| カラムシの群落が畦道に続く。刈られても刈られても、またニョキニョキ生えてくる、じつに逞しい草だ。あちらで消えても、こちらであらたに出現し、まるでモグラ叩きにも似ていると思う。
そのカラムシの葉がきれいに二つ折りされると、遠目にも白く目立つ。葉っぱの裏は白いからで、つまり二つ折りにする犯人は必ず、葉っぱの表を内側に裏側を外側にするという、厳格な性格の持主なのだ。もちろん、その犯人とはアカタテハの幼虫である。
今朝出会った幼虫は、すでに隠れ家の葉っぱを内側から食べ進み、ときおり自分の姿を隙間から晒していた(写真上)。しかも真新しい糞まで隠れ家の下に溜めてしまい、もう隠れ家どころでは無くなっている。おそらく、この幼虫はそろそろ引っ越しを考えているところではないだろうか?
ちょっと失礼して、ボロ屋の壁を開いてみた(写真中)。
同じカラムシ群落をひとわたり眺めていると、蛹が露になっていた(写真下)。蛹のこもる部屋も、通常は糸で綴って外からは見えないように設えるのだが、どうしたわけか、手抜き工事となっている。
(写真/E-3 50ミリマクロ)
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