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コガネグモの産卵 2007/07/18(その1)
 仕事部屋の西側の外壁に巣を構えたコガネグモのメスが、今朝、産卵していた。すでに卵のうは完成間近であったが、うっすらと黄色い卵の粒が見える(写真上、下)。

 このコガネグモのメスは、以前にも一度紹介したことがあるが、毎日、観察している限りでは、あまり獲物に恵まれていないようであった。巣網を掛けた場所の条件としては良くなかったのかもしれない。

 ところが、先週あたりから彼女のお腹は急激に膨らんできた。実は先週から、うちの玄関の門灯は夜中は消灯し、新たに夜間ライトを仕事部屋の西側に設置したのであった。そこでたちまち、ここへは毎晩多くの昆虫が飛来するようになったわけで、当然ながらコガネグモのメスはたらふく獲物を得ることができるようになった。

 そうした餌事情が深く関係しているかどうかはさておいて、今頃がこの南九州でのコガネグモ産卵シーズンであるらしい。
 庭に棲んでいる他のコガネグモのメスでは、すでに数日前に産卵しているものもいて、さらにもうじき産卵しそうな、お腹の大きく膨らんだメスは、他にもいるのである。

 

 写真下は地上から4メートル程の高さにあるコガネグモの円網。直径は最大のところで1メートル以上にもなる。

 (写真上、中/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/E-300 50-200ミリズーム)新開 孝

キボシアシナガバチの雄バチ 2007/07/17
 庭のケヤキにあるキボシアシナガバチの巣では、二日前から雄バチの姿が見られるようになった。

 オスは、メスに比べて触角が長く、その触角の先が少しカールしているので区別は簡単。顔つきもほっそりしている(写真上/画面右)。

 その雄バチたちは、もちろん巣の上では働きもせず、プラプラしているだけで、ときおり幼虫の吐き戻す液体を吸ったりしている。ところが、今日観察しているうちに、おそらく女王バチだろうが、その女王が急に怒り出して、雄バチの触角を噛んで引っぱり始めた(写真中/画面では翅を噛んでいる)。それはまさに凄まじい勢いで、

 「出て行け〜!!このドラ息子!」と、思わず擬人的に解釈したくなるような場面であった。

 どうやらオスを巣から追い出そうとしているようだ。そういう行動が数回ほど見られた。オスはしかし、必死?になって巣にしがみついて離れようとはしない。

 ところがしばらくして、自主的に巣から離れるオスが一匹と、女王バチに追い立てられて、あっさり飛び去ったオスが一匹いた。結局5匹いたオスは残り3匹となった。

 自主的に飛び去ったオスは、ほんの少し巣を眺めてホバリングしてから(なごり惜しそうに私には感じられた)、一気に南の方角へと消えていった。

 コアシナガバチの場合、巣上で新女王バチたちと雄バチの交尾が行なわれるが、キボシアシナガバチの場合はそうではないのだろうか?

 さて、今日の雄バチの観察は、庭であらたに見つけた巣で行なった。
 なんと、この巣も仕事部屋のすぐ近くであり、トイレや風呂の窓からもよく見える。さんざん探して、その場所も確認済みだったはずだが、、、、、。写真下はその巣を撮影中の様子。

新開 孝

今朝のクヌギ樹液 2007/07/16(その3)
 午前5時。昨日、スミナガシが来ていたクヌギ樹液を見に行ってみた。
すると先日、撮影に失敗した、オオトモエが来ていた。

 オオトモエの前翅には大きな眼玉模様があり、それを取り囲む太い白い帯が目立つ。そしてこの白帯は、まるでアオバズクの顔の輪郭を思わせるものがあり、興味深い。アオバズクは、夜活動する昆虫たちにとっては、恐ろしい捕食者である。

 オオトモエはかなり神経質だ。撮影しようとしてゆっくり体を動かしても、こちらの姿をしっかり見ているようだ。ちょっとした動作で飛び去ってしまった。

 するとその後には、クロヒカゲとヒカゲチョウたちが、ドッと押し寄せた。まさに眼玉大集合だ。

(EOSキッスデジタルN EF100ミリ 自作ディフューザー使用)


新開 孝

オオヨツスジハナカミキリ、そして初見の虫たち 2007/07/16(その2)
 宮崎の新居に来てから、初めて見る昆虫が次々と増えていく。

 とりわけカミキリムシについては、数年前にカミキリムシ図鑑の標本撮影の仕事をしたこともあって、野外で実際に目にする機会を得るたびに、嬉しくなってしまう。おお、これがムラサキアオカミキリかあ!!などと、、、(本種についてはまだ目撃のみ。しかし町内に生息する)。

 そして今朝もオオヨツスジハナカミキリを庭で初めて見た(写真上)。

 カミキリではないが、さらに驚くべきは、(写真中)のキノカワハゴロモだ(アオバハゴロモ科)。

 本種は体長10ミリはある。こんなのは初めて見たのだが、平凡社の日本動物百科「昆虫1」に、湊和雄さんの撮影された写真が載っていたので、種名がわかった。樹に止まれば隠蔽擬態も完璧だ。

 夜間ライトに集まった虫のなかで、おそらくガガンボの一種だろう、家の外壁に多数見られた。脚をぴったり体に添えて伸ばした格好は、ナナフシのようだ。それが交尾していても、藁屑のようにしか見えない(写真下)。

 
 

 新開 孝

クロセセリの口吻はどのくらい長い? 2007/07/16(その1)
 今年植えた朝顔は、花色が地味なものばかりだったが、今朝あたりから濃紺の花が開き始めた。

 で、そんな朝顔を眺めているとクロセセリがせわしくやって来た。
 クロセセリは朝顔の花に頭を突っ込んではさかんに吸蜜している。

 午後になってアサガオの花がしぼんでからも、またクロセセリが来ていた。さすがに頭を深く花の中に突っ込むことはできないが、何度も挑戦していた。そのたびに一瞬だけ見える口吻は、とても長いのだが、花がしぼんでしまっては、さすがに奥の蜜腺までには届きそうにない。

(EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)新開 孝

キボシアシナガバチの巣 2007/07/15(その3)
 昨日、台風4号は大隅半島に上陸し、我が家のある三股町のちょうど南側を通過していった。

 かなりの強風も続いたが、心配していたキボシアシナガバチの巣はなんとか持ち堪えてくれた。そして、今日は清々しい風の吹く晴天となり、どうやら梅雨明けも間近という気がする。

 長時間、巣にしがみついていたアシナガバチの娘達は、それぞれが外役に出掛けて、忙しい様子だ。ときどき巣を覗きに行っても、巣に留まっているハチの姿は2、3匹しかない。今は娘たちの数も増えて7匹以上にはなっているはずだ。新開 孝

今晩の霧島山 2007/07/15(その2)
午後7時でもずいぶんと明るい。夕食中、窓の外には山並みに沈んでいく太陽が眩しい。

 韓国岳はほとんど一日中、雲が掛かっていたが、高千穂岳はときおり姿を見せてくれていた。新開 孝

クヌギの樹液と昆虫 2007/07/15
 以前にうちの林のアカメガシワ樹液に、ヒラタクワガタをはじめ、さまざまな昆虫や他の生き物たちが集まってきたことを何回かに渡って紹介した。

 ところが2週間ほど前から、このアカメガシワの樹液は出が悪くなったのか、ほとんど昆虫たちが寄り付かなくなった。そして、それと入れ替わるようにしてアカメガシワの奥にある大きなクヌギ樹液が出始め、そこに新たな昆虫酒場がオープンしていた。

 その中でも私が嬉しかったのは、スミナガシの登場であった(写真上/カブトムシ♂、カナブンなどもいる)。ゴマダラチョウも来ていたし、ノコギリクワガタも常連客だ。

 しかし、ノコギリクワガタは、あとからやって来た、腹を空かしたでっかいカブトムシに投げ飛ばされてしまった(写真中)。

 ノコギリクワガタは投げ飛ばされて、地面に大アゴがブスリと付き刺さってしまい、なんとも格好がつかない(写真下)。

 こんなハプニングもあるから、野外観察は面白い。

 この逆立ちしたノコギリクワガタの写真を子供に見せたのだが、やはり予想通りの答えだった。

 「なんだよ、ダッセ!!」

新開 孝

台風4号とアシナガバチ 2007/07/14(その2)
 宮崎に引っ越して以来、初めて台風の到来を経験した。

 台風4号はかなりの大型台風ということで、九州各地での被害も多かったようだ(写真上/台風通過直後の霧島山方面)。
 うちではヒマワリや野菜などが次々と倒れてしまい、せっかく種から育てたのになあ、とがっかりはしたが、家屋などへの被害はまったくなかった。

 しかし、今回の台風で一番心配したのは、これまで継続観察している庭のキボシアシナガバチの巣のことであった。これが万が一強風で吹き飛ばされるようなことにもなれば、私としてはかなりの痛手となる。

 それでときおり様子を見ていたが、雨風がひどくなってから支え棒の止めヒモがはずれてしまい、巣のついている梢がひどく煽られるようになっていることに気付いた。これはイカン!ということで、ずぶ濡れになりながらも支柱の増強や支えヒモを追加したりした(写真中)。

 まず、巣のある梢の高さを無理のないところまで低くすることと、できるだけ風で揺れる幅を少なくして、他の枝で巣が叩かれることがないように工夫してみた。
 しかし、できることはそこまでだ。あとは成り行きにまかせるしかない。

 午後7時45分現在、台風は通過したがその吹き返しの西風が、まだある。楽観はできないが、巣とアシナガバチ達はなんとか無事である(写真下/午後4時ころ)。

 明日は青空を背景に彼らの元気な姿を撮影したいものだ。新開 孝

モンキアゲハの蛹とカタツムリ 2007/07/14(その1)
 台風4号が通過してから、敷地内の様子を見て回った。

 するとモンキアゲハの蛹のところにカタツムリが来ていた。カタツムリにとってモンキアゲハの蛹とは何の関係もなく、枝に生えていた苔を食べていたか、ただ単に移動する場所に過ぎなかったのかもしれない。

 しかし、今日の出来事は、すくなくともモンキアゲハ蛹が枝になり切ろうとしたことを物語っているのではないか、そう感じるのであった。

(E-330  ズイコーデジタル50ミリマクロ)
新開 孝

サツマヒメカマキリ 2007/07/13
 今朝、仕事部屋の扉を開けると目線の高さの庭木で、サツマヒメカマキリが雨宿りをしていた。

 雨に打たれていたせいだろうか?サツマヒメカマキリは少し元気が無い。
 そこで、室内撮影を少しだけして、すぐに庭木に戻した(写真上、中)。

 写真のサツマヒメカマキリはおそらくメスだと思われるが、彼女に元気が無い理由はなんとなく解る様な気がする。

 じつは4日前に、やはり庭木のニシキギの葉裏で、サツマヒメカマキリのものと思われる、卵のうを見つけている(写真下)。産下されてから、まだ日も浅い新鮮な卵のうである。

 つまりサツマヒメカマキリはすでに産卵時期に入っており、彼ら成虫のシーズンも終盤だと言える。今朝のメスもお腹がしぼんでいた。

 昨日は、トノサマバッタのメスも庭で見つけたが、もうヨレヨレで今にも倒れてしまいそうなくらい、弱っていた。

 ここ南九州では、トノサマバッタの第一化が終わろうとしており、そしてサツマヒメカマキリも、次の世代に移ろう時期となっている。それがちょうど梅雨の終盤と時期が合致しているところが興味深く感じる。

(写真上、中/EOS-5D  EF100ミリマクロ)
(写真下/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)新開 孝

『ゴキブリだもん』鈴木知之 2007/07/12(その3)
 サブタイトルには、「美しきゴキブリの世界」、とある本書は、先週、著者の鈴木知之さんからいただいた。

 というか、私が欲しい!と強引にもらったようなものだが、、、。

 まず表紙を見てから、ギャー!!となる方も多々おられるだろうが、そのギャー!!を敢てねらったのだろう。

 でも、ともかくページをめくってみよう。日本そして世界各地のゴキブリ107種の多彩なゴキブリ達が登場する。実際には世界に4000種もいるとされている、凄いヤツラなのだ。

 おそらく本書を開いて読んだ方は、ゴキブリという昆虫への狭い先入観を改めるいい機会になることだろう。

 私は本書をいただいてから、ときどき眺めて読んでは、楽しんでいるが、やはりそこに登場する様々なゴキブリたちに会いに行きたくなる。ところどころに挿入されたコラムの内容もたいへん面白い。

 本書は2005年、幻冬舎コミックス発行、定価1600円+税

新開 孝

隣の畑とキンカン 2007/07/12(その2)
 うちに一本だけあるキンカンが、数日前から開花し始めた(写真上)。

 小さなキンカンの木ではあるが、3週間程前まではナガサキアゲハとモンキアゲハの幼虫たちが、多数、この木で育った。
 あまりにもたくさんの幼虫がついていたので、そのうち丸坊主になるのでは、と少し心配したが、キンカンはその後いたって健康そうに見える。

 このキンカンの花には、これからどんな昆虫たちが訪れてくれるだろうか。

 さて、以前にも書いたことがある隣の畑は、先月末頃、あっという間にサツマイモ畑となった(写真下)。

 おじいちゃん一人で、トラクターとさまざまな機械を使って、見事に作付けが終了した。農業の機械化に今さら驚くほどのことでもないかもしれないが、あんなに広い畑をどうやって使いこなすのか、と一時は思案していた私だから、やはり新鮮な驚きがあった。

(写真上/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)
(写真下/E-300 ズイコーデジタル14-54ミリズーム)


新開 孝

ミイデラゴミムシ 2007/07/12(その1)
 うちの近所には、ミイデラゴミムシは多く生息しているようだ。

 本種はホソクビゴミムシ科に属し、その幼生期はケラの産室で育つという。つまり、ミイデラゴミムシはケラがいないと生きてはいけないのである。

 卵からふ化したミイデラゴミムシの幼虫は、自ら土中にあるケラの産室内に潜入して、ケラの卵を食べて育つという。まさに寄生生活である。

 しかし、実際に自分の目でもって、その事実を確認してみたいものだ。

(写真/EOSキッスデジタルN   EF100ミリマクロ)新開 孝
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