| ヒラタミミズクの羽化、その1 2008/10/11(その1) | | 先日の7日に宮崎県南部の南郷町、大島から持ち帰ったヒラタミミズクの幼虫は2匹だった。
うち一匹は、翌朝に羽化した。羽化したヒラタミミズクはメスで、本種はメスのほうがオスよりか一回り大きいことがわかった。羽化時刻は早朝6時ころと思われた。 モクタチバナの水差しに落ち着いているもう一匹の幼虫も近いうちに羽化するだろうと、いつでも撮影できる状態にして、毎日、観察してきた。何より本種の羽化兆候というものを知りたかった。そして、もちろん羽化の瞬間も見てみたい。
昨晩遅く、どうやら今朝には羽化するだろうと確信できた。ともかく油断は禁物!夜中の2時、3時、そして早朝4時、と定刻ごとに起きて、ヒラタミミズク幼虫の様子を観察した。すると、なるほど幼虫の体型、落ち着き具合などから、羽化がしだいに近づいていることがわかった。しかし、決定的な兆しはまだもう一歩先だ。
午前6時。いよいよ撮影待機に入った。三脚に据えたカメラの後ろに坐る。この段階からはもう目が離せない。ほんのちょっとした体の動き、変化も見落とさないようにファインダー越しにしっかりと観察する。
せんべい布団のように薄っぺらだった幼虫の体は、長い時間をかけてわずかに厚みを増していた。脚もふんばっているせいだろうか、体が葉表面から浮き上がっているのが、強い影でよくわかるだろう(写真上)。
羽化の脱皮は、幼虫胸部背面が盛り上がり中央表皮が縦に避けて始まる。この様子はセミの羽化などと似通っている(写真中)。 幼虫は葉に刺し込んだ口針で体を支えており、脚のふんばりはもう効かないようだ。そのせいか、おしりを抜く最後の段階で、体全体が時計方向にほぼ90度回転してしまった(写真下)。
 | |