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ツクシの胞子、ふたたび 2008/04/03
 昨日、紹介したツクシの胞子飛散の写真は、胞子の数が少なくそして風で飛んでいく様子も伝わらない。
 今日は仕事先から戻ってみると、ツクシの状態が良さそうだったのでさっそく撮り直しをしてみた。 
 写真はいづれも画面右方向から風を吹き付けている。

 シャッターを押すタイミングによっては、写真上のように胞子全部が空中で静止している。これは風が当たった瞬間からわずかに撮影タイミングが遅れているからだ。写真中、下の2カットは風が吹き付けた瞬間にうまく同調しており、胞子が飛び出す様子がよくわかるし、胞子の色まで再現できた。
 ツクシの一株から生産される胞子の数は、じつに200万個というから驚く!それだけの胞子のうち、無事に萌芽して成長できるのはほんのわずかなのだろう。

 今回のような写真撮影では気合いを込めた一発勝負、という緊張感があってそれはそれなりに面白いが、やがて高解像度の優れたビデオカメラが登場すれば、そのような気合い勝負という撮影方法も昔語りとなるだろう。ビデオならダラダラと撮影しておき、あとで気に入ったカットを選べば良いことになる。

(写真/E-3  50ミリマクロ+2倍テレコン)

 OLYMPUSフォーサーズのマクロレンズでは、やはり等倍撮影まで可能な90ミリマクロレンズが欲しい。今は50ミリマクロに2倍テレコンを付けて使っているが、テレコンを付けるとファインダーがその分暗くなるのが気になって仕方が無い。画質は良くても解放F値の明るいレンズが暗くなるのは勿体ない。
 OLYMPUSフォーサーズレンズで早く90ミリマクロレンズを出して欲しい。
新開 孝

ツクシの胞子 2008/04/02(その2)
 昨日は土筆の卵とじを食べた。
 さて、土筆狩りや土筆のはかま取りをしながら、ツクシの胞子分散を撮影してみようと思った。このような撮影は反射神経の鍛錬にもなるだろうけれど、いづれはカメラの技術進歩によって、そのような反射神経の俊敏さも必要なくなる。

 ツクシの胞子分散はどのような段階で始まるかといえば、けっこう早い時期から盛んに胞子を飛ばすことを改めて知った。まだ亀甲部が少し割れ目を見せ始めた段階でも、風を受ければかなりの胞子を放出するのである。

 この胞子分散の撮影はいたって簡単で、ブロアーを使って風を吹き付けるだけ。右手でブロアーを押し、左手でカメラのシャッターを押す。そのタイミングは反射神経の鋭敏さに頼るしかないが、もうそのような時代は終わろうとしている。

(写真/E-3 50ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

コマダラナガカメムシ 2008/04/02(その1)
 ちょっとした時間を作って敷地内を歩くだけでも、いろいろな昆虫の姿に出会える時期になった。

 コマダラナガカメムシは四国以南に分布する、南方系のカメムシ。彼らはキク科の植物につくそうだがその鮮やかな紋様は印象的だ。これは毒々しいという捉え方もできるが、さてそう感じるのは鳥か、人か?あるいは猫か犬か?


 (写真/ E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
新開 孝

スミレ3種 2008/04/01
 わが家の敷地内には3種のスミレが自生している。
 写真上から順に、スミレ、タチツボスミレ、ニョイスミレ、かと思われる。
 ただし、スミレ以外の2種については自信が無い。もう少しきちんと調べたほうが良いだろう。ツマグロヒョウモンの幼虫が食草とするのは、スミレであることが多い。

 菫と言えば、阿蘇山の野焼き跡にはキスミレの大群落が見られるそうだ。もしかしたらその撮影に出掛けるやもしれない。これは突然の依頼の仕事であるからどうなるかわからないし、前もってスケジュールを組んでいたわけではない。

 菫は春を象徴するかのような可憐な花だが、一方で姿は地味ながら春の楽しみとも言えるのが、土筆狩りである。私はツクシ狩りが大好きで、とくに土筆の卵とじは好物のひとつ。春の食膳としては、欠かせない一品なのだ。

 今日は庭で遅めのツクシ狩りをしばし楽しんだ。採ったあとの土筆のはかま取りもまた楽しい。これを面倒だと言う人も多いが、ときには日常の煩わしい時間を忘れることも必要だろう。はかまを剥く間に、心穏やかになれるのである。

(写真/E-3 35ミリマクロ+1.4倍テレコン) 
 新開 孝

クマゼミの幼虫 2008/03/31
 昨日は一日中、雨。
 そんな中、子供2人を連れて宮崎市へと赴いた。春休みの映画鑑賞の付き添いであり、私は久しぶりに丸一日オフとした。三股町から宮崎市内へと出てみれば、やたらと車が多く、そして何と信号待ちが多いことか!?三股町でのゆったりとした生活と比べれば、宮崎市内の様相は、とんでもなく都会に感じられる。

 映画館は巨大なショッピングモールの中にあり、フロアーは人であふれていた。まるで東京の雑踏を思い起こすほど、凄まじい!

 さて、宮崎市内の叔父のうちで一夜を過ごし、裏の畑でビワの実生を掘りおこしてみれば、そこにはクマゼミの幼虫がしがみついていた(写真上、中)。幼虫が潜んでいた場所は、地下数センチの浅い場所。

 幼虫を水洗いして、仔細に見てみれば、腹端に産卵管のレリーフが見える(写真下)。つまり、この幼虫はメスなのであった。

 (写真上、下E-330  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 (写真中/E-3  50ミリマクロ)

 
新開 孝

モンシロチョウの交尾 2008/03/29
 午前6時半。犬の散歩で外に出ると手袋が欲しいくらい冷え込んでいた。
 それでも東の森からはサンコウチョウのさえずりが聞こえてきて、なんとなく足取りも軽くなる。
 サンコウチョウのさえずりを実地で覚えたのは、学生時代のことで、場所は愛媛県の伊方原発の近くだったと思う。その当時、環境アセスのバイトをしていたのだが、日給が1万以上、民宿では酒も飲み放題と、なんともゴージャスなバイトだった。そのバイトで動物調査中に同行していた鳥専門の先輩から、サンコウチョウの聞きなしを教わったのであった。

 さて、明日は天候が崩れるようだから、今日のうちにと思って近くの畑の回りでしばらく撮影してみた。おもにアブラナの花に来るモンシロチョウをねらってみた。モンシロチョウの舞う数はたいへん多かったが、それは舞い方がゆったりしていることと、白い翅が遠目にもよく目立つからだ。同じような場所で、ベニシジミやモンキチョウも数はけっこう多いはずだが、大きさや飛ぶ速度の速さからしてモンシロチョウに比べればはるかに目立たない。
 アブラナで吸蜜していたタテハモドキ秋型もいたが、けっこう神経質で証拠写真程度しか撮影できなかったのは、残念。

(写真/E-3  50ミリマクロ/写真下側がオス)

 昨夜は睡眠時間が4時間程度。スタジオに籠り、卵のふ化の撮影だったが、カメラのすぐ傍らにころがり、シュラフのなかで撮影待機を続けた。早めに2時間ほど寝てから、そのあとの仮眠は15分程度を小刻みに行なう。夜はかなり冷え込むから、ときおり暖房を入れたりした。
 結局、撮影ができたのは今日の正午過ぎ。昆虫の変態には個体差もあって、待機すべき頃合いを微妙に読み違えることも多い。ともかく夜にきちんと寝れないのは疲れる。
新開 孝

イトトンボのヤゴ 2008/03/28
 先日、ヤマトヤブカが羽化した睡蓮鉢。じつはヤマトヤブカの羽化を撮影しているときに、イトトンボのヤゴの脱け殻が数個、睡蓮鉢の水面に浮かんでいることに気付いた(写真上/21日に撮影)。

 抜け殻は1センチ程度とたいへん小さかったが、その前日まで見たことがないので、当日の午前中にでも脱皮したのではないか、そう思っていた。しかし、睡蓮鉢の底をいくら眺めてもヤゴの姿はまったく見えない。そこで網を入れて底の砂ごと掬ってみたら、一匹のヤゴが上がった(写真中、下)。

 ヤゴの体は透けており、まるでレントゲン写真を見ているようだ。体長は1.5センチ程度だからまだ若いヤゴだ。

(写真/E−3  35ミリマクロ+2倍テレコン)
 新開 孝

くずかき、そして日向夏 2008/03/26
 このところは、ある昆虫の卵数種のふ化の撮影の仕事が優先しており、24時間態勢とはいかないまでも、数時間おきにはスタジオに出向いて卵の様子を観察している。昆虫の種名をここに記せないのは、仕事のクライアント先の意向もあってのことなので仕方が無いのだが、、。

 さて、その撮影態勢のなかで待ち時間も長い。かといって自由にどこかへと出掛けることも間々ならない。そこで小刻みに観察を続けながら、今日は空き時間を林の整備に費やしてみた。雑木林の落ち葉かき「くずかき」である。もう春になってしまったが、これも仕方が無い。できるだけ今月中には済ませたいところだ。
 
 「くずかき」をする前に、落ち葉を溜める柵を作った(写真上)。
 まずは太めのホテイチクを数本、刈り集める。刈るといっても回りにはメダケがたくさん立ちはだかっているので、これらを先に刈っておき、そしてようやく目当てのホテイチクを刈り取れる。ホテイチクは節の間も狭く、固く丈夫なので柵をこしらえる材料としてちょうど良い。
 落ち葉入れの柵は、傾斜を利用しているから材料は少なくて済むのだが、ちょっと造りを凝り過ぎてしまった。しかもどうせやるなら、自然の素材を存分に利用してやろうと思い、蔓なども使ってみたがこれはけっこう要領がいった。それでも自然素材をあれこれいじっているうちに、どこをどうすれば一番良いのか、その感触がわかってくると嬉しい。
 林の落ち葉はまだまだあって、それらをかき集めるためには、今日設えたような柵囲いを、あと二箇所には必要だろうと思う。

 さて、旬のおいしい日向夏。こうしてリンゴの皮をむくようにして食べる(写真下)。だから果物ナイフもしくは包丁は必須。ガブリと頬ばったときの酸味が何とも言えず野性味があって、とても良い。


 新開 孝

クスノキの新芽とゴマダラチョウ幼虫 2008/03/25
 クスノキは常緑樹だが、それでも季節によって古い葉を落とし、あたらしい葉へと更新する。

 古い葉は紅く染まり(写真上)、新しい若葉の芽が大きく膨らみ始めた(写真中)。

 クスノキの隣にあったエノキでは、落ち葉の下から登ってきたゴマダラチョウの幼虫が見つかった(写真下)。前にも書いたが、ゴマダラチョウが越冬から目覚めて樹上へと移動し始める時期は、サクラの開花時期とほぼ重なる。三股町のサクラもあちこちで、少しづづ開花し始めている。

(写真上、中/E-330 14-54ミリズーム)
(写真下/E-330  35ミリマクロ+2倍テレコン)

 今日は子供の小学校で卒業式があった。このところそういった行事がいろいろと重なり、この「ある記」更新にもあまり時間が取れない。今夜はその謝恩会などもあるため、撮影の仕事もとりあえず中断することにした。新開 孝

タラノキの芽 2008/03/24
 家の近くにあるタラノキ。その冬芽がようやく膨らみ始めた。犬の散歩のたびにこのタラノキを見てきたのだが、春がどんどん進行していくなかで、タラノキの芽吹きは少し遅いように感じていた。

 敷地林のコナラは冬芽が開き始めており、庭の枝についていたヤママユガの卵も早いのはふ化が始まっている。
 まだ林全体の芽吹きは鈍いが、遠くから林を眺めてみれば、うっすらと色付いてきていることがわかるようになった。なるほど、コナラもクヌギもまだまだ芽が膨らんだり、ほころびかけた段階ではあるけれど、その芽の数はあまりにも膨大だから、遠目には色となって見えるわけだ。その色合いがこれから日に日に濃くなっていくのだろう。

 今日は庭でツマグロヒョウモンの雌雄が舞っていた。オスのほうは終わりかけたアセビの花で吸蜜していたが(写真中)、彼らはこの春に羽化した新成虫だろう。大きな幼虫は冬のあいだにも暖かい日射しを受けて日光浴している姿をよく見かけたものだ。

新開 孝

ヒメナガメの卵 2008/03/22(その2)
 庭のアブラナはずいぶん長く花を咲かせており、これまで多数の昆虫たちが訪れている。
 種から蒔いて育てたアブラナは、昨年の暮れ頃から花を咲かせ始めたのだからすでに3ヶ月も経ている。

 さて、今朝はアブラナの長角果(果実)でヒメナガメの卵塊が見つかった(写真上、中)。卵塊を撮影していると、近くで交尾しているカップルもいた(写真下)。写真では下の個体がメス。お腹も大きく膨らんでいる。

新開 孝

アマガエルの今日とは 2008/03/22(その1)
 庭の竹筒の中には一昨日からずっと、一匹のアマガエルが潜んでいる。
 
 このところ雨もなく乾燥しているから、昼間はさすがに動かない。夜も出歩くことはないのだろう。そう思うのも、同じねぐらにきちんと戻ってくるとは考えにくいからだ。

 今日ふたたび竹筒アパートを窺ってみれば、アマガエルの体色上には緑色が増えてきていた。アマガエルの体色は回りの環境の色や模様に影響を受けて変化することは知っているが、このように竹筒内にじっとしたままで、色変わりするということはどういうことだろうか?
 そこで少し調べてみると、アマガエルの体色変化には、光りだけでなく、気温、湿度の変化なども影響するらしい。

 なお、写真のアマガエルが潜んでいる位置は、竹筒の切り口から1センチほど奥になる。撮影には内蔵ストロボにさらに外部ストロボ2灯を加えないと光りが回らない。

(写真/OLYMPUS E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)

 新開 孝

ヤマトヤブカの水面羽化 2008/03/21(その2)
 先日、紹介したオニボウフラがこのところ羽化するものが出て来た。
 羽化した成虫を調べてみれば、本種はヤマトヤブカと思われる。

 さて、今朝になって羽化しそうなオニボウフラを見つけたので、しばらく観察してみた。場所は庭の西側に置いている睡蓮鉢の中だ。

 羽化間近となったオニボウフラは、ピンピンと動くことはできるが、もはや自力で水中へと沈むことはできない。その浮力は、オニボウフラの体内に取り込まれた空気層によるものだろうか。新しい成虫の体とオニボウフラつまり蛹の体皮との隙間に空気が入ったせいだろうか?

 水面に浮遊しながら、やがて羽化が始まる。羽化直前には細長い腹部がピンと真っすぐになり、その形態はSF映画「2001年宇宙の旅」の探査宇宙船にそっくりだ(写真上)。エビのように曲がっていたオニボウフラが、こうして体を一直線状にすると、羽化はすぐに始まる。まずは胸部の背中がパックリと割れる。

 水面で羽化した成虫はしばらくは、そのままの姿勢で体がしっかりするのを待つしかない。つまり、彼らは水面上をアメンボのごとくスイスイと移動することはできないのだ。風が吹けば、その風下へと流されるに身をまかせるしかない。
 しかし、翅がしっかりと乾くと、この翅をはばたきながら、それはさながら水上飛行機のように水面移動が可能となる。

 今回の撮影は風もあって、かなり苦労させられた。ともかく被写体であるオニボウフラは水面を流れていくのである。それもいきなりあらぬ方向へとクルクル回転しながら、、、、。

 ヤマトヤブカはあまり人からは吸血しない。だから昨年の夏も、家屋の中で蚊に刺されたことはほとんどなかったのだが、その理由もわかったような気がする。
 蚊に刺されるのは、ササが繁っていた林の際に近づいたときくらいだったが、そういった環境ではヒトスジシマカなどが多かったのだろうと思う。

 (写真/E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)

新開 孝

竹筒の中のアマガエル 2008/03/21(その1)
 昨日、紹介したアマガエルは、気になって今日も覗いてみれば、まだ竹筒の中に留まっていた(写真)。

 しかし今日もかなり暖かい一日だったから、さすがにどこかへと移動しただろうと思い、午後6時頃になって再び覗いてみれば、なんとアマガエルの姿があった。

 竹筒の中はよほど居心地が良いのか、それともまだアマガエルにとっては春本番と感じられないのか、とかいろいろと想像してみたくなる。
 アマガエルの顔を、よ〜く見れば、薄い緑色も迷彩色さながらににじみ出ている。

(写真/OLYMPUS E-3  35ミリマクロ+2倍テレコン)
新開 孝
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