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米と牛 2007/10/05(その3)
 私が住む宮崎県、三股町には、牛を飼う農家がたいへん多い。ちょっと集落を歩いてみれば、そこかしこに牛舎があって農家の方々が牛と寄り添うようにして生活していることがよくわかる。

 当然ながら牛の餌としての飼料畑も多く、トウモロコシもほとんどが牛の飼料用である(写真上)。

 また一方で、米作りもさかんだ。ほとんどの農家の方は稲作をしており、今は刈り入れに忙しい時期だ(写真中)。

 さて、ある虫を探して上米公園という丘陵に登ってみたら、牛舎と牛の運動広場が合体した場所を見下ろせた(写真下)。
 これは放牧とは違うが、広場で牛が糞を落とし、それがしばらくは放置されるなら、糞虫が生き残れる環境になるのではないかと思えた。さて、どうだろうか?

(E-500  35ミリマクロ)新開 孝

ハキリバチの仕事、ふたたび 2007/10/05(その2)
 庭のコスモスにはハキリバチが来ていた(写真上)。

 アキノノゲシの花の方にはハナバチ類が多数来ているが、ハキリバチの姿はない。ハキリバチの花粉や蜜集めは、他のハナバチ類に比べればいかにものどかである。

 ハキリバチは、餌集め以外に育児室用の葉っぱ建材も集めなければならない(写真中)。葉っぱ建材も、育児室のどの部分に使用するかによって、裁断の仕方を変える(写真下)。

(写真/EOSキッスデジタルN 100ミリマクロ)新開 孝

ニホンアカガエル 2007/10/05(その1)
 三股町にある「梶山城址」に行ってみた。仕事で探している虫を、ここでなんとか見つけようと思ったからだ。しかし、思ったようにはいかないものだ。そういう日もある。

 そんなとき、足下からピョーンと大きくジャンプしたカエルがいた。
落ち葉の上にじっとしていれば、すぐに見失ってしまいそうだ。このカエルはおそらくニホンアカガエルだと思う。

 本種に似たヤマアカガエルとの見分け方は、目の後方からのびる背側線の走り方によるから、そこがきちんと見えるように撮影してみた。

 アカガエルの仲間は早春の田んぼに産卵する。

(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 さて、先日10/2にアップした、門灯にやって来たツチガエルの写真は、ヌマガエルではないか、との指摘をある方からいただいた。私自身、正直言って自信がないので、庭に棲んでいるカエルたちをきちんと一度は調べておく必要を感じている。昆虫に比べれば、種類数は少ないが、カエルの同定もなかなか難しいものがある。新開 孝

稲刈り 2007/10/04(その3)
 今日は小学校の近くで、子供達の稲刈りが行なわれた。田植えはほぼ4ヶ月前の6月6日だった。

 今回も天候に恵まれたが、私は午前中ギリギリまで仕事の撮影をしていて、田んぼに駆けつけたときにはすでに稲刈り作業は終わったところだった。

 小学校に戻ってから、刈り取った稲を鉄棒や、プールのフェンスなどに掛けて干す作業をした。

 こうして稲穂を日干しにする光景は、ずいぶん昔に新潟で撮影したことを思い出した。その新潟の山間部では、高さ数メートルもある稲はざに何段も積み上げて、稲はざ全体が大きな看板のように立ちはだかっていたものだ。この地方の稲はざは、トネリコやハンノキを利用している。稲はざに利用するハンノキやトネリコの木を「稲架木(はざぎ)」というが、今ではほとんど見かけなくなった。

(ちなみにこの稲はざの風景写真は、私の共著『里山大百科』(TBSブリタニカ)に掲載されています。ちょっと宣伝。)

(写真/E-300 14-54ミリズーム)新開 孝

タテハモドキの秋型 2007/10/04(その2)
 庭にタテハモドキの秋型がやって来た(撮影は昨日)。

 まだ羽化して間もない個体のようで、飛び方も弱々しい。
 広げた翅の眼玉模様が印象的だが、翅を一旦閉じると一転して枯れ葉に化けてしまう。翅の表裏の極端な違いがなんとも良い。

 タテハモドキの幼生期については、観察も撮影もまだできていない。来年の課題としておこう。
 そう言えば、2、3日前にうちのすぐそばの畑で、アオタテハモドキのメスを見た。タテハモドキもアオタテハモドキも食草は共通しているので、そのうち両種の幼虫などもどこかで出会えるのだろうと、楽しみにしている。

(写真/EOSキッスデジタルN   100ミリマクロ)新開 孝

ハキリバチの仕事 2007/10/04(その1)
 ハキリバチの母バチは、自分が巣として選んだ竹筒の位置や形状をよく記憶している。それは回りの風景などもきっちりと視覚情報として憶えているからだ。

 しかし、例えば私が撮影をする上で、竹筒をほんの少し動かしたり、カメラやストロボなどの撮影機材を回りに設置すれば、母バチの記憶にも少し混乱をもたらす。花蜜を集めて戻ったきた母バチは、巣の様子が少し変わったことに気付くと、自分の戻るべき竹筒を見失い、あちこちと探し回るのである。

 しばらくはウロウロしていて、ようやく自分の巣を確認できると、

 「ここだよね!」と自分に言い聞かせるように、そっと触角で触れてから巣の中に飛び込んだ(写真上)。一旦、自分の巣場所を再確認できたなら、次からは迷う事が無い。

 (写真下)は、育児室用の建材となる葉っぱを運び込むところ。


 なお、ハキリバチ類は国内でも20数種はいるが、識別はたいへん難しい。今日のハキリバチについても正確な種名はまだ調べていない。

 (写真/EOS-5D 100ミリマクロ)新開 孝

蛹の居場所 2007/10/03(その3)
 ツマグロヒョウモンは、まるでうちの庭のペットのごとく、いつでもフワフワと舞っているチョウだ。

 ツマグロヒョウモンが多い事はこれまでにも何度か書いてきたが、今日は蛹の居場所を少し撮影してみた。

 写真上/鉢植え。
 写真中/水道ホース。
 写真下/縁側の下。
 

新開 孝

トゲナナフシと草刈り 2007/10/03(その2)
 庭でトゲナナフシを見つけた。

 今朝は道路沿いの草刈りを行なったのだが、その刈った草を全部、一輪車で運び終えたころでトゲナナフシに気付いた。

 そもそも、わが家の敷地に接する道は、お隣の山之口町の町道であり、なおかつわずかながらうちの敷地のノリ面をかすめるようにして山之口町の町有地なのである。したがって本来なら、山之口町で草刈りをしなければならないはずだ。事実、春には町のほうで草刈りを一度行なっているのだ。

 ところが、その一回きりでその後の草刈り作業はまったく為されていない。で、このところ人の背丈まで草が伸びてきたので、業を煮やして私が草刈りをしたのである。
 以前に山之口町の草刈り作業があったときには、作業後に多数のタバコの吸い殻が捨てられており、これなら自分でやった方がいいと思ったし、刈草をうちの敷地の方へずいぶんと投げ込まれたので、そのような粗雑な作業なら、こちらでやったほうがいいと思っていたのだ。

新開 孝

孤独な作業 2007/10/03(その1)
 庭のヤシャブシの葉っぱを切り取って、それを持ち去っていくハキリバチの一種を先日から撮影している。

 最初は追いかけても巣場所まで辿り着けなかったが、今日はすぐ近くの竹筒内に持ち運んでいることを突き止めることができた。

 葉っぱの運び込みを一旦終えてから、こんどは花粉や蜜を持ち帰ってくるようになった。ハキリバチは竹筒のなかに裁断した葉っぱを使って小部屋を作り、その中に花粉ゼリーを貯めてそこへ産卵する。つまり育児室とやがて産まれてくるこどものための餌を用意する仕事をせっせと行なうのである。その仕事は単独で行なうのであり、まさに孤独な作業である。

 先日、シリアゲコバチが寄生産卵していた宿主とは、このハキリバチであったのだ。

 今日は、ひとつの育児室内に花粉や蜜の餌をどのくらいの時間をかけて運び込むのか観察してみた。その結果はいづれ公表するとして、午後5時半、最後の運び込みを終えて竹筒内に籠った。ハキリバチの活動はこの時期、この時間帯あたりが終了時刻となるようだ。

 写真は、花粉と蜜を運び込んで育児室内で作業したあと、また出掛けていく母バチである。

(EOS-5D  100ミリマクロ)新開 孝

門灯の下で 2007/10/02(その2)
 午後8時過ぎころ。玄関の門灯の灯りを頼りに、ショウリョウバッタを探してみた。

 すると地面に腹部先端を入れて産卵中の、大きなメスが見つかった(写真上)。
しかし、かなり神経質だ。一回シャッターを切ると、次にはもう逃げ出していた。
 こうして腹端が地面に突き刺さっていても、実際に産卵が始まっているかどうかの見極めは難しい。すぐに逃げ出すようなら、まだ産卵は始まっていなかったのだろうと思う。

 ショウリョウバッタは門灯の灯りに寄って来たのではなく、たまたま灯りでもって発見率が高まったということだろう。

 門灯の灯りのおかげで、そこに集まる虫をお目当てにやって来たのは、ツチガエルのこどもだ(写真下)。カエルに食べられる昆虫を撮影したいとずっと思っているが、これがなかなか難しい。

(E-330  8ミリ魚眼/ストロボFL-50使用)
新開 孝

放牧地 2007/10/02(その1)
 今日は宮崎市内を通り越して、新富町から都農町方面までをロケハンしてみた。
 基点は西都原古墳群で有名な西都市からで、ここから農免道路をあちこち走ってみた。

 先日、子供の通う小学校のある先生から、延岡方面に行く途中で放牧地を見たとの情報を教わったので、さっそく出掛けてみたのである。

 大雑把な位置しか聞いてはいなかったが、2万5千分の1地形図を眺めているうちに、放牧地の場所のおおよその見当がついた。

 お話を伺っていた通りで、放牧地は農免道路に沿って、細長い帯状となって続いていた。牛も数頭いた。規模は小さいけれど、糞虫にとっては天国のような環境だろう。

 宮崎市の北に位置する、新富町、高鍋町、木城町、都農町、そして西都市方面はその一帯をぐるぐる回るだけでもっけっこうな時間を要した。宮崎平野というのはほんとうに広大だなあ、とあらためて感じる。

 今日はロケハンに徹した。次回はまた、別の場所で放牧地を探してみようと思う。新開 孝

スズバチ 2007/10/01(その4)
 家壁の少し奥まった雨のかからない場所に、スズバチが泥巣をこしらえている。泥巣に気付いた段階ではもうかなり形が出来上がっており、スズバチは仕上げの泥塗りを丹念に行なっている。観察を初めてからすでに1週間経つが、まだその作業は終わらないようだ。

 で、今日も様子を覗いてみれば、なんと泥巣の近くで雄バチがマウントしていた。雄バチを見る機会は少ないので、すぐさまカメラを取ってきた。

 オスとメスの区別がわかりにくいので、顔を正面から撮影してみたら、黄色い紋様の形などに相違があることや、オスの方が少し縦に細長いことがわかった。

(写真/EOSキッスデジタルN  100ミリマクロ)新開 孝

ナンコ玉 2007/10/01(その3)
 「焼酎の友」と書かれてあるが、「ナンコ玉」は食べ物の類いではない(写真上)。

 「ナンコ玉」は「南交玉」(箸戦玉とも)と書き、酒宴の場での遊びの一つ。旧島津藩が南方との貿易を盛んに行ない、南方商人との取引をするときに、接待の道具として、酒宴の場で広く利用したといわれているそうだ。

 遊び方は簡単で、おたがいに玉(木棒)を三本づつ持ち、自分の玉の数が相手にわからぬように片手で前に出し、相手と自分のとを合計した数をあてる。
 負けた方は罰として焼酎を飲む。

 じつは先日、敬老会のあとの反省会の場でこの遊びを地元の方から教わった。その場には「ナンコ玉」がなかったので、割り箸を折って6本の玉を作った。
 玉の数を言い当てる際には方言があって、例えば合せて「二本」なら、「ジャン」、「ゼロ」なら「ヅツ」とか、それを速いテンポで言い当てながら遊びが続く。続くなかでどちらかが焼酎を一杯づつ飲むわけだから、けっこうこれは効いてくる。

 また写真でわかるように、玉は大きい。三本全部を片手に隠すには、手が小さい方だと少し苦労する。

 「ナンコウ玉」は木刀を製造した過程で出た端材を使って作るそうだ。昨日、近所の方がわざわざ持って来て下さった。新開 孝

運動会と反省会 2007/10/01(その2)
 昨日は子供の通う小学校で運動会があった。朝からよく晴れて、日射しがとても強くここ数日でも特に暑い一日だったと思う(写真上)。

 6年生の上の子は、小学校最後の運動会だ。開会式の行進では旗手を務めさせていただいた(写真中)。

 全校生徒は70人に満たない数だが、父兄の方々は大勢出席されて賑やかな運動会となった。
 父兄が参加する競技あり、民芸保存会の方々の踊りや囃子もあれば、あるいは「俵踊り」という伝統の踊りを子供達が舞ったりと、都会の運動会では味わえないであろう催しとなった。
 
 わが家は少し学校に着くのが遅くなり、席取り合戦に間に合わなかった。テントからはじき出された隅っこで昼食となった。しかし大きなセンダンの木陰があって助かった(写真下)。

 運動会終了後、父兄や先生方が総出で片付けを行ない、少し時間をおいて「反省会」となった。運動場にビニールシートを敷いて、先生と父兄でいわゆる打ち上げ会だ。こういうのも都会では考えられない行事だろう。生憎、途中で雨が降りだしたが、しばらくして止んだ。

 この反省会のあと、わが家から一番の近所にある父兄の方の家へ招かれた。100頭以上の規模で牛を飼っていらっしゃるお家だ。このお宅でも焼酎の一升瓶が棚にずらりと並んでいた。
 あつかましくも私はその中から「伊佐美」を選ばせてもらった。噂には聞いたことがある銘柄だが、飲むのは初めてだ。「森伊蔵」のしかも特別酒もあったが、さすがにこれは遠慮した。「森伊蔵」の一升瓶は近くのスーパーにも置いてあることがあるが、4万円を越す価格だ。それはもう桁外の金額だ。
 私が飲む酒は、焼酎でも日本酒でも、一升瓶で高くても3000円程度が上限と決めている。毎晩飲むこともあって、高価な焼酎には手が出せない。普段飲むのは2000円以下。
 最近は「黒霧島」がとても人気で何処の店に行っても一番多く棚に並んでいる。しかし、へそ曲がりの私は、この「黒霧島」を避けて「伊佐錦/黒」や「明月」「松露」などを飲んでいる。

 このところ朝晩はかなり涼しくなってきた。それで少し日本酒が恋しくなって、青森の純米「田酒」でもと思いネットで調べてみたら、手頃な価格の一升瓶はどこの店でも品切れとなっている。おでんには、やはり日本酒だろう、そう思うのだが、こちらの地酒で日本酒はとても影が薄い。日本酒も銘柄選びには慎重になる。

新開 孝
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