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イチョウとキャベツ畑 2008/04/15(その2)
 今日は風景写真の撮影に出掛けた。 
ほんとうは昨日のうちに出向きたかったのだが、室内撮影があってどうしても動けなかった。今日は日射しはけっこうあるが雲が多く、うちから望む霧島山も霞んで全く見えない。これは厳しいかもしれない、と思いつつも天候の変化にわずかな期待を抱いて鹿児島県霧島市へと赴いた。

 現場に到着するとやはり危惧していたように肝心の風景撮影はできる状況ではなかった。遠景が霞んでしまいどうにもならない。
 そこでロケハンをかねて曽於市方面へと回ってみた。途中、農道の交差点で信号待ちしていてふと窓の外を見ればキャベツ畑があった(写真上)。つい先日同じ場所を通過しているのだが、そのときには見落としていた。モンシロチョウがけっこう飛んでいたが、さすがに写真には写らない。

 さらに山間の道を進めばある小学校の前に出た。この学校の運動場の真ん中にはイチョウの大木がある(写真中)。校門脇にあるケヤキもかなり立派な木だ。イチョウのおかげで夏場は心地良い日陰ができるのだろう。学校の裏山から撮影したものが写真下。イチョウのすぐ右上に見えているのがケヤキ。 

 今日はどこに行っても車を降りれば、たくさんのハンミョウの姿が路上にあった。

(写真/E-3  14-54ミリズーム /鹿児島県曽於市)新開 孝

イシガケチョウ幼虫、ふたたび 2008/04/15(その1)
 鹿児島県、霧島市隼人町に立ち寄ったついでに道沿いに生えていたイヌビワを見てみた。

 するとイシガケチョウの1令や2令幼虫の食痕や糞塔がいくつも見つかったが、どれにも幼虫の姿がない。どうやら天敵に捕食されたようだ。一匹だけ死骸があったが、それは3令幼虫だった。
 卵から無事ふ化できたイシガケチョウも、成虫にまで生き延びることができる数はきわめて少ないようだ。

 しつこく同じイヌビワの木を探してみたら、なんとすでに4令にまで育った幼虫が見つかった(写真)。

(写真/E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

イシガケチョウの初令幼虫 2008/04/14
 先日、ふ化したイシガケチョウの幼虫は、イヌビワの若葉の先端に落ち着いている(写真上/1令幼虫)。
 一番にふ化した幼虫はすでに2令となった。その頭部はまるでアトムのようだ。彼らはイヌビワの葉先をかじり食べ、主脈を残す。そしてその先端部には自分の糞を積み重ねて糞塔をこしらえる。

 幼虫は休むときには糞塔を大事そうに抱えてじっと静止している。いったいそれには、どんな意味があるのだろうか?

(写真/E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

モンシロチョウのねぐら 2008/04/13(その2)
 今朝はあぜ道のスイバでまだ休んでいるモンシロチョウを見つけた(写真上)。
 スイバはどの株も花茎が高く伸長しているが、写真のは雌株の花穂でありすでに若い果実が多数ついている。
 今日は小雨も振り続け、気温もあまり上がらないので、写真のモンシロチョウもこのまま一日中静かにしているしかないようだ。
 このように朝や夕方、谷津田を歩けばモンシロチョウがねぐらについている様子があちこちで見られる。モンシロチョウはたいへん目立つから、この辺りのチョウのなかでは今の時期、一番数が多いのではないかと感じる。しかし実際にもっとも数の多いチョウは小型のベニシジミの方かもしれない。ベニシジミも草の上で眠っている姿をよく見かけるが、モンシロチョウほどには目立たない。

 さて犬の散歩の途中、左手の薮から目の前にコジュケイが飛び出してきた。さっそく追いかけようとするわが犬を押さえつけ、慌てて逃げようとするコジュケイの姿を見届けようと思った。
 するとコジュケイは道の右手の薄暗い生け垣へと突進していった。なるほど薮の中が安心、というわけだ。日頃、コジュケイが生息の場としているのは薄暗い林床だ。ガサゴソ、薮を歩く音を聞くことはよくあるが、数の割にあまり姿をしっかりと見る機会は少ない。

 ところが右手の生け垣は公民館のフェンス越しにある(写真下)。どうするかと思ったら、コジュケイはそのままフェンスに派手に激突してしまった。かなり痛い思いをしたのではないか、と心配になるほどだったが、一旦地面に落ちてからすぐに立ち直って今度は左手の大きな林を目指して飛び去っていった。

 写真で見るようにフェンスは人の目でははっきりと認識できる。しかしコジュケイにとっては、その粗いフェンスも「かすみ網」と同様、目に入らなかったようである。

(写真/EOSキッスデジタルN EF15ミリ魚眼)新開 孝

カメノコテントウ 2008/04/13(その1)
 午前6時45分。今にも雨が降り出しそうだったが、犬の散歩に出た。ほとんど毎日、モンシロチョウがねぐらとしているギシギシの大きな株は、ついつい覗き込む習慣となった。今朝も3匹のモンシロチョウが葉陰にぶらさがっていた。
 見落としはないかさらに見ていると、派手な色彩のカメノコテントウが1匹止まっていた。

 近くにはナナホシテントウの成虫や幼虫も多いが、ナナホシテントウの餌はギシギシにたくさん群れてつくアブラムシ類だ。一方カメノコテントウの餌はハムシ類の幼虫であり、餌としてよく知られているのはクルミハムシの幼虫。しかし、カメノコテントウは、クルミハムシ以外のハムシ類幼虫も食べるようだ。
 ギシギシにはコガタルリハムシの幼虫がたくさんついているので、今朝見つけたカメノコテントウはこの幼虫がお目当てだったのではないか?と思えた。

 このことを確認するためにも、カメノコテントウを持ち帰り、コガタルリハムシ幼虫と一緒のケースに入れて、しばらく様子を伺うことにしてみた。

(写真/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)新開 孝

『沖縄のトンボ図鑑』 2008/04/12(その3)
 先日、『沖縄のトンボ図鑑』が手元に届いた。
 本書の写真は、そのほとんどが昆虫写真家の尾園暁さんによるもので、豊富に掲載された生態写真はじつに見事である。

 沖縄県だけでもトンボが80数種もいて、それが日本全国に生息する185種のうち三分の一以上にも達するらしい。つまりそれほどに多様な自然環境が沖縄県にはあるということだろう。

 自然が豊だと言葉で言うのは容易いが、実際にその豊かさを表現するのはかなり厄介であり、多くの時間、労力、そして磨かれた自然観察力のセンスが必要だ。
 
 日本列島はよく言われるように南北、そして東西に長く、それに伴って自然環境もじつに多様である。ところがその自然を広く紹介する著作類などが、これまでは人口集中地帯の関東から近畿地方を占める一帯を対象にするものがほとんど主流となってきた。
 しかし、もうこれからの時代はそういうことでは通用しない。地方書はマイナーな世界、というあり方ではなく、まさに地方のそれぞれが発信場所となっていくのであろう。

 尾園暁さんは若手昆虫写真家として活躍しており、HP『湘南むし日記』も毎日更新なさっている。 私のHPもリニューアルがまだできず、リンクできないのが申し訳ないのだが、、、、。新開 孝

春の花 2008/04/12(その2)
 今日は鹿児島県、曽於市に赴いてある風景写真のためのロケハンを行なった。曽於市は都城市のすぐお隣であるから目的地までは1時間と掛からない。

 私の車にはカーナビが搭載されていないので、あちこち目指す場所へ移動するにも、いちいち道路脇に車を止めてから地図を眺める必要がある。迷路のような農道を巡るうち、十字路や別れ道にはいかにも手作りの行き先案内板が細かく立てられてあって、これは有り難かった。
 しかしこうしてアナログ的に運転していれば、自分の体で道を覚えることができるから、効率は悪くても敢てカーナビを導入しようとは考えない。右往左往するのもまた、楽しいではないか。

 さて、そのようにしてあちこち巡るうち、ふと車窓から林縁に咲くスミレの一種に目が止まった(写真上)。これまであまり見たことないような気もして撮影してみた。そのスミレは葉っぱの形状や花柄の毛の状況などからして、ニオイタチツボスミレではないか?と思う。そのニオイタチツボスミレと一緒に群生しているのがタチツボスミレではないだろうか?これも自信が無い(写真中)。

 そこでうちに戻って、敷地内のスミレで以前にタチツボスミレとした写真のものは、詳しく調べてみればアカネスミレとわかった。いやともかく、スミレ類をきちんと識別するには、葉っぱや花の形状、おしべの形など、実物を細かく観察しなければならない。写真から同定しようというのは無理なのだ。

 ニオイタチツボスミレとおぼしきスミレを撮影した場所の近くには、とても花の濃いレンゲ畑があった(写真下)。しばらくそのレンゲ畑を見ていると、その先の薮から2頭のアナグマが賑やかに唸りつつ走り出て来た。まるで追っかけ合いをしているようだ。余程夢中なのか、私の存在に気付かないかのようだ。ドドッド、ドドッド!!と猛烈に薮中を走り抜けたあとは車道に出て、そのまま舗装された道を走り去っていった。アナグマを昼間に見たのは3年前の熊本県小国町の牧場で、真夏の8月のことだった。そのときは、丘の下から登ってきたアナグマとダイコクコガネを探し歩いていた私とが、鉢合わせしたのであった。

(写真上/E-3 35ミリマクロ)
(写真中、下/E-3 7-14ミリズーム)


新開 孝

脱皮したゴマダラチョウ幼虫 2008/04/12(その1)
 昨日紹介した、エノキの枝又に静止していたゴマダチョウ幼虫。
 今朝になっても(午前6時半)まだ脱皮していなかったので、これは読み違えたかと少し不思議に思えた。それというのも以前に観察した数回の脱皮時刻は、いつも夕方からせいぜい午後8時くらいまでに行なわれたので、その時間帯に脱皮するものと思い込んでいたせいだ。

 午前10時過ぎに再び見てみれば、すでに脱皮したあとだった(写真上)。どうやら脱皮してからそれほど時間は経っていない。つまり脱皮は午前7時〜10時の間に行なわれたようだ。

 今日は昼前からお隣、鹿児島県は曽於市内をあちこちとロケハンで回ってみた。そのロケハンを終えて午後3時頃に戻ってみれば、ゴマダラチョウは梢の方へと移動していた(写真下)。

(写真/E-3 35ミリマクロ)新開 孝

ゴマダラチョウの幼虫 2008/04/11
 サクラの開花時期と同じ頃に地面の落ち葉下からエノキ樹上へと登った、ゴマダラチョウ幼虫。
 エノキへ登った当初は、越冬幼虫の姿のままだったが、今になってその面影は頭部のみにしか残っていない。なぜならエノキの若芽や若葉を日々食べて過ごしてきたからだ。体は太って全体に薄く灰紫色となり、うっすらと緑色も透けて見える。

 そしていよいよ脱皮も間近となってきた。おそらくは今晩あたりに脱皮すると思われる。
 明日、その変身ぶりを紹介できるはずだ。

(写真/EOSキッスデジタルN  EF100ミリマクロ)新開 孝

イシガケチョウのふ化 2008/04/10
 4日前に紹介したイシガケチョウの卵が、今日になってふ化した。

 ふ化が近づくと卵の殻を透かして中の幼虫の姿がくっきりと見えるようになり、その色といい形といいまるでプリンそっくり(写真上)。 茶色の部分は幼虫の頭部で、山吹色のところは胴体。

 ふ化は、まず卵上部の外周壁に小さな窓穴を穿つことから始まる(写真中)。窓穴は11本ある隆起状の間の側壁11枚全部に穿たれる。幼虫は窮屈な姿勢のまま頭部を回転させ、口器で卵殻を噛み破るわけだ。
 11の窓穴が完成すると、今度は11本の隆起状を一本づつ噛み切る作業となる。幼虫の作業をずっと観察していると、なるほど隆起状というのは卵の構造をしっかり強固に保つ骨組みの役目を果たしているように思えた。例えて言えば傘の骨のようなもの。
 だから隆起状を食い破るためには、あらかじめ隆起状の両端に穴を用意し、隆起状に口器を深くガッチリと喰い込ませることができるのではないか?
 これは傘を分解しようと思ったとき、まずは傘の布地を先に破り捨てて、ついでペンチを使って骨をガッチリと挟んで切断する、というような作業手順に似ているようにも想像できる。

 しかし、タテハチョウの仲間の卵で同じように隆起状のある種類でも、例えばゴマダラチョウなどではこういった2段階の卵殻破り作業は無くて、いきなり缶詰の蓋を缶切りで開けるような単純な作業なのである。それを思えばなおさらイシガケチョウのふ化過程は、じつに丁寧なやり方に思える。
 イシガケチョウのふ化の仕方が、それがいかなる理由で2段階作業という回りくどしいことになっているのか、ほんとうのところはよくわからない。隆起状の構造が他のチョウとは違って、余程強力にできているせいなのだろうか?

 イシガケチョウのふ化幼虫は卵から抜け出ると、そのまま葉っぱの先端へと移動してしまう。ゴマダラチョウやモンシロチョウなどの幼虫が卵殻を食べてしばらく時間を置いてから立ち去るのとは違って、いかにもせっかちだ。
 そのわけはイシガケチョウのふ化幼虫には、すぐに取り掛かるべき作業が控えているからなのだと思われる。その作業の様子も一通り撮影しているうちに、今日の仕事は終わりとなってしまった。
 
 今日はモンシロチョウのふ化、脱糞シーンなども合間に挟んでの室内撮影をずっと続けていた。天気は悪く、屋外へ出たい誘惑もなかったことが幸いした。ともかくも、1ミリ以下の被写体に一日中向かい合っていると、外での重労働とはまた違った疲れ方をする。ずっと前から肩こりは慢性的となっているが、マッサージを受けるのもぜいたくだから、少し外を歩くのが一番良い療法と思える。
 
 さて、明日は気持ちよく晴れてくれるだろうか。

(写真/E-3  38ミリマクロ+OLYMPUSベローズ)

新開 孝

阿蘇山のキスミレ、ふたたび 2008/04/09
 今日は朝一番で阿蘇山上に赴いてみた。朝から空は曇っていたが、薄日がときおりあるから、なんとか午前中だけでも撮影できるかと期待してみた。

 まずは草千里に入ってみたが、風がかなり強く寒い。4年前の5月のころに花を見た辺りを歩いてみたが、まったく春植物の花が無い。おもな狙いはハルリンドウだったが、以前に草千里でハルリンドウを撮影したのは5月中旬だったことを思えば、少し時期が早いのだろうか?

 草千里を出てから南阿蘇方面へと下ってみた。途中、ダイコクコガネの撮影場所を通り過ぎながら、ふとアセビ(馬酔木)が花盛りであることに気付き、車を降りてみた(写真上)。
 まだ枯れ野風景の阿蘇山上だが、そこに緑濃く生い茂る常緑低木は、そのほとんどがアセビなのであった。これまでアセビが花をつけていない時期だとそのことに意識が向かなかったが、今日はじめてこの時期に阿蘇を訪れて、やっと一つの景色を読むことができたわけだ(写真中)。
 たしかに広大な草原環境のなかで馬酔木のみが繁茂しているというのは、たいへんいびつな光景とも思える。これは馬酔木が有毒植物であり、牛馬が食べないからという理由によるのだろう。そして馬酔木にとっても阿蘇の草原は居心地の良いうってつけの乾燥地帯なのである。

 さて、オオルリシジミの多産地を覗いたりしながらさらに下っていけば、昨日に外輪山で撮影したキスミレの群落地をここでも見つけた(写真下)。雲はますます濃くなり今にも雨が落ちてきそうな空模様となったが、ともかくビデオ撮影を押さえておくことにした。今日は外輪山を背景にしてのキスミレ群落という、昨日とは逆方向の絵柄だ。風は猛烈に強く花のアップなどはまったく撮影不可能。少し先に進んだところでショウジョウバカマの群落を見つけたが、花のアップが撮れなかった。ビデオ撮影での野外接写ではたいへん制約が多く、とくに風は強敵だ。もっともまったくの無風も困る。適度なそよ風があってこそ動画の面白みがある。
 撮影の準備をしていると登山着姿のおばさまが一人、車を止めて同じ場所にやってきた。「キスミレ、ですよね!」と嬉しそうに私に声を掛けてからコンパクトデジカメで撮影し始めた。野焼きの跡に点々と咲くキスミレの群落とは、たしかに感動する場面だ。夢中になってキスミレ群落にカメラをむけるおばさま(私より一回り歳上かな)。こちらがビデオ撮影している画面にもちょこっとお姿が入っているのだが、雲行きのこともあって立ち去ってくれることを待っている余裕はない。風はますます強烈となり、耳の中まで砂が入って来る。
 
 強風、そしてポツポツと降り始めた雨とあって、今日は午前中に引き揚げることにした。さて、昼食は何にしようか?じつはこれが大切な問題だ。

(写真/E-330  14-54ミリズーム)
新開 孝

阿蘇山のキスミレ 2008/04/08
 阿蘇に着いたのは正午過ぎ。午前中は仕事部屋で片付けておく作業があり、家を出たのは午前9時半過ぎだった。

 しかし天候に恵まれてギリギリの時間内でキスミレのハイビジョンビデオ撮影ができた。キスミレは広大な草原の野焼き跡のあちこちで群落をなしていた。 外輪山の斜面から阿蘇山を望む場所の群落はほんとうに見事だった。

 野焼きの跡を徘徊しているうちに、ズボンや衣類は黒炭で汚れてくる。その黒炭と可憐なキスミレとはいかにも対照的だ。

 天気情報によれば明日は午後から雨となるようだ。明日は草千里に上がって撮影するつもりだが、予定の撮影を終えることができるか微妙なところだ。

(写真/E-330   14−54ミリズーム/熊本県 小国町)


 
新開 孝

林の芽吹き 2008/04/07
 わが家の雑木林(写真)も、
 遠目に見ればようやくパステル色に染まってきた。

 とりわけコナラの芽吹きの進行は早く、クヌギは一足遅れている。クヌギもコナラも、植えられてから13数年以上経ており、こうした熟令木は山間部以外ではあまり多くはない。わが家の敷地は背後をスギやヒノキの植林地に取り囲まれているから、雑木林の芽吹きの様子も際立って見える。
 
 今日は正午前から日射しが出て、たいへん暖かい一日となった。しかし、室内撮影をしなければならず、ほとんど野外を歩く時間がなかった。
 そこで撮影の合間に宮崎に引っ越してからずっと気になっていた、室内スタジオの整備を進めてみた。
 まずはライトスタンドをほとんど使わないように工夫し、足場をスッキリとさせた。これだけでも室内撮影がかなり快適にできるようになった。

 明日は阿蘇山へ赴く予定。

(写真/EOSキッスデジタルN  100ミリマクロ)

 新開 孝

モンシロチョウ幼虫の嗜み、とは? 2008/04/06(その2)
 今年はモンシロチョウの生活史を撮影している。モンシロチョウはとてもポピュラーな昆虫ではあるが、それでも彼らの生活の様子を細かく眺めていると、意外な発見も多い。それは単に私が知らないだけのことかもしれないが、どんな虫であれ、継続観察をしてみると興味深い発見がいくつも出て来るものなのだ。

 さて、今日は終令幼虫の食事の様子を撮影してみた。この幼虫は先日、4令から脱皮するシーンの撮影を逃したものだ。せめて食事のシーンくらいは撮っておこうと、パソコンデスクの傍らににわかセットを設置して、いつでも撮影できるようにしておいた。というのもスタジオの撮影台は他の昆虫の撮影待機でふさがっている。

 幼虫が食事を終えて、元の足場糸(これを台座という)に反転して戻っ行く途中、もうじき脱糞することがわかった(写真上)。脱糞が近いのはお尻の方に糞が透けて見えることからも容易にわかる。それで脱糞シーンも撮影しようとカメラを構えていると、一旦は台座に落ち着きそうになった幼虫が、ゆっくりと後退を始めたのであった。そのとき、なるほどと合点がいった。幼虫はおそらく葉っぱの縁まで後退し、そこからお尻を突き出して糞を葉っぱの外へ捨てるつもりなのだろうと。

 その予想通り、幼虫は後退してお尻が葉っぱの縁から突き出ると、やおら糞をポトリと落としたのであった。(写真下)。虫の気持ちがわかるとはこういうことだろう。食欲や排泄衝動というような、動物の生きる上での根源的なものに関わることは、人と昆虫の間にも共通するものがあるのだろう。

(写真/Eー330   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝
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