| 庭のキンカンにはまだナガサキアゲハのでっかい終令幼虫が3匹いて、このところ毎日、様子を見ている。最初、4匹いたのだけれど、一匹は下痢をして枝にダラリと逆さの格好のまま死んでしまった。ヤママユ幼虫の大量飼育下でよく発生する、「軟化病」の症状によく似ている。
ナガサキアゲハの幼虫は、怒らせると長く反応してくれる。クロアゲハもそうだ。しかしアゲハの幼虫などは個体差が大きく、役者になるような幼虫に行き当たらないと、今日のような写真はなかなか撮りづらい。
大きく丸く膨らませた胸部に眼状紋。そしてニョロッと突き出したオレンジ色の臭角。 これはいかにもヘビの頭部に似せているように感じる。ともかく何となく気色悪いイメージがある。幼虫はこの格好をして、さらにヘビの疑似頭部を左右に揺するという演技までする。この様子を怖がる天敵とは、おそらく小鳥やサルあたりだろうか。犬やネコも少しは怯むかもしれない。うちの飼い犬のチョロは、ヘビをけっこう恐れる。しかし、幼虫のこの怒りポーズが、どういった天敵にどこまで有効であろうか?
3年前、ぼくはハシブトガラスが大きなアゲハの幼虫を食べている現場を見た事がある。カラスにとっては平気なのかもしれない。アゲハではないけど、オオスカシバのでっかい幼虫を、スズメがさんざん苦労しながらつついては引っぱり回していたこともあった。そのオオスカシバ幼虫は無紋タイプだったが、紋様のあるタイプだったらスズメも恐れただろうか?
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