| | | | 来年の小正月にうちの地区(田上)では「おねっこ祭り」が催される。
これはいわゆる「どんど焼き」である。こちらの地方では「どんど」とは言わず「おねっこ」と言うようだ。今日は午前9時から,その「おねっこ祭り」の準備に私も参加した。力仕事だから総勢は男衆ばかりだ。
まずは竹林(マタケ)に出向いて組材料の竹をチェンソーで刈り出す作業から始まる。図面を読みながら切り倒した材を必要な寸法に現地で裁断していく。みんなそれぞれに動きながら手際が良い。私などは何一つ知らない立場なので,みなの様子を観察しながら竹材の運搬を手伝った。 チェンソーや大きなナタを扱うので,それぞれが注意し合わないと危険も多い。皆さんはしかし冗談を飛ばし合いながら楽しそうに作業を進める。その会話の半分程度しか私には解読できないのだが,それでも楽しい雰囲気には惹き込まれていく。
材料がトラックに積み上げられ,祭り会場となる田んぼに移動する。置きざりにされては困るので慌てて軽トラの荷台に飛び乗った。少しは身軽なところをアピールするつもりで大げさにジャンプしてカッコ良く荷台に飛び乗ったつもりだが,誰も見ていなかったようだ。
そこで田んぼに着いてからも今度は荷台から勢い良くジャンプして降りてみたが,やはり誰も見ていなかったようだ。まるでこれでは映画のキートンみたいだなあ,と自分でも可笑しくなった。
さていよいよ「おねっこ」のやぐらを組むとなると,いくらでも手数は必要だ。初心者の私でもできるところでは可能な限り労働を惜しまなかった。これは普段の林の手入れ作業とほぼ同じ形態だ。 材木やササを抱える,持ち運ぶ,組み上げる,そういった肉体労働には私もすでに馴染んでいる。しかし,それでも今日の作業量にはけっこう疲れた。 少しは要領よくサボれば良かったのかなあとも思ったが,皆さんの視線も感じるのだ。「新開さんよ,あんたが田上の真の住人と認められるにはね,,,,,,,,,」という重圧的な気配に過敏となるのだ。私はやはりまじめな人間なのだろう。
「おねっこ」の神体の前には鳥井が建つ(写真下)。これも竹で組んだものだ。
宮崎ではお寺は極めて稀である。どこに行っても神社がほとんどを占める。まさに神の国なのだ。
作業は手際良く午前11時半には終了した。すると女性陣4人ばかりの方々が登場しておにぎりやみそ汁の昼食が用意された。田んぼで食べる昼食はなんとも旨い!!特に高菜の浅漬けは旨い!おかわりもしたくらいだ。 そして卵焼きもでっかい!旨い!こんなでっかい卵焼きは初めてだ。卵焼きに砂糖が入っていないのもいい。私も卵焼きはよく作るが,こんなにでかいスケールでは焼いたことがない。写真で紹介できないのは残念だ(こういうときこそコンパクトデジカメは必要だろうと思った。明日にでも注文しようかと悩む)
今日はかなりくたびれた作業だったけれど,明るい日射しのもとで食べるおにぎり昼食はほんとうに至福の感極まった。
来年の1月12日の「おねっこ祭り」本番が楽しみである。初めての経験はこれまでにも数多く体験させてもらったが,田上でのイベントとしてはこれが今年最後となった。
今年もあと数日を残すのみとなった。
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