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クヌギ樹液酒場 2007/08/258その2)
 うちの林のクヌギ樹液酒場は、お盆の頃から閉店していたが、今日は久しぶりに賑わっていた(写真上は、昼間。写真下は午後9時半)。

 一昨日からノコギリクワガタのオスがやって来て、それが二日続いた上、スズメバチも来始めたので、これはそろそろお盆休みも終わったか、そう思えた。
 
 樹液酒場にもお盆休みがあるとは知らなかったが、ともかくも樹液酒場の賑わいがあると、まだまだ夏の余力を感じ取れて安心する。

 というのも、今年の仕事の予定では、8月前半でほぼ受注撮影を終了し、後半からはフィールド巡りや自己作品の撮影に没頭できると思っていたのだが、そうはいかず、まだまだ好き勝手には動けないでいる。

 と、言いながら家族や知り合いの方々と夏休みを楽しんでもいる。
 明日は、子供たちと筏下りレースに参加する。

新開 孝

ツマキシャチホコ、幼虫群 2007/08/25(その1)
 若いクヌギの梢で、ツマキシャチホコ若令幼虫の群れを見つけた。

 2週間程前から、ツマキシャチホコの成虫が、うちの灯りによく飛来していた。どうやら2世代目の幼虫が現れ始めたというところだろう。

(写真/E-500 ズイコーデジタル14-54ミリズーム)新開 孝

タイワンクツワムシ 2007/08/24(その2)
 今夜はタイワンクツワムシがよく鳴いていたので、撮影してみた(写真)。

 タイワンクツワムシの鳴き声は、「ギュル、ギュル、ギュ、ギュ、ギュ、、、、、」と出だしにも特徴があり、クツワムシの「ガチャ、ガチャ、ガチャ、、、、」とは、はっきりと聞き分けることができる。

 というのも、うちの庭の草地ではタイワンクツワムシが多く、あちこちの草むらで鳴いているが、道を隔てた林の奥からは、クツワムシの鳴き声が聞こえてくるのである。

 しかし、ここ宮崎南部の田舎でもアオマツムシの鳴き声は聞こえてくる。ここでもかあ、と最初に鳴き声を聞いたときには、少し拍子抜けした気持ちがしたのは正直なところであった。

 (E-500 ズイコーマクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

アブラゼミのけんか 2007/08/24(その1)
 庭木でアブラゼミが元気に鳴いていた。

 近づいてみると、翅の先が少し欠け、クモの糸も絡んでおり、体色から見てもそのアブラゼミはすでに羽化してからだいぶ日数を経ているのだろうと思われた(写真上)。

 そこへ別のオスが鳴きながら飛来した。すると老アブラゼミも負けじと、鳴き声をさらに甲高くして対抗する。

 あとからやって来たオスは、じりじりと老アブラゼミに枝の上からにじり寄って来て、両者は前脚で取っ組み合いとなった。

 が、勝負は一瞬にして決まったようで、後からやって来たオスがすぐさま飛んで逃げていった。

 「爺さんには、負けたよ!!ジ、ジ、ジ、ジ、ジー」

(写真/E-500  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

丸い虹 2007/08/23(その1)
 先日から子供のお友達がお母さんを伴って、うちに遊びに来てくれた。
清瀬に住んでいたときの小学校の同級生や、保育園時代からのお友達など、子供のお客さんは総勢6人。お母さんお二人が加わり、うちの家族併せて12人が寝食を供にしている。まるで民宿のような賑わいだ。
 
 最初はどうなるのか?と気掛かりだったが、子供達は久しぶりに再会して楽しそうに遊んでいた。

 今日は、先週訪れた串間市の海水浴場へ出掛けてみた。平日でもあり海水浴場はガラガラ。というか、8月20日をもって、海水浴場は一応終了したそうだ。危険を知らせるブイや、飛び込み筏も撤去され、監視員の姿も無かった。
 しかし、海の家は営業しており浮き輪を借りて、子供達はたっぷりと海水浴を堪能できたようだ。

 もう一箇所、綺麗な砂浜に寄って貝殻拾いをする予定だったが、子供達は海から上がろうとせず、結局、海水浴場だけで遊んだ。貝拾いをしたかったお母さん方には少し気の毒だった。

 海に浸かっていた子供達が「虹!!虹が出ているよ!」と叫ぶので、頭上を見上げてみると、太陽を取り囲む同心円状の虹が2本あった。外周の虹は全部が見えないが、内側の虹は完全な円となっていた。

(写真/E-330  ズイコーデジタル8ミリ魚眼)
新開 孝

どうぶつ雲 2007/08/23
 串間市の海水浴場に着いて、荷物を海岸に運び終えたとき、目の前に黒いアゲハが飛んで来た。

 下から見上げてはっきりとわかったのだが、それはナガサキアゲハ、メスの有尾型!であった。しかもかなり新鮮な個体だ。ナガサキアゲハの有尾型は非常に稀である。私自身は今回が初めてだ。

 ナガサキアゲハの有尾型は力強くはばたいて、海岸林の向こうへと姿を消していった。これは是非とも採集してみたいと思い、先日購入したばかりのつなぎ竿を用意して気をつけてみたが、結局、再び姿を現すことはなかった。

 諦め切れず空を何度も見上げていると、犬の形をした雲があった。
 しばらく眺めていると、犬の姿はどんどん形が崩れていってしまった。

 数日前から大勢のお客さんが来ているが、今抱えている仕事のスケジュールを変更はできない。自然相手だと、待った無しだ。
 とくに野外スタジオで予定していたシーンは、朝の早い時刻が光の条件も良いし、昆虫のコンディションもちょうど良い。登場する昆虫も飼育しながらキープしているが、そろそろ撮影をしないとシーズンをはずしてしまいそうだった。

 そこで海水浴に出掛ける前に、そのシーンを撮影しておくことにした。
 今回のシーンではお手伝いが必要だった。そこで、お客さんの中で将来、昆虫写真家になりたいという中学3年のお兄ちゃんに手を貸してもらった。彼が子供達のなかで最年長でもある。
 普段から昆虫が好きな子だけあって、虫を扱うのも手慣れている。おかげで撮影は順調にいって、心置きなく海水浴に出掛けることができた。

 以前にも少し書いたが、昆虫写真家になりたい、と思うお子さんは少なからずいて、「どうすれば昆虫写真家になれますか?」という質問をときおり受ける。

 大人が「将来、君は何になりたいの?」と問い質し過ぎるのもいけないのではないか、そう思える。高校受験という進路指導と絡めて、人生進路まで問いつめられるのもたまらんだろうなあ、と同情したくなる。まあ、答える側も適当なことを言っておけばいいのだろうが。

 それで中学3年生のお兄ちゃんとは、海水浴場の日陰で少しお話をした。
 昆虫写真家としての条件は、一つに昆虫が好きなことで、それもいろんな昆虫に興味をもてること。もう一つは写真や映像で昆虫の魅力を表現することに情熱を抱けること。自分なりのこだわりを持って、表現することを継続できることなど、、、。

 わかりきったようなことだが、単純に切り詰めれば、そういうことだ。もう少し踏み込んで、昆虫写真にはどのような市場があって、そしてそこでどのような写真が必要とされているかを、きちんと把握しなければならない、とか細々としたプロの仕事の様子を話してみた。

 で、結局、そのようなお題目のような話よりか、私がこれまでどういう道を歩んできたのか、中学生時代あたりからの想い出話を聞いてもらった。

 振り返ってみれば、自分が昆虫写真家になろうと決心したのは、意外と遅い時期のことで、大学生活のなかでじわじわとその希望が湧いてきた。しかし、じわじわであって、確たる決心は上京してからのことであった。

 自分が学生の頃から、すでに世の中にはスター級のプロの昆虫写真家が何人かいて、そういう方々と比べて自分はどこで個性の違いを発揮できるのか?
 自分が写真家となったとき、胸を張って公表できる作品とは何かを考え、整理していくには、かなりの年数を自分の場合は必要としたし、実際にフィールド体験をしっかりと積み直す時間はもっと大事なことだった。

若いころにいろいろと将来の希望を抱くのは当然のことで、憧れる職業もあるだろう。

 しかし、あまり早い時期から自分の希望を狭い範囲に絞ることもないだろう。

 今日の青空に浮かんだ雲のごとく、時間を経るにつれて、気持ちの抱き方もどんどん変わっていくはずだ。
 
(写真/E-330  ズイコーデジタル14-54ミリズーム)新開 孝

残暑見舞い 2007/08/22(その2)
 今年の3月末に、今の宮崎県北諸方郡三股町の新居に引っ越ししてから、まだ住所変更の通知連絡を出来ていない方々が多数いて、これはいかんなあ、と思い始めた。

 せめて暑中見舞いで、とも思いかけたがともかく仕事や、家屋、庭、林の整備などの作業が絶えず、それも断念した。

 先日、家族で海に行ったときに拾った貝殻を眺めているうちに、これを写真にして残暑見舞いの絵はがきを作ろうかと思いついた。今日の写真は、台所にあった白いトレーを使って、簡単な物撮りをしてみた。
 忙しいこともあるが、もうひとつはきっかけも必要だ。何か作業を始めることで重い腰を上げることもできる。しかし、引っ越してからプリンターの調子がたいへん悪い。これも気掛かりではあるが、、、。

 このところの虫たちの様子を見ていると、夏本番はもう終わったなあ、と強く感じる。

(写真/E-500  ズイコーマクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
新開 孝

シンジュサン 2007/08/22(その1)
 シンジュサンが灯りに飛来していた。気付いたのは朝の5時ころ。

 ヤママユは先月に1オスが来ただけで、集まりが悪い。近くに強力な水銀灯が多いせいかもしれない。オオミズアオも一度来ただけ。

 シンジュサンもヤママユガ科の仲間だが、本種は5月と8月の年2化である。今朝のシンジュサンはオスだが、すでに翅はかなり傷んでいる。三股町や都城市では、クロガネモチの植樹が多い。シンジュサンの幼虫はクロガネモチでときに大発生することがある。どうもクロガネモチが一番、食樹として好まれるようだが、それ以外ではクスノキやシンジュノキ(ニワウルシ)、ニガキ、ゴンズイ、キハダなども幼虫の食樹となる。

(写真/E-330  ズイコーデジタル 14-54ミリズーム)新開 孝

夏空 2007/08/21(その2)
 コナラ探しを終えて、うちに戻ってみると、空には巨大な入道雲が並んでいた。いかにも夏らしい、気持ちのいい眺めだ。

 山地の方を見ると、少し黒い雲も迫ってきていた。そのうちゴロゴロと鳴り始め、冷たい北風が吹き始めた。そして夕立が少しの間だけ降った。

(写真/E-330  ズイコーデジタルズーム 14-54ミリ)新開 孝

コナラとハイイロチョッキリ 2007/08/21(その1)
 今日はコナラの木を探しに出かけてみた。

 都城市山之口町にある青井岳(標高560メートル)の麓近くの林道を走ってみた。するとわずかながらコナラの植わっている場所があった。こちら九州では、クヌギの林は非常に多いが、コナラの林はほとんどない。
 今日見つけた場所も林ではなく、植林地の縁に植えられたコナラであった。そうした箇所がポツン、ポツンと続く。この辺の地名は「飛松」とあった。人家はたいへん少ない。木陰の多い川はとても涼しげで、綺麗で、川遊びには最適と思われた。

 クヌギ林には、あちこちに「林に入るな!昆虫を取るな!地主」と書かれた立て看板がたくさん並んでいて驚いた。クワガタブームのおかげで、どこへ行っても採集者が入り込んでおり、地元の方々からすれば不快な思いをすることも多いのだろう。トラップを仕掛けたまま、回収しない不届き者も多いから、クワガタ採集者は嫌われても仕方が無い。

 さて、コナラに近づいてみると、目の前を葉っぱのついた小枝がクルクルと回転しながら落ちて来た。足下を見れば、ドングリと葉っぱのついた小枝があちこちにころがっている。

 拾いあげてみると、ドングリには産卵痕があり(写真上)、枝には切断面が残されている(写真下)。

 虫の姿は確認できなかったが、おそらく関東にも多かったハイイロチョッキリの仕業だろう。しかし、この時期にもう産卵を始めているのはいかにも早い。
 ハイイロチョッキリの産卵行動はビデオ撮影しなければならないので、あまりのんびりとしていられない。

 残念ながらコナラの樹液は見つからず、クヌギやニレでも同じく昆虫酒場はひとつも見つからなかった。

(E-330  ズイコーデジタルズーム 14-54ミリ)新開 孝

ヒラタクワガタのオス 2007/08/20
 夕べ、陽が落ちてから庭の地面を歩いているヒラタクワガタのオスを見つけた。
体の大きさは左程でもないが、カッコいい。仕事の撮影で必要なので、しばらく飼ってみることにした。

 1週間程前からうちの林のクヌギの樹液はどれも出が悪くなったようで、ぱったりと昆虫が来なくなっている。まさに夏枯れの状態である。樹液の出具合というのはほんとうに微妙だ。

 そこでクヌギ樹液の出場所の一箇所に、人工樹液を毎朝、毎晩、塗っている。するとシロテンハナムグリやカナブンが少しは来るようになったが、以前ほどの数は来ない。カブトムシは毎晩来るが、これも数は少ない。

 そういう中で、ヒラタクワガタが現れてくれたのは、少し嬉しい。
 
 そこで白バックでポートレートを撮影しようとしたが、大暴れですぐに撮影台から逃げ出してしまう。でんぐり返って脚をバタバタさせる様は、まるでデパートのおもちゃ売り場でダダをこねる男の子のようだ(写真上)。

 こういうとき、あることをすれば、一瞬にしてヒラタクワガタはおとなしくなる。おとなしくなるというか、脚を縮めピッタリ体に付けて死に真似の状態となる(写真中)。
 死んだふりをずっとされては撮影できないが、しばらくして、またあることをすると、しっかり踏ん張った姿勢に立ち戻る(写真下)。

 (E-500 ズイコーデジタルマクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

一本の柿の木 2007/08/19
 今の家に引っ越してきた当初から気に掛かる柿の木がある。

 その柿の木は、うちから歩いて2分とかからないすぐ近くにあって、道路の傍らでもあるので毎日、目にしている。特別、樹齢がどうのこうのというような特徴らしきものもない、普通の柿の木だ(写真/日の出の時刻に撮影)。

 普通の何の変哲も無い柿の木だが、日々、歩く時間帯によって、見る方角によって、天候の状況によって、その柿の木の表情が変わって見える。何故かと言えば、その柿の木はぽつんと一本だけ取り残されたように畑の中に植わっているからだ。
ぽつんと孤立していると、妙に気になるのは、そのように姿の様々な変化を感じとることができるせいだろう。

 その柿の木は、畏敬の念を抱かせるほどに樹形が立派であるとか、そういう特徴があるわけではない、と先に書いたが、まさにその普通の姿の柿の木に違いないのだ。しかし、遠く離れた場所から眺めてみたり、早朝の日の出前からそっと近くで仰いだりとかできる、そんな孤立木は、おそらく身辺にそうそうあるものではない。

 この柿の木については、これまで真剣に撮影してきたわけではなく、散歩がてらいろんな場所から眺めてきて、ときおりカメラを向けてきたに過ぎない。

 一本の孤立した柿の木は、その回りの環境を眺めながら、過去の出来事も含めて、私にいろんなことを教えてくれるのではないか、そんな期待がしてならない。

(E-330  ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 
 新開 孝

ベニイトトンボ、ふたたび 2007/08/18
 先日12日の朝、近くの水田でベニイトトンボのオスを見つけた。

 今朝、ふたたびその水田に立ち寄ってみれば、ほとんど同じ場所でベニイトトンボのオスを見る事が出来た。いくら探しても他の個体は見つからないことから、このベニイトトンボのオスは前に見たオスと同個体ではないかと思われる。

 記憶を遡ってみれば、3年前に大分県、宇佐神宮の池で、初めて本種を撮影しており、その当時の「ある記」にもオスの顔写真をアップしていた。当時の写真フォルダーを開いてみると、雄雌の連結写真も撮ってあった。

 デジタル写真に移行してから撮影する写真の数も多くなり、何をどこで撮影したか、どんどん記憶が霞んでくる。

(E-330  ズイコーデジタル50ミリマクロ)新開 孝

チャバネセセリの吸い戻し 2007/08/17(その2)
 朝一番に自分のオシッコを飲む、という健康法?があったような気がする。
 それは人間社会の話で、今日のはチャバネセセリの食事の観察。

 チャバネセセリがお尻から水滴(分泌液)を出して、それを石に垂らして、さかんに吸っていた。これを「吸い戻し行動」と呼ぶ。

 長い口吻を杖のようにあちこちに突き立てて(写真上)から、何かを探り当てたか、次にお尻を強く前方に曲げて水滴を落とす(写真下)。その水滴が石の表面に広がるやいなや、すかさずその濡れた箇所に口吻を突き立て吸汁する。

 「吸い戻し行動」は、地面や葉っぱに落ちた獣糞、鳥の糞で行なわれることが多い。まあ、乾燥してかちこちになった食料に水分を加えて、飲み易くすると考えてもいいだろう。
 今日のケースでは石ころやその周辺部に、なんらかの動物の排泄物が染み込んでいたのだろうと考えられる。その微量なる栄養源を吸い上げるためには、まずは水溶液を必要としたのだろう。

 (EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)新開 孝
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