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グレバの魅力 2008/11/02
 林の中で佇んでいると、何とも言えない芳香を感じた。
 そこでさっそく、クンクンと匂いをたどってみた。

 匂いの元はすぐにわかった。林床に生えたスッポンタケだ。
 高さ15センチ以上もあるキノコだ。筆の先っちょのような部分がテラテラと濡れて光っている。これが「グレバ」だ。

 グレバは胞子汁。たっぷりと胞子を含んだ粘っこい液体だ。

 キノコの図鑑などでは、グレバは悪臭を放つと書いてある。大方の人にとってはそうなのかもしれない。しかし、ぼくには良い香りなのだ。林のなかでグレバの匂いを嗅ぐと気持ちが穏やかになるから不思議だ。カメムシの匂いも好きだから、ぼくのようなのは変人なのかもしれないが、世の中にこういった変人は意外と多いものだ。

 グレバがたまらなく香ばしいのは、ぼくだけではない。
 大きなベッコウバエ(写真下)や小さなショウジョウバエ類がたくさん集まっていた。これらのハエ類は、ペタペタとグレバのご馳走をしきりに嘗めている。撮影中は薄暗くて気付かなかったが、あとで写真を見てみると、小さなアリなどもけっこうたかっていた。
 スッポンタケはグレバの強烈な匂いでハエ達を呼び寄せ、胞子の拡散に利用しようという筋書きらしい。

 スッポンタケの柄を持って引っ張ってみると、何の抵抗もなくそれこそスッポンと抜けてしまった。柄の下部がこのように先細りになっているとは初めて知った。熟成するとこのように菌根部から離脱するのだろうか。
 スッポンタケはグレバをよく荒い落としてから、中華スープにして食べられる。

 このスッポンタケはうちの林に生えていたのだが、もっとたくさん見つかるようなら試食してみたい。前に野生キノコは食べないようにしていると、書いたがグレバの魅力に取り憑かれたのかもしれない。

(写真上、中/E-520  ズイコーデジタル14−54ミリズーム)
(写真下/E-3     ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 
 新開 孝

その後のキョウチクトウスズメ 2008/11/01(その1)
 10月23日に紹介したキョウチクトウスズメの蛹。

 今朝になって、その蛹の頭部に黒く眼が透けて見えていた。数日中には羽化するものと思われる。
 
 一方、もう一匹の蛹は体をつまむと崩れてしまった。外見上は異常ないように見えたが、じつは体内はドロドロに腐っていた。つまり死んでいたのである。寄生バエの幼虫や蛹の姿もなかった。

 キョウチクトウスズメの成虫がこれから羽化したとしても、冬を乗り切れるのであろうか?成虫越冬できるとは考えにくいのだが、タテハモドキもいまや成虫越冬するようになっているわけだから、この先どうなるものやら。

(写真/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ+ストロボFL36R使用)新開 孝

JR日豊本線 2008/11/01(その2)
昨日までに返却しなければならなかったDVDビデオ。うっかり返却し忘れたので、今朝はレンタルビデオ店の営業開始前までに返却ポストへ放り込みに出掛けた。

 その帰り道。JR日豊本線の電車がちょうど鉄橋を通過するところだった。三股町を流れる沖水川の橋に車を止めてわざわざ撮影してみた。
 1時間に一本の上り宮崎方面行き。鉄橋を渡りきってすぐに短いトンネルがあり、その先に無人駅「餅原駅」となる。餅原駅はうちの最寄り駅だ。もっとも、手前の三股駅も次の山之口駅も、さらに次の青井岳駅も、そして沓掛駅も、みな無人駅である。

 橋から上流を眺めてみれば、鰐塚山地の山並みと三股町の田園地帯が朝の陽射しに白く輝いていた。

  
(写真/E-520 ズイコーデジタル14−54ミリズーム)
新開 孝

雨の一日 2008/10/31
 毎朝、庭での力仕事を1時間ほどやってから仕事に取り掛かる。庭や林でやるべき作業はいくらでもあって、ともかく余裕がないときは別だが、1時間ていどは何も考えずにただひたすら体を動かす。

 今日は一日のほとんどを室内作業にあてたが、雨にもなったのでちょうど良かった。

 数日前に撮影したサルトリイバラの実は、いっそう赤味が増してきた。

(写真上/E-520  ズイコーデジタル50−200ミリズーム)
(写真下/E-3    ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 新開 孝

ズブリ!グサリ! 2008/10/30
 今日見つけたモズのはやにえ。
 クロアナバチが、グサリ!

 
 





こちらは、ショウリョウバッタ。勢い余ってズブリと脳天を突破!


 



玄関先では、クチブトカメムシがタケノクロホソバ幼虫をズブリ!



 (写真/E-3   ズイコーデジタル50ミリマクロ)


 お腹の大きいコカマキリのメスに出会った。
 威嚇行動を期待して、ちょっと突いてみた。
 なんと、意に反してコカマキリはでんぐり返って、動かなくなった。
 どうやら死にまねをしているようだ。2度、3度と試してみたが、3回目まで死 にまねをして、あとはただ逃げ出すだけだった。
 ヒメカマキリほどでないが、脚を縮めていたから、やはり死にまねだと思う。
 新開 孝

ねぐら 2008/10/29
 午後4時半過ぎ。
 近くの草地ではすでにねぐらについたチョウがいた。

 タテハモドキ秋型が4匹に、ボロボロの夏型が1匹。キタテハ(写真上)はいったい何匹だろう。多過ぎて数えていない。モンシロチョウはまだねぐらが定まらず、ウロウロしていた。
 昨日の「お茶の葉裏部屋」は、まだ空室のまま。

 今夜はぼくが夕食を作ることになっている。たいした料理ではないが、ちょっと煮込みに時間が必要だ。犬の散歩は30分で切り上げた。その帰り道。

 ジョロウグモの巣網にアオスジアゲハの翅が掛かっていた(写真下)。

 胴体はクモに食べ尽くされてしまったのだろう。アオスジアゲハの水色の紋様が日没の陽射しに透けていた。
 つい数日前までツクツクボウシが鳴いていたが、さすがに秋も深まってきた。
昨日から、ぼくも長袖姿になった。まだまだTシャツでいける、と思っていたのだがそうもいかないのは、歳とったせいだろうか。
 
 そういえば、もうすぐ50歳の誕生日。おお、ついに!
 このホームページもオープンして5年目になろうとしている。

(写真上/E-3  ズイコーデジタル8ミリ魚眼)
(写真下/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ)新開 孝

「相部屋、願いまあ〜す。」 2008/10/28(その1)
 畑の脇の草地には毎晩のように、チョウが集まる。そこはチョウにとって、ねぐらとなっているからだ。

 キチョウ、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウ、キタテハ、そしてタテハモドキなどが常連の宿泊客だ。

 そのなかでも一番の顔馴染みは、キタテハとタテハモドキ。

 今日は、そのキタテハとタテハモドキが相部屋となっていた。お客が多ければそれも仕方あるまい。いつかはこうなる、そう思って見てきた。
 ではどちらが先客であったか?

 もちろん、ぼくは知っている。

 なぜなら、この「お茶の葉裏部屋」は、ずっと前からキタテハのお気に入りのねぐらであったのだ。

 キタテハもタテハモドキも、ねぐらの場所へのお好みはかなり共通している。毎晩、同じ場所に同じ個体がやって来ていることも多い。

(写真/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ)

新開 孝

羽化脱皮 2008/10/28
 午前8時半、ツチイナゴ幼虫が背なかを下にした姿勢となった。

 これはいよいよ脱皮が始まるという兆候。
 今朝は幸いにして風がほとんどない。うちの庭でツチイナゴの羽化脱皮が行われるのは、これで何度目だろうか。何度も目撃しておきながら、これまで撮影のチャンスを逃してきた。
 羽化脱皮はだいたい午前中、気温が上がってきてから行われることが多い。
 暖かい時期には夕方のこともあったが。

 さて、背中が割れて羽化が始まったのは撮影待機に入ってから30分後(写真上)。

 グングン脱皮が進行して、新しい頭部が現れた(写真中)。


 体全部が抜けきって、翅も伸びきったのは午前9時58分ころ(写真下)。


 ツチイナゴの幼虫には、緑色と薄茶色をした体色の2型が見られる。しかし、いづれの体色であろうと、羽化脱皮してしまえば茶色の成虫となってしまう。ツチイナゴの成虫で緑色のものは見つかっていない。つまり「土イナゴ」という和名はそれに因むのだろうと思っている。真相は知らないが。

 さて、今朝羽化したツチイナゴは、6日前から絶食状態に入っていた。正確にはもう少し前からだと思われるが、ともかく羽化を前にして食事をとらず、ほとんどの時間じっとして過ごしていた。動けないわけではない。羽化する数時間前まで、危ういと感ずれば、ピョンとジャンプして逃げるだけの俊敏さもあった。
 したがって、羽化が近づいた幼虫を見つけた場合、できるだけ刺激を与えないように注意しながら観察を続ける。気温、風、雨などの気象条件によって、羽化日は2、3日程度ずれることもある。天敵や強風など、動かざるを得ない事態が生じない限り、大概はその落ち着いている近辺で脱皮するはずだ。

 ツチイナゴが脱皮する際の足場も重要。今朝の場合、セイタカアワダチソウの蕾みに足場を構えたが、見ていると落ち着きが無く、足場がしっかり決まらないまま、脱皮が始まってしまった。案の定、脱皮途中になって後ろ脚が両方ともぶらんと宙に浮いてしまった。なんと脱皮進行中の逆さになった体を支えているのは中脚一本だけ。
 
 危うい脱皮になってしまった!

 こういうとき、ヘタに救ってやろうなどと手を出すと、かえって失敗に至ることが多い。しかし、今朝はどうしても看過できなかった。せめて後ろ脚片方だけでも引っかけてやろうとピンセットで救出作戦を試みてみた。これにはたいへんな技量を要する。でも、なんとか無事にやりのけた。
 ミリ単位でピンセットや面相筆を扱うのは、昆虫写真家の得意技でもある。
といっても、今回の処置がきわめて危険だったのは否めない。運が良かったのかもしれない。それでも、例えばわずかなゴミが被写体の中に紛れ込んでいることに気付いたときなど、この得意技を駆使することは多い。ちいさな被写体を拡大撮影することがほとんどの昆虫撮影では、ちょっとしたゴミやほこりが命取りになる。デジタル写真だからあとでゴミ消しができる、そういうこともあるが、絶好の撮影条件!!というときに限って処理の難しい位置にゴミが写り込んでいたりするものだ。

 今回のような危なっかしい脱皮をつい前にも見ている。そのときは後ろ脚一本で体を支えていた。そんな状態になるとツチイナゴ本人も「これはヤバい!!」と感じているのだろう。ようやくしっかりしてきた前脚で、足場の植物に抱きつくようにして脱落を逃れようと懸命になっているのが、ひしひしと伝わってきた。

 ( 写真/E-3   50ミリマクロ+2倍テレコン )
 
新開 孝

ススキと柿 2008/10/27(その1)
 柿の木の梢が、ちょうど散歩道の頭上に覆いかぶさっている。
そこを通るたびに落ち柿があって、飼い犬「チョロ」のおやつとなる。そんなにうまいかい?と聞きたいくらいだが、夢中になって食べているからには、やはり美味しいのだろう。ぼくとて柿は大好きだ。

 プヨプヨでもまだ崩れていない落ち柿があったので、クロコノマチョウの餌用にと2個だけ持ち帰ることにした。うちの林でクロコノマチョウを呼び寄せる作戦に使うというわけ。

 ススキの穂もずいぶんと大きく目立ってきた。この場所は畑の畦道だが急斜面にある草地となっている。歩けばトノサマバッタがぴょんぴょんと飛び出してくる。

 (写真/E-520 ズイコーデジタル14−54ミリズーム)
 
 
新開 孝

カブトムシ 2008/10/27(その2)
 うちの林でもカブトムシの幼虫が元気に育っている。

 今月は来客が多く、そのたびにこの幼虫たちをお披露目してきた。新聞社のカメラマンに記者、そして大勢のお母さんたち。朽ち木を起こすたびにどよめきが起こった。「これでもまだ小さくて、この先もっと肥えますよ」と手のひらに乗せて説明してきたが、そのときからすでに2週間以上が過ぎた。
 
 今では、その幼虫たちもほぼ成熟に近い。

 カブトムシの幼虫が潜り込んでいる場所は、クヌギの朽ち木の下。朽ち木は地面と接しているところではもっとも柔らかく、もろい。朽ち木そのものを食べたり、土と混じり合った腐植土を餌にしている。
 クヌギは立ち枯れたものをぼくが切り倒したものだ。クヌギが立ち枯れた理由は、いろいろ複雑だと思うが、目に見える範囲で言えば、ミヤマカミキリによる食害も一つかもしれない。もっともミヤマカミキリが産卵する時点で、クヌギの健康状態はあまり芳しくなかったのではないだろうか。

 うちの林にはそのようにして元気を失ったクヌギが何本かある。いづれ立ち枯れてしまうのだろう。その一方、でっかいドングリが「ぼてっ!」と大きな音を立てては落ちてくる。ついぞやはぼくの頭を直撃して、かなり痛かった。やはり丸刈りにするとこういうときは痛さも倍増する。
 落ちたドングリは育苗して育てれば、新しいクヌギの樹として林を再生することになるだろう。といっても、それは10年もそれ以上も先のことだ。

 うちの林のクヌギはすでに10〜20年以上の樹齢と思われるので、本来なら伐採して萌芽更新する時期だろう。伐採を15年〜20年おきにするとして、これを数回繰り返し、100年も経れば、クヌギも寿命を終えるそうだ。

 ( 写真全て/OLYMPUS E-520  8ミリ魚眼 )


新開 孝

はやにえのシルエット(散歩写真) 2008/10/24(その1)
 


 

中段の写真はショウリョウバッタの頭とおしり。


(写真全て/E-520  ズイコーデジタル50ミリマクロ)

新開 孝

西の空とサルトリイバラの実(散歩写真) 2008/10/24(その2)








(写真/E-520  上/ ズイコーデジタル14−54ミリズーム
         下/ ズイコーデジタル50ミリマクロ   )

新開 孝

i-Mac、ついに、、、、! 2008/10/24(その3)
 8月ころから不調が目立ち始めたデスクトップパソコンのi-Mac。

 このところさらに症状が悪化し、仕事をしているというより、パソコンいじりで単に時間をダラダラ費やしているだけのことが多くなった。そこで思い切って、HDの初期化を行い、OSの再インストールから立ち上げてみた。
 i-Macはネット関連の作業さえこなしてくれれば良いので、余計なソフトは一切積まないようにしてみた。

 さて、それで調子はどうなったかと言えば、、、、、。じつは、以前となんら不調に変わりはなく、すんなり起動できないこともあれば、フリーズも頻繁に生じ、まったく仕事に使えない。さすがに策も尽きた感がするし、あれこれいじっている時間も無い。
 とりあえず、ノートパソコンのPowerBook G4をi-Macの代替として据え置き、i-Macにはもう触れないことにした。つまり封印したも同然。

 写真や動画データを扱うメインパソコンは、Windowsのバイオだが、それを多少は補完していたi-Macがなくなったのは痛い。PowerBook G4では画像処理する作業にはすでに力不足であり、せいぜい原稿書いたり、ネット関連の作業しか使えない。

 PowerBook G4がいつまで持ちこたえてくれるだろうか。もしもこのノートブックまで不調になったら、Macの新規のパソコンを選択するかどうかは、ちょっと真剣に考えたいところだ。
 ともかくパソコンで躓くと、たいへんストレスが溜まる。文章を書くためにキーボードを打つのは苦にならないが、モニターの前で他の作業をしていて楽しいことはない。

 数年前、クラッシュしたMac対応HDDがある。そのときもかなり焦ったし、業者に復旧を委ねてみたところ、復旧できたデータはわずかしかなかった。120GB近くの写真データをほとんど失ってショックだった。しかし、わずかなデータであっても、業者からもらった救出リスト中にはどうしても失いたくない写真もあったので、復旧費用は15万円以上もしたが支払った。辛い出費だった。

 ところが、つい最近のこと、救出データの納まったHDDを何気なくWindowsのバイオにつないでみたところ、なんと!ほとんどのデータが復旧できていたことが判明した。業者はなぜこのことに気付かなかったのか不思議で仕方がない。不思議なのはまあ良いとして、これはほんとうに嬉しかった。さっそくブルーレイディスクにバックアップをとったのは言うまでもない。Macだと読めなかったデータが、Windowsでは事も無げに浮上してきたのであった。

 告白した彼女にふられ、別の男性と結婚したとてっきり思いこんで落ち込んでいたら、数年後に彼女がフラリと目の前に現れ、、、、、、、そんなドラマチックな場面を思い描いてしまう、、、、ほど嬉しかったというわけ、です。

 まあ、しかし、いづれにせよパソコン一台では仕事上差し支えるので、考えたくないけれど、考えないといけない状況となってしまったのは、やはり辛い、と。
 

 新開 孝

キョウチクトウスズメ 2008/10/23
 キョウチクトウスズメの幼虫が蛹になったのは1週間ほど前のことだ。

 この幼虫はある方からいただいた。幼虫が見つかった場所は宮崎市南部にある公園のキョウチクトウ。いただいた幼虫は2匹。どちらもすでに終令だった。キョウチクトウの葉をモリモリ食べて1週間ほどしてから蛹となった。キョウチクトウは意外にもうちの近辺では見つからず、餌探しに奔走した。

 幼虫の頭部や胸部には寄生バエの白い卵が数多く産みつけられており、はたして無事に羽化できるのかどうかは怪しい。とくに一匹は寄生バエの卵からウジが体内に侵入した痕跡がはっきりあった。蛹にはなったけれど、羽化することなく寄生バエの成虫が出てくるやもしれない。

 キョウチクトウスズメ幼虫が見つかった場所ではまだ若い幼虫もいたらしい。自分でも探しに行こうと考えていたが、他の仕事のことで動けなかった。少し残念だ。

 寄生バエの産卵を受けたからといって、必ずしも幼虫の運が尽きたとも限らない。寄生バエの卵がふ化しなかったり、あるいはふ化してウジが幼虫体内に入ったとしても、幼虫自身の防御反応でウジの活動を阻止することもあるからだ。

 ともかくも、写真の蛹が無事に羽化することを期待したい。

(写真/OLYMPUS E-3  マクロ50ミリ ストロボFL36R×3灯、スレーブ発光)


 『カメラは大事に扱うべし!』

 ぼくのカメラの扱い方は、かなり粗暴らしい。らしい、というのは自分ではあまり自覚していないからだ。
 先日、ズイコーデジタル35ミリマクロレンズを修理に出した。ヘリコイドがガチンと引っ掛かるようになってうまく作動しなくなったからだ。その修理経過報告を昨日教えてもらった。すると、レンズの中に細かい砂がかなり入っていたようだ。じつはそれ以外にもカメラボディをこれまでに2回、修理に出している。そのときの細かい修理状況を聞いていないけれど、どうもぼくのカメラの扱いが乱暴ではないかとの印象を、修理担当の方は抱いているらしい。「アイツ、またかあ!」と怒ってるのかもしれない。

 たしかに野外撮影で、地面にカメラを置いたままあちこち歩き回ったりすることもよくある。もちろん土や砂の地面ではなく、草の上に置くようにはしている。ま、しかし草の上でも砂やほこりにまみれているだろうから、やはりこれは粗暴な扱い方かもしれない。いつぞやは、阿蘇の牧草地でうっかり置いたカメラの所在を見失い、ずいぶんと探し回ったこともある。このときはちょっと焦った。

 カメラではないが、朽ち木割りを三脚でやったことがある。ジッツオ三脚なら丈夫なはずと、ガンガンやっていたら、同行の虫屋さんから「新開さん、なんぼなんでも、それはヒドいで!カメラマンがそんなことするかいな。」と嗜められた。
 そういえば、このときの夜にも「新開さん、カメラマンやろ。サキシマハブが目の前におって、そやのに超広角レンズ一本だけでどうするん!!」
 たしかにその夜、交換レンズは広角一本だけしか携えなかった。ある虫を撮影する画角を絞り込んで、きっちりと決めていたからだが、まさか憧れのサキシマハブが足元にとぐろを巻いているなどとは、想定外だった。恐る恐る腕をいっぱいに伸ばして撮影したのだけど、やはり全然接近できていなかった。

 カメラやレンズはたいへんデリケートな道具であることは言うまでもない。その周辺機材であるストロボなども。したがってぼくも、それなりに気を使っている。気を使いながらも、野外で活動していると機材を完全には、かばいきれないことも多い。どこかで砂やホコリにまみれる瞬間がある。水はさすがに極度に注意しているが、そのように屋外使用が中心の機材については、できるだけ防塵、防滴構造にして欲しいと、カメラメーカーには望みたい。

 ここまで書いて、そういえば、思い出した!

 今修理に出している35ミリマクロレンズ、この間地面に落としたナ。それで
土まみれになったとよ。あのときか。故障の原因は。
 今年は魚眼レンズもアスファルトの地面に落として、エライことになったし、「扱い粗暴にて要注意!!」という警告?を真剣に受け止める必要がありそうだ。

※ 新開への連絡先はこちらまで↓
  yamakamasu@shinkai.info


 
新開 孝
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