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謎のキノコバエ、羽化する 2007/07/05(その3)
 鹿児島県、財部町のとある渓流で見つけたキノコバエの一種。

 奇妙な幼虫、謎だらけの不思議な生活。

 その蛹が、早朝4時半ころに羽化した。

(EOS-5D  65ミリマクロ)新開 孝

昨夜のお客さん 2007/07/05(その2)
 今朝は玄関の門灯に、ノコギリクワガタのオス2、メス2、そしてミヤマカミキリ大型メス2、アオドウガネ、ドガネブイブイ、サクラコガネ、サツマコフキコガネ、コフキコガネ、ノコギリカミキリ、などなど甲虫類が多かった。ユスリカ類の大群も凄かったが、早い時間帯に一斉にいなくなっていた。

 他の顔ぶれでは、ここのところ連夜、姿を見せるサツマヒメカマキリと、今回初登場のナナフシ(写真)が目についた。

 (写真/E-330 8ミリ魚眼+ケンコー影とり)新開 孝

ムラサキツバメのメス 2007/07/05(その1)
 野外スタジオ(私の敷地内と隣接するクリ林など)でビデオ撮影の仕事をしていると、ポトリとノコギリクワガタのオスが足下に落ちて来た。

 前にも同じ場所でノコギリのオスが落ちて来たことを思い出し、クヌギの樹上を眺めてみた。おそらくは高い梢に樹液酒場があって、クワガタ同士の小競り合いがあったのだろう。

 それでなんとかその酒場を見つけてやろうと思ったのだが、まったくその様子が窺えない。と、そのとき細枝にムラサキツバメが止まっているのが見えた(写真上)。

 ムラサキシジミなら庭でもよく見るが、ムラサキツバメは初めての登場だ。ムラサキツバメの止まっている枝は地上から4メートルほどの高さだ。しかし、昨日買ったばかりの工事用パイプ脚立がある(6.5尺)。これによじ登ってなんとか撮影できた。

 ムラサキツバメは枝に口吻を伸ばして食事中の様子。アブラムシかカイガラムシでもいるのかなと思っていたが、どうやら樹液を吸っているようだった。

(EOSキッスデジタルN 100ミリマクロ)新開 孝

コガネグモのメス 2007/07/04(その3)
 朝一番に仕事部屋のカーテンを開ける。ちょうど霧島山が見える方角だが、今朝はどんより曇っていた。
 霧島山は見えないが、コガネグモが静かに獲物を待っている姿があった。

 
 我が家の家壁や植え込みには、コガネグモがたいへん多い。そのコガネグモの姿が多かったことで、ここ三股町の物件を決めるに躊躇することはないだろうと考えたことも懐かしい。

 お隣、鹿児島県の「クモ合戦」で使われるクモは、本種コガネグモと聞いている。

(EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

ミヤマカミキリの雌雄 2007/07/04(その2)
 うちの玄関の門灯は、けっこう明るいほうだろうと思っていた(写真上)。
しかし、ご近所の(200メートル以上は離れているが、、、)のお家では水銀灯の強力な照明を付けている(牛を飼っているお宅で、過去に窃盗の被害を受けて以来、セキュリティのために夜中も毎晩、敷地内を明るくしている)。
 牛舎やご自宅を拝見させてもらったが、SECOMの警備システムも凄かった!聞けば、水銀灯の灯りにいろいろと昆虫も飛来するとのこと。

 さて、夏を迎えてからうちの門灯にもけっこう虫がやって来る。本格的にナイターをやってみたい気もするが、毎朝、玄関を開けて家の外壁に貼付いた虫を眺めてみるだけでも楽しい。

 しばらく前からポツポツと飛来するようになったミヤマカミキリだが、今朝はオス1匹、メス2匹が居残っていた。触角が長くて体の大きいのほうがオス。
 顔を正面から見ると、太い触角が眼の中から生えているようにも見える。

(EOSデジタルN  シグマ50ミリマクロ)

 
新開 孝

ヨツボシテントウダマシ、ふたたび 2007/07/04(その1)
 庭の石の表面にヨツボシテントウダマシが群れていた。

 よく見れば、石の表面の苔をかじっている。もともと本種には群れる性質があるのか、冬ごしも集団で見つかる事が多い。

 昨日も紹介したばかりだが、ヨツボシテントウダマシはジメジメした環境を好むようだ。湿った落ち葉などにもたかっている。

 やがてナメクジも食事の仲間に入ってきた。

(OLYMPUS E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

キボシアシナガバチの巣 2007/07/03(その2)
 今日は土砂降りの雨となり、子供達を学校へ送り迎えした。特に午前中は激しく降り、道が川のようになっていた。

 「あの〜、近くの河川に木屑が溜まっておるのですが、どの課へ連絡すればいいでしょうか?」という、役場に掛けたらしい間違い電話をうちで受けたくらいだから、あちこちで水害が出たのかもしれない。

 それでも正午前には一旦雨も止んだので庭木を見ていると、アシナガバチの巣が見つかった。それも私の仕事場のドアを出てすぐ目の前であったから、驚いたし、自分ながらあきれてしまった。
 おそらく数週間前から営巣していたはずだが、今日まで見落としていたのだ。すでに女王とその娘達あわせて8匹が巣上に構えていた。

 しかし、アシナガバチが営巣しているケヤキの小木は、いかにも貧弱で葉っぱの繁り方も少ない。だからこそよく目立つし、撮影条件も良いのだが、なぜに気付かなかったか!?

 今日は午後からまた激しい雨が断続的に降った。これはちょうどいい撮影チャンスだ。背中がびしょ濡れになりながらも、雨に打たれるアシナガバチの巣の良いカットが撮影できた。

 どうやらうちの近辺によく見られる小型のアシナガバチは、本種キボシアシナガバチが多いようだ。これまでに6巣が見つかっている。

(EOSキッスデジタルN 100ミリマクロ)新開 孝

庭の虫、3種 2007/07/03(その1)
 雨が小降りになったときに庭を歩いてみた。いろいろと撮影のアイデアを考えるにしても、外で何かをやりながらの方がうまくいくことが多い。

 カエデの幹上で何かをしきりに舐めとっているヨツボシテントウダマシがいた(写真上)。
 ヨツボシテントウダマシはどこにでもいる普通種だが、我が家の庭でも個体数がたいへん多い。普段は地面近くを徘徊していることが多く、ワラジムシなどと一緒に見つかる。

 クロコノマチョウがアカメガシワの樹液に来ていた(写真中)。羽化したてのピカピカの夏型だ。撮影中に再び雨が降り始めた。

 サクラの小木にとどまること、ついに2ヶ月を迎えたのが、トビモンオオエダシャクの幼虫。体長は97ミリに達した。この大型シャクトリムシは5月の連休に裏の桝安森林公園で見つけたもので、うちに連れ帰ってから2回脱皮した。
 もう終令だからこの先脱皮することはないと思うが、本種の幼虫期間はきわめて長い。そして成虫になるのは、来年の早春である。新開 孝

キノコバエ科の一種の謎(その1) 2007/07/02(その1)
 先月の29日にアップした「珍虫」。再度、その写真を眺めてからこの記事を読んでいただくと、わかりやすいだろう。

 渓流の岸辺にあった倒木(写真上)で、その奇妙な昆虫に出会ったわけだが、目の前に現れたのは、糸でぶら下がった蛹、前蛹。そして糸でぶら下がった蛹に抱きついた成虫など、、、。いづれも初めて見るものばかり。

 さらには朽ち木の下側の樹皮表面には薄い粘着網が無数に張られており、そこには多数の細長い幼虫たちが奇妙な仕草をしている(写真中)。

 奇妙な仕草とは、頭部を激しく左右に振りながら、ゆっくりと移動することである。幼虫は、粘着網の表面をまるでスケートリンクを滑るかのように、機敏に移動する。彼らは粘着網に吸着できるおかげで、すみやかな移動ができることと、その生活の場から振り落とされてしまう心配も無いようだ。

  倒木の、しかも雨のかからぬ部位が、彼ら幼生期の住処となっており、これは例えば、ウスバカゲロウ(アリジゴク)のすり鉢状巣穴が、雨のかからない砂地という局所に住処を限定されるのに、よく似ている。

 さらにまだ、推測の域を出ないが、彼ら幼虫の餌が菌類に限定されるなら、この倒木、朽ち木という住空間は必須の条件でもあろう。

 今朝は、現場に到着すると、まさに交尾中のカップルに出会した(写真下)。
メスは羽化直後であり、まだ体は色付いていない。
 オスはメスの蛹に抱きついたまま、メスが羽化するのを待っていた訳だ。その蛹に抱きついている写真は29日にアップしてある。

 ということは、オスは蛹の雌雄をちゃんと見分けることができるのだろう。メスの蛹と判断できたら、早々と求婚をし嫁さんの登場を待ち受けるのである。ここへ他のオスが飛来すると、「この子はワシの嫁さんやで!!」とばかり、蛹に抱きついたまま翅を激しくはばたいて追い払うのを何度も観察している。

(撮影地/鹿児島県 財部町)

 新開 孝

キノコバエ科の一種の謎(その2) 2007/07/02(その2)
 謎の昆虫のもっとも興味深いことは、幼虫の餌が何であるかだろう。

 幼虫の頭部を激しく振る行動や機敏な行動から、捕食性なのかもしれないと思われた。実際、粘着網に引っかかった獲物を食べるというグループもいるようだ。

 しかし、今日の観察では捕食する場面は見る事が出来なかった。さらによく見ていると、激しく頭部を振る行動は、粘着網を張り巡らす行動ではないか?とも思えてきた。糸は非常に繊細であり、それで一定の面積をこしらえるには、頭部の激しい運動も必要かと感じる。
 幼虫の頭部はいかにも小さく、捕食するような大アゴの形態とは違うようだ。むしろ菌類を食べているのではないか、と思わせるふしもある、

 そこで食性を確かめるべく、倒木に生えていた菌類とともに幼虫を数匹、持ち帰ってみた。

 写真は、前蛹。このようなハンモック型の糸にぶらさがる理由はまだわからないが、幼虫時代に張り巡らした粘着網をよじった結果できたことは間違いない。新開 孝

カナブンとオオゾウムシ 2007/07/01
 今日もアシナガバチの巣を追加すべく、近くの公園に出向いてみた。
アシナガバチの巣はとことん天敵に攻めまくられ、大きなコロニーにまで到達できる確率はきわめて低い。アシナガバチの巣を恐れる人は多いが、恐いほどに大きく発達した巣は、とてもレアであることを知って欲しい。

 さて、三股町の上米公園とは、ほんの少しばかり照葉樹林を帯状に残して、それ以外は悲しくなるようなパターゴルフ場施設とサクラ公園にしてしまい、そこを取り巻くように植栽したところに遊歩道が設えてある。つまりはほとんどが人工的な植栽公園である。

 それでも、と言っておこう。このような施設もギリギリ、何らかの自然を抱え込んでいる。考えようによっては、生き物達を観察する上で、都合が良い場合も多々あるのである。植栽管理の仕方なども微妙に関係してくるが、そこそこに管理されているおかげで、多様な生物世界が意図されないうちに維持されていたりする。

 アラカシの樹液に、カナブンとオオゾウムシが来ていた(写真上/カナブン、写真中/オオゾウムシ)。

 遊歩道を上り詰めると、霧島山が見えた(写真下)。梅雨に入ってから、久しぶりのことだ。昨日まで滞在していた、鈴木さん、仲瀬さんに、この光景を見て欲しかったものだ。
新開 孝

ウスモントゲミツギリゾウムシ 2007/06/30
 本種は12年程前に、屋久島で撮影したことがある。そのときは、とても興奮したものだ。

 ところが三股町内の公園で、鈴木さんがタブノキの大きな立ち枯れ木で本種を多数、見つけられた。手元の文献では屋久島以南の分布となっており、宮崎にはいないはずなのだが、、、。

 そういえば、うちの庭でも本来なら分布しないはずの昆虫が見つかっている。真剣に取り組めば、そういう種類もどんどん増えてきそうだ。
 新開 孝

サツマコフキコガネ 2007/06/30
 先週の土曜日から1週間、うちに滞在していた鈴木知之さんと仲瀬葉子さんが、本日、東京に戻られた。

 鈴木さんは最近、コガネムシ類に熱心に取り組んでおり、宮崎の私のうちに来てからもコガネム類の撮影や観察に余念が無いという感じだった。
 それで、うちの敷地や周辺の林にサツマコフキコガネが多い事を教えてくれた。

 お二人を宮崎空港まで送ったあと、三股町内のフィールドで、サツマコフキコガネが食事中のところに出会した(写真上)。食べている葉っぱはコウゾかと思う。

 しばらく見ているうちに3匹いた他の個体が、面白い行動を見せてくれた。刺激を与えると、(例えば息を吹き掛けるなど)食事を中断して、前脚を大きく拡げ持ち上げるのである。こういう行動はカブトムシでも似た様な仕草を観察できるが、カブトムシの場合はもっと体を反り上げて。直立して前脚と中脚を同時に拡げる
(写真下。

 一見、弱々しいサツマコフキコガネが、威嚇行動をとるとは、意外な感じを強く受けた。新開 孝

アオバセセリ幼虫 2007/06/29(その2)
うちの近所のフィールドでは、アワブキとヤマビワ(写真上)の木を確認できた。近いのはヤマビワだが、アワブキも15分程度で行ける場所に生えていた。

 いずれも、スミナガシとアオバセセリの食樹だ。今日はヤマビワの若い木でアオバセセリ幼虫の巣を見つけた(写真中)。窓付きの葉っぱハウスだ。

 ときおり体を外に乗り出しては、ハウスの修繕を行なっていた(写真下)。

(写真上/E-330   8ミリ魚眼)
(写真下/E-500   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝
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