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ホコリタケ 2007/11/17(その2)
 最初はトチノキの実と間違えそうになったが,よく見ればホコリタケだった(写真上)。茶色になった老菌だ。

 

 こんなホコリタケを見ると遊んでみたくなる。


 「プヒョ!」(写真中)

 画面に登場の左手と,シャッターボタンを押す右手とのタイミングを合わせるのも意外と難しい。何度も「プヒョ!!」を繰り返していたらホコリタケはふにゃふにゃになってしまった(写真下)。




(写真/E-330 8ミリ魚眼)新開 孝

アゲハチョウ科,3種 2007/11/17
 朝一番でうちの雑木林の手入れをした。フィールドに出掛ける前の1時間ほどだ。刈ったササを処分作業場まで運び上げておいた。

 さて刈ったメダケを拾い集めているうちに,カラスアゲハの蛹がついていることに気付いた(写真上)。雑木林には大きなカラスザンショウの木があるから,そこで育った幼虫がメダケに移動して蛹になったようだ。蛹のついていた場所はメダケの高い位置であり,こうして刈ってみて初めて遭遇できたわけだ。

 一仕事してから鹿児島県の財部町(たからべまち)の渓谷に行ってみた。以前にも紹介したことがある『悠久の森』だ。ここは緩やかな川の流れに沿って遊歩道が整備されている。しばらく歩くうちにキハダの幼木が目に止まり,そこにミヤマカラスアゲハの終令幼虫がデ〜ンと構えていた(写真中)。蛹化も間近だろうと思えるほど成熟している。

 さてうちに戻って再び雑木林の手入れ作業に取り掛かった。ササ刈り作業は果てしなく続くわけだ。
 ふとキンカンの根際を見れば,そこにナガサキアゲハの前蛹が着いていた(写真下)。うちの庭ではただ一本しかないキンカンだが,この木にはモンキアゲハとナガサキアゲハがよく産卵していく。
新開 孝

コササコクゾウムシ 2007/11/15
 体長は3〜4ミリほど。この小さなコクゾウムシの一種はメダケの枯れ茎を処分しているときに,棹の中からパラパラと数匹同時に出て来た。
 和名は漢字表記すると「小笹穀象虫」。枯れたササなどを食害するそうだ。

 枯れたメダケやホテイチクの解体処分を日々行なっているが,一昨日はニホンホホビロコメツキモドキがメス13匹,オス8匹。そして今日はメス21匹,オス16匹が出てきた。枯れササの中から見つかる数種の昆虫のなかで,もっとも個体数が多いのがニホンホホビロコメツキモドキである。
 荒れた雑木林にはまだまだ膨大な量の枯れササがある。そこに潜むニホンホホビロコメツキモドキの生息数はかなりの数になるだろうことは疑いない。

 それにくらべるとコササコクゾウムシなどはかなり数が少ないようだ。

(EOS-5D 65ミリマクロ)新開 孝

ヤママユのメス 2007/11/14(その3)
 午前中,隣町の山之口町のある渓谷に入ってみた。

 ここは照葉樹林が濃く残された場所としてずっと通っているフィールドである。その環境の様子から冬虫夏草のヤンマタケも期待できるためかなりの時間を費やして探してもいる。ミルンヤンマの姿も多いがまだヤンマタケは見つかっていない。

 今朝は薄暗い林道でヤママユのメスを見つけた。もうかなり弱っていて翅をわずかに動かすだけだが,お腹はすでに萎んでいるから,いくらかは産卵を済ませているのだろうと見受ける。

 この時期はウスタビガのシーズンであり,とっくにヤママユのピークは終わっているはずだ。こうして11月のなかばにヤママユを見るのは初めてのことでもあり少し驚いた。

(写真/E330  8ミリ魚眼)

 
新開 孝

ツワブキと蝶,ふたたび 2007/11/14(その2)
 今日の正午頃,庭のツワブキの花にモンシロチョウとキチョウが続けてやって来た。

 昨日は吸蜜することなく去ってしまったが,今日はいづれも吸蜜していった。
 
 それにしてもキチョウの翅を逆光で透かして見ると,翅脈が緑色に見えて新鮮だった。これは光りの当たり具合でそう見えるのだろうか?それとも個体差だろうか?

(E-330  50ミリマクロ)



 新開 孝

ツマグロヒョウモンの威嚇行動 2007/11/14(その1)
 今朝は霧が低く立ちこめてはいたが気温はさほど低くはなかった(写真上)。
うちは田上地区という自治会なのだが,霧のなかにかすかに見える集落の中心からはポツンと一軒だけ離れた丘の上にある。まだ田上地区がどこからどこまでなのかをはっきりとは認識できていないが,子どもの同級生やお友達の御自宅が少しづつわかってきて,自治会の境界線というものもおぼろげに描くことができるようにはなってきた。
 
 さて霧がたちこめているうちにと,いつものチョウのねぐらの場所に行ってみた。タテハモドキやキタテハはいつも通りいたが,今朝はツマグロヒョウモンの姿もあった(写真中)。

 そっと指先を近寄せると,ツマグロヒョウモンはすぐさま反応してサッと前翅をずらした(写真下)。

 午前7時を過ぎているが,夜露をびっしり纏ったツマグロヒョウモンはまだ飛び立てない様子だ。しかしこのように私の指の動きには敏感に反応するところを見るとすでに目覚めてはいたのだろう。

 前翅をずらすと派手な桃色の紋様が見える。じつはツマグロヒョウモンのメスはさらにもう一匹見つかり,同じ行動を確認できた。これは威嚇行動ではないだろうかと私は感じたのだが,しかし前翅に桃色紋様のない雄が果たして同じ行動をするのだろうか?というあらたな疑問が生じた。

 ツマグロヒョウモンのオスのねぐらをどうしても見つけねば。

(写真/E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 
 新開 孝

ツワブキと蝶 2007/11/13
 昨日紹介したツワブキの花には様々な昆虫が来ていた。

 ハナアブやツヤハナバチの仲間などは動きもせわしくほとんどじっとしていない。しかしツマグロヒョウモンやベニシジミは一つの花でゆっくりと吸蜜しており撮影も簡単にできる。他にはモンシロチョウ,スジグロシロチョウ,キチョウなどが飛来したが,この3種のなかで蜜を吸っていったのはスジグロシロチョウだけだった。

 昆虫がツワブキの花に来ていたのは正午前後だけであとはパタリと姿が途絶えてしまった。

(E-330  50ミリマクロ)新開 孝

ラブ&ピース 2007/11/12(その2)
 うちのトイレの窓からは畑が見下ろせる。眺めが良いということは外からも中が丸見えになるということだ。もっとも庭に入ればの話だが,風呂場も同じ事情となっている。まるで露天風呂みたいなものだ。

 畑には先月なかばまでモロコシが植わっていたがそれも収穫され,農家の方がときおりやってきてはトラクターで耕している姿を見ていた。畑は牛の牧草用でありこんどはいつ頃種を蒔くのだろうか?年に何回くらい牧草を収穫できるのだろうか?などと気に留めながらなんとなく外の風景を見てきた。

 またこうして土だけになるとタヌキやノウサギの足跡なども多くなって,それを眺めては想像に耽る楽しみもある。

 さて先日のこと,写真のごとく二つ並んだハートマークができていた。

 まさか意図的にとは思えないが,わが家から一番良く見える場所にあり,他の誰もこの絵図を眺めることはないだろう。

 まあなんであれ,トラクターを使ったこのようなシャレた技があるとは,
これまで知らなかった。

 
(写真/E-330  50-200ミリズーム)新開 孝

ツワブキとセグロアシナガバチ 2007/11/12(その1)
 先日,セグロアシナガバチの新女王たちの集団を紹介したばかりだが,今日の夕方巣を見に行ってみると,もぬけの殻となっていた(写真上)。

 新女王たちが巣を去ったのはもしや昨日あたりだったのかもしれない。冷たい北風が一日中吹き荒れたから,そのせいでもっと寒さを凌げる場所へと離散したと考えることができる。

 日々寒さを感じるようになったこの頃,庭のツワブキが花を咲かせ始めた(写真下)。草木が冬支度に入るなか明るい花を咲かせるツワブキはなんとも有り難い存在に思える。
 九州の海岸には,葉っぱが大きく花茎も1メートル近くになるオオツワブキという品種があるそうだ。海岸の崖に群生するオオツワブキなるものを一度は見に行ってみたくなった。

(E-330  マクロ50ミリ)新開 孝

雑木林の再生作業つづく 2007/11/11
 今日も朝から雑木林のササ刈り作業を行なった。
 先日刈って積んであったササの枝を落とし,竿置場に移動。その作業を終えて作業場を空けておいてから,再び雑木林のなかから刈った大量のササを運び上げた。

 つまりある程度の量のササを刈ると,一旦それを庭の作業場へと運び上げ,そこで枝落としやその枝の焼却をおこなう。刈るだけなら作業効率はかなり上がるが,置き場所に限界があるから適度に刈ったササを解体処分する作業をはさむ必要がある。

 朝から冷たい北風が強く吹き,力仕事をするにはちょうど良かった。普段なら今の時期でも汗だくになる作業量だ。

 さてジャングルのごとく密生したササを刈っていると,かなりの割合で立ち枯れた株が混じっている。全体の1割かあるいはそれ以上かもしれない。立ち枯れはその腐朽程度にもよるがグイッとねじれば根元からポキンと簡単に折れる。あるいはすでにでんぐり返っている株も多いが,この横倒しになった枯れ株が複雑に絡み合い,ササ刈り作業にとってはたいへん厄介だ。だからこの立ち枯れササを前もって間引いておく方が良いようだ。

 しかし刈っても刈ってもまさに無尽蔵に生えてる様な気がするササの圧倒的な量を前にして,今の作業をコツコツとこの先続けることには限界が見えている。どこかで一気に処分する方策もとる必要があるだろう。
 そのためには2トントラックをレンタルして清掃工場や廃棄処分場など公的施設に持ち込むしかない。

 ササを原料にする炭窯でも作ればいいかもしれないが,それを始めたらもういきなり老後の境地だ。炭焼きは今の写真家稼業を引退した後の老後の楽しみにとは思っているが,まだ少し早い。炭焼きして酒代だけでも稼げるかな,と思ったりする。

 新開 孝

ねぐらの2匹(タテハモドキ) 2007/11/10
 先月からキタテハやタテハモドキのねぐらを何回も紹介してきた。

 狭い範囲の草むらに毎日のようにねぐらを定めるわけだから,そのねぐらポイントにも自ずとお気に入りねぐらがいくつか絞られてくる。
 そうなってくるといづれは一箇所のねぐらに複数個体が鉢合わせすることも稀だろうけどあるだろうと予測できた。そしてその予測通り,今朝は2匹のタテハモドキが寄り添うようにしてねぐらに止まっているのを見つけた(写真上)。

 タテハモドキには集合してねぐらに入るという習性はもともと無いものと思う。したがってこの2匹は偶然にも同じねぐらについたのだろう。このポイントはキタテハもよくねぐらとして使っており,葉っぱの広さも2匹が並ぶだけの余裕があった。したがって今後,キタテハとタテハモドキが一緒のねぐらにつくという可能性もあり得るわけだ。

 さすがに11月,霜月だ。朝晩は冷える。畑には低い霧がたちこめる日も多い(写真中)。
 今朝は4匹のタテハモドキのねぐらの姿を見たがどの個体の翅もびっしり霜に覆われていた(写真下)。

(写真上,中/EOSキッスデジタルN  15ミリ水平魚眼)
(写真下/EOSキッスデジタルN   シグマ50ミリマクロ)

新開 孝

サツマゴキブリ 2007/11/09
 昨日,日南市の海岸林で見つけたサツマゴキブリ2匹を持ち帰ってみた。林の落ち葉の下に隠れていた。
 衝動的に捕らえてみるとどうもこのゴキブリを飼ってみたくなったのだ。3センチ程度の大きさやツルリンとしたボディ,なんともいい感じだ。

 私が初めてサツマゴキブリに出会ったのは八丈島の空港ロビーを出たところの路上であったのも懐かしい。ぺしゃんこになった死骸だったが,初めて見たサツマゴキブリにとても感激した。

 背面からは頭は隠れていて見えない(写真上)。お腹側から覗くと,まるで三度笠を被ったような顔が見える(写真中)。
 本種は翅がとても小さく(矢印先の4枚)それは翅という機能はもたなくてウロコとでも言えるような見た目はお飾りでしかない。

 鈴木知之さんの著書『ゴキブリだもん』(幻冬舎)によれば,本種の分布に北海道も含まれている。本州では静岡県以南の暖冬な地域に限れており本来は南方系種だろうと思われるが,飛び地のように北海道にも生息しているのは不思議な気がする。

(写真/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

ハラビロカマキリのメス 2007/11/08
 今日も日南市の海岸林に行ってみた。先月から注目しているのは寄生植物のキイレツチトリモチだ。キイレツチトリモチは海岸林のトベラに寄生するが,先月末の段階で塊茎(かいけい)が見つかったものの、花茎がまだほんのわずかしか伸長していない。
 今日は日射しが強くじっとしていても暑い。林のなかではヤブ蚊にいっぱい刺されてしまった。

 あまりにも伸長が遅いので,他の株を探してみたが,いっこうに見つからなかった。海岸林は数キロに渡って細長く続いているが、トベラ林はたいへん歩きづらい。とりあえず今見つかっている塊茎の成長を待つしかないようだ。

 林から這い出て林縁を見ていると、ハラビロカマキリのメスと目が合った。
このメスはちょっかいを出すとすぐに威嚇ポーズをとってくれた。

(写真/E-330  8ミリ魚眼+1.4倍テレコン)

※写真はクリックすると拡大できます。

新開 孝

セグロアシナガバチの新女王たち 2007/11/07
 庭木のアラカシの梢にセグロアシナガバチの新女王たちが潜んでいることは前にも紹介した。ところが道を一本隔てたウメ林でも、同種の巣と新女王の群れを発見できた。うちの駐車場から見て真正面の位置だ。
 新女王たちは頭隠して尻隠さずだが,ちゃんと見張りは巣上にいつも構えている。

 じつは発見したのは落ち柿に来ているクロコノマチョウを撮影しているときで、もう2週間以上も前のことだった。
 今年は春からアシナガバチの撮影に取り組んでいたので、この巣に気付くことができなかったことが、とても悔しい。
 よく見ると、写真のセグロアシナガバチの巣はかなり小さい。おそらくは創設巣が作られた時期が遅かったのではないかと思われるが、その理由は天敵の脅威にさらされた挙げ句のことではないだろうか?


(写真/EOS-5D  100ミリマクロ)
新開 孝
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