| わが家のトイレの窓辺には、エンドウの水差しが置いてある。 強風や雨のせいでポキリと折れてしまったエンドウがここに来たのだろう。
このところトイレに坐りながら読む本は、潜水艦の話の文庫本。他にも2冊、昆虫関係の本が窓辺のカゴに入っているが、潜水艦は大好きで、この奇妙な乗り物にはとても好奇心が湧き、ついつい読み耽ってしまう。だからこの本は、トイレ限定にしてある。漫画の『サブマリン707』シリーズも懐かしい。
さて、今日はふと窓辺を見れば、置物の牛の鼻にエンドウ豆の蔓が絡んでいるではないか!この鉄細工の牛は20年も昔に池袋で買ったものだ。そしてエンドウ豆の蔓に捕われた牛を眺めていると、イギリス民話の『ジャックと豆の木』を思い出したのであった。大事な牡牛と豆の種を交換したジャックは、豆に自分の人生を賭ける、そういう話だったと思う。
ただし、トイレの窓辺の水差しエンドウ豆に未来は無い。今は花も咲かせているが、いづれ力尽きて死ぬ運命だ。水差しの花を見るたびに切ない気持ちになる。
(写真/リコー Caplio GX100)
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