ。

 高千穂峰への道は、樹林を抜けるとたちまち火山礫の険しい急峻な道となる。それまでは石畳の道でいかにも素人向きなのだが、この急変には初めての人は戸惑うだろう。火山礫の斜面はトレッキングシューズなど本格的な登山靴でないと脚を痛めそうだ。場所によってはズルズル滑って危険だ。

 休み休み喘ぎながらゆっくり慎重に登っていると、上から降りて来たおじさんが、私の姿を見て、
 「そんな重そうなもの担いで、兄さん大丈夫かい!ええ。なんだろうね、たいへんそうじゃねえか。ほんとに大丈夫かい!!」とべらんめえ調に声を掛けてくれた。

 「オレはよう、水筒ひとつで身軽だけどよお〜、お前さんそりゃあ、ないぜ!」
 「ええ?仕事ですってか!こりゃあおったまげたね。ご苦労なこって。」
 「オレはよう、園芸の仕事やってからよ、そういう目でしか見ないけれどよ、写真家ってのは、やっぱりこういう自然も見方が違うんだろうなあ、兄さん。ここに来る前には屋久島の宮ノ浦を縦走してきたんだけど、二日間とも雨降らずで良かったよお。」
 「なに?毎年来てるかだって!よしてくれよ、こちとら東京住まいだぜ、そんなしょっちゅう来れないよ。今日だって仕事さぼって来てんのよ。今晩は帰るけどね。まあ、がんばってなあ。」

 そのような会話もまた楽しい。御鉢の火口縁(写真上)でお弁当を食べていたおばさんともしばらく話し込んでしまった。

 「こんにちわ。」こんどは大阪弁だ。
 「私はね、姫路に嫁入りしたんだけど、生まれは大分なんですわ。」
 「いろいろあってね、それでも霧島山と阿蘇山、そして指宿が大好きでね、こっちに戻ってくると必ず登るんやわ。ええ、アンタ宮崎に引っ越してきたん!そんな思い切ったこと、うちらようできへんわ。でもそれはエエなあ。」
 「ミヤマキリシマはまだ遅れているみたいやなあ。そにしてもなあ、ほら、あそこの中岳なあ、昔はなあ、いっつも噴煙が登っていたんやでえ。それが今はな全然ないんや。これは噴火が近いんと違うのかいなあ。ほんま恐いわあ。」

 九州に来てからこういった具合に、すぐに打ち解けて会話する機会があきらかに増えた。

 肝心のミヤマキリシマだが、御鉢の西側斜面ではかなりまとまった群落を見ることができた(写真中)。ここの群落は霧島山のなかでももっとも急峻な場所かもしれない。ここより少し標高が上がるとまだ蕾みの段階が多い。
 最初は撮影を諦めかけていたが登山ルートからそれてみると、その急峻な斜面の群落を撮影するポイントに出ることができた。もっともそこから別ルートを辿って正規登山道に戻ろうとすると、途中たいへんな薮こぎせをねばならず、ズボンは破れる、腕はかすり傷だらけとなってしまった。

 今日はミヤマキリシマの開花状態のこともあって、標高1200メートルほどの御鉢で引き返し、高千穂峰(1574メートル)までは登らなかった。それにしてもこういった高標高の自然環境には、心なごむ。それはなぜだろう?

 広大な照葉樹林の樹海を目の前にして、昔憧れていたこの霧島山にようやく辿り着いたのだなあ、と感慨深いものがあった(写真下)。

(写真上/E-3  魚眼8ミリ) 
(写真中、下/ E-3   14-54ミリズーム)

 
新開 孝

せっかちなのか?几帳面なのか? 2008/05/20
 今シーズンに入ってからのハキリバチの活動は早く、すでに4月の上旬頃には庭木の葉っぱに切り跡が見られた。そこで先月の終わりころには慌てて竹筒アパートの更新をしたのであった。
 
 さて先日から、ハキリバチの一種が電気メーター箱(写真上)の底面にある通気口を出入りしている。けったいな場所を巣に選んでしまったものだと思ったが、ハキリバチにしてみれば、人工物であろうが自然物であろうがそんなことは関係ないのだろう。育児室をこしらえる空間さえあれば、それで良いのだ。

 しかし、通気口は地面に向いて空いており、その表面は滑り易いようだ。巣穴を出入りするには垂直上昇する必要がある。そのためか葉っぱを抱えて戻って来ても(写真中)、なかなか巣穴に入れずになんどもホバリングを繰り返すことが多い。しかもその挙げ句入れないと判断したのか、プイッと抱えていた葉っぱを捨てることがしばしばある。
 葉っぱを捨てたあとは、とりあえず手ぶらのまメーター箱の中に入って点検をしているようだ。地面に捨てられた切り葉はかなりの枚数が見つかり、古いものは茶色く枯れているものもある。

 巣が完成してハキリバチの出入りが見られなくなったら、電気メーター箱を開いてみて中の巣の様子を見てみるつもりだ。
 
新開 孝

さつま芋トラップ 2008/05/19(その2)
 先日、夕食の天ぷらにしようと土中に保存してあったさつま芋を掘り出してみた。ところがさつま芋は全部腐っており、手で掴むとグズグズに崩れてしまうほど。発酵臭もかなりのもので、できそこないの焼酎みたいだ。
 しかしこれは昆虫トラップとして活用できるので、昨日から林の縁の朽ち木台に置いてみた。

 さっそくやって来たのはサトキマダラヒカゲとクロヒカゲ。クロヒカゲは体の大きいサトキマダラヒカゲに追い出されてしまうことが多い。しかし、今朝はコムラサキとゴマダラチョウが来ており(写真上)、サトキマダラヒカゲが追い出される番となった。

 コムラサキ(写真中、下)がうちの林に姿を見せたのは今日が初めて。樹液レストランがもっと賑わってくるころ、このコムラサキはまた再びやって来るだろうか。ゴマダラチョウ、スミナガシ、そしてカブトムシ、ノコギリクワガタ、スズメバチなどといろんな顔ぶれが勢揃いして『樹液亭』が盛り上がって欲しい!

(写真上、中/E-3  シグマ105ミリマクロ)
(写真下/EOSキッスデジタルN 超深度広角レンズ使用)
新開 孝

スミナガシ春型 2008/05/19(その1)
 居間の窓からよく見えるクヌギの『樹液亭』は、ここ数日、閉店してしまったように静かだった。ときおりクロヒカゲがふらりと立ち寄っていくが、どこかの樹液酒場から追い出されたのだろう。しばらくウロウロしたあとで去っていく。

 ところが今朝の『樹液亭』では、スミナガシがおいしそうに食事をしていた。スミナガシの飛来は今シーズンに入って初めて(写真上)。
 昨日のこと立ち寄ってくれたW君には、「もうすぐしたらスミナガシも来るはずだよ。」と話したばかりだ。W君は小学6年生。とくにチョウが好きなようだ。お母さんと一緒にうちの近所までゴマダラチョウを採集しに来たそうだが、スミナガシをぜひ採集してみたいと目を輝せていた。

 (写真/EOSキッスデジタルN  超深度広角レンズ使用)


 久々に「超深度広角レンズ」を使ってみた。『虫の眼レンズ』とも呼ばれるが、まあ呼び方などはどうでも良い。どういう場面でこのレンズを活用するか、そこが大事なポイントとなる。
 あいにく曇り空の下とあって、背景が暗くなってしまうのが残念。ヤグルマギクで吸蜜していたモンシロチョウのメスはここ2、3日の間に羽化した新鮮な個体(写真中)。お尻の角度から見た姿がちょっと面白いと思ったが、その見た目通りの印象を誇張して再現できるのが「超深度広角レンズ」の特徴の一つ。
 
 シュンギクの茎にはヒゲナガアブラムシの一種が群れていた(写真下)。普段は食材としての春菊しか接していないが、花を咲かせた姿を見るとずいぶんとイメージが違ってくる。食材として味わったあとは、花を鑑賞できるわけだ。新開 孝

子育ては念入りに 2008/05/18(その2)
 ススキなどの葉っぱをちまき型に閉じて、その中に卵塊を隠すクモは何種類かいる。ちまき型の産室内にメス親が残る場合とそうではない場合とがあり、今朝見つけた産室は後者であった。

  それにしても今朝見つけた産室は、いかにも念入りな施錠を施されている。海外旅行用のでっかいボストンバックに、用心のため太いベルトを巻き付けている光景をテレビなどでよく見るが、まさにそれではないか。

 一枚の葉っぱを巧みに折り曲げて産室を作る技をなんとか見てみたいものだが、そういった作業は大概、夜間に行なわれるので晩酌もほどほどにせねばならない。

(写真/E-3 35ミリマクロ+2倍テレコン)

新開 孝

ノビルは、いろいろ伸びる 2008/05/18(その2)
 畦道の草原にはノビルが多い。葉っぱにはネギの香りがあり、球状の地下茎も食べられる。

 ノビルの花穂にはむかごをつける場合もおおい(写真上)。写真中は花の蕾みだが、蕾みをつける株は今のところたいへん少ない。

 ノビルの横では、ジョウカイボンが葉裏の寝床で朝を迎えていた(写真下)。

(写真/E-3   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

アシナガバチにそっくり! 2008/05/17(その1)
 午前中はわが家の敷地に接するコナラ林とクリ林で昆虫観察の時間を過ごした。

 コガネムシの姿もかなり増えてきたが、最盛期はまだまだ先のこと。クリの梢ではコガネムシも見かけるが、小柄なコイチャコガネの方が多い(写真上)。写真の3段重ねは、画面下2段がオス。オスはメスのことしか目に入らないようで、自分の下に別のオスが居ようとまるでおかまい無しなのだろうか?
 
 クリ林の明るい草地ではデガシラバエ科の一種を見つけた。姿はアシナガバチそっくりだ。調べてみると本種はよく知られているフトハチモドキバエとはあきらかに違う。この仲間のデガシラバエ幼虫はコガネムシ類の成虫に内部寄生するようだが、その詳しい生態はよくわかっていない。
本種は、オオハチモドキバエ、のようだ。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

ヒゲナガサシガメ 2008/05/17(その2)
 本種の和名はなんとも平凡過ぎるが、実際に目にするこのサシガメはたいへん美しい姿をしている。しかもかなり稀なサシガメのようだ。近くの桝安森林公園で、ファーブルさんがアジサイの葉裏に止まっていた本種を見つけられた。

 私が本種を撮影したのはかなり昔のことで、愛媛県の成川渓谷で夜の灯りに飛来した個体だった。そのときには他に飛来した小さな蛾を吸血していた。どうも夜行性らしく、昼間はこうして木の梢などでおとなしく休んでいるのだろう。だから普段はあまり目に触れる機会が少ないのかもしれない。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

トビケラの蛹 2008/05/16(その1)
 今日は鹿児島県、財部町にある大川原峡に行ってみた。
 時期としてはミズバチ類の成虫が現れるころ。そのミズバチが見れるかもしれない、という期待もあったからだ。

 ミズバチは、渓流の水中に生息するトビケラ幼虫に寄生するという、たいへん変わった習性をもつ。このミズバチの水中産卵行動など生態写真を日本で初めて発表したのは、昆虫写真家の藤丸篤夫さん。藤丸さんはハンミョウ幼虫に寄生するホソツヤアリバチなど他、多数のハチ類の生態写真を手掛けている。

 さて、大川原峡の流れを見ていくと、トビケラ類の巣が多数ありその密度の高さにはあらためて驚く。またサナエ類の羽化殻も3種類ほど見られ、ミヤマカワトンボも多い。小型のサナエのヤゴが羽化場所を探していたのだろうか?落ち葉に這い登っていた(写真上)。

 小石を綴り合わせた3センチほどのトビケラ巣が多く、巣を剥がしてみると中に蛹が入っていた(写真中/下)。巣は狭い場所の流れにあって、がっちりと岩盤や大石に貼付いている。流れと水面の反射のせいで巣は肉眼では見づらいが、手探りで次々と見つけることができる。残念ながらミズバチの成虫はいなかったが、ここでは水生昆虫がたいへん多いから今後の観察が楽しみだ。

 同行したファーブルさんは、カシオのEX-F1でミヤマカワトンボの飛び立ちの高速度撮影を試みた。撮影した画像をさっそく見てみると、これはなかなか面白い。ミヤマカワトンボの翅の動きがスローモーションでよく見える。このような高速度撮影は、以前なら大掛かりなカメラ装置が必要だったが、カシオのEX-F1はコンパクトなデジカメ。このカメラの主機能は高速連写撮影だが、動画撮影の画質もかなり良いようだ。

(写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

シロマダラとジャコウアゲハ 2008/05/16(その2)
 大川原峡を午前中いっぱいで切り上げ、次に都城市の母智丘公園(もちお)に移動してみた。

 ノアザミが斜面にたくさん咲いており、コアオハナムグリの姿も多い。ここでもさっそくカシオのEX-F1を使って高速度撮影にチャレンジ。虫が飛び立つ瞬間などは、撮影者以外に手助けがあった方が効率が良い。私がコアオハナムグリをくすぐって飛び立たせてみた。きっちり閉じた前翅の下からうしろ翅が開いて、それをはばたかせる様子もよくわかる動画が撮れた。
 
 スギの樹肌がめくれかけていたのでそっと剥がしていると、いきなりヘビが現れてびっくりした(写真上)。シロマダラの幼蛇だ。シロマダラの大人はまだ一度も見たことが無く、こどもを見るのも今回で2度目。このヘビは夜行性なのだろうか?

 ファーブルさんは、カシオEX-F1に自作の低視点高虫の眼レンズを取り付け、シロマダラの表情を動画撮影してみた(写真中)。20センチほどの小さな体だが、シロマダラは尻尾を小刻みに振るわせながら、果敢にもレンズに飛びかかってくる。どうやらレンズに巻き付けてある白いテープを標的にしているらしい。

 朽ち木にあいた多数の穴には、ギングチバチの一種がさかんに出入りしていた。ハチが抱えて持って帰った獲物は、ハナアブの一種。獲物を抱えた写真はピンぼけで失敗したが、ファーブルさんが巣穴に獲物を抱えて飛び込む瞬間を高速度撮影で捉えた。なんとか獲物を抱えたところを写真撮影しようと粘ってみたが、その後は手ぶらで戻って来るハチばかり。

 時間切れで引き揚げようとしたとき、朽ち木の近くでウマノスズクサのちょっとした群落を見つけた。まだ小さな株ばかりだったが、ジャコウアゲハの若齢幼虫が多数ついていた(写真下)新開 孝

砂浜の昆虫 2008/05/15
 はるばるフランスからお客さんがみえた。「ボンジュール!」その名もファーブルさん!
宮崎空港で出迎えそのまま日南海岸へと向かった。車中でお話しながら移動しているうちにいつのまにか日南市の見慣れた海岸林に来ていた。そこで車を降りて海を眺めながらコンビニ弁当で昼食をとった。海からくる風は強かったが、その潮の香りが心地良い。

 さて、目的の海岸までさらに南下して、いよいよ砂浜の昆虫観察だ。今日の目的はイカリモンハンミョウだったが、最初に飛んで逃げた一匹を見ただけで、その後はまったく見つけることができなかった。どうやら発生時期はもう少し先のようだ。
 砂浜の波打ち際では死んだり弱ったりした昆虫が何種類か見つかった。サラサヤンマ、ミナミアオカメムシ、ムシヒキアブの一種、そして写真のホシベニカミキリ。ホシベニカミキリはびっしょり濡れたまま歩いていた。しかしこの場違いな砂浜になぜ難着陸してしまったのだろうか?強い潮風のせいだろうか?

 海岸林に近い斜面には長い足跡が続いていた(写真下)。
これはヒョウタンゴミムシ類の歩いた跡だ。ファーブルさんによると、オオヒョウタンゴミムシではなく、オオヒョウタンゴミムシはもっと大きいとのこと。

 じつはファーブルさんは日本人。 『南仏自然観察館』 というホームページをご存知の方も多いかと思うが、南仏に5年前、家族とともに移住なさってそこで暮らしている。しかも昆虫観察や撮影をたいへん熱心に行なわれており、虫の眼レンズを工夫しての強烈な写真、映像を次々と発表なさっている。
 今回は仕事の関係で一時帰国しており、うちにまで立ち寄ってくれたわけだ。ファーブルさんは来日してすぐに購入したカシオのEX-F1という高速度撮影ができるデジカメを携えていた。が、しかし今日のところはまだ活躍するチャンスがなかった。どんな面白い写真が撮れるか楽しみだ。

(写真/ E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

モンシロチョウ夏型 2008/05/14
 少し前まではモンシロチョウの姿がガタッと減少していたが、このところふたたびモンシロチョウが舞うようになった。彼らの一部は私が植えたキャベツをボロボロに暴食して育った世代であるはずだ。近所にまとまったキャベツ畑がないせいか、我が菜園のキャベツは小さいうちから卵だらけとなり、やがて青虫と穴ぼこだらけとなっていた。

 午後5時半。レンゲの花で吸蜜していたメスは、ごく最近羽化した新鮮な個体だ(写真上)。気温が低くなってきたせいか動きは遅い。ねぐらにつく前に腹ごしらえというわけだろうか。
 ノアザミで交尾していたカップルも若い(写真下)。こちらは午前中に撮影。

 近所にはキャベツ畑がない!?それではと車で走ってみた。すると5分と掛からぬ畑の片隅で一列10株というささやかなキャベツ畑を発見できたのは、1週間程前のことだった。そこではモンシロチョウの卵から終令幼虫までセットで見ることができた。うちの近辺ではその頃すでに幼虫期はほぼ終わっているから、発見できた畑はかなり出足が遅いようだ。モンシロチョウの世代交替もこうして場所によっては微妙にずれているから、その結果大きなエリアで見れば年中ダラダラと発生していることになってしまう。


(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝
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